目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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今回はキタちゃん視点です

それではどうぞ!


第三十五話:東京優駿

 

 

 

 皆さんこんにちは! あたしの名前はキタサンブラックって言います! て、自己紹介しなくても知ってますよね? だってこのお話では、もう1人の主人公だからね。え? メタいって……何それ?

 

「姉ちゃん、何ニヤニヤしてるの?」

「ううん! 何でもないよ!」

「……変なの」

 

 今、話しかけてきた男の子は誰かって? それではご紹介しましょう。この子はなおくんこと北島直人くん。カッコよくて、可愛い自慢の弟で、あたしにとって世界で一番大切な存在なんです。将来的には結婚して、最終的にはうまぴょ……いえ! 何でもありません!

 

「明日はダービーか……姉ちゃん緊張する?」

「うん、ちょっとね。心配してくれてありがとう」

 

 あたしのために心配をしてくれるなおくん。なんて優しい子なのだろう。彼が隣に居て声を聞くだけでも私の心は自然と幸せで満たされる。

 なおくんが言っていたダービーとは『東京優駿・日本ダービー』のことです。あたしは明日、そのレースに出走することになっている。

 距離は2400mと長く、あたしにとっては初めての距離だ。

 

 今年の1月からデビューをしたあたしは、デビュー戦からスプリングステークスまで3連勝と順調に勝ち進んでいた。でも、この先月の4月に開催された皐月賞では3着という結果で終わってしまい、あたしの連勝記録がこのレースで途切れてしまった。

 

 あたしは皐月賞で負けてから、なおくんやチームスピカの皆さんと数々のトレーニングをこなしてきました。トレーナーさんも勝つためのトレーニングを一生懸命組んでくれて何時も助かっています。

 

 なおくんも日本ダービーのことを調べてくれて、過去に走ったウマ娘のレースとかも分析のために一緒に見たりもしました。

 チームスピカだとスペさんやウオッカさんとか……あとは連休の時に偶然出会ったチケットさんのレースなんかも。

 

 テイオーさんのダービーは生で幼馴染と見たことがあったけど……アレは凄かったな〜。

 あの時はなおくんも連れて行きたかったけど、もし逸れちゃったらって母さんが言って止められちゃったんだよね……。「あたしが絶対に守るから!」って駄々をこねても連れて行けなかった時は凄く凹んだのを今でも覚えている。

 帰った時に、一緒にお風呂入って一緒に寝たら復活したけどね。

 

「じゃ……明日ね。姉ちゃん、おやすみ」

「ばいばい。なおくん!」

 

 あたしが栗東寮の中にある自分の部屋に戻るとルームメイトの娘が先に部屋にいた。

 

「キタちゃん。トレーニングお疲れ様!」

「ダイヤちゃん、ありがとう!」

 

 あたしに話しかけてきた髪にダイヤの模様が付いたウマ娘は昔からの親友で、名前はダイヤちゃんことサトノダイヤモンドちゃん……も、知ってるよね? 因みに、テイオーさんのダービーを一緒に見に行った幼馴染と言うのはダイヤちゃんのことである。

 

「今日は早かったね」

「明日はダービーだからね。無理して身体を動かさないようにって、あたしだけ早めに終わったんだ!」

「そっか……日本ダービー。応援するね!」

「うん! 全力で頑張る!」

 

 今日は取り敢えず夜ご飯を食べてお風呂に入った後は、明日に備えて早寝をすることにした。ダイヤちゃんもあたしのために合わせてくれて非常にありがたい。

 

「おやすみキタちゃん」

「おやすみ……もし、起きれなかったから起こしてね?」

「うん、分かった!」

 

 電気を消してベッドへ横になると、あたしは枕元に置いてある、なおくんの写真を見ながらこう言う。

 

「おやすみ……なおくん♪」

 

 

 

 そして、日本ダービー当日がやって来た。

 あたしはチームの皆と東京レース場へと向かっている。東京レース場は府中市内にあるので学園から歩いて行けるくらいの距離にあるんです。

 

 あたしは緊張を紛らわすために、なおくんの腕にしがみつきながら歩く。何時もこうして歩いていると「歩きずらい」ってよく言われるけど……今は何も言わない。あたしのために気を遣ってくれてるのかな? そうゆうとこ、優しくて好きになっちゃうよ……結婚しよ?

