目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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もう70話目ですか……。

おねショタのショタは頑張ってはいけない。ショタが頑張って良いのはお姉さんが「次は頑張ってみよっか」って言った時だけ。byホロスターズ所属Vtuber夕刻ロベル

それではどうぞ!



第六十九話:短時間おねショタ生活

 

 

 とある日の放課後のチーム部屋にて、僕はチョコレートを食べている。

 ここ一週間、ウマ娘達からバレンタインで貰ったチョコレートの処理をしている。味はどれも美味しくて、クオリティもさることながら素晴らしいものばかりであった。

 

 毎日チョコ食ってて飽きるんじゃないかと思ったけど、これなら問題ないと思った。

 

 例えばスイープさんのは魔法帽子をイメージしたチョコクッキーとか、店に出せるようなのよく作れたなと思った。

 貰ったやつの中にはしばらくすると食べられなくなるようなのもあったので、そこは工夫して食べるようにしている。

 

 因みに、姉ちゃんから貰ったのはかりんとうチョコ饅頭でダイヤ姉ちゃんからはダイヤモンドの形をしたカラフルなチョコを貰った。

 姉ちゃんの饅頭は貰ったその日に寮で食ったけどめちゃくちゃ美味かった。

 

「今日はスズカさんとタキオンさんのでも食べるか」

「あら、バレンタインの時ににあげたチョコ。今から食べるの?」

「はい……食べさせていただきます。うん! スズカさん、美味しいです!」

「ふふっ、気に入ってもらって良かったわ」

 

 スズカさんのホワイトいちごトリュフが美味しすぎる。チョコの甘さといちごの酸味がいい感じにマッチしてて最高だ。

 さてと、次はタキオンさんのチョコだけど……フラスコっぽい形をしている所以外は至って普通のチョコだった。

 

「タキオンさん、いただきます! うん、これも美味しい! それになんか変わった味がするな……?」

 

 最後にタキオンさんのチョコも食べ終えたところで、次々と他のスピカのメンバーも部屋の中に入って来た。

 

「さあ、今日も頑張ってトレーニングだ! なおくん、行くよー!」

「うん!」

 

 天気の良いレース場で、姉ちゃんのストレッチの相手をしたり、走りのタイムを測ったり他のサポートもいつも通りこなして行く。

 

「キタちゃん、今日もボクと併走する?」

「お願いします。テイオーさん!」

「ここの所4日連続も相手してますよね。本当にありがとうございます」

「ボクは全然大丈夫だよ! じゃあ直人くん。合図測定よろしくね?」

「イエッサー!」

 

 旗をあげてスタートの合図をした後、何だか急に身体がムズムズし始めたが、いったんは収まった。

 何だろう? 僕は気にせず姉ちゃんとテイオーさんの併走を観察する。

 

「そういや『大阪杯』ってテイオーさんが最初の怪我から復帰したレースだっけ」

「そうですわ」

「おおっ!? マックイーンさん、いつの間に!」

「ふふっ。そういえば、私があげたチョコモンブランは食べましたか?」

「はい、美味しくいただきました」

「それは良かったです……。あら、直人さん。顔が赤いですね?」

「ほえ?」

 

 そう言い、マックイーンさんが手のひらを僕のおでこに当てた。風邪は引いてないけど、なんか急に頭が痛くなってきたな。

 

「一旦部屋に戻って熱を測りましょう。私が連れて行きます。立てますか?」

「はい、ありがとうございます」

 

 僕はマックイーンさんと手を繋ぎながら部屋に戻って熱を測った。

 

「熱はないですわね。どうしますか?」

「ちょっと仮眠をとります。そしたら元気になると思うので」

「分かりました。それでは、そこに横になってお休みください。毛布をかけますね」

 

 こうして僕は、マックイーンさんに見守られながら少しだけ寝ることにした。何だろう? タキオンさんのチョコを食べてからさっきから身体が変だ。

 

「あの、姉ちゃん絶対心配すると思うんで、僕からの伝言を……」

「分かりました。安心しておやすみなさい。キタさんには私から伝えますので」

 

 その時、僕の身体にある異変が起きたのは、数十分後に目覚めた時のことだった。

 

「な、なんじゃこりゃー!」

 

 

 

 ー キタ視点 ー

 

 

 

 あたしがテイオーさんとの併走をしてから数十分くらいが経ち、なおくんがいたところに戻って来たんだけど……あれ? なおくんが居ないな。トイレとかにでもいったのかな? と思っていたらマックイーンさんがあたし達の近くにやって来た。

 

「マックイーンさん。なおくんは?」

「直人さんなら、体調が優れないようだったので、私が部屋に連れてって今は寝ています」

「本当ですか!?」

 

