仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合 作:ダイヤモンドリリー
原作2話と同じような感じです。
「あたし聞いてない!」
鳴海亜樹子が騒ぎ出す。ちょっとうるさいな。この町に来たからにはそんな覚悟はとっくに持ってないといけないというのに。
「あんたたち、一体何がどうなっちゃってるの!あの車とか、半分こ怪人は何!」
「半分こ怪人はねぇだろ。あれは、Wだ」
半分こ怪人とは言い得て妙だな。面白いことを言う。
「それともう1人の怪人は何!」
「怪人とは風情がないなぁ言うならもっと面白く言ってくれよ。ビルドだよビルド。『作る』『形成する』って意味のビルドだ」
「じゃあそのWとビルドについて、事務所の大家様に説明プリーズ!」
権利書を突き出しながら言う。
「ちょい待ち」
翔太郎がラジオの音量を上げた。戸川陽介の死体が発見されたようだった。
「別のガイアメモリを持った共犯者の口封じ...か」
翔太郎が調査に出ている間、俺はとある武器の開発に戻っていた。けれど、その手は止まってしまっていた。
「戦兎、どうしてタンクメモリが使えなかったのかわからないのかい?」
見かねたフィリップが話しかけてきた。
「ああ、まだわからない。だけどもう少しで思い出せそうな気がするんだよなぁ。あとちょっとのところで引っ掛かっているというか。ああでも思い出したことがあるぞ」
「思い出したこと?なんだいそれは」
「どうしてマグマドーパントがメモリブレイクできなかったのかについてだ」
「君の思い出したことを当ててみようか。そもそも君のドライバーにはメモリブレイクをする機能が備わっていない。そうだね?」
「よくわかったなフィリップ。サイエンスメモリはメモリブレイクすることがない。ということは対サイエンスドーパント用のこのドライバーにメモリブレイクの機能をつける必要がなかったんだ。メモリの排出ぐらいはできるかもしれないけど壊すことができないらしい」
今回思い出したことはそんな感じだった。それにしてもこの記憶はなんなのだろう。いまいち自分のものだという実感が湧かない。不思議な感じがあった。
「サイエンスドーパントは君に任せるとしよう。だけど、普通のドーパントと戦う時は君の役目はない。実験や開発に勤しんでくれ」
「と言われてもなぁ、あ、翔太郎が戻ってきた」
翔太郎がガレージの中に入ってくる。調査が終わったみたいだ。
「フィリップ、地球の本棚に入ってくれ」
その言葉を聞いたフィリップは無言で地球の本棚に入っていく。…そのポーズって絶対しないといけないことなんだろうか。少し興味が湧いてくる。地球の本棚に自分も入ってみたくなった。
「ねぇ、ずっと気になってたんだけど、本棚ってなんのこと?」
鳴海亜樹子が翔太郎に聞く。まぁそりゃ気になるだろうな。俺もそうだったし。
「こいつの頭の中には地球の全てと言っていいぐらいの知識が詰まってんだ。ドーパントの情報も、その中に潜んでいる」
「当たり前のことも知らなかったりするよね?」
「ティーレックス」
「莫大な知識を抱えてはいるが、フィリップはその全てを読み終わったわけではないのさ」
「ふ〜ん」
そんな反応なのかもっと興味は湧かないのかな。
「検索を始めよう。検索項目は戸川を殺した犯人の名前。キーワードを」
「一つ目はWIND SCALE。二つ目は羽根」
「次は?」
翔太郎が言い淀むようなそぶりを見せる。何か掴んでいるのか?
