目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件 作:通りすがりの邪教徒
この小説での合宿設定は独自のものも入ってるのでご了承ください。
それではどうぞ!
照りつける太陽。そして澄み渡った雲ひとつない青空。そして車の外から見えるのは大きく広がる海が見える。
「おおー! 姉ちゃん、海だよ! 海!」
「うん! 綺麗だね〜!」
トレセン学園は夏休みに突入し、僕らチームスピカは現在。トレーナーさんが運転している、バスのような車に乗って、合宿所へと向かっていた。
「ふふっ、直人さん。子供のようにはしゃいでいますわね」
「何時も真面目な感じがするけど、こうして見ると直人くんも子供だよね!」
テイオーさんの小柄な見た目で、それだけは言われたくないっすね。
「お前ら! もう直ぐで着くから降りる準備しとけよ?」
窓から海が見えてから数十分後、トレセン学園が所有している合宿所に着いた。
外観は古き良きって感じがして、僕的にはとても好きな見た目だ。中はどうなっているのだろうかと思い、宿舎へと入る。
「おおー! なんか旅館ぽいな……!」
どうやらこの合宿所には、他のチームのウマ娘も来ることがあるので、知り合いだけじゃなくて、初対面のウマ娘達とバッタリ会えそうな気がする。
それと、部屋はチームの人数に応じてとのことで大部屋など色々あるらしく、トレーナーさんはトレーナーさんで別の部屋があるそうだ。
更には、お風呂は男女別の大浴場になっているとのこと。
「じゃ、荷物を置いたら水着に着替えてから、全員ビーチに集合な!」
「あれ? 僕の部屋って?」
「ああ……お前はアイツらと同じ部屋な」
「ウソでしょ……」
マジか……姉ちゃん達と同じ部屋か……。ウマ娘8人の空間に、男を1人入れさせるとか何考えてるんですか!?
「スペさんとスズカさんは僕が同じ部屋でも良いんですか?」
「私は別に構わないよ! 直人くんといっぱいお話ししたいし!」
「私もスペちゃんと同感よ。直人くんともっと仲良くなりたいわ♪」
確かに僕だって親睦は深めたいけどさ……流石に肩身が狭いと言うか。
「なおくん、毎日一緒の布団で寝ようね?」
「言ってくると思ったよ」
取り敢えず指定された部屋の中に入ると、とても広い部屋となっており、床には畳が敷かれており、奥には綺麗な海がよく見えるベランダのようなスペースもあった。
そして室内には、TVや冷蔵庫なども置いてあるため、飲み物を購入した時にいつでも冷やして置けるし、Wi-Fi環境も整っていて、とても便利な合宿所だ。
「直人も水着持って、とっとと行くぞ!」
「は、はい!」
こうして僕も水着へと着替えて、ビーチへと向かうことになったのであった。
「おおー! 広い!」
ビーチへと足を踏み入れると、目の前には遠くから見えた大きいな海が見える。
海の家はもちろんあって、遠くにはパラソルを刺して、普通にバカンスを楽しんでいる人たちもいた。
「よーし! 先ずは何時も通りストレッチからだ!」
あれ? コレっていつものトレーニングとほぼ変わらないような気がするんだけど。
そしてツイスターゲームもいつものようにやるのも学園の時とちっとも変わらないじゃないか!
でもここからかもしれない。砂浜は足が動かしにくいから、足腰を鍛えるにはちょうど良い場所とも言えるだろう。
「次は砂浜ダッシュを50往復だ!」
「50もかよ!?」
「よーし! なおくんも行こうよ!」
「えぇー!」
僕は姉ちゃんに手を引かれて一緒に走るハメになりました。ウマ娘のスピードを肌で感じた時は、風が気持ちいと思ったのと、レースとかで走ってる時はこんな感じなんだなと体感することができた。
「ぜぇ……はぁ……疲れたよー!」
「あたしも……でも、ここで走ると筋力が付くって感じがしますよね!」
「皆さん、ドリンクをどうぞ!」
「おう! キタ弟、サンキューな!」
午前中の練習が終わって、お昼ご飯を挟んだ後は、午後のトレーニングを開始。
学園にもあった巨大なダイヤはこのビーチにもあって、僕はその上に座ってタイヤを引く姉ちゃんにエールを送る。
「走れ走れー!」
「うおぉぉ〜! 菊花賞〜!!!」
「その前にセントライト記念でしょ〜!?」
ダイヤ引きトレーニングの次は、海で泳いでスタミナ強化だ。
身体を動かしたあのとは、トレーナーさんによるレースに関する勉強をした。
そして夏合宿、初日のトレーニングが終了して、夕食や風呂を済ませた僕やチームスピカのメンバー達は部屋に布団を敷いて寛いでいた。
「はぁ……疲れた〜!」
「姉ちゃん。脚のマッサージしてあげようか?」
「お願い!」
