目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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皆様お久しぶりです。

投稿遅れた理由は後書きに記します
今回は菊花賞の後の後日談です。

それではどうぞ!


第五十六話:世間に晒されちゃった……

 

 

 

 菊花賞が幕を閉じて数時間が経過した。新幹線に乗りながら眠っていた僕らは、東京に到着して早々に、チームスピカのメンバーでそろって「キタサンブラック菊花賞おめでとう回」をしようと言うことで、皆でご飯を食べに行くことになった。

 

 他にも菊花賞を見ていたダイヤ姉ちゃんや音也くんらも誘ったのだが、チームの宴会に邪魔をするのも良くないとか気を遣って先にトレセン学園へと戻っていった。

 東京駅を出て、街を歩いていると、色々な人たちが僕ら姉弟を囲んでは、祝福の言葉を投げかけていた。

 

「いや〜! キタサンブラック。最高の走りだったよ!」

「弟さんも良かったですね。お姉さんが菊花賞を制して!」

「ありがとうございます。これも姉の実力ですので」

「あたしだけじゃないよ。なおくんもいてこその勝利だからね!」

 

 そう言い、僕に抱きついてくる姉ちゃん。その光景を見た人たちが「姉弟同士、尊すぎる」や「2人とも可愛らしい!」などの声が聞こえて来た。は、恥ずかしい。

 

「姉ちゃん。僕、お腹すいた」

「そうだね。すみませんが、この後ご飯を食べに行くので、通して貰えませんか?」

「そっかそっか、すまなかったね。引き止めてしまって」

「いえいえ、行こ? なおくん」

 

 こうして僕は姉ちゃんと手を繋いで、人の波を抜けて、チームの皆とお店へと行くことにした。

 

 やって来たお店はすき焼き専門店で、外は涼しくなって来ているので、鍋系の飲食店は今の時期にはピッタリな場である。

 

 店員さんに大きめの部屋へと案内してもらった後に、料理とドリンクの注文を済ませて数分後。

 

「それじゃあ皆さん、準備はいいですか?」

「もちろんですわ」

「いつでもいいぜ、キタ弟!」

「それでは……我が姉キタサンブラック。菊花賞での優勝を祝して、カンパーイ!」

 

 僕が乾杯の温度を取り、皆とグラス同士を当てて乾杯をする。

 僕は、コップに入ってるコーラを一気に飲み干した。さっきまで喉が渇きまくっていたので、喉がシュワシュワで満ちてめっちゃ最高だった。

 

「うんまぁ〜!」

「かぁ〜! 美味いな!」

 

 トレーナーさんはお酒を飲んでいる中で、僕ら未成年はソフトドリンクで喉を潤した。

 勝利した後の味って気分がいいな。店員さんが頼んだ鍋の具材を次々と持ってくる。

 

「お待たせしました! こちらすき焼きセット6人前になります!」

 

 え? 6人前って多くないかって? うちのチームにはな、主役よりも食べる人がいるから多い方がいいんだよ。

 

「クシュン!」

「あら、スペちゃん。風邪かしら?」

「いえ、違います。誰が私の噂でもしているのでしょうか?」

 

 すき焼きに関しては、僕とスカーレットさんがそれぞれ鍋の中に野菜やお肉を入れることになった。誕生日の日にはよく家族と鍋を囲ってすき焼きを食べていたので手慣れている。

 

 それと、メニューにはすき焼きの具に焼き豆腐の代わりにお麩バージョンもあったのでそれぞれ3つづつ頼んだ。

 

「美味しそうですわね」

「そうだね。ボク、もう待ちきれないよ〜!」

「テイオーさん、まだですよ」

 

 僕は「ちょうど食べ頃です」と言うと、スカーレットさんも「こっちもOKよ」と言ったので、皆は一斉に箸を鍋の中に入れて具材を取り始めた。

 

「う〜ん……お肉美味しい〜!」

「お麩も味が染みて美味しいわね」

 

 お肉とお麩を口に入れて幸せそうにするスペさんとスズカさん。お麩入りのすき焼きは初めて食べたのでめっちゃ美味くて衝撃を受けた。

 今度、実家に帰ってすき焼きを作った時にはお麩も入れてみようかな。

 

