目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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今回から時間軸をめっちゃ進めていきます

それではどうぞ!


第三十四話:テストと日本ダービー

 

 

 

 今日はゴールデンウィーク最終日だ。日本ダービーまでは後3週間くらいにまで迫っていた。トレーニング出来る時間はたっぷりある……のは他のウマ娘も一緒だけど、兎に角やれることはやろう! 

 それと忘れていたけど今月はテストもあるんだった。トレーニングばっかりに気を取られずに、勉強の方も頑張らないと。

 

「はぁ……ボク、疲れちゃった〜!」

「あたしもです。でも、ダービーに向けて全力で頑張らないと!」

 

 姉ちゃんは……気合い十分だな。ウマ娘の中にはクラシックレースの皐月賞や菊花賞を取らないで、日本ダービーを狙って取りにくる物もいると聞いたことがある。これはネットで調べました。

 

「じゃあまた明日ね!」

「うん! 学校も始まるし、寝坊しちゃダメだよ?」

「姉ちゃんもな!」

 

 そして連休明け当日の月曜日からトレーニングやテスト勉強の日々が続いた。時々朝早くから姉ちゃんと自主練とかもした。

 気温も高くなって、まるで夏のように暑かった。会長さんに「衣替えまだっすにぇ〜」と言ったら会長さんが理事長に相談してくれて、5月中旬から自由に半袖にしても良いと言ってくれた。会長ありがとうございます!

 

 

 

 テスト前日。

 

「明日からテストだね。勉強は大丈夫なの?」

「まぁ、ぼちぼちと……スピカの皆にも勉強教えてもらってるし……主にスズカさんにだけどな。姉ちゃんは?」

「あたしはダイヤちゃんとやってたよ。出来るならなおくんの勉強見たかったけど、あたし、成績普通だし……」

 

 ま、良い点とって補修にならないように頑張りますかね。特に姉ちゃんはダービーの練習が減ったら元も子もないからな。

 

 そして寮にて、明日のテストに備えて音也くんと猛勉強をしていた。途中で弱音を吐いていた音也くんを励ましながら勉強するのは結構大変だった。

 

「はぁ……この計算、全然理解不能なんだけど……」

「教えてやるからさ、出来る限り頑張ろうよ!」

「お前って真面目だよな?」

「そうかな? 自覚ないけど……」

「これも大好きな姉ちゃんのためか?」

「まぁ……そうかもな……」

「ふっ……シスコンだな」

「うっせ!」

 

 言われちゃったな……シスコン。目が覚めて、この世界に来てからどれくらい経ったのか忘れちゃったけど……僕、いつのまにかウマ娘のキタサンブラックのこと、好きになっちゃったんだな。

 

 

 

 テスト当日。今まで勉強した通りの成果を出す日だ。教室では「勉強全然してないわ〜」と話している生徒もいれば、教科書を焦って改めて見直す生徒がチラホラいる中で、僕は図書室で借りたウマ娘が出る国内でのレースに関する本を読んでいた。

 

「お前、テストまで5分くらいあるのに余裕で本読んでて大丈夫なのか?」

「ん? ああ……焦って暗記しようとかすると頭の中がごちゃごちゃになって忘れちゃうし、個人的にね」

「あっそ……あ、チャイム鳴ったぞ! その本しまって来い!」

 

 僕は急いでロッカーに本を戻して席に着くと、試験監督の先生が入ってきて、テスト用紙を配り始めた。

 

「それでは、始めてください!」

 

 最初は大得意の数学から始まり、国語、英語、社会で進んで行く。途中からお昼休みを挟んで、午後は最後の科目、理科のテストをやって1日が終わった。

 テストが終わったのか、開放感が半端なく、思いっきり背伸びをした。教室中の生徒達も完全にやり切った感を出す人もいれば、全然出来なくて補修確定と思いながら机に突っ伏す人もいた。

 

 え? 僕はどうだったかって? それは……まぁ普通だったよ。音也くんも何とかやり切った感じだ。

 テストの返却日は週末に全部返すらしいので、結果のことは一旦置いといて、いつも通りスピカの部屋にでも行くか。

 

「こんにちは〜!」

「直人くん、ヤッホー!」

「うっす、テイオーさん。あの……スペさんどうしました?」

 

 スペさんが机に突っ伏していた。なんかやっちゃいました?

