目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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タイトル通りあのウマ娘たちが出て来ます!

それではどうぞ!


第三十一話:BNWに会った話

 

 

 

 今日のトレーニングは休み。でも姉ちゃんが自主練をしたいと言っていたので、朝5時から早起きをして朝食前にジャージに着替えてから常盤寮をでると、姉ちゃんが既に待ってくれていた。

 

「なおくん、おはよう!」

「おはよう。それで、どこ走る?」

「近くにある河川敷にちょうどいいコースがあるから、そこにしようよ!」

「ロジャー!」

 

 姉ちゃんの後に走ってついて行きながら、河川敷までの道のりで、犬の散歩をしている人たちなどに朝の挨拶をしながら向かう。

 ランニングとかはあんまりしないから何だか新鮮だな。それに、誰かと走るのって結構楽しいかも。

 

「なおくん、大丈夫?」

「うん、なんとか!」

 

 河川敷に着いて、姉ちゃんが僕のためにベンチで一旦休憩しようと言ってくれた。朝っぱらから汗かくのも良いな。帰ったらシャワーでも浴びようかな。

 

「なおくん、喉とか乾いてない?」

「ああ……乾いちゃった。水持ってくるの忘れちゃったし」

「じゃあ、お姉ちゃんが買ってくるね!」

「サンキュー!」

 

 姉ちゃんはポケットからお金を出して、自販機に向かって走って行った。僕はスマホを出して、YouTubeを開く。ホロメンの切り抜き動画でも見ようかな?

 

 

 

『どこが富士山。雪積もってんねんじゃないんだよ。顔でっかくねぇって! 何回言うの!?』

 

「あっははは! 顔でかいって……角巻は本当に面白いな」

「誰の顔がでかいって!?」

「うわっ!? 危ねぇ……!」

 

 切り抜き動画を見て爆笑していたら、後ろから大きな声で叫ぶような声が聞こえてビックリした僕は、手に持っていたスマホを落としそうになった。

 

「えっ……だ、誰!?」

 

 後ろを恐る恐る振り向くと、赤縁の眼鏡を掛けた芦毛のウマ娘がいた。トレセンのジャージを着ていたので、このウマ娘さんも自主練をしていたのだろうか? それと気になるけど、その眼鏡どうやってかけてるの?

 

「おーい! ハヤヒデー!」

「ハヤヒデ、いきなり走り出してどうしたの?」

 

 そして、遠くからトレセンジャージを着たウマ娘がもう2人やって来た。1人は黒髪にヘアピンをつけており、頬に絆創膏を貼った快活そうなウマ娘。もう1人は小柄で華奢な、雰囲気的にはクールな感じの栗毛のウマ娘だ。

 

「いや……でかいと言う言葉が聞こえたので、つい。いきなり驚かせてすまなかったな。少年……」

 

 ああ……もしかして「でかい」という言葉がこの人にはNGワードだったんだな。

 

「いえ、僕は大丈夫です。自分はただ動画を見てただけで……あなたに向けて言ったわけではなく……!」

「つまり、ハヤヒデの勘違いってわけか……」

「それよりも……君! トレセン学園の生徒だよね! 私はウイニングチケットだよ! これからよろしくね!」

「先程は本当にすまない。私はビワハヤヒデだ。タイシンも自己紹介を……」

「ナリタタイシン……よろしく……」

 

 ウイニングチケット、ビワハヤヒデ、ナリタタイシン……って言ったら、クラシック三冠路線で活躍したあの競走馬達か! 確か、それぞれの頭文字から「BNW」なんて呼ばれてて、ライバル関係を築いたって聞いた事がある。

 皐月賞のナリタタイシン、日本ダービーのウイニングチケット、菊花賞のビワハヤヒデがウマ娘として3人勢揃いで僕の目の前にいるとか……ヤバいな。あとチケットには会ったことあるし、ニンジンを食べさせたことがある。

 

「北島直人です。よろしくっす!」

「なおくーん! お待たせ……って、BNWが何でこんな所に!?」

「姉ちゃん!」

 

 姉ちゃんが飲み物を一本だけ持って帰ってくると、驚いた表情をする。あれ? 何故一本だけなんだ? 普通二本でしょ。

 

「君は……確かキタサンブラックだったな?」

「そうですけど。この状況はいったい……」

 

 姉ちゃんに事の発端を説明すると、直ぐに納得してくれた。取り敢えず、姉ちゃんとハヤヒデさん達は、近くのベンチに座りこんだ。

 

「そうか、君たちは姉弟だったのか」

「私たち昔からすっごく仲がいいんです!」

「そういえばキタサンって、次はダービーに出るんだよね!?」

「はい! 弟があたしのために色々やってくれて……今日の朝の自主練に付き合ってくれる、とっても可愛いくて良い子なんです!」

「おい、可愛いは余計だ」

「姉のために尽くす弟くん……直人くんはいい子なんだね! いい姉弟だよぉぉぉ〜!!」

「うっさ……急に泣くな。鬱陶しい!」

 

