仮面ライダーW Bの天才/メモリの適合 作:ダイヤモンドリリー
原作3、4話です。
「完成だ!」
俺はガレージの中一人で作業を続けていた。バイクを自作していたのだ。構造に悩んだ部分もあったが無事に完成した。
「翔太郎!見てくれ!完成したんだすっごいでしょ!」
「あー戦兎黙ってろ。依頼人が来てんだ」
おお珍しい。最近くる依頼はペット探しばっかだったからな。所長が変わってからというもの、翔太郎のイライラはどんどん溜まっていっていた。
「どんな依頼?」
「なんか、ミリオンコロッセオっていうカジノに通うようになった娘さんを救ってほしいんだって」
「へー。まぁ俺が関わることじゃないな」
「なによ、あんたも手伝ったらどうなの?」
「俺はあくまでメカニックだ。探偵業は俺にはできない」
正直ただの事件だったら翔太郎とフィリップがいれば解決できるだろう。ドーパントが出たとしてもサイエンス製じゃなければ俺は役に立てないしな。
「じゃあ俺は尾行に行ってくる。戦兎はどうする?」
「俺がついて行っても何もできないしな。適当にぶらぶらしてサイエンスのドーパントがいないか見て回るよ」
「そうか、それじゃあ行ってくる」
依頼人との話を終えて依頼人が帰った後、翔太郎が尾行をするために出かけていった。あっ亜樹子がついていくように出ていった。絶対邪魔するなあいつ。
「俺もそろそろ行こうかな」
「わざわざ歩いていくのかい?」
「ん?ああ問題ない。アシならちゃんと用意してある」
俺は一つのスマホを取り出した。
「それは...スマホかい?自分で作ったのか」
「ただのスマホじゃあない。これにライオンメモリを挿すと...ほれ」
『LION』
ビルドチェンジ!
スマホ、ビルドフォンにライオンメモリを挿すと、マシンビルダーへと変形した。
「おお、興味深い。メモリの効果でエネルギーや動力を補っているのか。実に面白い」
「すごいでしょ?最高でしょ?天才でしょ?それじゃあ行ってくる」
「ちょっと待ちたまえ」
「ああそうだったそうだった。ヘルメットつけないとな」
フロント部分にあるスイッチを押してヘルメットを取り出してつける。
「そうじゃない。ここでそれを走らせる気かい?」
まだ事務所の中なのを忘れていた。一旦マシンビルダーをビルドフォンに戻して外に出て、再度展開してマシンビルダーを走らせた。試運転開始だ。
(だいぶ走ったな。燃料もいらないしやっぱり俺の発明品は最高だな)
楽しくてずいぶん時間をかけて走ってしまった。当初のドーパントを探すという目的も忘れてしまっていた。
(そろそろ戻るか...ん?あれはWじゃないか。それと一緒にいるのはドーパントか?サイエンス製じゃないけどとりあえず絡んどくか)
ドーパントに向かってマシンビルダーでそのまま突っ込んだ。
『ぐわあっ!な、なんだ一体!』
「よう翔太郎。今どういう状況?」
「そいつはマネードーパント。ミリオンコロッセオのドーパントだ」
「なるほど。じゃあ一応俺も変身しておこうか」
腰にワンサイドライバーをつける。
『RABBIT』
「変身!」
ラビット!
とりあえずビルドラビットフォームに変身しておく。
『そいつもお前の仲間か!おいお前ら!俺を倒すのはやめておいた方がいいぞぉ』
マネードーパントは腹から一枚のコインを取り出した。
『このコイン1枚1枚に客の生命力が入っている。俺を殺したらこいつらも一緒に死ぬぞ』
「人質かよ...どうしてそんなことしてんだ!」
『おいおいこれは合意の上なんだぜ。ミリオンコロッセオでは、お金の尽きたものは自らの生命を賭けるのがルールなんだ。負けたのが悪い』
「そんなことしてでも賭け事がしたいのか?」
『彼らは全てを捨てても勝負がしたいのだよ。仕事も、我が家も、家族さえも』
『か、家族...!』
「お、おいどうしたんだフィリップ!」
傍目から見てもわかるくらいにフィリップが動揺してしまっていた。今こんな隙を晒すのはまずい!
