仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合   作:ダイヤモンドリリー

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9338字。

なんか上手く書けなくて文字数少なめです。


Rを壊す者/人工的な覚醒

「治ったー!」

 

首からドラゴンメモリを引き抜きながら喜びの声を上げる。あれから2日経ち、やっとハザードハザードの傷が回復したのだ。

 

「ただいまー...って治ったのか戦兎!」

 

翔太郎が事務所に戻ってきた。翔太郎も少し傷を負っていたが、簡単なペット探しの依頼がきたため気分転換も兼ねて探しにいっていたのだ。やはりペット探しは天才の領域に片足を踏み入れているようで、出ていってから1時間もしない内に戻ってきた。普通にスゴイ。

 

「完璧だ。少しの痛みもない」

 

多分だが、エボルトのドラゴンメモリだから回復が早かったのだろう。普通のドラゴンメモリだったらもう少しかかっていた気がする。

 

「そうだ佐藤太郎どこ?ガレージの中?」

 

改良を頼んでいたものがあったのだ。多分ガレージにいるはず...いた。

 

「佐藤太郎ー!アレできた?」

 

作業スペースにいる佐藤太郎を見つけ、声をかける。まだ作業中みたいだ。

 

「まだ出来てないのか?」

 

「いや、頼まれたものはすでに完成している。それだ」

 

「本当だ完成してる!」

 

指差した方向に置かれていたモノを手に取る。

 

「頼んだのは俺だけど正直無理だと思ってたわ。元々の世界だと勝手に変化したものだし」

 

「お前が寝てる隙に一回ドラゴンメモリを抜いて使わせてもらったからな。簡単だった」

 

「いや何してんだよお前」

 

気づかなかった...

 

「じゃあお前今何作ってるんだ?」

 

「ロストドライバーをサイエンス用に改造してる。ハザードを使わされていた最中だったからお前は気づかなかったようだが、ワンサイドよりも少し出力が落ちてしまっていたはずだ。ワンサイドとまではいかないが、ある程度までは出せるようにする」

 

「ってかロストドライバーでサイエンスメモリ使えるんだな」

 

「まぁ、仕組みが少し違うとはいえメモリはメモリだしな。Wのメモリがクローズドラゴンに使えたのと同じだ」

 

「もし使えなかったらすぐにすり替えに気づけたのになぁ...」

 

「流石にエボルトもロストドライバーでサイエンスのメモリが使えることを確認してからすり替えたんじゃないか?」

 

「そりゃそうか...あれ?」

 

よくよく考えてみれば変だぞ?

 

「どうしてあいつがロストドライバーを持っていたんだ?お前が作ったのか?」

 

「いや、俺は作ってない。そもそも、ロストドライバーは設計図ごと組織から消えたからロストドライバーって名前になってるらしいし。設計図がなければ作れん」

 

「じゃあワンサイドってどうやって作ったの?」

 

「メモリシステムを再現しようとしたら自然と似た」

 

「すげぇなオイ」

 

まぁ地球の記憶に少しアクセスできるって前に言ってた気がするし、そういうことなのかもしれないが。

 

「設計図が紛失する前に作られたドライバーがどれだけあるのかわからないからな...どっかしらで手に入れたんだろう」

 

わかってるだけでも3つあるからな。鳴海荘吉が使ってたというもの一つに、フィリップがどこかに隠したというもので二つ。エターナルが使ってたのも含めて三つだ。エターナルの時に翔太郎が使ってたのはよくわからないが、これだけあるならまだありそうだ。

 

「なんならエボルト自身が作った可能性もありそうだな」

 

「確かに、エボルトならやりかねん」

 

悪い意味でエボルトの信頼感がエグい。

 

「それでその作業ってどれくらいで終わるの?」

 

「もうすぐ終わるから待ってろ」

 

待ってろと言われたので、作業を見ながら待つ。ロストドライバーこんなんなってるんだ...