 感動して大泣きしているチケットさんに対して冷たく遇らうタイシンさん。チケットさんって涙腺よわよわだな。なんでも映画のプロローグから、謎に感動したりするらしい。

 

「実は、私にも下に兄弟……妹がいるんだ」

「ナリタブライアンさん……でしたっけ?」

 

 えっ……そうだったのか!? と言う事は、現実でもあの2頭は兄弟なのか……初めて知りました。だって毛色とか全然違うんだもん。

 

「そうだ! 自主練してるなら、朝ごはんの時間まで一緒にやらない?」

 

 と、チケットさんが提案して来た。クラシック路線で活躍したウマ娘たちとトレーニング出来るなんて滅多にないかもしれないし、姉ちゃんにもいい刺激になりそうだ……。

 

「いいと思います。姉ちゃんどうする?」

「ハヤヒデさんやタイシンさんが良ければ……お願いします!」

「どうする? 2人とも!」

「私は構わないが……タイシンは?」

「いいよ……別に……」

「やったね! 姉ちゃん!」

「うん!」

 

 こうして、BNWの人たちと一緒に自主トレをすることになった。最初はストレッチから入って、次に筋トレや階段を兎跳びしたり、併走したりもした。

 

「ふぅ〜……朝からいい汗かいた〜!」

「姉ちゃん、もし朝から練習したい時はいつでも付き合うよ!」

「ありがとう! なおくんも一緒に動いて喉乾いてるでしょ? これ飲む?」

「じゃあ、いただく……余……」

 

 姉ちゃんに水を渡されて飲もうとした瞬間。ニヤけた表情を浮かべる姉を見ながら気付いたことがあった。そう、ペットボトルの中の水が飲みかけだと言うことだ。

 まさかとは思うけど……間接キスを狙うために、わざと一本だけ買って来たのか!? でも気にせずに飲むか……だって家族だし。

 

「はい、姉ちゃん」

「さて……もう直ぐで朝食の時間だな。寮に戻るか?」

「そうですね。僕の住んでる寮も食堂が開く時間なので、戻りましょう」

 

 自主練後は皆で、歩いて帰ることになった。寮に着くと、姉ちゃんとBNWの3人は栗東寮へと入って行った。あの3人も姉ちゃんと同じ寮だったんだ。

 僕は汗を流すために、自室のシャワーを使って朝シャンをキメた。因みに『朝シャン』という言葉は死後なんだそうです。マルゼンさんのが移っちゃたかな?

 

 さーてと、今日の朝ご飯は何にしようかにゃ〜……。と言ってもいつも同じ感じのを食べちゃうんだけどね。

 今朝も、翔一さん特製のモーニングセットにした。いつものパンに、コーンスープとふわふわのスクランブルエッグ。そして、絶妙な焼き加減のカリカリベーコンも最高だ。この朝食に加えて、ブラックコーヒーで一服……。たまにスクランブルエッグをプレーンオムレツに変えたりもする。シンプルだけど美味しすぎてついおかわりもしてしまう。

 

 それにしても、最近は音也くんが実家に帰省してしまったせいか、話し相手がいなくてつまらないな。あいつ……元気にしてるかな。

 

 朝食を食べ終わって部屋に戻った僕は、学校から出された課題を終わらせるために勉強をすることにした。

 

「分からね〜。誰か勉強出来そうな人に教わりたいな……」

 

 正直な話。僕は歴史と数学が得意なのだが、他が普通なので途中で詰んでいた。勉強で頼りになりそうなのは……そうだ!

 

「もしもし、スズカさん? 今何してます?」

 

 

 

「お邪魔します」

「どうぞ! 来てくれてありがとうございます!」

 

 お休みの日なのに、スズカさんがわざわざ常盤寮まで来てくれた。突然で申し訳ないと言ったら本人は気にしなくていいと言ってくれた。せっかく来てくれたので、スズカさんに冷たい麦茶を出してもてなした。

 

「それじゃあ、始めましょうか」

「そうですね。ここなんですけど……」

 

 スズカさんに解けない問題を教えてもらいながらやっていくと、スラスラと解けて行った。答えは最初から聞かずに、ヒントをもらいながらやった。

 

「スズカさん、教え方上手いですね」

「いつもスペちゃんに教えてるから。あの子、結構追試になりがちなのよ」

「そうなんですね……」

 

 何でも、補修になった時にコロコロ鉛筆で運試ししたらまた再追試になったことがあるらしい。運に頼るとか……何やってんねんスペさん。テストは日本ダービーじゃねぇぞ。

 

「終わったー! マジで助かりました!」

「直人くん。覚えが良いから早く終わったわね」

 

 

 時計を見ると12時を回っていたので、スズカさんと姉ちゃんを誘って一緒にお昼ご飯を食べに行き、午後は部屋でギター練習をして1日が終わった。

 

 

 





わためぇの切り抜き動画がきっかけで出会ったBNWの3人組。僕はあの中だとタイシンが好きです。

日本ダービーの接戦は凄かったよね。あれは名レースだった

いつも文面に「よ」のところを偶に「余」にしているのはわざとです。ホロライブ2期生のあやめお嬢からのオマージュです。

次回もお楽しみに〜
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