目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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夏休み編最終話です

読んでください!(喜多ちゃん風)

それではどうぞ!


第四十八話:江ノ島エスカー

 

 

 8月下旬のもうすぐで夏休みが終わろうとしているとある日こと。

 僕はツヨシさん達に呼ばれて、下北沢のライブハウスで感謝祭に向けての練習する事になった。

 

 何故わざわざ下北沢で運賃払ってまで来なければいけないのか不思議だったけど、ここの方が学園より落ち着くとツヨシさんとクラウンさんが言っていたので、仕方ないと思いながらも下北沢駅にやって来た。

 

「いや〜! 今日も暑いね〜!」

「そうっすね……体が溶けそうですよ」

 

 そして現在、僕はクラウンさんとライブハウスへと向かっている途中だ。この人とは府中駅に行く時に途中でエンカウントした。

 

「今日は暑いですし、皆に差し入れでも買います?」

「いいね! じゃあコンビニでアイスでも買おっか!」

 

 そう決定した僕らはツヨシさん達にと思いコンビニの中に入った。

 

「はわぁ〜……涼しいですね〜!」

「クーラーの効いたコンビニは天国だよね〜!」

 

 冬の時期にに炬燵に入った時、外は寒くて出たくないのと同じで、夏の時期はクーラーの効いた空間から出たくない。

 

「直人くん。気持ちは分かるけど、早くアイス買ってツルさん達の所に行こうか」

「そうですね〜」

 

 どのアイスにしようかな……分けられるパピコ? いや、やっぱりガリガリくんとかかな。あっ! 姉ちゃんや母さんも大好きなニンジンアイスもあるぞ。

 これはトレセン学園入学前に、地元のコンビニやスーパーで見かけた奴だ。ニンジンのアイスって美味いのかよって気になって買って食べたらめちゃくちゃ美味かった奴だわ。

 

「クラウンさん、これにします?」

「それ、私も大好きなアイスだ! これにしようか!」

 

 というわけで、ニンジンアイスを4本購入して、僕らはライブハウスへと向かった。

 

「お待たせしました!」

「あっ! 直人くん、クラちゃん!」

「ツヨシさん、こんにちは! あの……タキオンさん、どうしたんすか?」

 

 ライブハウスに到着して中に入ると、ツヨシさんと汗をだらだら流して、クーラーの涼しさで幸せそうな顔をするタキオンさんがいた。

 

「先程まで外にいたので、今まさにライブハウスの冷房天国の幸福に浸ってた所だったのさ」

「多分ですけど、こんなクソ暑いのに、そんな白衣着てるからじゃ? 脱げば良いのに……」

「いやぁ……これは私にとってのアイデンティティのような物だからね……簡単には脱げないのだよ」

 

 本当に変わった人だな。娘スカーレットさんによる父タキオンさんの追加情報では、自分の担当トレーナーを実験台のモルモット君として、開発した薬品を飲ませ、発光させたことがあるらしい……ヤバいなこのウマ娘。

 

「ああ……そうだ。差し入れにニンジンアイス買って来ましたよ。食べたら練習始めませんか?」

「直人くんが買って行こうって言い出したんですよ!」

「悪いねぇ。北くん」

「私、ニンジンアイス大好きなんだ。ありがとう!」

 

 

 

 ニンジンアイスを食べて、ライブに向けての練習をする僕たち。するとツヨシさんが突然ある提案をして来た。

 

「ねえ、私たちで何処かに遊びに行って、夏の思い出作りしない?」

「遊びにですか……行くとしても何処に?」

「海とかは?」

「海は、合宿で散々遊んだしな〜」

「でも私の合宿先、山だったから海行ってみたいな〜」

 

 へえ〜……ダイヤ姉ちゃんとクラウンさんのチームは合宿先が山だったんだ。

 聞いたところによると、トレセン学園が所有している合宿所は僕らが行った海だけではなく、山の中の方にもあるらしい。

 