 なおくん大丈夫かな? 心配で様子を見に行こうとしたが、マックイーンがなおくんからの伝言で「少し寝れば大丈夫だから、今はトレーニングに集中して欲しい」と伝えられた。

 なおくんがそう言うなら、お姉ちゃん頑張るよ。トレーニングが終わったら直ぐに行くからね! そう決めたあたしは、水を飲んでひと休憩してからテイオーさんにまた併走をお願いした。

 

「大変よ! キタサン!」

 

 並走してから数分後。スカーレットさんが慌てて走って来たのを見たあたしとテイオーさんは動かしていた足を止めて、スカーレットさんの元に向かった。

 

「どうしました? スカーレットさん」

「直人くんが……直人くんが!」

 

 その焦った表情を見るにただ事ではなさそうだ。なおくんにいったい何が起きたのか。

 

「テイオーさん、併走は一旦中断にしましょう。トレーナーさん、あたしちょっと行って来ます」

「ボクも行くよ。キタちゃん」

「私も心配なのでご一緒に!」

「おう! 何かあったら連絡するんだぞ!」

 

 あたし達は、トレーナーさんからの許しをいただき、急いでチーム部屋へと向かった。

 スカーレットさんによると、タオルを取りに部屋に戻ったら、寝ているなおくんが苦しみ出したらしい。

 

「なんで! どうして! こうなったんだー!?」

 

 中からなおくんの声が! いったい何が起きたって言うの? あたしは慌てて扉を開けると、目の前に小学生くらいの小さな男の子がいた。

 

「えっ……ええ!?」

「えっと……この男の子は誰ですの? ちょっと面影があるような」

「ボクも何だか見覚えが……」

「なおくんだ……」

「「えっ!?」」

「小学生の頃のなおくんだー!」

「「ええぇぇぇー!?」」

「どうなってるのよ……これ……」

「姉ちゃん……僕、どうしちゃったんだろう……?」

 

 それはそう。本当ならテイオーさんとマックイーンさんのリアクションかスカーレットさんみたいな唖然とする表情をするのが普通だ。

 小さくなったなおくんを目の前にして、思わずハイテンションになったあたしを許してください。

 

 急な出来事にあたし以外の皆が混乱している。取り敢えずトレーナーさんに今の状況を連絡すると、急いで戻って来てくれた。

 

「直人。マジで小さくなってやがる……」

「なおくん、どうしてこうなったか分かる?」

「え〜っと……あっ、そういや」

 

 なおくんはバレンタインの時に貰った中のタキオンさんのチョコレートを食べてから身体中がムズムズしたらしく、時間が経つに連れて頭痛と眠気に襲われた後に、目が覚めたらこのようになってたと言う。

 

「まぁ、なんだ。直人をこのままにする訳にはいかないな」

「そうだよね。トレーナー、どうする?」

「キタサン。今日はもう上がるか?」

「そうします。序でにタキオンさんの所に行こうと思います。行こ? なおくん」

「うん……でも……」

「どうしたの?」

「服のサイズ合わないから、このまま行くとずっちゃうよ」

 

 確かにそうだよね。あっ、そうだ! 確かあたしのロッカーの中に……あった! 実家からこっそり持って来た、あたしが小学生の頃に着ていた服とズボンだ。

 

「なおくん、これ着て!」

「お、おう……」

 

 取り敢えず着替えるため、あたし達は一旦外に出た。そして数分後に再び部屋の中に入った。

 

「うわぁ〜! その服懐かしい〜! これ着てた時のキタちゃんも可愛かったなぁ〜!」

「えっ、これ姉ちゃんのなの!? しかもサイズピッタリだし……。それにズボンの後ろの穴は何だ?」

「これはね、尻尾を通す所だよ」

 

 なおくんがあたしの昔の服を着ている……。何だかムラムラして来た……じゃなくて! 急いでタキオンさんの所行かないと。

 

「それじゃあ、お先に失礼します!」

 

 あたしはなおくんの分の荷物も持って、タキオンさんの研究室へと向かった。場所はスカーレットさんに教えてもらったので、直ぐに着いた。

 

「タキオンさん。いますか〜?」

「おや、北姉くんに……その男の子は?」

「なおくんですよ。タキオンさんのチョコを食べてからこうなったっぽいんですけど、思い当たる節ありますか?」

「あっ、そう言えば……」

 

 タキオンさんは、チョコを作っている際に材料の中に研究中の薬品を間違えて混ぜてしまった事を思い出した。

 なんでも、自分のトレーナーさんに試そうとした物だったそうです。いや、チョコ作りの時に何でそんな危険そうなのを、何で間違えて入れたのかが不思議だ。

 