「何か掴んでるね?翔太郎」
「最後は...女だ」
その言い方、まるでもうすでに犯人がわかっているかのようだった。答え合わせをしているだけなのだろうか。
「ビンゴだ。ティーレックスのメモリに体質が合い、そのキーワードに関連する人物は1人しかいない」
「そんな...」
MARINA TSUMURA
「まりなって...もしかしてあの依頼主さん?」
「真里奈もかつて、WIND SCALEのデザイナーだったんだ。あの会社を恨んでいたのは、戸川だけじゃなかった。最初のビル破壊事件は戸川と真里奈の共犯だった。だがその後、戸川はマグマの力に飲まれて暴走し始めた」
確かにマグマの力に飲まれていたな。あまりうまく扱えているわけではなかったようだが。
「だから麻里奈はやつを俺に探させて...始末した」
翔太郎が無言で歩き出す。
「この先の展開を言い当てようか、翔太郎」
フィリップの声に翔太郎の足が止まる。
「君は甘い考えを実行しようとして、悪意に満ちた犯人に殺されかかる。彼女はもうティーレックスの力に飲まれている。君を食い始めるかもしれないよ」
「それでも俺は、信じたい」
「彼女を始末するしかない」
「…やっぱお前とは意見あわねぇな「おかしいな。情に流されることなく行動する鉄の男。それが君の大好きなハードボイルドでしょ。やっぱり、ほんとの君は煮え切らない半熟卵なんだね」
「お、おいフィリップ、そこまでに...」
「言うなれば、ハーフボイルド」
翔太郎が勢いよく歩き出すと、そのままフィリップを殴り飛ばした。
「ちょっと!何すんのよ!」
「翔太郎も流石にそこまでは...ラブアンドピースだぞラブアンドピース!」
「…お前の力は借りない」
翔太郎がジョーカー、メタル、トリガーのメモリを机に叩きつけるように置くと、そのまま歩き去ってしまった。
「どうすんのよ1人じゃ変身できないんでしょ?あっ!あなたが行けばいいんじゃ」
「俺にはやつを止めることはできない。メモリブレイクをすることができない以上俺がTレックスの戦いでできることはほとんどない」
「じゃあどうすんのよ!」
「1人で行ったってことは何か策があるんだろう。でも翔太郎だけじゃやつを止められない。フィリップに任せる。準備ができたなら呼んでくれ。俺は仕上げにかかる」
俺は作業に戻った。あと少しで完成するのだ。ビルドの初めての武器、ドリルクラッシャー(名称仮)が。
「何よ2人揃って閉じこもっちゃって!私行ってくる!」
そう言い残して、鳴海亜樹子は慌ただしく飛び出していった。
俺はリボルギャリーにフィリップと乗っていた。もう少しで完成だったのに、もうちょっと遅らせてもよかったじゃないか。
「いた!ティーレックスのドーパントだこのまま突っ込むぞ!」
リボルギャリーで翔太郎に降りかかる瓦礫を弾きながら、ドーパントに突っ込む。そして俺とフィリップは外へと飛び出した。
「フィリップくん、戦兎さん!」
「なんだよ、今頃」
帽子を外しながら翔太郎が言う。一瞬嬉しそうな顔したの俺は見逃さなかったからな。
「散々考えたんだけど、どうしても答えが見つからなかった。僕はなぜ殴られたんだい?」
フィリップは翔太郎に手を差し伸べながらそう言った。マジかよこいつ本当にわかってないのかよ。あ、その手を翔太郎が握り返した。
「半分力貸せよ、相棒」
フィリップが3つのメモリを翔太郎に返す。さぁ変身だ。
「何だお前ら」
「僕たちは2人で1人の探偵さ」
「行くぜフィリップ、戦兎」
『CYCLONE』『JOKER』 『RABBIT』
「変身」
それぞれメモリをセットしていき、展開する。
サイクロン!ジョーカー! ラビット!
風と共に俺たちは変身を終える。
「は!2人が半分こ怪人に!あっちも怪人に!」
「さぁ、お前の罪を数えろ」
『さぁ、お前の罪を数えろ」
「さぁ、実験を始めようか」
ティーレックスのドーパントがこちらに向かって走ってくる。
『僕の体、頼むよ』
「え⁉︎そんなのあたし聞いてない!」
Wと俺は互いにドーパントに向かって蹴りを放つ。サイクロンジョーカーも、ラビットも蹴り主体だ。何度も何度も叩き込んでいく。
「なんであたし...キャー!ねぇちょっと!」
「おい!早く逃げろよ!」
その時、ドーパントが咆哮による衝撃波で攻撃をしてきた。それによって壁まで吹き飛ばされてしまう。
「おいなんだよあれ!」
先ほどの衝撃波で生じた瓦礫がドーパントに集まりだし、大きな恐竜の姿を構築していく。
「マジかよほんとに恐竜みたいだな...っ!危ない!」
瓦礫が飛んでくる。それを俺は横に飛ぶことで回避するが、Wは蹴りで瓦礫を破壊した。ドーパントはそれによって生まれた隙を見逃すことなく、Wに噛み付いた。そのまま走り出していってしまう。
「パトカー?まずいあの中には2人が!」
さっきパトカーの中に鳴海亜樹子が気を失っているフィリップを連れて入っていくのを見た。あのままじゃ巻き込まれてしまう。俺はラビットの速さを使って急いで後を追いかけた。
俺は道路を走っていた。こういう時にバイクが欲しくなるけど今ないものをねだってもしょうがない。
(瓦礫が多すぎる。ドーパントデカすぎて色々巻き込んでやがるのか)
この瓦礫を追っていけばいずれドーパントやWたちの元へとたどり着けるだろう。
「見つけた!」
俺が追いついた時、Wが気を失っているフィリップをリボルギャリーへと投げ込んでいるところだった。危なすぎるでしょ。
「よっと!」
パトカーの屋根の上に乗る。あとはこの引っ掛かってるワイヤーを切るだけだ。
『HARINEZUMI』
「ビルドアップ」
ハリネズミ!
