目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

今回は季節外れですが、バレンタインデー! 直人くんモテモテ会です。

それではどうぞ!


第六十八話:チョコ貰いすぎたンゴ

 

 

 つ、強すぎる……ダイヤ姉ちゃん。マジでダイヤの原石じゃね? と思わせるくらいのもの凄いレースを見た僕は、走り切ったダイヤ姉ちゃんを見ていた。

 ねぇ、これって僕がトレーニングで助言言うの必要ないんじゃね? これならクラシックでGⅠレース絶対獲れるだろ。

 

「ダイヤちゃん、強かったね……。やっぱり昔から凄いなぁ……」

「だな……。で、いつまで抱きついてるの?」

「なおくんの身体が温まるまで」

「やれやれ……」

「なおくーん!」

 

 僕がため息を漏らすと、ダイヤ姉ちゃんが早歩きをしながら満面の笑みでやって来た。

 

「なおくん。私やったよ! 褒めて褒めて!」

「お、おう」

 

 ダイヤ姉ちゃんが頭を近づけて来たので、ダイヤ模様の部分を優しく撫でた。そう言えば、僕がここら辺を撫でるとサトノダイヤモンドは喜んでたな。

 

「ズルい! お姉ちゃんも撫でて!」

 

 なんとも欲しがりな姉達なんだ。何か知らんけど周りから視線が集まっている。

 ダイヤ姉ちゃんに凄い差で勝ったの凄かったと感想を述べたら、僕のために早く終わらせたかったから、直線から一気にスピードを上げたらしい。

 

「あっ、ウイングライブの時間だ。行ってくるね!」

「いってら〜」

 

 この後はいつも通り、ウイングライブを見た後に、ダイヤ姉ちゃんのチームの人達と一緒に東京まで帰ることにした。

 新幹線内で、クラウンさんが来月の中旬に控えている「ファン大感謝祭・春」の話を持ち出して来た。

 

「直人くん。ライブ会場なんだけど、今回は感謝祭2日目の午後2時半から。体育館でやるよ」

「学校のお祭りでバンドライブと言ったら体育館ですもんね。マジで楽しみだ〜!」

 

 先月は試験の為にギター練習をすっぽかしていたので、今月は何とか頑張って練習して盛り返したい所だ。

 歌う曲はいくつか決まっている。今回のセトリはウイニングライブの曲は無く、春と夏に劇場総集編があるあのアニメの曲オンリーで行くことになった。

 

 だが僕は、あの16曲の中で何を歌うかを頭の中でめちゃくちゃ考えた。今回は出演者が僕らだけだったので8曲も歌ことにした。そのうちの2曲は確定で決めてある。

 そこで僕は、他の3人にも一曲だけソロで歌って活躍して欲しいと言う考えから3曲も決めてあるし、残り3曲は僕がこれだ! と思った曲をセトリにぶち込みました。

 

「なおくんの歌いっぱい聴けるんだ! 楽しみだな〜!」

「そうだね。クラちゃんもドラムボーカル頑張ってね」

「ええ! 去年の秋よりも、もっと盛り上げるわよ!」

 

 楽しみなんだが3月か……僕はこの時期になると不安になることがある。今の所はまだ大丈夫だけど、何のことなのかは症状が出始めたら後々説明したいと思います。

 

 

 

 ダイヤ姉ちゃんの『きさらぎ賞』から約一週間が経過した。今日は2月14日で、僕にとっては何の変哲もない変わらない日である。

 僕が食堂で朝ごはんを食べていると、音也くんが機嫌良く隣に座って来た。何かいい事でもあったのだろうか? 気になった僕は、彼に尋ねてみる事にした。

 

「どうした? そんなに胸を弾ませちゃって」

「そりゃあ、お前……今日は何の日だ?」

「えっと……2月14日は自動車保険の日かな?」

「何じゃそれ」

「自動車保険の大切さを広めるために制定された日だよ。1924年2月14日に、日本初の自動車保険会社が営業認可を取得したとこから来てるらしい」

「へぇ〜……ってそうじゃない! 他になんかあるだろ!?」

 

 他にぃ!? えっと……煮干しの日にふんどしの日とかあるけど、他に何かありましたっけ〜? と頭を抱えながらすっとぼけながら考えていると、音也くんが我慢出来ずに答えを出してくれた。

 

「バレンタインだよ! バ・レ・ン・タ・イ・ンー!」

「あーねー! そんな日もありましたわ〜(まぁ知ってたけどな)」

 