「へ!隙あり!」
「危ない!」
マネードーパントが硬貨型のエネルギー弾を放ってきた。動けないWの壁になるように間に滑り込むが、ラビットの薄い装甲では耐え切ることができず一緒に吹き飛ばされてしまった。俺もWも変身解除してしまう。
「くっ逃げられたか」
「おいフィリップ!大丈夫かよおい!」
翔太郎がフィリップにドライバーを通して叫ぶも、返答はなさそうだ。家族という言葉に反応したのだろうか。今後それでやられることがなければいいのだが。
「フィリップ、記憶がないからってあんまり気にすんな。いずれ思い出せる時がくるって」
「君に何がわかるって言うんだ」
「いや俺記憶喪失なんだけど...」
「そうだぞフィリップ。自分一人で抱え込んじゃダメだ。俺たちは2人で1人だろ?完璧な人間なんて一人もいない。互いに支えあって生きていくのが人生ってゲームさ」
またキザなことを言ってやがる。それでも、今のフィリップには届いていなかった。そんなとき、翔太郎の持つスタッグフォンに連絡が入る。
「なんだ亜樹子」
『今ミリオンコロッセオの中に潜入中』
「テメェ何一人でやってやがるんだ!」
一人で突っ込んでいくだなんてすごい行動力だ。見習いたくない。
『今映像送るね』
亜樹子がミリオンコロッセオ内の映像を送ってくる。その映像の中にはあの依頼人の娘である優子が映っていた。
「あの支配人がさっきのドーパントなんだっけ。あいつイカサマしているな。あれじゃあ絶対に勝てない」
案の定優子は負けてしまい、マネードーパントに変身した加賀にライフエナジーが奪われてしまった。
「あの野郎!」
「なるほどあのコインのようなもので生命力を吸い取っているのか。あれさえ奪って仕舞えばメモリブレイクしてもいいんだな」
とりあえず亜樹子に場所を教えてもらってからこっそり乗り込んで倒すとしよう。
『あんたなんかうちの翔太郎とフィリップくんが簡単に倒しちゃうんだから!』
…前言撤回。こっそり乗り込むことが不可能になった。というか俺のこと忘れてないかあいつ。
「行くしかないか」
俺たちはそれぞれバイクに乗ってミリオンコロッセオへと向かっていく。
「あともう少しで着く...うわあぶな!」
突然道路上に1人の男が飛び出してきた。慌ててバイクを止める。
「急に飛び出して来んなよ危ないなぁ」
『GORILLA』『DIAMOND』
男は無言で二つのメモリを取り出し、自分の首筋に突き刺した。
「…なるほど。2人は先に行ってくれ。後から追いつく」
「わかった。気をつけろよ」
翔太郎とフィリップが走り去っていく。
「お前も二つのメモリを使えるのか。んーこっちは一つでいこうか」
ワンサイドライバーを腰につける。
『RABBIT』
「変身!」
ラビット!
ビルドラビットフォームに変身した俺は一気にドーパントに近づき、蹴りかかった。
「うわ硬!さすがはダイヤモンドだな。わわっと危ない」
ドーパントは巨大な右腕を振り回し攻撃してきた。こっちはゴリラの要素だろうか。
「あまり近づかない方がいいな。こいつを使うか」
ドリルクラッシャーを取り出し、ガンフォームに変えて撃つ。けれど、撃ち込んだ弾丸はドーパントの肩のダイヤモンドから展開した光の防壁によって反射されてしまった。
「エネルギー攻撃は反射されてしまうか。けど近づいてもあの攻撃の餌食になるだけか」
下手に近づいたらあの拳で殴られてしまう。うまくつかず離れずの距離で威力のある攻撃をすることができないだろうか。
「そうだあのメモリを使えば!」
俺はマシンビルダーのもとへと向かい、ライオンメモリを取り出す。
『LION』
「ビルドアップ」
ライオン!
ライオンフォームに変えた俺は、牽制として右腕のゴルドライオガントレットでエネルギー弾を放つ。当然反射されてしまうが、その隙に一気に近づきながら尻尾の鞭を取り出して何度も叩きつける。
「鈍いお前にこいつは効くだろ?」
ヒットアンドアウェイで攻撃を重ねる。ライオンメモリの効果で反応速度が上がっているため、攻撃をひらりとかわしてそのまま反撃をする。でも、流石にダイヤモンドの装甲は硬く、あまり大きなダメージにはなっていなさそうだった。
「んー思ったよりも威力が出ないな。こっちの方が効くか?」
ドリルクラッシャーをブレードフォームに変え、ドーパントに突き刺す。今度の攻撃は結構効いているようだ。
「なるほど、ダイヤモンドは切断などには強いけど靭性が低いから点の攻撃、砕くような攻撃には弱いんだったな」
ライオンの速さで上手く攻撃を重ねていく。切るのではなく、突くように攻撃をしていく。少しずつドーパントのダイヤモンド部分が劈開していく。
「そろそろマキシマムいっちゃうか?やべ油断した!」
一瞬マキシマムを使うか考えた瞬間にドーパントのパンチを喰らってしまった。大きく吹き飛ばされてしまう。
「ぐっ!イッテェなおい。マキシマムで終わらせてやる!」
ライオンメモリを腰のマキシマムスロットにセットする。
ライオン!マキシマムドライブ!
「勝利の法則は決まった!」
ボルテックアタック!
勢いよくドーパントに向かって走り出した俺は、足先のレオメタルクローを展開して飛び蹴りを放った。
「ハァッ!」
レオメタルクローによって強化されたキックは、劈開していたダイヤモンドを粉々に粉砕すると同時に二つのメモリを排出させた。
「よし、2人のところに向かうか」
変身解除してゴリラメモリとダイヤモンドメモリを拾い、ライオンメモリでマシンビルダーを起動して乗り込むと、急加速して2人のもとへ向かった。
「ここがミリオンコロッセオの入り口...もう2人は中にいるんだよな。さっさと入るか」
中に入ると、なんか翔太郎がババ抜きしていた。何この状況。あっなんか勝ったっぽい。
「く、くそ!」
『MONEY』
追い詰められた加賀はマネードーパントに変身する。
「悪あがきだな。こっちも変身するか」
『CYCLONE』『JOKER』
「変身」「変身」
サイクロン!ジョーカー!