 

「終わった……また補修かも……」

「えっ? でも勉強はちゃんとしたんじゃ?」

「テストの途中……徹夜した反動で眠くなって……それでぇ〜……!!」

 

 あ〜……察しました。スズカさんは徹夜はしない方が良いと忠告したそうなのだが、ついやってしまったらしい。

 

「そんな落ち込まないでください! テストの結果はまだ分からないですけど……補修になっちゃたら、皆んなで協力しましょう! ね? だから元気出してください!」

「直人くん……ありがとね〜……グスッ」

「えっ、ちょっと!?」

 

 スペさんを慰めたら、顔を上げて僕の胸に顔を埋めてハグしてきた。こんなの姉ちゃんに見られでもしたら……。

 

「よーし! 今日もトレーニング頑張る……ぞ……」

「あっ……あの、これはその……「なおくん」は、はい!」

「スペさんと仲良くていいな〜。よかったね〜……好かれててさ……良いんだよ。お姉ちゃん、なおくんがスペさんともっと仲良くなってすっごく嬉しいし……うん」

 

 か、顔が死んでいやがる。目に光も灯ってないし、メンヘラモードに入っちゃいました!? これはマズい……! スペさんには一旦離れてもらい、姉ちゃんに事情を説明したら元に戻るのに5分くらい掛かった。

 罰ゲームとして、ほっぺやおでこにめちゃくちゃキスされまくった。しかもチームの皆がいる前でだ……。姉よ……君に羞恥心はあるのか? 

 

「オレ、いくら可愛がるって言っても、弟にこんなことしないぞ……」

「それが普通よ。キタサンが異常なだけ」

「直人さん……大変ですわね」

 

 ウオスカのお二人さんの言う通りです。キスを止めた姉ちゃんは復活して、そのままトレーニングをやりました。

 

「キタ弟。強く生きな」

「ゴルシさん……今は耐えます……」

 

 そして週末、全教科のテスト用紙が全部返却された。結果はだいたい70か80台くらいは取れていたので、普通だな……。音也くんに関してはギリギリ赤点回避していて助かった表情をしていた。

 スピカのグループウマインを見ると、スペさんのテストは奇跡的にギリギリ回避できたそうだ。良かったですね!

 

 テスト返却が終わると、トレーナーさんから日本ダービーの出走ウマ娘の情報が来たとのことで、トレーナー室に足を運んだ。

 

「失礼します」

「おお、直人か。テストお疲れ!」

「どうもっす。それで、ダービーの出走ウマ娘は?」

 

 そう聞くと、トレーナーさんが新聞を見せてくれた。日本ダービーでの出走条件の有線出走権として、前回の皐月賞を5着以内に入ること。ダービートライアルのGⅡレース『青葉賞』で2着以内。『プリンシパルステークス』で1着を取ることって本で読んだら載ってたけど……皐月賞6着のクラウンさんは何でダービーに出られるんだ?

 

「投票して、ファン数が多い順に出走することができるんだ。ま、場合によっては抽選で決まることもあるんだけどな」

「そう言うことっすか……だからクラウンさんもいるのか」

 

 姉ちゃんは……6番人気で8枠17番っすか。クラウンさんが姉ちゃんより3番も人気が高かった。どゆこと? クラウンさんは凄く期待されてるってことなのだろうか。

 

「姉ちゃん……そんな期待されてないのかな……?」

「そんな落ち込むなよ! 人気だけが全てじゃないからな!」

「そう……ですよね。人気に負けないくらいの走り、今から楽しみです!」

「よし……ダービーまであと僅かだ! お前も気合い入れろ!」

「押忍!」

 

 

 

 そして、日本ダービー当日。

 

 場所は東京レース場。観客席は、既に多くの人で埋まっていた。他の場所を見渡すと、知っているウマ娘が何人かいた。ネイチャさんと残り3人の青髪ツインテと丸眼鏡と穴あき帽子がそれぞれ特徴的なウマ娘達がいた。ネイチャさんと同じチームの人かな? スーツを着ているのはトレーナーさんぽいし。

 

 そして後ろを振り向くと、チームリギルのメンバーがトレーナーの花さんと共に勢揃いしていた。日本ダービーがそれ程大きなレースなんだと改めて実感する。

 「一生に一度。同世代のウマ娘が夢見て、憧れ、そして数多の傑物がその夢に敗れてきた最高峰のレース」か……。これはテス勉期間中に会長さんから「会長さんから見た日本ダービーとは?」と質問した時に聞いた言葉だ。ダービーを制し、そして多くのダービーを見てきた会長さんだからこそ言える言葉なんだろうな……。

 

 

『クラシック級、18人のウマ娘が、この大舞台のゲートへと収まっていきます』

 

「直人くん、始まっちゃうよ!」

「あ、はい! ん?」

 

 ウマ娘18人がゲートの中にそれぞれ入った瞬間、靴紐が切れた。まぁ、そんな事は気にせずに応援だ。

 

 

 

『2400m先、栄光はただ1つ! 『東京優駿・日本ダービー』今、スタートです!!』

 

 

 





今回はここまで! 次回はダービーに出走するまでとレースをするキタちゃん視点でお送りします

はたして、ダービーの行方やいかに! 

当時の競馬詳しい人教えてほしい……クラウンってダービー投票で出られたんですかね?

それでは次回お会いしましょう!
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