目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件 作:通りすがりの邪教徒
今回は新しいウマ娘が出て来ます。
それではどうぞ!
あっ、忘れてた。時空改変ういびーむ! とあるウマ娘の名前が改名されるビームです。
激走、力走……。あたしは現時点の力を振り絞って、思い切りシニア級のウマ娘達にぶつけて走り切った。
有マ記念のレースが終了して、あたしはゴルシさんの元へと向かった。1着を取れなかったのは悔しいけど、あたし的には凄く楽しいレースが出来たと思って……でもやっぱり悔しいよ! 今年の有マ記念勝つ気でいたのにー! うぅ……ごめんね、なおくん。
「ようキタサン。お疲れちゃん!」
「ゴルシさん、お疲れ様でした!」
「それよりも……聞けよ、この歓声……」
そう言われて、あたしは観客席から聞こえる大きな歓声を聞く。
「これが、本当のお祭り……ですね!」
「姉ちゃーん!」
「ん? なおくーん!」
あたしの名前を呼ぶ声が遠くから聞こえて来たので、一目散に駆け寄っていった。なおくん、お姉ちゃんが今行くよー!
「姉ちゃん、お疲れ様。水飲む?」
「なおくん。ありがと〜♪」
「弟のことになると、ホントに早いな……」
「ゴルシさんもお水飲みます?」
「おう! サンキューな!」
「それにしても、3着か〜! 来年は絶対にリベンジじゃい! ゴルシさんも凄くカッコよかったですよ」
「へへっ、ありがとよ!」
今回のレースでの反省会は後々やるとして……今はなおくんを思いっ切り堪能しちゃうよ。取り敢えず、手始めにほっぺすりすりしちゃえ!
「えへへ、なおく〜ん」
「ちょ、汗だくでやめてよ!」
「ほっぺモチモチで気持ちぃ〜!」
「話聞いてねぇ……ベタベタするぅ〜!」
どさくさに紛れてほっぺにちゅーもした。なおくんはあたしから力づく離れようとしたけど、当然お姉ちゃんの方が力は強いので絶対に離しませーん。
「見て見て、あれが噂のラブラブ姉弟よ!」
「尊いわね〜」
「早く付き合っちゃえよ!」
他の観客席の方からそう聞こえて来て、なおくんは顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。可愛いな〜! この子の良さをもっと世間に広めたい……って言ったら温厚ななおくんでも流石にブチギレるよね。
「姉ちゃん。ウイングライブは? 3着なんだから立てるっしょ?」
「そうなんだけど……実は今回、ウイングライブが無い代わりにスペシャル歌謡ショーがあるんだって!」
「今回だけの特別プログラムってやつか……すごい気合の入れ方だね。てか歌謡ショーあるの初耳なんだが」
「なぁぁぁにぃぃぃ!? 歌謡ショーだぁ? レースとは別に盛り上げようってか!?」
そういえば歌謡ショーの事、なおくんとゴルシさんは知らなかったんだ。
かく言うあたしも歌謡ショーの事は、レース場に向かう時の電車で他の人が話しているのを聞いて知った。その時なおくんはあたしの肩枕でぐっすりして、ゴルシさんは変なアイマスクを着けて寝ていました。
「おう、いいぜ! オレっち達の走りを超えられるなら超えてみろってんだ!」
「どんなアーティストが出てくるのか楽しみだね」
「そうだね。お姉ちゃん達は着替えたら皆のとこに行くから、なおくんは先に戻ってて」
「りょ」
こうして数十分後。あたしとゴルシさんは着替えを済ませてチームの皆の元へと戻ると、年末のスペシャル歌謡祭が始まり、会場はアーティストの曲でお祭りみたいに大盛り上がり。