「この力なら...とりゃ!」
ハリネズミフォームへと変身を終えた俺はワイヤーに向かって針を一気に射出した。見事、引っ掛かっているワイヤーを切断することができた。その瞬間、ドーパントはビルを駆け上がる。もう少し遅れていたらそのまま引き摺られていただろう。危なかった。
「高いところなら、ラビットの跳躍力で!」
『RABBIT』
俺がラビットフォームへと変えている最中、Wはハードボイルダーの後部を取り替え、ハードタービュラーへと変形を終えていた。それで空を飛ぶつもりなんだろう。
「まずは屋上まで...ハッ!」
Wがハードタービュラーでドーパントを追う中、俺は一気に跳躍して屋上へと降り立つ。そのまま蹴りを叩き込んでやった。
「やっぱり普通のドーパントには俺の攻撃はあまり効かないか」
サイエンス製なら簡単に倒せるというのに。少しもどかしい。やっぱり本職に頼るしかないのか。
「ハッ!フッ!オラッ!」
Wはうまくドーパントの攻撃を避けながら、主翼に取り付けられたエナジーバルカンで攻撃を重ねる。
『METAL』
ジョーカーのメモリを抜き、メタルと取り替えた。
ヒート!メタル!
メタルシャフトが現れ、それを使い飛ばされてくる瓦礫を弾いていく。
『もうメモリブレイクしかない』
「ああ、わかってる!」
メタル!マキシマムドライブ!
メタルシャフトにメタルメモリをセットする。
「メタルブランディング!」
『メタルブランディング!』
Wがマキシマムドライブを放つ。けれど、その攻撃が当たることはなかった。
「なに⁉︎」
ドーパントが集まっていた瓦礫を一気に開放し、その大きさが変わったため当てることができなかったのだ。
『はぁ、はぁ、貴方達、強いのね...こうなったら...あの人のメモリで...!』
もとの恐竜の頭に手足が生えたような姿に戻ったドーパントは一つのものを取り出した。
『MAGMA』
「な、なんだって⁉︎」
「マグマだと⁉︎」
マグマのメモリを起動したドーパントは、首筋らしき部分にメモリを突き刺すとその姿を変えていく。もとの恐竜の姿が、一度ドロドロに溶けてまた固まっていく。まさにマグマの恐竜といった姿であった。
『戸川のマグマメモリは確かに破壊したはずだ...まさか!』
「あれはサイエンス製のメモリだ!戸川は二つのマグマメモリを持っていたんだ!」
ドーパントは再度大きな恐竜へと姿を変えた。今度は自ら生み出したマグマによってその姿を形作っていた。
「サイエンスメモリなら俺が!...ぐっ⁉︎」
溶岩を纏った尻尾で吹き飛ばされてしまった。その拍子にドライバーが飛ばされていき、ビルの屋上から落ちていってしまった。
(なんとかラビットメモリだけは落ちる前に回収することができたけれど、どうすれば奴に対抗することができるんだ。二つのメモリを合わせるだなんて...二つ?ぐっ⁉︎)
突如頭が痛み出す。おかしい。頭なんて打ってないはずなのに割れるように痛い......ちょっと待て、この記憶は...まさか。
「なるほど。そうすればよかったんだな。これがタンクメモリの使い道か」
「おい戦兎!何してやがる!変身できないなら早く逃げろ!」
Wが俺たちを守るためにドーパントの攻撃を捌いていく。けれど、ただでさえ強かったティーレックスに加えて、サイエンスのマグマまで合わさったドーパントの攻撃に少しずつ押されてしまっているようだ。
「大丈夫だよ翔太郎。俺にはこいつがある」
俺は腰にもう一つのドライバーを取り付けた。ビルドドライバーという名前と一人で使うという情報しかなかったドライバーだ。
『それは...まさか記憶を取り戻したのかい?』
「ちょっとだけな。これならそいつも倒せる!」
先程拾ったラビットメモリを左手に持ち、懐からタンクメモリを取り出し右手で持つ。
『RABBIT』『TANK』
それぞれラビットメモリは右サイドに、タンクメモリは左サイドにセットする。そしてそのままドライバーを展開した。
ラビット!タンク!ベストマッチ!