 

「相変わらず甘々だな〜……。キタちゃんと直人くん……。ボクも直人くんみたいな弟が欲しかったな〜」

「いくら憧れのテイオーさんでも、なおくんはあげませんよ?」

「直人くんのこと欲しいって一言も言ってないじゃん!」

 

 暫く歩いていると、東京レース場に着いた。うぅ……ついに来ちゃった。でも、今までたくさんトレーニングして来たんだ! ここで尻込みなんてしてたら、なおくんに笑われちゃう。

 

「それじゃ、行って来ます!」

「姉ちゃん。頑張れよ!」

「うん!」

 

 なおくんとグータッチをして、あたしは皆に見送られながら急いで控え室へと向かった。

 

 自分の控室に着くと、先ずは体操服から勝負服へと着替える。この勝負服を着て、なおくんが「似合ってて、可愛い」って言ってくれた時は嬉しかったな〜。ちょっと恥ずかしかったけどね……。これを着て勝つところを早くなおくん達に見せたいです。

 

「よし……やるぞー! ん?」

 

 気合を入れて席から立ち上がった瞬間、足に違和感を感じた。でも、その違和感はちょっとしただけで無くなった。気のせい……だよね? 今でも普通に歩けるし、ちゃんと走れる。問題はないはずだ! 蹄鉄も特に問題なし。

 

 

 

 あたしは控室を出て、レース場内のターフへと足を踏み入れた。すると、客席からは大きな大歓声が聞こえて来る。ダービーが大きなレースと言うこともあり、観客席は満員だ。そして目の前にはあたしと一緒に走るライバルのウマ娘たち……。

 

「姉ちゃーん!」

 

 なおくんがあたしに声を掛けてくれた。遠くからでも分かるよ。彼が手を振るとあたしも手を振り返す。

 

「キタサン!」

「クラさん……。今回のレースも、よろしくね!」

「うん! 君の弟くんには悪いけど……勝ちに行かせてもらうよ!」

「あたしだって負けないよ!」

 

 レース場には皐月賞を制したデュラハンテさんにリアルスピリットさん。そしてあたしが出たレースの2戦目で2着だったサトノマゼンタさんもいる。

 あたし達ウマ娘はスタッフさんの誘導で、それぞれ決まった枠のゲートに入ると同時に、日本ダービーのファンファーレが流れる。

 

『2400m先、栄光はただ1つ! 『東京優駿・日本ダービー』今、スタートです!!』

 

 よし! スタートは完璧、順調だ! 今あたしは2番手にいる。このままキープして、最終コーナーでスパートを掛ければ……行ける! 後ろのデュラさんやクラさんを何とか突き放さないと。

 

 レースにおいてのタイミング、位置どり、ペース配分は一つ間違えただけでも大きなミスにつながるようなことを一瞬で判断し続けなければならない。それも全力で走りながらだ。

 

 その後2コーナー目や3コーナー目でも2番手を保てていた。トレーニングの成果、ちゃんと出てる!

 

『さぁ、4コーナーカーブ。ここから後戻りは出来ない! 全てを賭けて! さぁ直線勝負だ日本ダービー!』

 

 息が切れて来た……苦しい。でもゴールはすぐそこに迫っている。だから……ここで負けるわけには行かない! 先頭の娘もバテてきたし、ここで一気に仕掛ける!

 

「ここだー! ッ!?」

 

 その時、あたしの足が鉛のように重くなるのを感じた。するとどんどんスピードが落ちて来て、デュラさんやクラさんなどのウマ娘達があたしをどんどん抜いていく。

 

『おっと!? キタサンブラック、直線で急に失速し始めた!』

 

(そんな……。なんで!)

 

 走っても走っても離されていく。脚が重くて……これ以上前に進まない……。嫌だ……あたしはこんな所で負けたくないのに! 

 

『残り200m! デュラハンテ先頭! やっぱり強い! あっという間に抜けだした! デュラハンテ二冠達成!!』

 

「はぁはぁ……ううっ!」

 

 何なの? この脚の重さは……まるでドカ雪の中を歩いたみたい。脚の先までクタクタで……これが日本ダービーなのかな?

 

「ごめんね……なおくん……」

 

 

 

 日本ダービー

 

1着:デュラハンテ

2着:サトノマゼンタ

3着:サトノクラウン

 

・・・・・・・・・・・

 

14着:キタサンブラック

 

 

 





新しい試みというか、新システム感をだそうとキタちゃん視点からのお話しにしてみました! 

Q:何故ルドルフとブライアンのは見ない?

A:あれ程大御所になると恐縮しちゃうというか

どんな展開にするかな……。ここからが悩みどころでなんですよね。どうやって菊花賞まで繋げるかがポイントです。

それではまた次回お会いしましょう!
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