 大自然に囲まれてのトレーニングってのも悪くないよね。

 

「ダイヤってば、寝る時に「キタちゃんは今頃なおくんと……私もなおくんと一緒に寝たいよ〜!」なんて言ってたんだよ!」

「北くん、自分のお姉さんと言い、ダイヤくんにも好かれているんだねぇ〜。モテモテじゃあないか」

 

 タキオンさんにほっぺを人差し指でツンツン突かれる。

 

「タキオンさん、揶揄わんでください。おっと話が逸れたな……まあ、僕は海でも構いませんけど」

「じゃあ江ノ島はどうかな?」

 

 江ノ島か! 高台の展望デッキからの景色が綺麗って聞いたことがある。

 あと江ノ島名物のしらす丼やしらすパンが絶品だとテレビでもやってたし、タコ煎餅も食べてみたいかも。

 

「良いですね! タキオンさんとクラウンさんはどうしますか?」

「今週の土曜日なら空いているから、その日なら問題ない」

「私のチームもその日はトレーニングお休みだから大丈夫です!」

「じゃあ決まりだね! 今週の土曜日に、集合場所は府中駅って事で!」

 

 こうして、スターリオン夏の思い出作りとして江ノ島に行くことが決定した。

 姉ちゃんには悪いけど、この日はバンドメンバーとも親睦を深めたいので、僕の部屋に居座っても良いから行かせてくれ! と土下座する勢いで伝えておこう。

 

 日帰り旅行の話を終えて、練習を再開させた僕らは午後の16時になるまで練習を続けた。

 

 

 

 そして約束の土曜日。姉ちゃんにはバンドメンバーと江ノ島に行くとちゃんと伝えると、めっちゃ引き攣った顔でOKをしてくれた。

 

 現在僕は、府中駅前にてツヨシさん達を待っているところだ。

 

「おはよう。北くん、君が一番かい?」

「タキオンさん、おはようございます。はい! 今の所は僕たちだけです」

「ツヨシくん達ももうすぐ来るみたいだから、一緒に待っていようか」

「そうですね」

 

 それにしてもタキオンさんって黙っているとすごく美人だな。目のハイライトオフの所とかまた良い……。

 

「ん?」

「どうしたんだい?」

「いや、気のせいです」

 

 今誰かが物陰にいたような気が……でも気配がないし気のせいって事にしておこう。

 

「直人くん、タキオンさん! お待たせしました!」

 

 タキオンさんが来てから5分くらい経つと、ツヨシさんがやって来て、その次にクラウンさんも続々やって来た。

 

「それじゃあ出発……ってやっぱり誰だ!?」

「な、なおくん!(ミツカッチャッタ!)」

「はぁ……何やってんのさ……姉ちゃん……」

「キ、キタサン!?」

 

 やっぱり、さっきの気配が僕らを見ていたからもしかしてと思って行ってみたら、姉ちゃんが電柱の陰に隠れていたのだ。黒い尻尾がゆらゆら揺れてたからバレバレよ。

 

「あっはは……ぐ、偶然だね。あたしも何処かに遊びに行こうと……」

「絶対嘘だ。どうせ僕の後つけて来たんだろ?」

「は、はい……」

 

 やっぱりな……このストーカー姉ちゃんをどうしようかな。

 このまま帰らせると僕の部屋で一日中ヘラってそうだし、色々めんどくさそうだしな……仕方ない。

 

「はぁ……姉ちゃんも来る?」

「えっ!? 良いの!?」

「まあ……家族にはあんま強く言いたくないしさ。それに思い出作りは多い方が楽しいと思うし、皆はどうしますか?」

「別に私は構わないよ」

「私も同感だ」

「キタサン、弟くんが優しくて良かったね!」

「うん! なおくん優しい! 大好き! マジ天使!」

 

 姉ちゃんの口から「マジ」とか初めて聞いた気がする。

 