 バレンタインか……女の子が好きな子や友達、世話になってる人にチョコをあげたりするアレだろ? ま、僕にとっては無縁だからどうでもいいんだけどさ。

 

「どうせお前は、美人なキタサン姉ちゃんやダイヤさんに貰えるんだろ? いいよなぁ〜!」

 

 おっ、そうだったな。僕がバレンタインに無縁だったのはこの世界に来る前までの話だ。今の僕は確実に2つのチョコをゲットすることが出来るだろう。

 

「くっふぅ〜! 俺も美人なウマ娘にチョコ貰いたいぜ!」

 

 例え身内とはいえ、女の子にチョコを貰えるだけでも勝ち組である。

 音也くんには悪いが、先を越させてもらうぜ? はっはっは……。

 

「ぐぬぬ! その顔腹立つ〜!」

 

 音也くんは下駄箱か机の中にチョコが無いかを確認したいからと言って、僕より先に寮から出て行った。

 そもそも下駄箱の中にチョコとは、あまりにも不衛生な。僕はそんな所に入ったチョコはいくら大好物でも食べられない。

 

 そんな事を考えながら、ゆっくりと支度をして寮からあくびをしながら出て通学路を歩いていると、姉ちゃん達がやって来た。

 

「「なおく〜ん! おはよー!」」

「おう、おは。今日も寒いな……」

「そうだね。そうだ! はい、バレンタインだからチョコだよ! もちろん愛情たっぷりの本命だからね」

「私からもどうぞ、なおくん。キタちゃんと同じく、愛情たっぷりの本命です!」

「ハッハー! やったー!」

 

 生まれて初めて女の子からチョコをもらったー! 悪いな全国のチョコを貰えなかった男子諸君。僕は今まさしく、ゴリゴリのオタクながらリア充をしている。

 

「ありがとう……! 本当にありがとう……!」

「泣く程喜んでくれるなんて……。毎年あげてるけど、チョコ渡してこんなに喜んでるなおくん初めて見た」

「まるで初めて貰った人の反応みたいだね。キタちゃん」

 

 僕は姉達から貰ったチョコを大事に大事にスクールバッグの中に入れて、後で解けないうちに美味しく食べる事にしましょう。

 

 僕は途中で姉ちゃん達と別れて、意気揚々と廊下を歩いていると会長さんに出会った。

 

「おはようございます。会長さん!」

「ああ、おはよう。直人くん」

 

 この前は、励ましの生姜チャイにも助けられたなぁ。

 

「この前はどうも」

「どういたしまして。テイオーから合格の話を聞いたよ。おめでとう」

「ありがとうございます」

「そうだ。お祝いとしては何だが、今日はバレンタインだ。私からチョコをあげよう」

 

 皇帝、シンボリルドルフからのバレンタインチョコだと!? 最強無敗の三冠ウマ娘のチョコ、味合わせていただきます! ホワイトデーの時は何を作ってあげようかな。

 

「じゃあ、これからも頑張るんだよ」

 

 そう言い、会長さんが優しく頭を撫でて静かに去って行った。なんだよあのウマ娘……カッコよすぎて惚れてまうわ……。

 会長さんから貰ったチョコもバッグの中に入れて急いで教室に入ると、音也くんが突っ伏していた。はいはい、察しました。

 

「おい、直人……」

「何だ? その様子じゃなかったみたいだな」

「そうなんだよ! どうせお前はもうとっくに貰ったんだろ!?」

「うん、今朝は姉ちゃん達に貰ってな。さっき会長さんからも貰ったんだ」

「あ、あのシンボリルドルフ会長からチョコだと!? お前、どうやったらあんな凄い皇帝からチョコが貰えるんだよ!」

「いや、知らねーわ!」

 

 その後も、音也くんはチョコのことばかりを考えて授業中では「チョコくれチョコくれ」と小声でぶつぶつ言っているのが聞こえて来た。

 チョコ欲しいのはわかるけどさ、授業中にボーボボネタは笑っちゃうからやめてくれ。

 

 そして、お昼休みの時間になった。音也くんは「今日一日が終わるまでバレンタインだから、最後まで諦めないからとチョコを求める旅をする!」と言って教室から急いで出て行ってしまった。

 

「あいつ人様の迷惑には……いや、ウマ娘様にも迷惑かけなきゃいいけどな」

「おお! 直人やないか!」

 

 この癖のある声に聞き慣れた関西弁はもしや……と思った僕が後ろを振り返ると、タマさんとオグリさんがいた。

 