 

「…なんかこの流れ見たことあるぞ。どうせエボルトがドーパント作って行くことになるんだろ?ドライバー完成前に!」

 

「ロストドライバーなくてもビルドドライバーがあるからいいだろ。何回も使うかわからないんだし」

 

「確かに」

 

本当に一応調整しておこうという感じなのだろう。そんなことを話していたら、ドライバーの調整が終わったようだ。

 

「ほれ」

 

「ありがとう...これ量産出来たりしないの?」

 

「する必要ないだろ。作ったとして使う人がいない」

 

「それもそうか」

 

「これで準備完了だ。あとはエボルトが動き出すのを待つだけだな」

 

「そうだな...作戦は前話した通りで問題なさそうか?」

 

「大丈夫だろう。奴がフェーズ3を通り越してすぐにブラックホール使うとかしなければな」

 

「何それ怖い」

 

「まぁ杞憂だろう。流石のエボルトもそこまではしないはずだ」

 

「一応警戒しといて損はないか...さぁ、エボルト!いつでもかかってこい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなふうに意気込んで1週間が経った。

 

「エボルト...全然動かないな」

 

「予想以上にダメージが大きくて動けないとかか?」

 

「そもそもあの時すでに倒せてたりして...」

 

「いやそんな馬鹿な...エボルトだぞ」

 

機会を窺っているのか、俺たちの集中が切れるのを待っているのか、準備を整えているのか...なかなか動かないのも逆に怖い。

 

「ドーパント騒ぎも起こってないし、警察も見つけられていないみたいだし、エボルトは何をしているんだ...?」

 

石動惣一は今、警察に指名手配されている。だから誰かが見つければ通報されているはずで、それがないということはどこかに潜伏してるってことなのだろうか。

 

「多分だが隠れて回復を待っているんだろう。どれだけのダメージを負ったかはわからないが、トランスメモリーガンを撃ち込んでも即座に回復するくらいの力はある。流石にもうそろそろ全快していてもおかしくないはずだ」

 

そんな時、事務所に鳴り響く音。いつものアラートではない。なんて事のない、普通のインターホンの音だ。

 

「依頼人か?」

 

翔太郎が扉を開けようとする。

 

「…エボルトが直接乗り込んできたかもしれない。慎重に開けろ」

 

「いや流石にそんなわけ...」

 

そんなこと言いつつもやっぱり怖いのか恐る恐る扉を開ける翔太郎。

 

「なんだよただの郵便じゃねぇか」

 

手紙のようなものをヒラヒラと揺らしながら戻ってくる翔太郎。手紙ってわざわざ手渡しするのか?ポストなかったっけこの事務所。

 

「なんの手紙だ?」

 

「…名前書いてないな」

 

「……なぁ佐藤太郎」

 

「うん」

 

「こんな時にこんな手紙出すのあいつしかいねぇよな」

 

「うん」

 

「ちょっとそれ貸してくれ翔太郎。多分俺宛だ」

 

翔太郎から手紙を受け取り、開ける。

 

「あー...やっぱり」

 

「エボルトか」

 

「この場所にWと一緒に来いだとよ」

 

「Wも指定してるのか」

 

「なんでだろうな。やられるかもしれないやつ呼ぶだなんて」

 

「さぁな、奴の考えることはよくわからん」

 

「まぁいっか。行くぞ翔太郎、作戦忘れてないよな」

 

「勿論だ」

 

俺たちはドライバーやらメモリやら、必要なものを持って指定された場所に向かった。

 

「…いなくね?」

 

「いないな」

 

着いたはいいものの、そこは誰もいない開けた山の中だった。

 

「時間指定とかなかったよな」

 

「日付間違えてるわけでもないし...なんでいないんだよアイツから呼んできたのに」

 

近くに隠れるようなところもないし、奇襲するには遠すぎる。ラビットの速さなら出来そうだけど。

 

「っとと、早いなお前ら」

 

あっ、エボルト来た。

 

「呼んだ側が遅れてどうすんだよ」

 

「いやすまんな」

 

『RABBIT』『RIDERSYSTEM』

 

ラビット!ライダーシステム!エボリューション!

 

「謝りながら戦闘態勢に入るんじゃねぇ」

 

Are you ready?

 

「変身!」

 

ラビット! ラビット! エボルラビット!

フッハッハッハッハッハッハ!

 

「フェーズ3、完了......!」

 

「やっぱラビットもあるよなぁ...行くぞ翔太郎!」

 

『HAZARD』『HAZARD』

 

マックスハザードオン!!

 

『RABBIT』『RABBIT』 『JOKER』

 

ラビット&ラビット!

 

「変身!」 「変身!」

 

紅のスピーディージャンパー!ラビットラビット!

ヤベーイ!ハエーイ!

 

サイクロン!ジョーカー!