「なおくん、あ〜ん」

「あ〜ん! 美味しい!」

「直人くん、いつもは嫌々食べさせられてるのに、ご機嫌だね」

「もう、今日は何されても何も言いません!」

「直人さん、いつにも増して清々しい笑顔ですわね」

 

 そう……今の僕は非常に気分がいい。

 

「じゃあ、なおくん。今からお口にキスをしても……」

「それは流石にやめてね〜!」

「むぐむぐぐっ!」

 

 この光景にチームの皆は大爆笑。残りの具材を全て食べ終え、〆のうどんを食べ尽くして、楽しい楽しい宴会が終わった。

 

 

 

 宴会を終えて、チームの皆と解散した僕と姉ちゃんは、菊花賞でのレース勝利報告を両親に伝えようとテレビ電話をすることにした。

 スピカのメンバー達は先に寮へと戻って行き、僕らは寮の近くに設置されているベンチに座り込む。

 

「あっ、繋がったよ」

「もしもし? 父さん、母さん。あたし遂にやったよ!」

『ああ、TVで見てたぞ。キタ、よくやったな!』

『なおちゃんがキタちゃんにハグしに行って、涙を流してた所は、お母さんも釣られて泣いちゃったわ』

 

 他にも、親戚や知り合いの人たちも見ていたらしく、姉ちゃんの菊花賞制覇で僕らの地元も盛大に盛り上がっていたらしい。

 

『直人、お前にキタを任せて本当に良かった。苦しいこともあったかもしれないが、よく乗りこえたな』

「僕だけじゃないよ。この菊花賞は色々な人の協力で得た勝利。それに、クラシックレースが終わってもレースはまだまだ続くんだ。これからも見守っててね。2人とも」

『ええ、もちろんよ!』

「父さん、母さん。また連絡するね。それと、いつかあたしのレース見に来て欲しいな」

『ああ、見に行ける時に連絡するぞ!』

「またね!」

 

 こうして通話を切って、僕らは夜空を見上げる。

 

「星が綺麗だね」

「そうだね……。ねえ、なおくん。次はどんなレースに出よっか?」

「そうだな……ジャパンカップ? それとも有馬記念かな?」

 

 なにはともあれ、姉ちゃんは来年からクラシック級からシニア級に移るわけだ。色々なGⅠレースに挑むのも悪くない。

 

「でもその前に、ダイヤ姉ちゃんのデビュー戦を応援しようぜ?」

「うん……ダイヤちゃんと早くレースがしたいな〜!」

 

 そして暫くして、僕らはそれぞれ寮へと戻って行った。寮の中に入ると、潤一郎さんが出迎えてくれた。

 

「直人くん、おかえり。菊花賞見てたよ。本当におめでとう!」

「ありがとうございます。僕、この学園に来て良かったって思いました。これからも大切な家族を支えられる立派な人間になります!」

「頼もしいね。君のお姉さんも絶対喜んでくれるよ」

 

 そう言ってくれる潤一郎さんの言葉に僕の心は落ち着いて行く。

 そして、一礼をして自分の部屋へと戻り、ベッドの上に寝転がった。

 

「何だろうな……この何とも言えない感覚は……」

 

 僕は深呼吸をして、スマホでホロメンの生配信を見ようとUmaTubeを開いた。

 誰か配信やってないかな……あっ、夏色さんが菊花賞についての雑談トークライブやってるじゃん。覗きに行こうかな。

 

『いや〜! 今日の菊花賞、凄かったよね〜! あたしの推しのキタちゃんが見事制した時は涙出ちゃったよ!』

 

 夏色さんって僕の姉ちゃんのファンだったんですか! 嬉しいこと言ってくれて、あなたを推している僕からするとすごく嬉しいです。

 

「スパチャでも送ろ」

 

 僕はちょっとではあるが500円の投げ銭をやった。内容は「姉のレースを見ていただきありがとうございました」と送信した。

 

『ちょ、ちょっと待って……この配信にキタちゃんの弟くん居るんだけど! ヤバっ!』

 

 僕が送った1つのスパチャでチャット欄がめちゃくちゃ盛り上がった。

 しまった……これ絶対に切り抜かれて拡散されそうなんやつなんですけど。ついお礼をしたくて送ってしまった馬鹿な僕を許してくれ……自分。

 