「2人とも、なんだか久しぶりっすね!」

「夏のたこ焼きパーティー以来だな。元気にしてたか?」

「もちろんですよ。最近、大きな山を越えたばかりなので」

「そうなんか、何があったのかウチに聞かせてくれ!」

「私にも聞かせてくれないか?」

 

 こうして僕は最近の出来事についてをタマさんとオグリさんに話た。

 

「そうかそうか、将来は中央でトレーナーやる為に転科試験をなぁ。よく頑張ったで」

「直人が毎日頑張った結果だな。そういえば、私が地方にいた時のトレーナーも中央ライセンスの取得はレベルが高くて難しいと言ってたな」

 

 オグリさんを地方時代の時に中央に送り出すまでに育てたトレーナーさんか。

 地方でもかなりの勝率を持ってるし、オグリさんの実力とそのトレーナーさんの指導があって今のオグリさんがいるんだろうな。

 

「んじゃ、ウチから直人にプレゼントするで」

「おお! なんだ?」

「昨日オグリとクリークと作りすぎた手作りチョコや。ちょうどバレンタインやからな」

「入念に味見をしたから、少々小さいが……受け取ってくれると嬉しい」

「オグリの場合は味見しすぎや!」

「ははっ、でも嬉しいですよ。ありがとうございます」

 

 食堂に到着してタマさん達と別れた僕は、姉ちゃんとダイヤ姉ちゃんがご飯を食べていたのを見つけたので、受け取り口でオムライスの大盛りを受け取って一緒に食べる事にした。

 

「なおくん、その包は? お姉ちゃんがあげたのじゃないよね?」

「タマさんとオグリさんが作りすぎたからって貰ったんだよ」

「じゃあなおくんが貰ったチョコは、私たちのを含めて今の所4個?」

「いや、今朝会長さんにも貰ったから5個だな」

「「シンボリルドルフさんからも!?」」

 

 意外な名前を出したからなのか、2人は100点満点のリアクションをした。

 これはお返しが大変だねと話していると、シュヴァルさんが途中からやって来た。

 

「ああ、バレンタインだったね。僕からも直人くんにあげるよ」

「ま、マジか……! ありがとうございます!」

「シュヴァルちゃん、確認なんだけど本命じゃないよね?」

「そんなわけ無いだろ! 普通に友チョコだよ!」

 

 誰もが本命を僕に渡してるわけじゃ無いんだから。本命だとガッツリ言ってたのは今の所、姉ちゃん達だけだぞ。

 

「シュヴァルさんにも、お返ししますね」

「うん、ありがとう」

 

 ご飯を食べ終えた僕は、バンドメンバーとライブの作戦会議がある予定があるので、姉ちゃん達とは食堂の出入り口で別れた。

   

 そして、いつもの防音室に到着するとメンバーは全員揃っていた。

 

「来たね直人くん。キタサンやダイヤからも貰ったと思うけど、私からもチョコだよ」

「受け取りたまえ北くん」

「私も作ったんだ。はい、直人くん」

 

 部屋に入った途端、メンバーからいきなりのチョコレートラッシュ。これでウマ娘から貰ったのは9個目っすね。

 こんな大量なチョコを音也くんが見たら、絶対に血涙出しながら僕のこと恨むかもしれん。

 

「北くん、モテモテじゃあないか。特にウマ娘に」

「私があげたのはダイヤには内緒ね? あの子、君の事になるとしつこく聞いてきそうだし」

「確かに、ありえますね」

「さあさあ! ライブの作戦会議始めるよ!」

 

 我らがリーダーのツヨシさんの声で、ミーティングを始めた僕達。ライブの進行は、先ず初っ端からいきなり歌い初めて、ちょくちょくMCを挟みつつ6曲目で一旦終了した休憩後に、会場にいる皆のアンコールで残りの2曲を歌う作戦を立てた。

 

「中々にいいアイデアだね、ツヨシくん」

「私も賛成です!」

「でもアンコールあるの知らない人いたらどうしましょう?」

「そこら辺は大丈夫だよ。私の友達にライブの流れを伝えたから、その子がアンコール言ってくれるよ。それに、ライブの手伝もしたいって言ってたし」

 

 仕掛け人の準備が早すぎる。それなら安心して進行できるな。

 

「それなら安心ですね」

「よし、これにて作戦会議終わり! 残りライブまで1ヶ月。頑張るぞー!」

「「「おー!!!」」」 

 