「変身!」
鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!
「うわっ⁉︎なんだよこの音。まぁいいか。二つのメモリには二つのメモリだ」
ラビットタンクフォームへと変身を終えた俺はそのまま駆け出す。
「オラァ!」
右足のホップスプリンガーで大きく跳躍すると、左足でキックを放つ。直撃する瞬間、左足のタンクローラーシューズの裏についているキャタピラが高速回転して、ドーパントを包んでいるマグマをこそぎ落としていく。
「さっさとマキシマムで決めちまうか」
俺はビルドドライバーからメモリを抜き出し、腰の両側に一つずつついているマキシマムスロットにメモリをセットしていく。
ラビット!タンク!マキシマムドライブ!
「ツインマキシマムだと⁉︎危険だやめろ!」
「大丈夫、これがデフォルトだ!」
マキシマムスロットを叩きつけるように起動する。
「勝利の法則は...決まった!!」
ボルテックフィニッシュ!
ラビット側の足で大きく跳躍する。その瞬間、グラフ型の標的固定装置を展開され、x軸でスマッシュを拘束する。
「ハァッ!」
グラフ上を滑って加速しながら左足でキックを放ち、キャタピラによって一気にドーパントを削り取った。
「メモリは取れた!あとは頼む!」
マグマメモリが排出され、もとのティーレックスドーパントへと戻る。
『了解だ。今のやつならマキシマムもいらない』
Wが弱ってるドーパントにメタルシャフトを叩きつけると、ティーレックスメモリが排出され壊れた。
「麻里奈は警察、陽介は二度と帰らない。それがこの町、風都の現実だ。だが、たとえそれが現実だとしても、必ず変えてみせる。きっとこの俺が」
「そこは、俺たちとか複数形であるべきだよね」
「そうだぞ俺のことも忘れるんじゃない」
「わかったよ。俺たちが」
タイプライターで翔太郎が報告書を書いていた...よく見たらこれローマ字じゃん。
「お待たせー待った?」
「誰も待ってねぇよ」
「喜びなさい3人とも。ジャーン!」
これは...看板?
「ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!ってお前が所長⁉︎」
「すごい、超計算外」
「最悪だ」
「さぁ、これからも私たち4人であらゆる事件をハーフボイルドに解決しちゃうわよー!」
「ハーフじゃねぇよ!ハードボイルドだ!ハードボイルド!!」
「おい石動。どうしてマグマメモリを渡したんだ。あれはまだ早すぎる」
「いいだろ別に。どうせ無機物メモリなんだからベストマッチじゃなきゃ変身には使えねぇんだし」
「それもそうだが...今後勝手な真似はやめてもらおうか」
「ああそんな髪を掻きむしるんじゃない。わかったよ俺が悪かった」
「はぁ...これを持ってけ」
「お、完成したのか」
「あと、次はライオンのドーパントを生み出せ」
「りょーかい。それじゃあな、チャオ」
Gaiamemory to saiensu memory wa heiyou dekiru youda.
Kougo hutatsu no memory wo tsukau "DO-PANTO" ga arawareru kamo shirenai.
ラビットタンクは本来の姿じゃなくてWみたいに右半身と左半身に完全に分かれてる感じです。
ちなみに3話からは原作見ながら書けないのでちょっと本来のストーリーやセリフからずれると思います。
まぁ、クロスしてる時点で少し原作からずれてるのでいいよね。
あと、ミュージアム製のメモリとサイエンス製のメモリは併用できます。今後も出てくるかも。