 

「さぁエボルト、スピード勝負と行こうか」

 

エボルとビルド、お互いに高速で動きパンチがぶつかり合う。

 

「確かに速い、でもやっぱりコブラやドラゴンよりかは威力が低いな」

 

「そんなことわかってるさ。でもそんなことわかったところでどうなる?今のでお前より速いのはわかったぞ」

 

「そんな差、ハザードが有れば一瞬だ」

 

確かに今は俺が遅い。さっきの攻撃を相殺できたのが不思議なくらい、速度には大きな差がある。けれど、それはさっき俺が言ったように、時間をかければかけるほどハザードの力で速度が上がるため差はすぐに埋められるだろう。

 

俺はエボルラビットとは戦ったことがない。けれど、エボルトもラビットの状態でラビットラビットと戦ったことがない。奴の対応能力も働かない筈だ。速度さえなんとかすれば勝てる。

 

「変身したはいいが速すぎて何もできねぇ」

 

『サポートもままならないね。とりあえず自衛だけできるようにしよう』

 

エボルトはなぜかWを攻撃しようとはしない。俺としては助かるが、なんでエボルトがWをここに呼んだのか不明だ。

 

「一瞬ってのはどれくらいのことを言ってんだぁ?」

 

…おかしい、速度は上がってるはずだがなかなか追いつけない。エボルも速度が上がっていっている?

 

「遅い!遅いぞぉ!」

 

「速っ⁉︎」

 

少しずつ押され始める。おかしい、全く速度が追いつかない。それどころか、離されてきている。

 

「なんでそんなに速いんだ!」

 

『違う戦兎!君が遅くなっているんだ!』

 

フィリップの叫び声が聞こえる。俺が遅くなっている?そんな馬鹿な。

 

「くそ追いつけねぇ...!」

 

自分の周りを超高速で動き回りながらパンチを叩き込むエボル。パンチ一つ一つの威力はそこまでないものの、吹き飛ばされることもできず連続で叩き込まれるためダメージが蓄積していく。

 

なんとか蹴りを放つも当たらない。常に低い姿勢で動いているようでハイキックでは意味がない。ならばとローキックを放つも遅すぎて当たらない。確かに俺の速度が落ちているようだ。でもどうして?

 

反射神経も反応できなくなってきた。もうエボルの姿を目で追うことすらできない。やばいやばいやばい、腰が痛い集中的に一点狙いで攻撃してきやがるコイツ威力不足を数で補おうとしてきてる!

 

「終わりだ」

 

ラビット!ライダーシステム!マキシマムドライブ!

 

Ready Go!

 

エボルテックフィニッシュ!

 

赤いエネルギーがエボルの右手に集まり出す。これを避けれなかったら終わりだ。

 

『TRIGGER』

 

サイクロン!トリガー!

 

Wのフォームチェンジ音が聞こえる。

 

トリガー!マキシマムドライブ!

 

「『トリガーストームボム!』」

 

エボルの拳が俺に当たる直前、Wがエボルの足元に弾丸を撃ち込む。そしてその撃ち込まれた弾丸を起点に爆弾のように竜巻を発生させ、エボルを吹き飛ばした。

 

「た、助かった!ありがとう!」

 

『エボルの攻撃に気をつけろ戦兎!ハザードメモリを狙われている!』

 

「ハザードメモリを⁉︎」

 

なるほど合点がいった。腰あたりに攻撃が集中していたのは、マキシマムスロットに入っているハザードメモリを殴っていたからだ。それでハザードメモリの効力が弱まり、上がったはずの速度が落ちたのだ。ビルドの世界で葛城忍がハザードトリガーを狙ったように。俺たちがエボルトリガーを狙ったように。強化装置を狙って俺の戦力を落としにきたのだ。

 

「くっそ、こっちはそれできねぇってのにずるいな」

 

ハザードメモリを何回か叩く。少し失われた速度が戻ってきた。

 

「はぁ、ハザードハザード使わねぇのかお前。せっかく速度で対抗できるようにメモリ強化してたのに無駄になっちまった」

 

「だから遅れたのかお前...フルメモリバスター!」

 

『LUNA』

 

ルナ!トリガー!

 

「戦兎!これ使え!」

 

「っと、これ...なるほどね!」

 

ルナトリガーにフォームチェンジしたWからメモリを投げ渡される。

 

サイクロン!マキシマムドライブ!

 

フルメモリブレイク!

