目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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話のストックはあるのですが、先の展開を考えてたら投稿遅れました。こんなことになる時があるので、ご理解お願いします。(それと、仕事が忙しくて中々書けないし、やりたい事たくさんあるから許ちて許ちて)

今回はライブパートになります。6000文字行きました

それではどうぞ!


第五十二話:ファン大感謝祭・秋(後編)

 

 

 ライブ開催前の控え室にて、僕らスターリオンはオペラオー劇団と逃げ切りシスターズと同じ室内にいる。

 

「や、ヤバい……ステージとか初めてだから、めちゃくちゃ緊張してきたんですけど……」

「大丈夫かい、北くん。なんなら私が開発した緊張安定剤の服用でも?」

「いや、なんか怪しすぎるのでよしときます」

 

 タキオンさんが開発した薬品を飲むと後々ヤバいことになるって、とある経験者から聞いたことがあるので止めておきます。

 でも、緊張をほぐす為に渡そうとしてくるあたり、タキオンさんは凄く優しいんだな。

 

「ハーッハッハッハ! 改めて、良いステージにしようじゃないか、直人くん!」

「はい、オペラオー劇団も楽しみです!」

 

 オペラオー劇団の『オペラ劇場』に出る演者は、逃げ切りのファル子さんとマルゼンさんにフジさんを加えた合計4人だ。

 ファル子さんとマルゼンさんは逃げシスでもステージに立つのに凄いな。

 

「あの……4人が着ているその衣装って勝負服なんですか?」

「ああ、そうとも」

 

 すっげー! どの勝負服も凄い出来だ。オペさんは特にキャラに合ってて、マルゼンさんは真っ赤なのが仮面ライダードライブみたいでカッコよくて、ウマドルらしさ全開のファル子さんは可愛くて、フジさんは……胸元がちょっとエッチだ。姉ちゃんもだけど……。

 

「この勝負服でオペラオーさんはGⅠを7勝もしたのか……世紀末覇王は凄いなぁ〜!」

「当然! 僕こそが最強だからね!」

「あの、勝負服の皆さんと写真撮りたいっす!」

「もちろん良いわよ。スズカちゃん、マブい一枚よろしくね♪」

「分かりました、マルゼンさん」

 

 僕はスズカさんにスマホを渡して撮影をしてもらった。勝負服姿のウマ娘達と記念撮影って最&高ですな。

 

「君がスズカちゃんの言っていた直人くんなの!」

「む、あなたは?」

「初めまして、あたしはアイネスフウジン。よろしくなの!」

「あなたがツヨシさんが言ってたアイネスさんだったんですね。よろしくっす!」

 

 このウマ娘がアイネスフウジンなのか……頭にはサンバイザーを被っており、顔にはうっすらとそばかすが見える。あと胸がめちゃくちゃ大きい。

 

「直人くんが他のウマ娘、見に来てくれたひとに……そして一番大事なお姉ちゃんに聴かせる為にバンドに入ったってスズカちゃんに聞いてから興味があったの。あたし、家じゃ1番上の長女だから」

「アイネスさんには、下に兄弟が何人いるんですか?」

「双子の妹がいるの」

「へぇ〜。ところで、何で逃げ切りシスターズに入ったんです?」

 

 アイネスさんはトゥインクルシリーズに出場しながらアルバイトで家計を支えており、長期でコンビニ・ラーメン屋・郵便配達を掛け持ちし、さらには短期バイトを職種を問わず色々やっているんだそうだ。

 誘われた際、アイドルなんて柄じゃないしバイトもあるからと言ったら、ファル子さんが「ギャラが出る」と言う一言で加入を決めたそうだ。

 

「家族の為にアイドル……いえ、ウマドルでしたね。アイネスさんは家族想いの優しいお姉さんです」

「ふふっ、お互い様なの」

 

 控室で皆さんと話していると、自然と緊張がほぐれていった。

 

「オペラオー劇団の皆さん、そろそろ時間でーす!」

 

 すると、ライブのスタッフ兼実行委員長のたづなさんが入ってきた。

 放送での呼びかけやら何やらで本当にお疲れ様です。また校門前を通ったらコーヒーでも差し上げましょうかね。

 

「それでは行ってくる。直人くん、世紀末覇王のステージをとくと見よ!」

「行ってきまーす!」

「アゲアゲで行くわよ!」

「最高のエンタメを披露してくるよ」

 

