目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件 作:通りすがりの邪教徒
ウマ娘の姉弟物小説って少ないよね?
お気に入りしてくれる人、投票してくれる人、いつもありがとうございます。
それではどうぞ!
第十話:来たぞ! 府中!
スプリングステークスから1週間が経ち、月はもう直ぐで4月を迎えようとしていた。僕は部屋で東京に行くための下準備と、両親に寮に送ってもらうために必要な物をダンボールなどに詰めるたりなどをしていた。
僕ももう直ぐでトレセン学園の生徒か……入学式がすごく楽しみだ。寮に住む生徒用には事前に通知が来ており、4月1日〜4月3日の期間内にトレセン学園が所有している普通生徒用の寮に、入学式前に寮に来てほしいそうだ。
「確か、午後の18時までには来る様にって書いてあったな。門限を守らないと大変なことになるぞ」
「なおちゃーん! ご飯できたわよ!」
「はーい!」
僕は荷物整理を一旦終了させて、リビングへ行き夕飯を済ませるのであった。その後は荷物整理をゆっくり終わらせたかったので、風呂や歯磨きなどを早めに済ませた。
荷物を整理している途中にスマホから着信音が鳴ったので、画面を見ると「姉ちゃん」と表示されていた。何だろう? そう思い電話に出る。
「もしもし、どうしたの?」
『あ、なおくん。今、時間は大丈夫?』
「うん、もちろん」
『良かった〜。なおくんって、いつ頃こっちに来ようと思ってるの?』
「学園からの通知で期間内に寮へ来る様に言われててさ、僕は初日に行くつもり」
『そうなんだね。初日って何日?』
「4月1日だよ。何でも寮で荷物の整理をするのに、早めに来た方がいいって書いてあって」
『成程。実はね……』
僕が行く日を教えると姉ちゃんがとある相談をしてきた。当日府中駅に集合し、寮で荷物の整理をしたら一緒に、府中市周辺でお買い物をしようとの事だった。その日はトレーニングも無く、フリーなので暇だったんだとか。
「うん! 良いよ。どこ行く?」
『それは当日決める。テイオーさんも一緒なんだ!』
「おお! それは楽しみだ。話は終わり?」
『うん、当日、北府中駅で待ってるから。家を出たらメッセージで送ってね』
「了解! それじゃ、僕は眠いから寝るよ。おやすみ〜」
『おやすみ。なおくん』
姉ちゃんとの通話を切り、鞄のチャックを閉めてからベットの上で横になった。僕は期待に胸を躍らせながら目を閉じた。
そして、4月1日トレセン学園の寮に行く日が来た。この家とも暫くのお別れか……帰って来たら、お母さんのご飯いっぱい食べたいな。それと竜也とも会ってゲームもしたい。
「うう……なおちゃんも東京に行く日が……」
「直人。キタのこと頼んだぞ!」
「分かった。向こうに着いたら連絡するよ」
僕は今、玄関で両親と話している。お母さんは目に涙を浮かべていた。そりゃそうだ。いつもの様に同じ家に一緒にいた息子が遠くに行くんだ……寂しくもなるよな。お父さんには姉ちゃんの事を託された。当然だよなぁ!
そうだな……中学生になるわけだし、いっそ姉ちゃんみたいにしてみるか。
「それじゃあ、行って来ます。父さん、母さん!」
「「ッ……!? いってらっしゃい!」」
両親はちょっとだけ驚いた顔をしたが、満面の笑みで僕を送り出してくれた。ちょっと背伸びしすぎたかな? まぁ、良いや。早く姉ちゃんの所に行かないとな。
「今、電車に乗ったよ。今から行くね……っと、コレで返信っと!」
北府中駅に着いて、Su○caをタッチし改札を出ると、姉ちゃんとテイオーさんがいた。
「なおくーん!」
「直人くん、やっほー♪」
「よっ! 姉ちゃん。テイオーさんも来てくれて、ありがとうございます」
「良いの良いの! それじゃ、トレセン学園の寮にレッツゴー!」
という事で、僕はトレセン学園の寮に向かうために姉ちゃん達の後について行くことになった。学園の寮一体どんな感じなのだろうか……新しい友との出会い……新しい環境……まさしく青春じゃないか!