姉ちゃんは仰向けになって、がっしりムッチリした太ももや足の裏辺りをマッサージした。
前までは女の子の脚をマッサージとか気恥ずかしいって思ったけど、最近は慣れて来たのか気にしなくなっていた。
「はぁ〜……なおくんマッサージ気持ちい……」
「それは良かった」
「直人くんのマッサージそんなに気持ちいの?」
「はい! テイオーさんもどうですか?」
「良いの!? じゃあ直人くん、お願い!」
そう言ったテイオーさんは、姉ちゃんと同じ仰向け状態になり、マッサージ待ちをしていた。
今まで姉ちゃんにだけしていたから、他のウマ娘の脚を触ったことがないので、ちょっと緊張するな。
「ど、どうですか? テイオーさん」
「おぉ〜! コレは良いねぇ〜!」
「あの……直人さん、私にもして頂けませんか?」
「アタシにもいいかしら?」
「オレもオレも!」
「マジか……」
テイオーさんが気持ちよさそうにしていたのを見ていた皆が、僕の脚マッサージを続々とリクエストしてきた。
マックイーンさんからは、メジロ家のマッサージ師として雇いたいくらいだと言われちゃった。そんな大袈裟な……。
「なおくん、悪いんだけど肩も揉んでくれない? 最近肩も凝ってて」
「ああ、良いよ」
肩を揉んでいる時、テイオーさんとマックイーンさんとスズカさんが死んだ魚のような目をして、姉ちゃんの胸を凝視していた。うん……気持ちは察しますよ。何がとは言いませんが。
「ねぇ……ついでに胸も……痛っ!」
「調子に乗るなぁ!」
「直人くん、どこからハリセン出したの!?」
ふざけた姉ちゃんの頭に一括すると、スペさんからの突っ込みが入った。
「はぁ……アホらし……。アニメでも見ようかな〜……」
僕は、2ヶ月間も此処にいるのは暇すぎると思ったので、両親からもらったお小遣いを貯金して貯めていたお金を使って買った、ファイヤースティックTVを部屋のTVに繋いで、アマプラでアニメを見ることにした。
「推しの○。最初から観ようかな……」
「あっ! コレってキタちゃんがこの前勧めてた奴でしょ?」
「はい! ネットでは最初のお話が凄く泣けるって見ましたよ!」
やっぱりオタ芸をする赤ん坊が面白すぎる。マジでこのアニメは第一話で完成され過ぎているほど凄すぎる。最後のシーンは涙ボロボロでちゃう。
そしてアニメ主題歌の「アイドル」この作品のとあるキャラクターを見事に表現していて、原作の人が歌詞を書いたのかってくらい良い曲なんだよなぁ……。
「ぐすっ……こんな展開予想してなかったよ〜!」
「「愛してる」の台詞が凄く響きましたわ」
「スズカさん、悲しいお話でしたね……」
「ええ……。直人くん、これはまだ序章なのかしら?」
「はい! こっから面白くなるんですよ!」
「オレも先の展開が気になりすぎる!」
「アタシも! 夏合宿の期間を使って全話視聴しましょ?」
「あたしはなおくんのこと、本気で愛してるからねー!」
そして、アニメを視聴した後はトランプやUNOで遊んでいると、いつの間にか就寝時間になっていた。
いつもは寮で一人きりなので、皆でワイワイするこの空間がとても楽しかった。最初は女の子だらけの所に! なんて思ったけど、いつの間にか案外普通に馴染めていた。
「明かり、消しますわよ?」
「はい! 皆さん、おやすみなさ〜い」
マックイーンさんが明かりを消して部屋が暗くなり、暫くすると部屋は静かになり寝息が聞こえてくる。
「お邪魔しま〜す」
「ちょっ! 姉ちゃ……ムグっ!」
「シー……。なおくんと一緒の布団に寝るの久しぶり。なおくんの卒業式があった日以来だよね?」
「そうだったっけ……」
姉ちゃんが僕の布団に移動してきてピッタリとくっ付いて来た。今の格好は浴衣のような感じなので、いつもの服装より肌色の露出度が高めである。
思わず姉ちゃんの谷間が視界に入ってしまい、頭がショートしかけて、顔が熱くなってくるのが分かる。
「なおくん……あたし、強くなるよ。この合宿で」
「うん……。一緒に頑張ろうね。これからどんなことがあっても、僕がずっと側にいるから」
「えっへへ……ありがとう。なおくん」
僕は姉ちゃんの温もりに包まれながら、そのまま眠った。
直人の布団の隣で、この2人のやり取りを寝たふりで盗み聞きしていたトウカイテイオーは、顔を赤くしながらこう思った。
(姉弟関係なく付き合っちゃえよー!)
ぐはは! 女の子だらけの空間に放り出してやったぜ! 同年代の子と仲良くして、良い思い出を作るんだゾ!
という訳で夏合宿編スタートです。暫くは夏に関連したイベントの日常話を中心に書いて行くので、お付き合いよろしくお願いします。
目指せ! 菊花賞優勝! そして開催させるはキタサン祭りだ!