 気になった僕は、クラウンさんとオペラオー劇団のショーをステージ脇から見ることにした。

 

 オペラ劇場・『嗚呼それが我の宿命』の開幕である。会場からは女性達の黄色い大歓声が聞こえてくる。

 

「おお……なかなかにユニークな詩ですね」

「作詞作曲は全部オペラオーさんなんだって」

「ほへぇ〜」

 

 何か聴けば聴くほど、オペラオーさんがめっちゃ強調されてる感凄いな。ギャグ要素もあって中々に面白い。

 それととてもリズミカルで楽しい劇だ。オペラオーさんは将来、宝塚歌劇とかでミュージカル女優してもおかしくないよな。

 

 フジさんの演技力も中々高い、人を魅了させるエンターテイメント性が凄まじい。

 クラウンさんに聞いたところによると、フジさんの母親は舞台俳優でその母に憧れから来ているそうだ。

 

 ファル子さんも可愛いし、マルゼンさん……は途中で死語を使ってる所がらしいなと思った。

 

「次は絶対ファル子が主役だからね!」

「いーえ、私よ!」

「ま、次も楽しみにしよう」

「ハーッハッハッハ!」

 

 こうしてオペラオー劇場は幕を閉じて、ステージの幕が一旦降りた。

 ファル子さんとマルゼンさんは、着替えるため更衣室に移動した。

 

 

 

 次はスズカさん達、『逃げ切りシスターズ』のターンである。

 着替えから戻ってきたファル子さんとマルゼンさんが他のメンバーと合流する。

 

「スズカさん、頑張ってくださいね!」

「ありがとう、直人くん」

「スズカちゃん、そろそろ行くよー!」

「分かったわ。それじゃ、行ってくるわね」

 

 そして逃げ切りシスターズの5人は円陣を組んでから会場へと走って行ったのだった。

 

 このライブはクラウンさんに加えてツヨシさんも一緒に見ることに、タキオンさんはちょっとだけ仮眠をとっている。

 

 会場の方を見ると、ペンライトやハッピ、逃げシスメンバーの名前が記載されてる団扇をガチガチに装備したピンク髪のウマ娘がめちゃくちゃ目立っていた。

 目もキラキラに輝かせ、口からは涎がたらりと出ている。あのウマ娘…‥ガチのオタクじゃねえか。会場にいる他のドルオタよりも目立ってるし。

 

 同じオタクの僕でも、ここまでのことは出来ないと思った瞬間であった。

 

『皆さーん! こんにちわー! 盛り上がってますか〜?』

『今回のライブも全力で逃げ切って見せるの!』

『最高のライブを約束します』

『テンションぶち上げて行くわよー!』

『それでは聴いてください「逃げ切りっ!Fallin' Love」』

 

 スズカさんがそう言い、イントロが流れている間に、ツヨシさんがペンライトを渡してきた。

 

「なんかワクワクしてくるでな。それに、合いの手があるんですね」

「うん、「逃げ切り」の所の後に続いて「逃げ切り」って言うんだよ」

「分かりました」

「直人くん、楽しそうね」

「もちろんですよ、クラウンさん。この位置からライブを見るの新鮮ですもん」

 

 歌詞の随所に、自分の逃げのスタイルで勝つんだって言う内容が刻まれていて、素晴らしい曲であった。

 逃げて逃げて逃げ切る……先頭をずっと見続けて1着でゴールする、逃げの脚質で走るウマ娘にとってはロマンだよな。(※あくまで個人の感想です)

 

 マルゼンさんの学生の中に混じって頑張ってる感が凄いなと思ったのは内緒です。

 

 一曲目が終わって次に2、3曲披露した逃げ切りシスターズのライブが幕を閉じた。

 本当に最高のライブであった。途中から仮眠から目覚めたタキオンさんとも一緒に盛り上がった。

 

「スズカさん、お疲れ様でした! もう最高にときめいちゃった!」

「ええ、ありがとう。次は直人くん達の番よ」

「そうだった……し、心臓がバクバクしてきちゃ〜!」

「直人さんなら出来ます。今まで頑張ってきたんですよね」

「そうなの、直人くんのお姉ちゃんを感動させてあげるの!」

「ファル子も全力で応援してるよ!」

「お姉さん達が、裏でついているわ。胸を張っていきなさい!」

 

 逃げ切りシスターズのメンバー全員にエールを送られ、僕はギターを持って、ツヨシさん達の所へと向かう。

 

 幕の閉じているステージの上に移動をして、改めて楽器の最終調整をする。

 音を鳴らしてみる。よし、問題ないな。幕の向こうにはたくさんの人が……姉ちゃんもいる……僕は自分に負けない!