どうやら学園の寮は、道路を挟んで学園の真向かいに位置しているらしい。そこにはウマ娘達が住んでいる栗東寮と美浦寮があり、姉ちゃんとテイオーさんは同じ栗東寮で住んでいるとのこと。学園の敷地内にあるかと思った。
それと僕ら普通のが住める寮は栗東寮の真後ろにある常盤寮、そして美浦寮の真後ろにある明光院寮がある。常盤に明光院……魔王とか救世主いそうだな。
「因みに、お姉ちゃんたちの寮は二人一部屋で、ダイヤちゃんとは同室なんだ」
「直人くんは、どっちの寮なの?」
「僕は……常盤寮ですね。なので、二人が住んでる寮とは近いです」
「じゃあ、これから毎朝、なおくんと一緒に登校できるってこと!?」
「そうなるの……かな?」
「やったー! なおくんと登校♪」
姉ちゃんのところは二人一部屋か……て事は、僕のところも二人一部屋なのかな? そこの所は詳しく調べてなかったので着けば詳しい事も分かるだろう。
「テイオーさんと同室してるウマ娘さんってどんな方なんですか?」
「ボクと同室してるのはマヤノトップガンっていうんだ。ヤンチャだけど結構面白い娘なんだ……あれ? 直人くん?」
マヤノトップガンって、阪神大賞典で三冠馬のナリタブライアンと激アツなレースをしたっていうあのマヤノトップガンか! あの馬もウマ娘に……まさか、ナリタブライアンも学園にいるのか!? トレセン学園凄すぎる。
「お〜い! 直人く〜ん?」
「はっ! すみません!」
「どうしたの? ボーッとして、大丈夫?」
「大丈夫です。テイオーさんの同室のウマ娘さんの過去のレースを見た事があったので、それを思い出してました」
「直人くんって、マヤノのレース見たことあるの?」
「はい(競走馬の方だけど)」
テイオーさんは成程ね。と納得してくれた。マヤノトップガンがいるって事は、近い世代のウマ娘達もいるって事か……こりゃ益々楽しみになって来た。
常盤寮に着き、僕は寮長さんに挨拶するために、寮の中へと入っていった。姉ちゃん達は外で待ってくれるそうだ。
「寮長さん、北島直人。到着しました!」
「よく来たね……君が新入生で一番乗りだよ。僕は常盤寮の寮長、名前は時野順一郎だ。早速だけど君の住む部屋に案内しよう」
「よろしくお願いします!」
僕は寮長の順一郎さんの後について行くことに、それにしても静かだな。生徒も数人いるけど少ないな。順一郎さんに聞くと現在はまだ春休みで、出掛けてる人や帰省してる人もいるかららしい。
「着いたよ。ここが君の部屋だ。因みに一人一部屋だからね」
「一人一部屋!? ウマ娘達は二人で一部屋なのに……」
「ウチの学園は、ウマ娘の割合が多い、故に普通の人の生徒がウマ娘より少ないんだ。それに実家通いの人もいるからね」
「どうりで少ない訳ですね」
僕は、順一郎さんに鍵を渡されて部屋の中に入った。それと鍵は無くさない様にと念を押された。自己管理、ちゃんとしないと。
「おお! めっちゃ金かかってるな……専用の風呂やトイレまで付いてるのか!」
他にも服を何着か入れられるクローゼットにガス漏れの不安がないIHクッキングヒーターや冷蔵庫もある。エアコンもあって快適に暮らせそうだ。学生寮って想像してたのと違うな。
「おっと……つい部屋に見惚れてしまった。じっくり見るのは、帰ってからにするか」
僕は今、必要な物をリュックからショルダーバッグに移して常盤寮を出た。
「お待たせ、そんじゃ行きますか!」
「先ずは、どこ行こうか?」
「じゃあ、ボクのとっておきのお店に連れてってあげる!」
そう言われ、僕と姉ちゃんはテイオーさんの後について行く。テイオーさん、とっておきのお店かぁ……どんな所なんだろう。そう思い連れてこられたのが、とある移動販売車だ。メニューを見ると、「はちみつドリンク」や「はちみつレモンドリンク」なんて物があった。他にも蜂蜜関連の商品があった。どうやら蜂由来の食べ物を扱っている移動販売車らしい。
「いつもの、はちみつ硬め濃いめ多めで!」
「はい! 硬め濃いめ多めですね」
家系ラーメンみたいなノリで頼むやん。聞く限りめっちゃ甘ったるそう。自分、甘いのは好きだが、甘すぎるのは流石に無理。
「今日はボクが奢るから、好きなの頼んで!」
「僕、はちみつレモンで」
「アタシも、なおくんと同じにします!」
販売のお姉さんに、はちみつレモンドリンクの入ったカップを渡され、それを飲む。蜂蜜の甘さとレモンの酸味がいい感じにマッチして美味しい。コレは喉の調子が悪い時に飲みたくなるな。
「結構、美味いっすね」
「でしょ? 良かったらボクのはちみー飲む?」
テイオーさんが今自分の飲んでいる、はちみつドリンクを僕の方に差し出してくる。硬め濃いめ多めは気になるけど……でもこれって間接チッスなのでは? だがしかし! テイオーさんの気持ちを無碍にはできない。僕は勇気を出してストローに口をつけ、はちみつドリンクを飲んでみた。
「甘い……けどコレはコレでありですね」
「そうであろう? あれ? キタちゃん?」
「なおくんとテイオーさんが間接キス……」
おいー! あえて言わないでモノローグにしたのに、何言ってんのこのウマ娘は!? テイオーさん顔赤くしちゃってるじゃん!
「ご、ごめんね。直人くんにキタちゃん、そんなつもりじゃ……」
「アタシだって、なおくんとの間接キスまだなのに、テイオーさんズルいです! しかもファースト!」
「「いや、そこかーい!」」
この後、姉ちゃんは自分が飲んでいる、はちみつレモンを僕に飲ませようと無理矢理差し出して来た。結局、力尽くで飲まされました。
「ふぅ……上書き完了!」
直人くんのファースト間接キスはテイオーに奪われました。その後キタちゃんで上書きされました。
それでは、また次回!
感想欲しいです。