因みに、歌謡祭に出てきたアーティストは、なおくんが今年ハマったアニメの主題歌を歌った人で、なおくんはその主題歌を聞けてめちゃくちゃテンションが上がっていました。
「まさか、この会場で生の『勇者』が聴けるとか神すぎんだろ……。帰ったら原作漫画読み返したり、アニメのフリーレン1話から見返さねば!」
「よかったね。なおくん」
「うん!」
こんなにも元気よく満面の笑みで「うん!」って言うなおくん、可愛すぎるっ! お姉ちゃん思わずトリップしちゃう所だったよ。
「ねぇ、直人くん。この曲のアニメそんなに面白いの?」
「はい! 僕の中で今めちゃくちゃ激アツな神アニメなのでお勧めですよ。良ければ原作の漫画、学園に戻ったらテイオーさんに貸しますよ」
「わぁ! ありがとう!」
なおくんの凄く楽しそうな顔を見てるとあたしまで幸せになる。
そういえば「学園に戻ったら」で思い出したけど、今日は寮でダイヤちゃんやシュヴァルちゃんたちと忘年会やろうって約束してたんだっけ……なおくんも呼びたいけど、フジキセキさんOKしてくれるかな? 帰ったら聞いてみようかな。
「うおおおお! 『アイドル』きちゃー!」
ー 直人視点 ー
歌謡ショーが終わり、生の『勇者』と『アイドル』が聴けて晴れやかな気分でレース場を出る僕とチームの皆。
でも姉ちゃんが有馬記念に負けたのは正直言って悔しかった。来年こそは絶対に有馬記念も勝ちたいし、他にもたくさんのGⅠタイトルの優勝を掴み取りたいものだ。
「ねぇ、なおくん」
「なぁに?」
「今日、寮で同期の娘達と忘年会するんだけど来る?」
「面白そうじゃん。行くよ」
「やった! じゃあフジキセキさんから許可もらえたら連絡するね」
因みに誰が来るのか聞くと、ダイヤ姉ちゃんとクラウンさん。それともう1人は僕が会ったことないウマ娘だそうだ。
キタサンブラックと競い合った有名な同期というと他は誰がいたっけ……名前を聞けば分かるけど思いつかない。
「デュラさんとかは?」
「デュラ? ドゥラメンテさんのこと?」
「そうそう! ん?」
「どうしたの?」
「いや、なんでも……あれぇ……?」
姉ちゃんが走った皐月とダービーで1着を取ったあのウマ娘って、やっぱりドゥラメンテだったのか。
なんだか僕の記憶があやふやになって来て、考えれば考えるほど頭が痛くなって来るので、今はこの思考を捨てようと思います。
「なおくん。本当に大丈夫?」
「平気だよ。それよりもドゥラメンテさんはまだ入院中だったり?」
「うん、まだ海外の病院にいるみたい」
ドゥラメンテさんか……あのウマ娘が戻って来たら、また姉ちゃんとレースをするかもしれないな。
学園の寮に着いて早々、僕はシャワーを浴びて部屋着に着替えた後に、姉ちゃんから連絡が来るまで『葬送のフリーレン』の原作漫画を本棚から全部出して、1巻から読み直していた。
この漫画たちは、クリスマス近くの時期にダイヤ姉ちゃんが欲しいものを聞いて来たので今出てるフリーレンの最新巻まで欲しいと言ったらすぐに用意してくれた物だ。
漫画入りの紙袋を持ち帰って読もうとした際に、何冊か取り出していた時に婚姻届なる紙が入っていたが、その謎の紙は部屋のどこかに封印することにしました。
「おっ、姉ちゃんからだ。もしも〜し?」
第3巻の断頭台のアウラ編に入って、フェルン達が魔族達と戦っている所で姉ちゃんから電話がかかって来た。
『なおくん。フジキセキさんがOKしてくれたから、栗東寮に来てもいいよ』
「分かった。すぐ行くね」
僕は通話を切って、紙袋に漫画を全冊入れてから栗東寮に向かうことにした。
栗東寮ならテイオーさんもいるし、姉ちゃんに頼めば本人に届けてくれるだろうし一石二鳥だね。
