目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件 作:通りすがりの邪教徒
前回のマックイーンに引き続き、新しいウマ娘が出ます。
それではどうぞ!
スプリングステークスで姉ちゃんが1着を取った。走っている姉ちゃんは、早くて、とてもカッコよかった。観客席にいた僕たちに気付いた姉ちゃんが小走りで近づいて来た。
「なおくーん!」
「姉ちゃん、お疲れ様! すっごくカッコよかったよ!」
「おめでとうございます。キタさん」
「マックイーンさん!? なおくんとダイヤちゃんと一緒にいたんですね!」
「いや〜。6番のウマ娘が追い込んで来た時は、ヒヤヒヤしたよ」
「おーい! キタちゃーん!」
僕たちが姉ちゃんのレースの感想を語り合っていると、活発そうな女の子の声が聞こえて来た。その声が聞こえた方向を見ると、髪をポニーテールにした小柄なウマ娘が小走りでやって来た。
「キタちゃん、おめでとう!」
「テイオーさん! ありがとうございます!」
「あら、テイオー。チームの皆さんは今何処に?」
テイオーさん……と言うことは、このウマ娘がトウカイテイオー!? あの最強七冠馬シンボリルドルフの子で、親同様三冠を狙ったがダービーの怪我が原因で菊花賞の出走は叶わず。三度の怪我を乗り越え、ラストランの有馬記念で奇跡の一着を取り、競馬界の歴史に名を残した競走馬のウマ娘なのか……現役時代の写真を見せて貰ったけど、実際のテイオーって小柄だったっけ?
「あ! マックイーンここにいたんだ。皆なら向こうにいるよ。それにダイヤちゃんもいる! あれ? その男の子は?」
「紹介します。この子はアタシの弟の、なおくんです!」
「姉ちゃん、あだ名で紹介しても分かんないでしょ? 初めまして、北島直人です。テイオーさんの事は姉ちゃんからよく聞いてます。よろしくお願いします」
「ああー! 君がキタちゃんが言ってた弟くんだったんだね。知ってるかもしれないけど、一応自己紹介するよ。ボクの名前はトウカイテイオー。よろしく!」
そう言うと、テイオーさんが輝くような眩しい笑顔で手を差し出して来た。これは握手待ちかな? 僕はテイオーさんと握手をして、次に親指を軸に回して握り直し手を一度離した後グーを作ってテイオーさんの手に真っ直ぐポンとして次に上下からポンッとして、最後にもう一度上下からポンッとした。
「おおー! 何コレ!?」
「僕の大好きで、尊敬しているヒーローから教えてもらった『友情の証』です。これで、僕とテイオーさんは友達です!」
「『友情の証』か……ボク、これ気に入っちゃった! 今度、他の娘にもやってみよっと!」
ウマ娘の姿のトウカイテイオーは活発で明るく、少々子供っぽい? 感じで、落ち着きのあるマックイーンさんとは正反対といった感じの印象を持った。すると僕の肩がツンツンと突かれたので後ろを振り返るとマックイーンさんがこう言う。
「あの……テイオーにやったそれ、私にもお願いします」
「良いですよ」
僕は先ほどテイオーさんにやった『友情の証』をマックイーンさんにもやった。
「これで私と直人さんはお友達ですわね!」
「そう言えば、マックイーンさん、スマホのバッテリーは大丈夫ですか?」
「そうでしたわ。ほっ……なんとかスマホが回復しました。モバイルバッテリーありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして」
マックイーンさんにモバイルバッテリーを返してもらうと、お友達記念として、ウマインでマックイーンさんと連絡先を交換した。そしてテイオーさんとも連絡先を交換することが出来た。
「あ、キタちゃん。そろそろ『ウイニングライブ』始まっちゃうよ! 早く急がないと!」
「「ウイニングライブのこと、すっかり忘れてた!」」」
テイオーさんに『ウイニングライブ』と言われて思い出した。姉ちゃんが勝って嬉しすぎて、ついつい忘れてしまってた。そして姉ちゃんとハモった。いやいや、姉ちゃんが忘れてどうするよ。
「ふふっ、流石は姉弟でしょうか? 息がピッタリですわね」
「姉ちゃん、早く準備して来な」
「うん! 行ってくるね!」
ウイニングライブか……どんな曲を歌うんだろう。ウマ娘達が歌う楽曲は調べておらず頭空っぽの状態できた。この前、地元のウマ娘ショップで流れていた「うまぴょい♪」とかじゃないよね?
