目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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ダービーまでの期間に季節行事をやっておきたい。

今回は最後らへんに新しいウマ娘を出しました。

それではどうぞ!


第二十三話:次こそは負けない!

 

 

 

 レースが終わった。皐月賞での姉ちゃんの結果は3着だった。走り切った姉ちゃんは空を見上げて息を切らしていた。この皐月賞で連勝記録が途切れた。初めての負け……今の彼女はどういう心情なのだろうか。

 悔しいが、最後に外側から攻めて来たデュラハンテは強かった。これはダービーの時は注意しないとだな。周りを見ると、トレーナーさんやチームの皆が悔しい表情をする中、テイオーさんは真剣な表情で姉ちゃんを見つめていた。

 

「お前、自分の姉ちゃんが負けたのに悔しそうに見えないな」

「音也くん。悔しいさ……でも、負けても乗り越えなきゃ行けない。ここで立ち止まったら次のレースでも勝てないよ」

「直人くんの言う通り、「レースに絶対はない」カイチョーがよく言ってた言葉だよ」

 

 そう。ここにいるテイオーさんだけじゃない、マックイーンさんやスペさん、学園にいる多くのウマ娘も、数々の負けを経験して、数々のレースを制して来たんだ。

 

 レース後は、表彰式があり、1着のデュラハンテが皐月賞を制した証である。トロフィーを与えられ、その次にウイニングライブが行われた。姉ちゃんは3着だったので、ステージの上に立つことが出来る。ステージ上で披露された曲は『winning the soul』いつかこの曲で、センターに立って歌う姉ちゃんが見たいな。

 

 ウイニングライブが終了し、観客達はそれぞれ席からレース場の外へと歩いていく。僕らは姉ちゃんを迎えに行った。

 

「姉ちゃん、お疲れ様!」

「なおくん……お姉ちゃん、負けちゃった」

「キタちゃん。そんなに落ち込まないで、日本ダービーもあるんだから!」

「テイオーさん、ありがとうございます。でも、あたし悔しいです……」

「キタちゃん。私も皐月賞で負けた時は悔しいって思って、それから沢山トレーニングをしてダービーで勝てた。だから今は、前を向いて頑張りましょう!」

 

 と、スペさんがアドバイスをする。すると他のメンバーも次があると言って、姉ちゃんを励ましていた。そして学園に戻った僕らは、それぞれ解散をし、僕は姉ちゃんと一緒に寮へと向かっていた。

 

「いやぁ〜。それにしても惜しかったな〜」

「うん……デュラハンテさん。ダービーの時は注意しなきゃだね。他のウマ娘もそうだけど」

 

 皐月賞のことを思い出しながら喋りながら、学園内を歩く僕たち、会話をしても偶に間が出来たりする。何喋ったら良いんだろう……負けて悔しい……あっ! そうだ!

 

「姉ちゃん、負けた気持ちを発散しないか?」

「え? ああ! あそこね!」

 

 僕は、テイオーさんのトレセンツアーズで案内されたとある場所を思い出して、やって来たのは前にパリピなウマ娘さんが思いっきり叫んでいた切り株。この切り株は「大樹のウロ」と呼ばれているらしい。

 

「姉ちゃん、準備はいい?」

「うん!」

 

 僕らは肩に背負っていた鞄を下ろして、一緒に穴の中で叫んだ。

 

「負けたー! 悔しいー! あの勝負服を着て勝つところ、なおくんやテイオーさんたちに見せたかったのにー!」

「僕もだー! だから、次の日本ダービーで絶対勝つぞー!」

 

 そして、大樹のウロの穴に叫んでから2、3分が経った。お互いに顔を見上げて頷くと、鞄を持って寮へと向かった。

 

 

 

「スッキリした?」

「うん! ダービーは来月の5月末。いっぱいトレーニングして、次こそ勝つぞ〜!」

「お〜!!!」

 

 そして、会場全体をお祭りムードにしようじゃあないか。こうして、日本ダービーに向けて、僕たちは進み始める。

 

「じゃあ、また明日」

「うん。なおくん、おやすみ」

 

 寮に付いて玄関に入ると、潤一郎さんが出迎えてくれた。

 

「帰りました。潤一郎さん」

「直人くん、おかえり。皐月賞は残念だったね」

 

 あれ? 潤一郎さんって僕の姉ちゃん知ってたのか。どうやら家族関係の情報は事前に知っていたみたいだった。僕が事故にあった経歴も知っていた。この人何者なんだ?