 

バスターキャノンモードに変え、マキシマムを発動する。風を纏った高速の弾丸がエボルの体を掠っていく。

 

「ついでにこれもこれもこれも!」

 

サイクロン!マキシマムドライブ!

ガトリング!マキシマムドライブ!

ジェット!マキシマムドライブ!

ドラゴン!マキシマムドライブ!

 

アルティメットマッチデース!

 

四本のメモリを装填し、マキシマムを発動する。

 

アルティメットマッチブレイク!

 

ジェットでさらに加速し、ガトリングで連射力を上げ、サイクロンとドラゴンにより風と蒼い炎をまとった弾丸が連続で射出される。その圧倒的な面制圧力でエボルの逃げ道を塞ぎ、命中させていく。

 

「…サイクロンじゃ威力が低い!追撃しないと!」

 

速さにリソースを割きすぎた。ドラゴンでは威力の底上げに足りなかった。あの弾丸の雨を喰らってもエボルは倒れなかった。でもきっともう一回何か叩き込めば倒せるはず...!

 

ラビット!ライダーシステム!マキシマムドライブ!

 

「嘘だろ間に合わ

 

Ready Go!

 

エボルテックフィニッシュ!

 

赤いエネルギーを纏ったパンチが、避けることもできず突き刺さる。腰につけていたビルドドライバーが外れ吹き飛んでいく。

 

「んぐぅっ⁉︎」

 

「せ、戦兎!」

 

トリガー!マキシマムドライブ!

 

「『トリガーフルバースト!』」

 

追撃しようとするエボルに向かって青と黄色の弾丸を放つW。それを簡単に避け、その高い機動力で俺に近づくエボル。しかし、その動きは二体のクローズドラゴンによって妨害される。

 

「チッ、仕留め損なったか」

 

「頼れる相棒たちだ。羨ましいだろ」

 

遠くに吹っ飛んでいったビルドドライバーを回収することは出来ない。だから、代わりにロストドライバーを腰につける。

 

「来い!」

 

近づいてきた、佐藤太郎が今日完成させたグレートクローズドラゴンを掴み取り、エボルトから奪ったドラゴンメモリを突き刺す。

 

覚醒!

 

『GREAT CROSS-Z DRAGON』

 

「変身!」

 

Wake up CROSS-Z! Get GREAT DRAGON! Yeahhh!

 

「グレートクローズ...だと?」

 

「お前から奪ったドラゴンで変身できる。前の世界でもあったことだ。忘れたわけじゃないよな?」

 

ビートクローザーを取り出し、構える。

 

「見切る...!」

 

エボルが勢いよく地面を蹴り、走り出す。俺の周りを縦横無尽に跳び回るエボル。普通に振っても当たらない。一瞬で決め切る!

 

「ハァッ!」

 

地面を思い切り蹴りつける。地面に大きなヒビが入り、そこから蒼炎を流し込んで俺の周囲二メートルに炎の壁を作り出す。ラビットの機動力も、狭いところでは十分に発揮できない。まずは逃げ道を塞ぐ。

 

ヒッパレー!

 

スマッシュヒット!

 

「オラァッ!」

 

体を捻り、一気に解放して回転斬りを放つ。炎の檻で避けられないエボルに見事命中し、一瞬動きの鈍ったところを蹴り飛ばす。

 

「動きさえ封じてしまえば怖くねぇんだよ!」

 

蹴り飛ばした先は森の中。蒼い炎をビートクローザーに纏いながら追いかける。

 

「森の中に追い込んだのは失敗だったな」

 

エボルは木を利用して跳びはねる。木の影を利用して奇襲し、枝を掴んで平面ではなく三次元の動きを取って翻弄する。厄介度だけで言えばさっきよりも面倒だ。

 

「そいつはどうかな」

 

背後から迫ってきていたエボルを斬り伏せる。その次は右斜め前から来たのを体をひねって避け、続け様に放ってきた蹴りをビートクローザーで受け止める。

 

「お前の動きはもう読めた!」

 

木を使った立体機動は確かに厄介だ。けれど、こちらの動き次第で攻撃の方向をある程度誘導することはできる。木を障害物にして攻撃の方向を絞り、わざと隙を見せそこを攻撃するように仕向ける。森の中は狭くて、エボルが十分な速度を出すことができないのも拍車をかけている。少しずつ、こちらの勝利へと傾きつつある。

 

「ハァアアアア!」

 

全身に力を込める。ブレイズアップモードに移行し、全身に蒼い炎が流れ出す。もう、負ける気がしない!

