目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件 作:通りすがりの邪教徒
4月ですね! 今月もよろしくです。
そして、今回は皐月賞開幕です。
それではどうぞ!
スペさんに、一緒にご飯を食べようと誘われて現在僕は、エルさんとグラスさん、そしてスカイさんを加えた黄金世代の4人と食事を共にすることになった。ニンジンハンバーグ美味しいな。
「そういえば、もう直ぐで皐月賞ですね」
「皐月賞か〜。懐かしいな〜」
「スカイさんとスペさんが走った皐月賞って、確かスカイさんが粘っての1着だったんですよね?」
「うん、そうだよ。あの時は見事にやられちゃったな〜」
「にっしし。私の作戦勝ちだよ♪」
スカイさんの策士能力と逃げ戦術。いつか姉ちゃんの走りにも取り入れたいな。皐月賞での思い出話をした後は、出走するウマ娘を載せた新聞を広げて皆んなで見る。
「注目はやっぱりキタサンブラックさんでしょうか?」
「3戦3勝で、絶好調デスからね!」
「このウマ娘さん、直人くんのお姉さんなんだよ!」
「わお! 直人くんのお姉ちゃんだったんだ〜! これは全力で応援しないとだね〜」
「もちろんです!」
今回の皐月賞は前回走ったのスプリングステークスと同じく、千葉県船橋市の中山レース場にて行われる。芝の距離は2000mで、スプリングステークスより、200m長い。そして中山レース場で最も難関な部分が、心臓破りの坂があるという事。坂のことはトレーナーさんが教えてくれた。スペさんは皐月賞で、その坂に苦しめられたそうだ。
姉ちゃんの他にも、マークするウマ娘をチェックした。1番人気は、弥生賞を制したさっき会ったばかりのサトノクラウンさん。弥生賞はスプリングステークスと同じく、3着までのウマ娘に皐月賞の優先出走権が与えられるトライアル競争だ。皐月賞とは同じ2000mなので、クラウンさんは有利そう。
「私が、弥生賞に勝った後の皐月賞は、同じ展開に持ち込めると思ったんだけどな〜」
成程。同じ距離、同じレース場で開催するレースでも、スカイさんみたいに前回走った同じウマ娘に対して、作戦を立てて走ることも大事ってわけだな。ということは、姉ちゃんとスプリングステークスで走ったウマ娘にも注目してみるか。2番人気のリアルスピリット。
最後らへんで、追い込んできたけど何とか姉ちゃんが勝ったんだよな。要注意と。そして共同通信杯で2着を取ったデュラハンテは3番人気で、姉ちゃんは4番人気か。何故2番人気に勝ったのに4番人気なんだ? 人気ってファン数で決まるのかな?
「さてさて、どの娘が勝つか楽しみですね」
「アタシたちは、当日レース場へは行けないので、カフェテリアのテレビで観ます!」
僕は、チームの皆と観に行く予定だ。このレース観戦に友達も呼んで一緒に行ってもいいかとスペさんに頼んだら即OKしてくれた。後でトレーナーさんにも相談してみよう。
「それにしても、この料理もっと刺激が欲しいデース。これをかけマース!」
と言い、エルさんが懐から取り出したのは赤い液体が便だった。表紙にはデスソースと書かれており、エルさんはそのソースを自分の料理に勢いよくかけると、隣に座っているグラスさんの料理に掛かってしまった。するとグラスさんはドス黒いオーラを放ちながら、エルさんを怖い笑顔で睨みつける。
「エ〜ル〜? あなたと言う人は……覚悟は良いですね?」
「ヒ、ヒエー!? グ、クラス、わざとじゃないです! だから許してくださ……うぎゃぁぁぁ!!!」
許しを乞おうとしたエルさんに対して、グラスさんは思いっきり卍固めをした。あの2人はいつもあんな感じなのか。
新聞を畳んで、皿の上に残っているニンジンハンバーグと残りのご飯を急いで食べた僕は、スペさんとスカイさんと共に、逃げるようにカフェテリアを出た。
「エルさん、骨だけは拾っときます」
「直人くん! 勝手に殺さないでくださ……いっだだだだ!!!」
時は流れて、皐月賞前夜。この前、友達をレースに連れて行っても良いかとトレーナーさんにも相談したら、OKをもらえた。友達の事を話したら、姉ちゃんが「この学園でも友達できて、良かったね。なおくん」と言いながら感動していた。相変わらずブラコンだな……僕も姉ちゃんのこと言えないかもだけど、いつかシスコンとか言われるんだろうな……。
そして現在、トレーニングを終えた姉ちゃんと、寮に向かって帰宅中である。姉ちゃんの顔を見ると楽しそうにしている反面、凄く緊張しているように見えた。緊張するのも仕方ない。何てったって初めてのGⅠレースだからね。
「うぅ……ドキドキが止まらないよ〜」
「だからって、何で腕組みして歩ってんの?」