「インターホン的なやつ無いかな……姉ちゃんに一回電話するか?」
「あ、なおくーん!」
寮に着いたはいいけど、どうやって入ろうかなと考えていると後ろから凄く聞き覚えのある声と共に背後から勢いよく抱きつかれた。
背中にはとてつもなく柔らかい感触が伝わり、いきなりの事で僕は困惑していた。
「だ、ダイヤ姉ちゃん……!?」
「ふふっ、びっくりした? さっき兵庫から戻って来たところなの」
姉ちゃんの有馬記念のことで頭がいっぱいで忘れかけてたけど、そういえば阪神レース場でダイヤ姉ちゃんの2戦目もあったんだった。
「で、結果は?」
「無事、1着を取りましたー!」
「おお、やったじゃん!」
「次のレースは来年の2月にあるGⅢレース『きさらぎ賞』に出る予定だよ」
「じゃあ、そのレース絶対見に行くよ。ダイヤ姉ちゃん、次も頑張れ!」
「ありがとう、なおくん♪」
「あなた達、相変わらず見せつけてくれるわね〜」
寮の前でダイヤ姉ちゃんと話し込んでいると、クラウンさんが後ろからやって来た。
いやぁ……見せつけたいわけじゃ無いんすけどね……。
「それよりも、キタちゃんに忘年会誘われたんでしょ? 一緒に行こ!」
そう言われて、ダイヤ姉ちゃんと手を繋ぎながらクラウンさんと共に栗東寮の食堂へと向かった。
それにしても……ウマ娘達が住む寮に入ったのは初めてだな。
「なおくん、こっちこっち!」
食堂に着くと、姉ちゃんと見た目がクールで大きな白いマリンキャップを被ったウマ娘が料理が置いてあるテーブルの前に立っていた。
「姉ちゃん。そのウマ娘さんは?」
「紹介するね。お姉ちゃん達の同期のシュヴァルちゃんだよ!」
「初めまして。僕の名前はシュヴァルグラン。君が直人くんか……よろしくね!」
ああ〜思い出した。そういやシュヴァルグランもいたな。そっか……キタサンの同期にはお前もいたなぁ。
しかもテイオーさんやオペラオーさんに次ぐ僕っ娘キャラですか……最高の萌えポイントめっちゃいいやん。
「よろしくっす。シュヴァルさん!」
シュヴァルさんに挨拶をした後に、テーブルの料理を見るとナポリタンやお刺身。にんじんサラダ、七面鳥と真ん中には伊勢海老が3匹入った鍋があって、これぞthe宴会に出そうな豪勢な料理がズラリとテーブルの上に並んでいた。
「それとこれは……生はげビール?」
「こうやってタブレット型の奴を水の中に入れてしばらくすると……見た目がビールみたいになる駄菓子だよ。昔ダイヤちゃんとよく飲んでたんだ」
「懐かしいね」
なぁほーな……林檎の炭酸飲料で『こどもののみもの』っていうビール擬きは知ってるけど、駄菓子でこんなのもあるんだな。
そういえば、駄菓子を題材にしたアニメで見たことあるかも。
タブレットが完全に溶けて、ビールになったところで皆で乾杯をしてビール擬きで喉を潤した。めちゃくちゃ甘いけどテイオーさんが大好きなはちみー程では無いな。
「あっはは、お口の周りお髭みたいになってるよ。お姉ちゃんの舌で舐め取って……ああ!」
「なおくん、お髭出来ちゃった。なおくんの舌で舐め取っ……ムグっムググっ!」
僕がビール擬きを飲んだ時に出来た口周りの汚れを姉ちゃんが舐めようとしたのを速攻で自分の舌で舐め取り、ダイヤ姉ちゃんの口周りの汚れはティッシュで拭き取った。
まったく……2人ともいったいなに考えてんの。シュヴァルさんを見てみろ、めっちゃ呆れた顔で見てるよ。
「ねぇクラウン。キタサンとダイヤって直人くんにいつもあんな感じなの?」
「ええ……飽きるほど見る光景よ。シュヴァルちゃんも頑張って慣れましょ」
「直人くん、大変だなぁ……」