 

「おまっ、森の中で炎とか正気か⁉︎」

 

「短期決戦だ。行くぞエボルトォ!」

 

エボルの動きを先読みし、ビートクローザーを振るう。さっきよりも威力もスピードも上がっている。エボルを捉える回数も増えてきた。

 

「クローズドラゴン!」

 

『MAGMA』

 

マグマメモリを放り投げると、もう一体のクローズドラゴンがそれを装填し、マグマをエボルに向かって吐く。避けられるも、周囲の雑草や木に燃え移って激しく燃え上がる。

 

ヒッパレパレー!

 

ミリオンヒット!

 

居合切りの要領で一気に剣を振り、蒼い炎の刃を飛ばす。刃はエボルの足を掠り、そのまま何本か木を切断していく。当然、木は切り口から燃え上がっていく。

 

マグマ!マキシマムドライブ!スペシャルチューン!

 

クローズドラゴンからマグマメモリを返してもらい、ビートクローザーに装填する。

 

ヒッパレパレパレー!

 

メガスラッシュ!

 

刀身に蒼炎とマグマが纏わりつく。そこから放たれる熱量だけで、周囲の草が焼け焦げていく。

 

「ハァッッ!」

 

どんどん身動きが取れなくなっているエボルに斬りかかる。なんとか両腕をクロスさせて防御をするも、ラビットの装甲では耐え切ることが出来ずそのまま斬られる。

 

「もうお前はここから逃げられない。さっきのよりももっとデカい、炎の檻だ!」

 

周囲は既に炎に包まれ、切られて倒れた燃える木々。即席の炎の檻は、エボルの機動力を徹底的に削ぎ落としていた。

 

「これで終わりだエボルト!」

 

ドラゴン!マキシマムドライブ!

 

ビートクローザーを放り投げ、ドラゴンメモリをロストドライバーから引き抜きマキシマムスロットに装填する。蒼い炎が右足に集中し出す。

 

ラビット!ライダーシステム!マキシマムドライブ!

 

エボルも対抗するためにマキシマムを発動する。先の攻撃を受けた時にダメージを負った腕ではなく、足に赤いエネルギーが集まり出す。

 

Ready Go!

 

グレートドラゴニックフィニッシュ!

 

エボルテックフィニッシュ!

 

蒼と赤のエネルギーを纏ったライダーキックがぶつかり合う。お互いの強い感情により爆発的な威力を出した蹴りは、反発しあい二人を吹き飛ばした。

 

「ぐっ!」

 

若干だがエボルの方が強かった。ダメージだけで見れば俺の方が重症だ。

 

「勝負あったな」

 

「…それは...どうかな」

 

「なに...?」

 

その時、エボルの変身が突如として解除される。

 

「なんで変身が⁉︎」

 

「ラビットメモリはメモリブレイクできる。同じようにメモリブレイクできるドラゴンメモリを利用させてもらった」

 

その瞬間、エボルドライバーに挿さっていたラビットメモリがバラバラに砕け散る。それと同時に、俺のロストドライバーの中のドラゴンメモリも破壊され、変身が解ける。

 

「相打ちだが、これでお前はフェーズ2も3も使えない。この場じゃ俺の勝ちだ」

 

『SYOBOSYA』

 

クローズドラゴンをドライバーから外し、消防車のメモリを入れる。

 

「熱い」

 

今、山火事中である。変身中ならこの程度の熱、なんの問題もないのだが今は生身。めっちゃ熱くて今にも焼け死にそうなので、消防車メモリを入れたクローズドラゴンに辺りに水を撒かせる。口から水を吐いてる姿は少し面白いが、効果は絶大で辺りの炎はほぼほぼ消えていった。

 

「さぁお前はどうする?ここで大人しく捕まるか、無様に逃げるか。決めさせてやるよ」

 

「…まぁ目的は達成したし逃げてもいいんだけどよぉ...」

 

「…目的?」

 

「負けっぱなしは嫌だよなぁ?」

 

エボルトがメモリを取り出す。

 

『BLACK HOLE』

 

エボルトはメモリを起動し、マキシマムスロットに装填する。

 

オーバー・ザ・エボリューション!