「なおくん。はい、ペンライト」
「ありがとう。ダイヤ姉ちゃん」
周りを見渡すと、お客さんがペンライトを持っていた。今度はペンライト買っておかないとかな……そう思っていると明るかった会場が、暗くなりステージに多くのスポットライトがバッと光り、ステージの真ん中にはライブ衣装を着た姉ちゃんと2着、3着を取ったウマ娘がそれぞれ横に並んでいた。
すると楽曲がスタートし、姉ちゃん達が歌い始めた。曲名は何なのかとテイオーさんに聞くと、『本能スピード』という楽曲だそうだ。
ステージの上の姉ちゃんは最高に輝いていた。最高の「トキメキ」を心で感じた。レースもウイニングライブも、僕の中で最高の思い出になった。
「ねえねえ、直人くん。キタちゃんのレースどうだった?」
「ウマ娘のレース、初めて生で見ましたけど、最っ高でした。これからも、こんな感じのレースが学園に入ってからも応援できると思うと楽しみです!」
「入る? もしかして、直人さんは今年の春に私たちのいるトレセン学園に来られるのですか?」
「はい! 入学した際はよろしくです。テイオーさん、マックイーンさん」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「これから直人くんと、もっと仲良くなれると思うと楽しみ!」
僕が学園に入ることを聞いた2人はすごく嬉しそうにしていた。そしてウイニングライブが終了してお客さんは順番にレース場を出て行った。ダイヤ姉ちゃん達と一緒に、お客さんが減るのを待っていると、姉ちゃんから電話が掛かって来た。
「もしもし、姉ちゃん?」
『あ、なおくん。今は何してるの?』
「お客さんが減るの待ってる。もう直ぐで外に出られると思う」
『分かった。あたしが今いる場所を写真で送るから来てくれる?』
「了解。それじゃ、またね」
電話を切って、テイオーさんが姉ちゃんからの電話を気になっていたので、内容を話すとマックイーンさんが気を遣ってくれたのか僕だけで行ってくださいと言ってくれた。
「ボクから、チームの皆んなには、この事を伝えておくよ。ダイヤちゃんも良いよね?」
「はい! なおくん、キタちゃんのことよろしくね?」
「分かったよ。そんじゃ、行ってきます!」
そう言い残し、僕はレース場から出た。写真を頼りに姉ちゃんを探すと、ようやく見つけた。姉ちゃんを見つけた僕は、急いで走っていく。
「なおくん!」
「はぁはぁ……姉ちゃん。改めて1着おめでとう!」
「ありがとう。これもファンや仲間、それに、なおくんの応援のおかげだよ。感謝しても仕切れない……でもレースはまだこれから。お姉ちゃん、一生懸命頑張るからね!」
「姉ちゃん、ちょっと良いかな?」
「ん?」
僕は、恥ずかしさを抱えながら、姉ちゃんのほっぺにキスをした。あぁ……恥ずかしい……マジで、何やってるんだろ。
「なおくん……! ありがとう。お返しだよ……チュ」
「「あっはははは!」」
姉ちゃんにキスを仕返しされ、お互いに笑みが溢れる。
「取り敢えず、どっか……の、前に……そこの人達、何覗いてるんすか?」
「てへっ、バレちゃった!」
「ダイヤちゃんにテイオーさん、マックイーンさんまで!」
僕が姉ちゃんと何処かに移動しようとした時、気配がしたので声をかけると、姉ちゃんが口にした名前のウマ娘達が僕たちの様子を気になって伺っていたみたいだった。て事は……まさか! 姉ちゃんにキスした現場見られた!?
「直人さんって、結構大胆なのですね……」
「マックイーンってば、2人がほっぺにキスしてるとこ見て、赤くなってたんだよ!」
「ちょ!? テイオー! それと、ダイヤさんは何故2人の光景を見て平然としてられるのですか!?」
「2人はコレが平常運転なんです。慣れましょう」
「そうなのですか!?」
マックイーンさんは更に顔を赤くした。それと見ていたと言われてから、僕の顔は更に熱くなる。
「それじゃあ、取り敢えず学園に戻ろうよ。キタちゃんのおめでとう会しないとね。直人くんは来る?」
「ああ……僕はそろそろ家に帰らないと」
「もう遅いし、一人でちゃんと帰れる?」
と、姉ちゃんが心配しているとマックイーンさんが、とある提案をしてきた。
「だったら私が家の者に頼んで、車を手配しましょうか? 直人さんにはモバイルバッテリーを借りた恩もありますし、無事に直人さんを、お家にお届けできると思います」
「それ、良いと思います。なおくんはそれで良いかな?」
「じゃあ、そうするよ。マックイーンさん、ありがとうございます」
「いえ、お気になさらず」
こうしてマックイーンさんが呼んでくれた。黒塗りの高そうな車に乗って家に帰ることになった。
「姉ちゃん、またね。皆さんも、帰りはお気を付けて」
「なおくん、今日はありがとう。ばいばい」
「それでは、直人さんをよろしくお願いいたします」
「かしこまりました。お嬢様」
運転手さんに住所を教えると、車が走り出す。僕は車の窓を開けて、姉ちゃん達に手を振った。
「運転手さん、自分、少々眠いので、もし家に着いたら起こしてもらえませんか?」
「かしこまりました。ごゆっくりお休みください」
「ありがとうございます」
こうして僕は、車の心地よい揺れと共に眠りについた。
「本能スピード」にしたのはマイル系のGⅠレースで取れるじゃないですか、ゲームだとスプリングSのライブは「Make debut!」だったのですが、キタちゃんデビューしてるんで「本能スピード」でも良いかなって思いました。
今回はテイオー出しましたよ! 本当は主人公がトレセンに来た時に出そうとしたんですが、ここは勢いに任せて出そうと思い今回このお話にて初出走させていただきました。
それでは次回もお楽しみに!