そしてご飯を食べながら今年を振り返ったり、来年の抱負なんかを言い合う事になった。
「なおくんが交通事故に遭ったって伝えられた衝撃、今でも忘れられないよ」
「私もキタちゃんから聞いた時、すっごく不安で夜も寝れなかっし」
「いやはや……その節はご迷惑をお掛けしました」
「大丈夫だよ。なおくんが今こうして健康に生きていくれて、お姉ちゃん凄く嬉しいから」
ここからは来年の抱負を発表することに。最初はダイヤ姉ちゃん。
「来年はサトノ家の悲願、GⅠレースを制して「サトノのウマ娘はGⅠを獲れない」ジンクスを破りたい」
ダイヤ姉ちゃんと言うかサトノ家にそんなジンクスがあるんだ。”サトノ“って言う名前を背負って走るの大変そうだな。それはクラウンさんも同様か。
「ダイヤだけにその重圧をかけるわけにはいかない。私も来年こそGⅠレースをひとつでも制してみせる!」
「僕は怪我が原因でクラシックレースどころかGⅠにも出れずに終わって悔しかった。でも、来年こそはGⅠレースに出て絶対に勝ちたい!」
確かにクラシックレースでシュヴァルさんの姿は見かけなかったな。どうやら春先で怪我をして、出走を逃してしまったんだとか。
「で、なおくんは?」
「そうだな……取り敢えずはトレーナー学科の試験を合格することが第一目標かな。後のことは後々考えるよ。そう言う姉ちゃんはどうすんのよ?」
「あたしは……」
「おい、キタサン」
「ご、ゴルシさん!?」
姉ちゃんが抱負を言おうとした瞬間、ゴルシさんがやって来た。ゴルシさんってどこに住んでたか不明だったけど、ちゃんとこの寮にいたんだね。
「これをやる」
「ルービックキューブ?」
「お前はひとつだ」
「ん?」
「あたしはむっつだったが……お前は何面揃えられるかな?」
「……もしかして!」
一面だけ色が揃っているルービックキューブを見る姉ちゃん。
「あたし、ゴルシさんを超えて見せます。六面揃えて、それ以上に!」
ゴルシさんは後ろを振り向いたまま手を振ってその場を静かに去って行った。
なんだこれ……いつものゴルシさんよりカッコよく見えてしまうんだが……エモすぎて泣けるで!
「ズッ……グスッ……」
「な、なおくん!?」
「大丈夫だ姉ちゃん。なんか知らんけど感動してな。それよりも来年の……いや、これからの目標だいぶデカく出たな。一緒に越えようぜ!」
「うん!」
僕もゴルシさんの言っている意味を理解している。だが、その道のりは遠く険しい旅になるだろう。
それでも一緒に乗り越えるんだ。これからもキタサンブラックと共に。
「皆の抱負も発表し終えたことだし……なおくん。ほらほらいっぱい食べて! あ〜ん!」
「あ、キタちゃんだけずるいよ! なおくん、あ〜ん♪」
「えっ……ええ……」
そう言い、料理を掴んだ箸を差し出す姉ちゃんとダイヤ姉ちゃん。それを苦笑しながら見守るクラウンさんとシュヴァルさん。
いつものノリに戻っちゃったな……でも今は楽しもう。
「これからのあたし達にかんぱーい!」
シュヴァルグラン初出走! これからもキタちゃんの良きライバルとして作品にバンバン出していきたいです。
いやさ……3期の3話はマジで良かったよなぁ。ゴルシがキタちゃんにルービックキューブを渡してクールに去るシーンは好きだったのでお話に取り込みました。
そして今更ながらデュラハンテだった名前をドゥラメンテに変えました。もうここからはドゥラメンテを出す時はどんどんドゥラメンテと言うと名と言う名前として出していきますので、よろしくお願いします!(だって出るとは思わなかったんだもん)
それでは次回もお会いしましょう!