 

「やっぱ持ってるよなぁ...作戦通りに行くぞ翔太郎!」

 

遠くにいるWに呼びかける。

 

「作戦だぁ?何をするつもりだ?」

 

「ちょーっと待っててな」

 

ゆっくり、そろりそろりと後退り、エボルトが困惑して首を軽く傾げながらも懐からメモリを取り出そうとした瞬間、一気に後ろに向かって走る。

 

「…え?」

 

吹き飛ばされていって地面に落ちていたビルドドライバーを回収し、マシンビルダーに乗って一気にアクセルを捻る。

 

トリガー!マキシマムドライブ!

 

「『トリガーフルバースト!』」

 

Wはエボルトのいるであろうところにマキシマムを放ってからバイクに飛び乗る。そして俺の後を走り出す。

 

作戦は簡単。エボルトがブラックホールのメモリを持っていることを確認したらすぐさま逃げることだ。

 

「追ってきてはない...か」

 

まぁWがマキシマム撃ち込んだしわざわざ追いかけてはこないか。

 

「それにしてもエボルトが言ってた目的ってなんだったんだ...?」

 

「さぁな。とりあえず事務所戻るか」

 

翔太郎が変身を解除してダブルドライバーを取り外す。それを服の内側の専用のホルダーにしまい込み、またバイクを走らせようとしたその時だった。

 

「翔太郎、スタッグフォン鳴ってるぞ?」

 

「お?おお本当だ」

 

「フィリップか?どうしたんだいったい」

 

『今すぐ変身だ!事務所が襲われてる!』

 

「なんだって⁉︎」

 

翔太郎は急いでダブルドライバーを取り出して腰につける。

 

「とりあえず翔太郎はどっか座って変身しとけ!俺はすぐに事務所に戻る!」

 

「あ、ああ!」

 

『JOKER』

 

「変身!」

 

ジョーカーのメモリが挿さったと同時に転送され、意識を失う翔太郎。俺も早く行かなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バイクを全速力で走らせ、事務所の下に着く。そこにいたのはなぜか地面に横たわっている複数の男女。

 

「なんなんだこいつら...っとと。急がないと」

 

一段飛ばしで階段を登り、事務所の扉を開ける。

 

「これは...いったい...?」

 

荒らされた室内と、横たわっている人たち。何がなんだか全くわからない。

 

「ドアが...ガレージはどうなった?」

 

今気づいたが、ガレージへと続く隠し扉が壊されていた。壊れた入り口を通り、ガレージの中に入ると、案の定荒らされていた。そして角の方にファングジョーカーと亜樹子がいた。

 

「どうなってんだこれ。襲われたのか?」

 

「コブラドーパントだ...」

 

「コブラが?」

 

「同じようなドーパントがね、大量に入ってきちゃって。フィリップ君が起きて変身してくれたから私は助かったけど...」

 

「あいつの言ってた目的ってこれのことだったのか...」

 

「佐藤太郎が連れ去られた」

 

「…へ?」

 

「コブラドーパントはエボルトに操られているようだった。事務所を荒らし、ガレージの中に押し入って佐藤太郎を誘拐していった」

 

「マジかよ...」

 

エボルトがWを呼んだ理由。それは、戦える者を事務所から排除するためだった。

 

「でも今更なんで誘拐なんか...何が目的なんだ」

 

「わからない。始末するためなのか、それとも、これが目的なのか」

 

Wが取り出したのは、バットのロストメモリ。

 

「誘拐される直前、佐藤太郎がドーパントの一体に突き刺したんだ。それでエボルトの支配下から逃れ、暴れ出したドーパントを倒して回収した」

 

「なるほど、これが目的なら確かに誘拐の動機にはなるだろう。そしてロストメモリの回収に失敗したと気づいたエボルトは...」

 

「とりあえず、翔太郎が戻ってくるまで待とう。話はそこからにしようじゃないか」

 

変身を解くフィリップ。

 

しばらくして、翔太郎が戻ってきた。

 

「戦兎、扉の下にこれが挟まっていた。多分だが...」

 

「多分、そうだろう。誘拐した奴のすることは一つだ」

 

予想通りだ。中にはとある場所に丸のついた一枚の地図と、要求の書いた紙。

 

要求はただ一つ。

 

ロストメモリを持って、明日正午にやってこい。

 

それだけだった。




この作品考えた時クローズ出さないつもりだったと思うと結構な活躍してると思う。

実際ラビットラビットとエボルラビットが戦ったらどっちが勝つんだろうか。
まぁエボルか。
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