 後日この部分が、とある切り抜き動画主の手によって投稿された切り抜き動画がちょっとだけバズった。

 

 

 

 そして、菊花賞の激闘が明けてから数日が経過した。僕と姉ちゃんは昼休みに、カフェテリアでテイオーさんと共にお昼ご飯を食べていた。

 

 カフェテリアに来る途中、僕と姉ちゃんを見てはヒソヒソとする人たちがチラホラ見受けたので、なんだろうと疑問に思った。

 

「あの、テイオーさん。僕らなんかヒソヒソされてるんですけど」

「え、そうなの?」

「姉ちゃん、気付かなかった?」

「うん! なおくんのことしか考えてなかったし!」

「多分だけど、これだと思うよ」

 

 そう言い、テイオーさんは月刊トゥインクルを出して白黒部分のページを捲ると『キタサンブラック、弟との悲願の夢。菊花賞を制覇』と大きく文字で載っており、驚きの写真が大きく載っていた。

 

 そう……僕と姉ちゃんが大泣きしながら抱きしめあっている写真であった。

 

「な……んなぁ!?」

「おぉ〜! なおくんとあたしが大きく載ってるよ」

「そう言う問題じゃなーい! なんでこの写真をチョイスしたんだ! 誰だよ、この写真にしたやつは!」

 

 ページの隅には「乙名史悦子監修」と書かれていた。あ、あんのクソジャーナリストがぁ! 姉ちゃんは良いとして、一般の僕を世間様に晒しやがって……!

 

「いやん。あたしたちのラブラブを皆に見られたってことだよね。えっへへ」

 

 マジで勘弁してくれ……何故一般人である僕がこんなにも大きく出されなきゃいかんのですか? 姉ちゃんの顔を見るとめちゃくちゃ満更でもない表情をしていた。

 

「はぁ……食欲失せた……」

「お姉ちゃんが口移しで食べさせてあげようか?」

「やっぱり食欲戻ったわ……」

「えぇ〜!? どっちなの!?」

 

「おい! ピンク髪のウマ娘が鼻血を大量に出して倒れたぞ!」

「またコイツか!」

「デジタルちゃん、しっかりして!」

「と、尊みブラザーズ……ガクッ」

 

 ご飯を食べ直すと、何やら遠くから騒がしい声が聞こえて来た。

 人だかりの方を見ると、ライブ会場で目立っていたウマ娘が、目をハートにして鼻血を出しながら倒れていた。 

 

 何があったんだ? そんな事は気にせずにご飯を食べ終わった僕は、ギターの練習をしに防音室へと向かう。

 

「姉ちゃんも一緒で良いの?」

「うん! 久々になおくんの演奏聴きたいからね!」

 

 中に入ると、先客でツヨシさんがひとりで練習をしていた。

 

「直人くん、キタちゃん。見たよ、月刊トゥインクル。凄く仲良しだね〜」

「ツヨシ先生。掘り起こさないでください」

「あっはは、ごめんごめん」

 

 そして、ツヨシさんとセッションをしていると、彼女が次のライブの予定を言い出して来た。

 

「直人くん、次のライブなんだけど。来年の『ファン大感謝・春』でやろうかって考えてるんだけど、どうかな?」

「良いですね。春にピッタリな曲を歌いまくりましょうよ!」

「おお! 次のライブかぁ〜! お姉ちゃん、すっごく楽しみにしてる!」

「じゃあ、参加の申し込みが出たら、私がルドルフ会長に伝えておくね!」

 

 こうして、『ファン大感謝祭・春』に向けての練習が近々始まることとなった。これからがますます楽しくなりそうなそんな予感がした。

 

 





投稿遅れたのは仕事が忙しいのもあるのはもちろん、アニメも始まるのでそのタイミングで投稿したいと思ったからです。
投稿頻度は気まぐれだしアニメより出来は劣るかもしれませんが生暖かい目で見守って欲しいです。

まさかアニメでドゥラメンテが実装されるとは思わなかった……どうしようかな……どこかしらで時空改変ういビームでも打ちますかw

次回から新章突入です。

直人くんは学園内だけでなく、世間の人たちにも注目を集めてしまう。頑張れよ(ゲス顔)

最近、作者はデュエルマスターズに復帰しました。いつかデュエマネタのお話を描きたいです

それではまた次回お会いしましょう!
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