 

「ツヨシさん、タキオンさん、クラウンさん、折角ですし、円陣でも組みませんか? 逃げシスの人たちみたいに」

「良いねそれ、やろう!」

「ふぅん、実に面白くなってきた」

「直人くん、声掛けよろしくね!」

「うっす……ここからは僕らのステージ! スターリオン、さあ行こう!」

「「「レッツゴー!」」」

 

 こうして心をひとつにした僕たち、ブザー音が鳴り、会場の幕が上がる。

 会場を見ると、今まで僕の知り合ったウマ娘がたくさんいた。それだけではなく、僕のクラスメイト数人や外からやって来た一般の人たちもたくさん居た。

 

 僕は深呼吸をして、最初の挨拶をする。

 

「どうも、僕たちスターリオンです。今日この会場を最高のお祭りにしましょう!」

 

 

 

 ー キタ視点 ー

 

 

 

「あっ、始まった。なおくーん!」

「キタちゃん、いつのまにそんな格好を?」

「私が用意しました!」

「ダイヤちゃんが!?」

「なおくんの応援のためですからね。サイリウムにハッピ、そして感動した時ようにハンカチもあります!」

「ハチマキまでつけちゃって、気合い入れすぎ」

 

 ライブ会場の幕が上がってなおくん達がステージ上に立っていた。

 か、カッコいい! いつも可愛いなおくんが凛々しく見えちゃうよ……。

 

 最初になおくんが仕切って、先ずはメンバー紹介から入った。ここでは、紹介をしつつ、それぞれソロでミニパフォーマンスをするらしい。

 

『さて、先ずはドラム・サトノクラウンさんです!』

 

 最初にクラウンさんが紹介された。ドラムめちゃくちゃ上手い。歴が長いだけあって流石だなと思った。

 

「クラちゃん、ドラムの腕あげたね」

 

『どうも、サトノクラウンです。今日はよろしくお願いしまーす!』

『続いては、ベース・アグネスタキオンさんです!』

 

 次はタキオンさんだった。体の奥に響く低くも重みのある音。あたしが知っている普段のタキオンさんとは全然違う。

 

「流石はタキオンさんね。楽器を弾く姿もまさしく完璧のパーフェクトだわ」

 

 そのタキオンさんの姿に絶賛するスカーレットさん。

 

『このライブ……100%の確率で成功させてみせるよ』

『続いては、我らスターリオンのリーダー。ギター・ツルマルツヨシさん!』

 

 次はなおくんのギターの先生をしているツルマルさんだ。このギターソロ、前になおくんと観たアニメで聴いたことある!

 

「ツルちゃん、カッコいいデース!」

 

『皆さん、残り短い時間ですが、盛り上がっていきましょー!』

『そして最後、ギターボーカルの北島直人です。よろしくお願いします!』

 

 最後はなおくんが自己紹介をして自分のソロ演奏を始めた。なおくんがギターを手にした日から格段に上達しており、彼の成長を感じた。

 

「成長したね。なおくん……」

「直人さんの努力の結果ですわね」

 

 それを見て感動しているダイヤちゃんとマックイーンさん。

 

『それでは、メンバー紹介も終わったと言うことで、最初の2曲はウマ娘さん達がウイニングライブで披露する曲を2連続で歌わせていただきます。それでは聴いてください『UNLIMITED IMPACT』、『Never Looking Back』』

 

 クラさんがバチ同士を叩くと、演奏が始まった。普段ウイングライブで聴いている曲がバンドの曲調でアレンジされるとこんな感じになるんだ。

 しかも、なおくんが歌いやすいようにキーの調整もされてて、凄い完成度だ。なおくんの歌唱力も前にカラオケで聴いたのよりもレベルが上がっていた。

 

「流石はあたしの弟だなぁ〜!」

 

『以上、『UNLIMITED IMPACT』と『Never Looking Back』をお送りしました!』

 

 演奏が終わると、会場から大きな拍手と歓声が聞こえてきた。

 

「直人くん、最高だよー!」

「直人のやつ、よくここまで成長したよな!」

「ああ、ギターを見ずに演奏して歌っていた所き成長に感じるぜ。いいぞ、キタ弟!」

 