 

「取り敢えず、ご飯食べて来なさい。お腹空いてるだろう?」

「あ、そうでした。それじゃあ食堂に行ってきます」

 

 食堂で料理を食べていると、音也くんがやって来た。彼も今から夕食だそうだ。「もう大丈夫なのか?」と心配されたが、さっきストレス発散してきたから何の問題もないと言っておいた。

 

 食事を終えて、お風呂を済ませると、ベットの上でスマホを弄りながら横になっていると、ダイヤ姉ちゃんから着信が来た。

 

「もしもし」

『なおくん、皐月賞見てたよ。残念だったね』

「そうだな……でも3着は胸を張れる結果だと思うよ。次のダービーで勝つって、姉ちゃんと誓ったからな」

『そっか……キタちゃんも次は負けないぞって気合い入れてるし、私も応援してるね!』

「ありがとう。ダイヤ姉ちゃんもデビュー戦まで頑張ってね」

 

 今、姉ちゃんは何をしてるのか聞いたらテイオーさんとマヤノトップガンさんの部屋に居ると教えてくれた。そういえば、クラウンさんは6着だったけど大丈夫かな?

 

『クラちゃん。すごく落ち込んでたけど、キタちゃんと同じく、次は勝ちたいって言ってた』

「こりゃ、クラウンさんにも負けてられないな……」

『ふふっ、じゃあ、私はもう寝るね?』

「分かった。またね」

 

 通話を切って、謎の疲れが出たのか目を閉じていたら、いつの間にか朝になっていた。ヤバっ……また寝落ちしちゃった。

 

 

 

「はぁ……憂鬱な月曜日が始まった」

 

 そう言いながら身体を起こし、食堂で朝食を食べた後に学校に行く準備をして寮を出て学校に向かって歩っていると、見覚えのある後ろ姿が見えた。黒くて長い髪のウマ娘。ライスさんことライスシャワーだった。それともう1人、赤みがかった栗毛のウマ娘がライスさんの隣にいた。

 

「ライスさん、おはようございます!」

「直人くんだ。おはよう! それに久しぶり!」

「図書室で会って以来でしたね。ところで、今から学校ですよね? 僕と行きましょうよ!」

「いいよ。あっ……ブルボンさん。この子も一緒に良いかな?」

「構いませんが、ライスさん。そちらの方は?」

「この前、図書室で偶然会って友達になったんだ。直人くんって言うの!」

「ライスさんのお友達でしたか、私はミホノブルボンです」

 

 こ、このウマ娘がミホノブルボンだと!? 皐月賞とダービーを制して、菊花賞ではライスさんに敗れて二冠にとどまった馬だけど、機械の如く正確なペースで逃げを打つことから色々な異名をつけられたって奴か。よく聞く異名は「サイボーグ」この機械的な喋り方は確かにサイボーグ感マシマシである。

 

「北島直人です。ご丁寧にどうも」

 

 それにしても、良い声してるよな……バンド組んだらボーカルに欲しいかも。それと、陽キャなノリで可愛らしく「キターン!」とか言って欲しいな。でも、この固い表情を崩すのは難しそうだなぁ。

 

「どうしたの? 直人くん。ちょっと元気なさそうけど……」

「昨日、皐月賞あったじゃないですか。あのレースには僕の姉が出てて……ダービーに向けて頑張るぞって意気込んだのは良いんですが、どうも個人的に踏ん切りが付かなくて」

「直人さんのお姉さん……もしかしてキタサンブラックさんですか?」

 

 ブルボンさんは姉ちゃんとは同じ寮という事で、接点は余りないが、寮の食堂で僕の事を話しているのを偶然聞いてたらしい。

 

「直人さんのこと、可愛くて癒される弟だと言って自慢してました」

「おい、あの姉! なに寮の人たちに、僕のこと広めてんの!?」

「彼女からはステータス『幸福』を感じました。それほど直人さんの事を大事にしているのですね」

「う、嬉しいけど……恥ずかしい……」

「ふふっ、でも……今の直人くんがそんな感じじゃ、お姉さんにも心配かけちゃうんじゃないかな? 試しに気分転換してみるとか!」

 

 気分転換か……そう言えば、ここのところ、レースの為にトレーニングが続いて、お出掛けどころじゃなかったしな……気持ちの切り替えとしてはちょうど良いかも。

 

「そうですよね。ライスさん、ありがとうございます!」

「うん! 直人くんの力になれたならライス、すっごく嬉しいよ!」

 

 こうして、2人と学校まで一緒に歩き、途中で別れた。教室に着いたら姉ちゃんからメッセージで「先に行っちゃイヤ!」と来ていた。これは流石に「ごめん」と返信すると、「今日、カフェテリアであ〜んさせてくれたら許す」と返ってきた。いいのか……それで。

 

 

 

「気分転換か……何にをしようかな」

 

 

 





次次回は春の定番行事でもやろうかなと思います。

レースシーンは自分でも書いててわかります。ぶっちゃけ地味です。実際の皐月賞を見てそれを参考に書いてるだけなんですけどね。
それを実況の赤坂さんっぽくしたいけど、ゲームだとレースの結果スキップしまくってるから実況全然聞いてないんだよねw

それでは、また次回! ばいばーい!
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