「だって緊張するんだもん! こうしてると自然と和らいでいく気がして」
そんな事を言ってはいるが、嘘である。心臓の鼓動が、腕に伝わってくるので、和らいでないなと思った。
「姉ちゃん、明日のレース。勝って欲しいとは思っている。でも、悔いのないように走ってほしい。どんな結果になっても、僕はこれからも変わらず、全力でサポートするよ!」
「なおくん……ありがとう!」
翌日、皐月賞本番。僕は、朝10時くらいから音也くんと共にチームの皆と合流をした。姉ちゃんに友達を紹介すると「これから、なおくんの事よろしくね!」と自分の自己紹介をしてから言った。
「よ、よよよよろしくお願いします!」
「何キョドッてんだよ!」
「だって、可愛いかったから、つい……それに俺、女の子と話した事ロクにないし……」
まぁ、お前の言う事は分かるぞ。後者の方は……まあ、とにかく慣れろ。弟の僕から見ても、姉ちゃんは可愛いと思ってしまう。その後も音也くんは、テイオーさんとかにも自己紹介をしていた。同類の僕には分かる……あの目は完全にオタクだった。
「そんじゃ! 中山レース場に行くぞ!」
トレーナーさんの掛け声共に、僕らは中山レース場へと向かった。交通費は学園が出してくれるらしいので、僕らやトレーナーさんの財布も安心だね。
そして、電車に乗って船橋市に到着。久しぶりの中山レース場に着いた。姉ちゃんは勝負服に着替えるために控室へ、僕らは観客席へと向かう。
「直人、心配か?」
「トレーナーさん」
「それなら控室に行ってこい。この証明書があれば入れるから」
「ありがとうございます! じゃあ、行ってきます!」
僕は、一旦席から離れて、警備員さんに証明書を見せると、姉ちゃんの控室へと案内された。ここか……。
「姉ちゃん!」
「なおくん。どうしたの?」
部屋の中に入ると、勝負服を着た姉ちゃんが、シューズ裏に付いている蹄鉄をハンマーで整備していた。蹄鉄整備か、レースが終わった後に誰かに教えてもらおうかな。
「いや……ちょっと緊張しちゃって、姉ちゃんの顔が見たいなって……僕が走る訳じゃないのに、変だよね?」
「なおくん。こっちにおいで!」
蹄鉄整備を終えて、シューズを履いた姉ちゃんは、空いてる席にポンポンと手を叩く。そこに座ると、姉ちゃんが優しく抱きしめる。
「心配して来てくれたんでしょ? お姉ちゃん分かるよ」
「うん」
「大丈夫だよ。昨日なおくんが言ったように、悔いのない良いレースが出来ように頑張るから……よし! なおくんパワー充填完了!」
姉ちゃんは、僕から離れてやる気に満ち溢れていた。すると、キィっと言うドアの開く音が聞こえたので、その方向を見てみると、勝負服を着たクラウンさんが覗き見していた。
「クラさん!?」
「ふふっ、君たち仲良いねぇ〜。それよりも、そろそろパドックに行く時間よ!」
「そうだった! じゃあ、なおくん。応援よろしくね!」
「行ってらっしゃい!」
僕は、控室を出ると急いでチームの皆がいる、観客席へと走っていった。そして実況の赤坂さんによって紹介される人気のウマ娘達がパドック上に現れる。解説は細江さんという何処かで聞いたことのある名前だった。確か、ジョッキーにいたような気がする。
そして、全ウマ娘たちがゲートに入ると共に、皐月賞のファンファーレが流れた。この曲、結構好きなんだよね。
『スタートが切られました! 15人のウマ娘が、綺麗に揃ってのスタートです!』
「よし! スタートは完璧だ!」
「クラウンさんは、ちょっと出負けた感じだな……あ! 姉ちゃんが先頭に出た!」
「行けー! キタちゃーん!」
トレーナーさんがガッツポーズをして、テイオーさんは、声を出して応援する。僕や他のチームの皆も姉ちゃんを応援をする。
でも、グラビティスカイというウマ娘が先頭に出て、逃げる。途中で2番手になった。それでも問題ない、ここから巻き返せば……だが、中盤は変わらず、終盤の大外のカーブ部分で外からリアルスピリットが仕掛けて来た。姉ちゃんは、抜かれまいと内側で懸命に走る。
『200を通過! おっと! 外から一気にデュラハンテ! 外から何とデュラハンテ!』
リアルスピリットの外から一気にデュラハンテがスパートを仕掛けて来て、皐月賞はデュラハンテの1着、リアルスピリットの2着、そしてキタサンブラックの3着で幕を閉じた。
北島さんは三冠目指してたのかな? 知らんけど
今回も元の競走馬から名前を文字って出しました。グラビティスカイの元は、クラリティスカイです。グラビティの部分はらき☆すたで流れたm.o.v.eさんのGravityから取りました。
GⅠレースでは勝負服なので、番号では分からないと思いオリジナルで名前を変えて出させていただきました。
それではまた次回!