「チョコに使う材料の入った容器が似てたのでついね。すまない北くん」

「あの……僕はずっとこのままなんでしょうか?」

「いや、時間が経てば戻るさ。あの時入れたのは少量だったからね」

「そうですか。良かったね、なおくん」

「まったく、ヒヤヒヤしたぜ……」

 

 なおくんは安心したのか、ホッと息を吐く。あたしはまだまだ小学生なおくんを堪能したかったけど、流石になおくんが可哀想だよね。

 

「それじゃあ、タキオンさん。次になおくんに食べ物類をあげる時は気をつけてくださいね?」

「分かったよ。北くん、今度お詫びに何か埋め合わせをさせてくれないかい?」

「その時は、お願いしますね」

 

 こうしてタキオンさんの研究室を後にしたあたし達だけど、この後どうしよう。

 なおくんをこのまま寮に帰すと、友達の音也くんとかが混乱しそうだし……そうだ! ちょうど明日は土日で学校も無いし、潤一郎さんやフジキセキさんにこの事を相談して、なおくんをあたしの部屋で預かるって事にしよう。

 

「なおくん。栗東寮に行くよ!」

「はっ? 何で姉ちゃん達の寮に?」

「良いから良いから!」

「ちょっとー!?」

 

 栗東寮に着いて、最初にフジキセキさんに相談したら、なおくんが元に戻るまで預かっても大丈夫だよと承諾を貰った。それと同時に、潤一郎さんにもこの事を連絡した。

 

「まさかこんな形で栗東寮のお世話になる日が来るとは……」

「あっはは、取り敢えず先にお風呂入りに行こ?」

「はぁ!? 何言ってんだ! 姉ちゃん達の風呂は僕の所と違って大浴場なんだろ? 僕が入ったら他のウマ娘に出くわすリスクが……」

「大丈夫だよ。この時間なら誰も入ってないから!」

「それでも僕にとっては大問題なんだよ! ちょっ、えーい! 離せーい!」

 

 あたしはなおくんを軽々と抱き抱えて、大浴場へと向かった。中に誰もいない事を確認して、なおくんと広い脱衣所に。

 

「ほら、なおくん。万歳して!」

「マジで入るのかよ。でも、自分で脱げるから! 子供扱いするな!」

 

 今の小学生なおくんを子供扱いしたくなるのも無理はない。昔からお風呂に入る時は、服を脱がせたり髪を乾かしたりも殆どあたしがやってたのだから。

 皆に甘やかしすぎと言われても一向に構わない。だって全部、なおくんに好かれる為にやって来たからね。

 

「おお……確かに広いな」

「お姉ちゃん、つい歌っちゃうんだよね。広いからなのか結構響くんだよ」

 

 取り敢えず、お互いに頭と身体を洗って湯船に浸かる。

 

「あっあっあー こんぺこ! こんぺこ! こんぺこー! うん……良いね、これ」

「でしょ? 試しに何か歌ってみてよ!」

「今か? じゃあ僕の好きなVtuberのオリソンを歌おう……。おはよう今日が始まる……♪」

 

 大浴場に響くなおくんの歌。最近また歌が上手になった気がする。これは春のお祭りで聴くなおくんの歌が楽しみだ。

 

「ふぅ……風呂で歌うのやっぱ良いな。僕の所だと、隣に聞こえるのが嫌だから歌わないんだよね」

「壁とか薄そうだったし、気遣っちゃうよね」

 

 お風呂から出る時も脱衣所に誰もいない事を確認して、早急に着替えて部屋に戻った。

 扉の前に着くと、ダイヤちゃんが慌てた様子で走って来た。

 

「キタちゃん。マックイーンさんから聞いたんだけど、なおくんが小さくなったって聞いて……本当に小学生の頃のなおくんになってるー!」

「どうも……タキオンさんのチョコで小さくなっちゃった」

「か、可愛い! キタちゃん。なおくんをサトノ家にお持ち帰りしても良いかな!?」

「それは絶対にダメ!」

 

 ダイヤちゃんの事だ。なおくんにあんな事やこんな事をするに違いない。

 さっきお風呂に入って来た事を話したら、ダイヤちゃんは「なおくんと久しぶりにお風呂に入りたかった」としょんぼりしていた。

 ダイヤちゃんがなおくんと入ったら絶対に襲いそう。あたしだって襲いたかったけど、さっきだってめちゃくちゃ我慢してたんだから。

 

