目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件 作:通りすがりの邪教徒
遅れたけどキタちゃんの誕生日回の前編です。
改めておめでとう。
姉ちゃんの誕生日プレゼント……何にすれば良いんだろう。竜也は気持ちがこもってれば何でも、とは言ったはいいものの……考えれば考えるほど頭の中がぐちゃぐちゃだ。お母さんに相談しようと考えてたが、その前に自分の力で、出来る限り考えてみよう。
「ウマ娘が喜びそうなものか……」
姉ちゃんはニンジンが好きだし……ニンジンのケーキでも作るか? ケーキは作ろう。う〜ん……例えば普段使いできる奴とか、かな?
「……おと、……直人!」
「ん?」
「やっと気付いたか! もう帰りの会とっくに終わったぞ。もしかして、お姉さんのことでも考えてたのか?」
「ご名答……なかなか思いつかなくてさ」
「ま、時間はあるんだし、じっくり考えれば? じゃあ、俺は先に帰ってるぞ」
「ああ、またね」
竜也が帰り、暫くして僕もランドセルを背負って学校を出た。街を歩きながらプレゼントのことをひたすら考えた。すると、帰る途中にとあるお店が目に入った。
それは、ウマ娘がトレーニングやレースなどで使う用のシューズや蹄鉄関連の商品が売られているお店だった。
「こんな店あったんだ。ちょっと覗いてみるか……」
お店の中に入ると、シューズや蹄鉄の他にも日用品関連のものもあった。尻尾用のシャンプーなんてあるんだ。そして店内には愉快で聴いててとても癖になりそうな曲が流れている。なんだ? 「うまぴょい♪ うまぴょい♪」って……この曲を作った人は、きっとパンツ一丁で振り付けをしながら作詞、作曲をしたのだろう。
「ふ〜ん……蹄鉄って2000円くらいするんだ。良い値段するな」
次はシューズを見ることにした。そういえば僕が入院してた時に姉ちゃんが……あれは僕が眠りから目覚めて、3日後のこと。
姉ちゃんはレースのためのトレーニングの事について話してて、最近トレーニング中にシューズがボロボロになって困ったみたいなこと言ってた気がする。
「でも……シューズも高いなぁ。スポーツショップに売られているスポーツシューズくらいするのな」
今の自分の所持金が分からないので、一旦帰って出直すことにした。確かお年玉を貯金してた気がする。
「ただいま!」
「おかえりなさい。ちょっと遅かったわね」
僕は帰りが遅くなった理由を話すと、お母さんは、納得してくれた。お父さんは残業で帰りが遅くなるということで、夕飯を食べながら相談することにした。
「そうなの……でもウマ娘が使うシューズってそれなりに高いのよね」
「僕も値段見たけど、普通のスポーツシューズと同じくらいの値段だったよ」
「足りなかったら、お母さんが出そうか?」
僕は、頭を抱えながら考える。出してもらうのは助かるけど、貸を作るみたいで自分の中のプライドが許さない。
「何もウマ娘関連に縛らなくても良いんじゃない?」
「え?」
「なおちゃんのプレゼントだったら、キタちゃん何でも喜ぶと思うけど」
確かに……姉ちゃんがウマ娘だからってシューズや蹄鉄などのことばかり考えてしまい、他の物にも目を向けていなかった。
「お母さん、アドバイスありがとう」
「どういたしまして」
「それと……僕の卒業式の日に姉ちゃんが帰ってきたらさ、パーティしよう! それも盛大にさ!」
「良いわねそれ! キタちゃんには内緒でいいかしら?」
「おう! 僕、サプライズは大好きだから」
お互いに、僕の卒業式記念パーティー&姉ちゃんの誕生日パーティー計画を密かに立てた。帰ってきたお父さんにもこの事を伝えたらめちゃくちゃ乗り気でOKしてくれた。
「当日が楽しみだぜ……でもプレゼントどうしようかな」
姉ちゃんの近くに今いる人物……出来ればダイヤ姉ちゃんに何かヒントを貰えれば良いのだが。連絡先持ってたかな? と思いながらL○NEならぬ、ウマインのアプリを開くとトーク欄にサトノダイヤモンドの名前があった。目覚める前の僕、ナイス! 早速ダイヤ姉ちゃんに電話をする事にした。
「あっ、もしもし。ダイヤ姉ちゃん?」
『なおくん、久しぶり! どうしたの? キタちゃんなら今は寝ちゃってるけど』
「実は相談したいことがあって……」
ダイヤ姉ちゃんに先ず最初にプレゼントことを相談した。
「……って事なんだけど」
『成程。つまり、キタちゃんにあげるプレゼントに悩んでて……今、何を欲しがってるか聞きたいと』
「学園で普段一緒にいるダイヤ姉ちゃんなら分かるかなって思って」
『う〜ん……私も誕生日当日はキタちゃんにプレゼントあげるつもりだけど、でも1番大切なのは気持ちだと思うよ』