2人がWに変身する。
「ああちょっと待ってくれ。俺も変身するから」
すぐに戦おうとするWを止めて、ビルドドライバーを腰につける。
『GORILLA』『DIAMOND』
「さぁ、実験を始めようか」
ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!
「変身!」
輝きのデストロイヤー!ゴリラモンド!イェイ…!
勢いよくマネードーパントを右腕のサドンデストロイヤーで殴り飛ばす。マネードーパントはミリオンコロッセオの壁を突き抜けて外へと飛んでいった。
「よし追いかけるぞ!」
「なんでゴリラとダイヤモンドがベストマッチになるんだ...」
『実に興味深い』
吹き飛ばされていったマネードーパントを追って外に出る。マネードーパントは痛そうに転がっていた。
「さっさとやっちまうか」
二つのメモリを抜いてマキシマムスロットにセットする。
ゴリラ!ダイヤモンド!マキシマムドライブ!
『お、おい!お前忘れたのか?このコインがある限り俺を倒したらみんな死んじまうんだぜ!』
「ああ、そうだったな。それがなんだって言うんだ」
大量のダイヤモンドがどこからともなく現れてマネードーパントを拘束しだす。
ボルテックフィニッシュ!
「オラァッ!」
拘束されたマネードーパントに思い切りライダーパンチを放って振り抜く。マネードーパントはライフコインを辺りに散らばせながら転がっていく。
『なるほど、ビルドにはメモリブレイクの機能がない。だからマキシマムドライブをしても問題ないのか』
「ご名答。ほら2人とも、あとは頼むよ」
「了解だ」
『HEAT』『METAL』
Wがヒートメタルにハーフチェンジしてメタルシャフトで攻撃する。やはりビルドで攻撃するよりも効いている感じがする。普通のドーパントはやっぱり任せた方が良さそうだ。
『ぐっ!クソどうすれば...そうだ家族!家族がトラウマなはずだ!』
『そんな言葉で揺さぶろうとしても無駄だよ。僕にはもう家族に代わる存在が3人もいるからね』
『な、なに⁉︎』
「残念だったな。よし、メモリブレイクだ」
メタル!マキシマムドライブ!
「メタルブランディング!」
『メタルブランディング!』
Wは噴き出す炎の勢いのままスライド移動をしながらメタルシャフトをマネードーパントへと叩き込んだ。マネーメモリが弾き出される。
「う、うう...次こそは...私にツキが来るはず...」
加賀がマネーメモリに手を伸ばそうとするが、手の触れる寸前にメモリが破壊された。
「加賀は警察に捕まり、ミリオンコロッセオは解体された。和泉家に借金は残ったが、家族がそろっていればなんとかなると思いたい」
翔太郎がタイプライターで報告書を書いていく。相変わらずのローマ字だ。
(マネードーパントの力はあくまで生命力をコインに入れることで、ギャンブルを強くすることじゃないんだよな。ギャンブルの実力は本物だし、客がギャンブル中毒に陥ったのはメモリ関係ないってのが人の悪いところが垣間見えるな)
「ところでフィリップは何を聞いているんだ?ラジオ?」
「若菜姫を知らないのかい?」
そんな姫とか呼ばれる人がいたのか。普段ラジオなんて聞かないし知らなかった。
『ミリオンコロッセオがなくなっちゃったらしいですね。行ってみたかったなぁ』
ミリオンコロッセオの話までしていたのか。意外といろんな情報が得られそうだな。
『新たな都市伝説、バイクに乗って怪人を倒す超人『仮面ライダー』って存在が噂されているようですね』
「仮面ライダーだぁ?」
「ふむ、町の人には僕たちはそんなふうに呼ばれているみたいだね」
「仮面ライダーWに仮面ライダービルド...か。いい響きだな」
俺たちは町の人々が認めたヒーローらしい。その名に恥じないように、これからも頑張るとしよう。
「ところでどうしてあいつにあのメモリを渡したんだ?ダイヤモンドの適性はあったけどゴリラの方はそうでもなかっただろ?」
「ああ、それはただ単にベストマッチのドーパントがどうなるかを試したかっただけさ。特に深い意味はない」
「なるほどねぇ。ところでこんなペースでいいのか?いつまで経っても実験終わらないんじゃないか?」
「大丈夫さ。これからはメモリを渡す頻度を上げる。こいつも使うしな」
ワンサイドライバーを左右反転させたような形の青いドライバーが、その手にあった。
Huuto wo mamoru "KAMEN LIDAR".
Machi no hito no kitai wo seotte oretachi wa tatakaitudukeru.
本編でも言った通り、全ての原作の出来事に首を突っ込むことはないです。
セリフとか何があったのかの記憶が曖昧だしビルドだとミュージアムのドーパントは倒せないですし。
クロスしているから原作ブレイクしかねないですし上手く調節しながら書いていきます。