 なおくんを褒めてくれる、テイオーさん、ウオッカさん、ゴルシさん。

 なおくんの話では、次はもう2曲歌って終わりらしい。何を歌うのか凄く楽しみだ。

 

『え〜……続いて歌うのは、僕がカバーをしたいとメンバーに頼んで選んだ2曲を歌わせていただきます。先ずは文化祭のような舞台といったらこれでしょ! というのをチョイスしました。聴いてください……『God knows』」

 

 この曲知ってる。なおくんが大好きなアニメの挿入歌だったかな? 昔はよく横で聴かされていたのを思い出す。エンドレスエイトは、なおくんと見てて鬱になった記憶がある。

 

「凄えな、直人のやつ……。それに音源も原曲に忠実で完成度が高すぎるぜ。あのメンバー達も相当練習したに違いねぇ」

「お、音也くん。いつのまに!?」

 

 ライブを夢中で見ていたら、隣になおくんのクラスメイトで、友達の音也くんがいた。いつも弟がお世話になってます。

 

『お送りしました『God knows』でした! 続いては最後の曲です。最後ということで、クライマックスに相応しい『Climax Jump』歌います。いーじゃんすげーじゃんの合いの手、皆さんでやりましょう!』

『この曲は4人でパート分けして歌いまーす!』

『則ち『Climax Jump Stallionform』と言ったところか』

 

 『Climax Jump』と聞こえた時、会場全体が盛り上がった。クラさんがパート分けと言ったので、それにもワクワクした。

 この曲は、これまたなおくんが好きな特撮の主題歌だ。実はあたしも大好きです。

 

 演奏が始まり、なおくんが歌い始めた後に、「いーじゃんすげーじゃん」の合いの手で会場全体が一体となったのを感じた。あたしも楽しくなって大声で合いの手をした。サビの部分で4人の歌声が重なり、あたしの心は最高にときめいていた。

 

 この曲を聴くと、落ち込んだ時も背中を押されてる感じがする。

 なおくんが選んだって言ってたよね。これはあたしだけじゃなくて皆の背中を押すために選んだんだよね。

 

 変わるところを恐れない、あたしはこれからも変わらず、自分の信じた道を貫く。そしていつか先の未来で、ダイヤちゃんと……。

 

 間奏部分のギターソロは、なおくんの直向きな演奏に終始見惚れていた。

 

「なおくん……ありがとう……」

 

 そして最後の合いの手で『Climax Jump』が終わった。

 

『はぁはぁ……ありがとうございました!』

 

「なおくん、すっごくカッコいい! ね? キタちゃん……あれ? キタちゃん?」

「なおぐん……お姉ちゃん……なおくんが弟で凄く誇らしいよ……ありがどう……!」

「もう……キタちゃん泣きすぎたよ。私まで泣きそうになっちゃうよ……」

 

 そう言い、あたしに続いて、ダイヤちゃんも目から涙を流す。

 

『それでは、ライブも終わったことですし……直人くん何か一言ある?』

『えっ、いきなりっすか? ツヨシさん』

 

 曲が終わってからいきなり話を振られて戸惑うなおくん、可愛い。

 

『そうですね……こうしてステージの上にいられるのは僕だけじゃなくて、バンドメンバーと協力して、皆がこうして来てくれたからだと思うんです。だから感謝を歌で伝えられたらそれだけでも幸せですね……特にこのギターをくれた人には……本当にありがとう』

 

 そう言い、なおくんは、ギターを優しく抱きしめた。

 

「「なおくん……これ以上お姉ちゃん達を泣かせないでー!!」」

 

 

 こうして最後は、オペラオー劇団と逃げ切りシスターズのメンバーが揃い、それぞれ感謝の言葉を述べ、『ファン大感謝・秋スペシャルライブ』は幕を閉じたのだった。

 

 





アイネスフウジン初出走です!

ということで、曲のチョイスなのですが、ウイニングライブの曲は作者の好きな物を選曲しました。

そしてカバー曲、ハルヒの挿入歌は最近アニメを見てたのでこれがいいと思って選んだのと、電王の主題歌は普通に勇気も元気ももらうしメッセージ性強いでしょと思って選びましたね。

未来に向かって走り続けるウマ娘にはピッタリだと思います。

歌詞を書かなかったのは歌詞コードを探すのが面倒だったのでそこら辺はご了承ください。

それではまた次回お会いしましょう
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