「気持ちか。竜也……友達も同じ事を言ってたな……ありがとうダイヤ姉ちゃん。僕、絶対に姉ちゃんに喜んで貰えるように頑張る!」
『なおくんなら絶対に大丈夫! 頑張ってね!』
ダイヤ姉ちゃんのお陰で心のモヤモヤが取れた気がした。そして、通話を切る前にダイヤ姉ちゃんにサプライズパーティーの件を話した。
『分かった。キタちゃんには内緒にしておくね』
「うん、よろしくね。それじゃおやすみ」
『おやすみなさい。なおくん♪』
通話を切って寝るまでにVtuberの生配信をを見る事にした。最近ハマってホ○ライブ関連のVは全員チャンネル登録してある。僕の一推しは夏色さんです。その配信内でヒントを貰った。
「これ良いかも!」
そして、卒業式当日がやってきた。ぶっちゃけ、一人一人名前が呼ばれる表彰のやつはめちゃくちゃ長くて苦痛だった。早く終わらないかなと上の空で校長先生などの話を全部聞き流していると、あっという間に卒業式が終わってた。
「いやぁ〜やっと終わったぜ……俺なんて、後半寝そうになったし」
「僕もだよ。校長、話長かったな……」
「おーい! なおくーん!」
お互いに卒業式の愚痴をぶちまけていたら僕を呼ぶ声が聞こえてきた。声の主の方を見ると姉ちゃんが走ってきて、僕に抱きついてきた。
「来たよ。なおくん! 卒業おめでとーう!」
「姉ちゃん、友達の前だから抱きつくのはやめてもろて。恥ずかしいよ」
僕は姉ちゃんを引き離そうとしたけどがっしりと抱きしめられていて、離れることができない。竜也の方を見るとポカーンとした表情をしていた。
「友達? ああ、君が竜也くん? 初めまして、キタサンブラックって言います。弟がいつもお世話になってます!」
「ああ、いえ……こちらこそ……」
姉ちゃんは竜也に気付いて、僕を拘束から解放すると、竜也に挨拶をした。何故だか僕の親友は顔をちょっぴり赤くしていた。そんな2人を見ていると視界が真っ暗になった。
「だ〜れだ?」
「その声は……ダイヤ姉ちゃんだな?」
「正解です♪」
「おい! 直人、そのウマ娘さんは誰だ!?」
「もしかして、この子がこの前言ってた友達?」
「うん、そうだけど」
「初めまして、サトノダイヤモンドです」
「は……初めまして……おい、直人!」
竜也にちょいちょいと手首を掴まれて、姉ちゃんたちとは少し離れた所に移動する。
「お前、いつもあんな綺麗な、お姉さん達と一緒にいたのか?」
「え? うん、そうだけど(そう言うことにしとくPart3)」
「この裏切り者! 俺だってモテた事ないのに……お前って奴は……」
「お、おい……?」
「お前となんて、親友やめてやらー! ちくしょー!」
「ええー!?」
なんなんだ? あいつ……急に、と思っていると後ろから姉ちゃんがまたハグをしてきた。胸が頭の後ろに当たってヤバい。
「話は終わった?」
「なおくんのお友達、面白い子だね」
まあ、悪い奴ではない……この後、さっきのは冗談だと竜也からメッセージが来た。本当に面白い奴だな……。僕も東京の学校で友達たくさん作らなきゃな。
「じゃあ、なおくん。例のあれ、始めようか?」
「え? なになに?」
「姉ちゃん、このアイマスクして! 今から楽しい所に連れて行くから」
「うん、分かった。なんだろ〜」
姉ちゃんには、僕が最近ホロケットで買った沙花叉のアイマスクをしてもらい、ダイヤ姉ちゃんと一緒に、姉ちゃんと手を繋着ながら家に帰った。
「姉ちゃん、アイマスク取っていいよ」
「うう〜……何だかドキドキする」
姉ちゃんがアイマスクを取った瞬間、僕とダイヤ姉ちゃん。そして、お父さんとお母さんで一斉にクラッカーを鳴らした。
「姉ちゃん誕生日おめでとう!」
「うわぁ! ビックリした。でもあたしの誕生日もう過ぎてるけど?」
「これはね。なおくんが提案したの」
「誕生日を当日に祝えない代わりに、自分の卒業記念と一緒に祝いたいって、なおちゃんが」
「うんうん!」
ここで、仕掛け人であるダイヤ姉ちゃんとお母さんが姉ちゃんにカミングアウトをし、お父さんは無言で頷く。サプラーイズ大成功なり。
「な、なおくん……お姉ちゃん、嬉し過ぎて泣いちゃうよー! うわぁぁぁん!!!」
これを聞いた姉ちゃんは大号泣しながら、僕のことを思いっきり抱きしめてきた。
嬉しいのは分かるけど……。ぐ……ぐるじい!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。感想やここすきよろしくお願いします。
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