 と、言うわけで……バンドメンバーと夏の思い出作りに+姉ちゃんを加えた合計5人で江ノ島へと出発するのであった。

 

「着いたー! あれが江ノ島か〜!」

「姉ちゃん、めっちゃ元気だね……」

「なおくんの成分と優しさを充填したからだよ〜」

「ねぇ、クラちゃん。2人っていつもあんな感じなの?」

「はい……キタサンがいつも直人くんにベッタリなんですよ」

「ふぅん……仲睦まじいじゃないか。まるでカップルのようだ」

 

 取り敢えず、お腹が空いたので、江ノ島の方へと向かって名物の生しらす丼を食べた。

 

「これが本場の味か〜。凄く美味しい!」

 

 しらす丼を堪能するツヨシさん。セットで頼んだ桜エビのかき揚げも最高だ。

 

「なおくん、あ〜ん!」

「ここでもするのかよ。あ〜ん……美味い」

 

 お昼ご飯を終えて、次にやって来たのは、たこ煎餅のお店だ。

 

「タコがまるまる煎餅になっているとは……実に興味深いね」

「ツートンの力でプレスしてるみたいです」

「ツートン? クラウンさん、正確には1トンですよ」

「えっ!? そうなの!? 恥ずかしぃ〜!」

 

 ツートンの力って……前に何かのラジオで聴いたことあるぞ。

 

「タコ煎食べ終わったら、展望デッキまで行こう!」

 

 さてさて、どうやって行こうかな? 長い階段を登れば、トレーニングの代わりみたいになるし、ちょうど良いけど……虚弱体質持ちのツヨシさんが途中でへばってしまったら、元も子もないしな……。

 

「皆さん、エスカレーターで行きませんか? 暑いし早く上に行きたいです」

「なおくんがそうしたいなら、あたしもそうするよ!」

 

 僕らは、券売機でエスカレーター乗車券を購入してエスカレーターに乗って展望台前に到着した。

 

「前に調べたことがあるんですけど、ここってクリスマス辺りの時期になると、綺麗なイルミネーションをやるみたいですよ!」

「そうなんだ〜! 今度お姉ちゃんと一緒に行く?」

「そうだにぇ……良いよ。行こうか」

「ヨシ! なおくんとのデート決まった!」

「ちゃうちゃう! 家族旅行な!」

「そこ〜! イチャイチャしてないで早く展望デッキ行くよ!」

 

 と、クラウンさんに言われたのでエレベーターに乗って上に行くことにした。

 

「はぁ……涼しいぜ〜!」

「良い景色ですね! 皆で景色をバックにして撮りませんか?」

「良いとも。そこのスタッフさん? 写真お願いしてもいいかい?」

「かしこまりましたー!」

 

 タキオンさんが近くのスタッフさんに頼んでくれて、記念写真を撮ってもらった。センターは何故か僕だった。

 

 そして、展望台からエレベーターで下に降りて、長い長い階段を降りて行き、この後は予定もないので、電車に乗って帰ることにした。

 

 電車内では、ツヨシさんとタキオンさんが寝ていた。着いたら起こしてあげよう。

 

「今日は楽しかったですね。また皆で何処かに遊びに行きませんか?」

「いいね! 私はキタサンと一緒でもいいよ」

「そういえば、クラウンさんは次のレースどうするんですか?」

「私は次、天皇賞・秋に出るよ。キタサンが次の目標に向けて頑張ってるってダイヤから聞いたし、私も負けてられないな……」

「お互い頑張りましょうね!」

「うん! またレースでぶつかることがあったら、その時はよろしくね!」

 

 もう直ぐで夏休みが終わり、いよいよ9月に突入し、姉ちゃんの秋初戦であるセントライト記念までの時間が刻一刻と迫る。そして、ファン大感謝祭も来月末に迫っているのであった。

 

 





トレセン学園の夏合宿は海しかなかったと思うので、独自に山バージョンも入れてみました。

次回からセントライト記念の話です

それではバイニー!
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