 こうして作戦会議が終わり、教室に貰ったチョコを置いて僕は「表はあっても占い」というフクキタルさんがやってる占い部屋に入った。

 

「フクキタルさん、こんにちは。ドットさんも久しぶりですね」

「直人さん、お久しぶりです」

「お久しぶりですぅ〜」

「それで、何用で?」

「実は……」

 

 僕はこの前の正月にやったデッキオリパの引きが良すぎて今年の運を使い果たしたんじゃないか? と思ってしまい、そこでフクキタルさんに今年の運が残ってるかを占ってもらおうとやって来たのだ。

 

「確かに、いきなり運が良すぎると心配になりますもんね。お任せください! ムムムムムム……!」

 

 フクキタルさんが両手を水晶に翳すのをじっくりと見つめる僕とドットさん。

 

「来ました!」

「おお!」

「果たして運は残ってるのでしょうかぁ〜?」

「近々、直人さんの運は一時的に下がってしまいますが、直ぐに持ち直す事でしょう。そこからは普通に正常でした。なので、あまり気にしなくて大丈夫ですよ」

「救いがあって良かったですねぇ〜」

 

 それでも近々不幸なことか……。一体どんなことが起こるのやら。

 

「ありがとうございました。それじゃあ、また何かあったら来ますね」

「あっ、そうだ。直人さんコレをお持ちください」

「紙袋?」

「はい! 序でにこの後の運勢を占ったら、直人さんに大量の贈り物が来ると出たのでラッキーアイテムのつもりで所持してください」

「分っかりました〜」

 

 こうして、中にフクキタル特性おみくじチョコの入った紙袋を手に占いの館を出た。

 

「大量の贈り物……まさかね?」

 

 僕が廊下を歩いていると、その予感が的中してしまった。

 

 

 

 昼休みが終わるまでの途中の道で数多くの知り合いウマ娘達から大量のチョコレートを貰った。

 

 図書室で本を読んでいたらライスさんとブルボンさんから、中庭付近を歩いていたらスカイさんとキングさんから、と言った感じで貰って行き。

 なんとキタ祖父のバクシンオーさんやキタ嫁のスイープさんからも貰ってしまった。

 

「これ、処理し切れるかな……」

「おいっす直人く〜ん!」

「ネイチャさん!?」

「うわぁ……何この大量のチョコは。これ見たら君のお姉ちゃん嫉妬しちゃわない?」

「友チョコとか言って何とか納得してもらいます」

「ま、アタシも直人くんに用意したんだけどね〜。ほい、ハッピーバレンタイン♪」

「これで16個目だ……。お返しのブツは楽しみにしてくだせぇ」

「期待しちゃっていいの!? 楽しみにしてるね〜!」

 

 そう言ってネイチャさんとも別れた。貰ったウマ娘達に何のお菓子を配ろうかな。それとも……お返しどうしようか迷うな。

 

 そして昼休みが終わり教室に着くと、音也くんが満面の笑みをしていた。

 

「お前、まさか!?」

「そうだ……。貰ったんだよ! しかもウマ娘に!」

「ウマ娘に!?」

 

 話によると、ヴァイオリンの練習を学校の外でしていたら「素晴らしいエチュードだ」といきなり声をかけられて、そこからヴァイオリンの話で意気投合した後にチョコを貰ったという。

 

「因みにウマ娘の名前は?」

「サウンズオブアースさんだよ。去年の有マに出てたじゃん」

 

 思い出した。姉ちゃんの上の2着だったウマ娘だった。

 

「諦めないで良かったぜ……!」

 

 こうして音也くんは、機嫌良く午後の授業をちゃんと受けて、意気揚々と寮へと先に帰っていった。

 

 僕はトレーニングの時間だったのでスピカの部屋を訪れると、メンバー全員からチョコレートを貰いました。

 

「これで、23個目か……スピカの皆には何を持って行こうかな」

 

 こうしてトレーニング後、夕飯を食べた食後のデザートとして、ウマ娘から貰った大量のチョコを少しづつ処理する日々が続くのであった。

 

 

「おっ、これ美味いな」

 

 





馬ではなくウマ娘からモテる男、北島直人。
基本的にキタちゃんやダイヤちゃん以外の娘達は友達のつもりであげているぞ!

音也くんもウマ娘からチョコもらえて良かったね。
次回はあるウマ娘のチョコを食べたせいで直人くんに異変が? 是非ともお楽しみにです。

今年も頑張るので、改めて応援よろしくお願いします!

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