「なおくん、お腹空いてない?」

「うん。今日は何食べようかな」

「うちの寮の夕飯も凄く美味しいよ! なおくんがいつも金曜日に決まって食べてるオムライスもあるし」

「ほほう、それは楽しみだ」

 

 こうしてあたしとなおくん、そして帰って来たばかりのダイヤちゃんと一緒に晩ご飯を食べに食堂に向かった。

 

 

 ー 直人視点 ー

 

 

 ふぅ……。ここの寮のオムライスもレストラン以上に美味いな。流石はプロ以上の腕を持つ料理人だな。

 それにしても、今夜は音也くんとデュエマをする約束だったけど……こんな小学生サイズで合うと一生ネタにされそうだと思ったので、今日は姉ちゃんと泊まり込みトレーニングをするという嘘の理由を作ってドタキャンしてしまった。

 

 音也くんは「それなら仕方ない」と言ってくれたので、本当にすまないと思っている。

 

 そして夕食後。ダイヤ姉ちゃんはお風呂に行ってるため、僕は姉ちゃんと2人きりで部屋でくつろいでいる。

 

「あっ、タキオンさんからメッセだ。『君が栗東寮にいるのはフジくんから聞いた。手っ取り早く元に戻る薬がもう直ぐ出来そうだから明日の朝に渡す』マジか!」

「良かったね。なおくん!」

「よし、姉ちゃん。僕のジャージ用意しといて! 戻る時に必要だから」

「分かった!」

 

 このサイズのまま、薬を飲んで戻ったら服がキツくて破けるかもしれないからね。

 時間が経てば戻るとは言ってたけど、それがいつかは分からないし、タキオンさんなら信頼出来る……はずだ。

 

 そして翌朝。僕は姉ちゃんの胸に顔を埋められた状態で起きた。

 昨晩、姉ちゃんとダイヤ姉ちゃんがどっちが僕と寝るかのじゃんけんをして、姉ちゃんが勝ったので現在一緒に寝ているのだ。

 

「姉ちゃん。起きたいから離して!」

「なおく〜ん、耳だけはらめらよぉ〜……むにゃむにゃ」

「耳? ふっふっふっ……」

 

 姉ちゃんを一発で起こす方法を思いついた。いつもいつも、僕に抱きついて来たりする仕返しじゃい! 僕は少し上に身を乗り出して、伏せられた片方のウマ耳を摘み上げる。

 

「はむっ!」

「ひゃう!」

「はーっはっはっは……! 姉ちゃん。起きたか〜?」

「もう、やったな〜! お姉ちゃんのキス攻撃だー!」

「うわぁ〜! ご、ごめーん!」

「なおくん。私も……ま・ぜ・て♪」

「んなー!? ダイヤ姉ちゃんもキスするなー!」

 

 逆にほっぺやおでこにキスされまくって、そこにこっそり起きたダイヤ姉ちゃんも乱入。やり返しのつもりが、逆にやり返しを喰らいましたとさ。

 

「待たせ……おやおや、お楽しみだったようだね。失礼するよ北くん」

「タキオンさん。見てないで助けて! あと早く薬を飲ませてくれー!」

 

 こうして、何とかタキオンさん特性の「りばあす」という名前の激苦い薬を飲んで、無事に元の姿に戻れました。

 “良薬は口に苦し”という言葉があるとは言え、あそこまで悶絶する苦い薬を飲むのは最初で最後であってほしいもんだと思いました。

 

「姉ちゃん。昨日は僕のせいでトレーニング中断させてごめんな」

「いやいや、なおくんは悪くないよ。今回は100%タキオンさんが悪いんだから」

「それでも止めた事に変わりは無いんだ。だから昨日の分も目一杯トレーニングしない?」

「……そうだね。じゃあ、お姉ちゃんの事しっかり見ててね。未来のトレーナー!」

「うん!」

 

 こうして朝食を食べた後、トレーナーさんに頼みこんで今日は昨日できなかった分のトレーニングをした。

 

「だぁぁぁぁぁぁ!」

「姉ちゃん。良いペースだ! その調子だよー!」

「それにしても、お前が元に戻って良かったぜ」

「ご心配おかけしました。『大阪杯』絶対に勝ちに行きますよ!」

 

 4月の頭に開催される『大阪杯』に向けて、今年最初のGⅠを掴み取る冒険はまだまだ続く。

 

 

「へっぷし! 風邪かなぁ?」

 

 





今度タキオンさんに食べ物をもらう時は注意せな。もしかしたら次はキタちゃんがちっさくなるかも。

合法ロリなキタサンお姉ちゃんも悪く無いよなぁ。

最後のくしゃみは次回に繋げる伏線です。この季節になるとやってくるんですよ。

それではまた次回! おつメム〜!
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