目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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皆さんの中で花粉症の辛さって味わってる人はいますか? 僕は花粉症があるから春が大大大大大っ嫌いですっ!

それではどうぞ!


第七十話:花粉の季節が……やって来た!

 

 

 とある2月末の放課後。姉ちゃんは今日も張り切ってレース場を走っている。

 最近は無理しすぎなんじゃ無いかって心配になるくらい走り込みをしてる。それほど『大阪杯』に向けて気合いが充分だと言う事なのだろう。

 

「なおくん。後りもう一周しても良い?」

「分かった! これでラストな!」

「ありがとうー! てやぁぁぁぁぁ!」

「張り切りすぎだな。直人、水とタオルの用意……は言われなくてもやってるか」

「はい! 最近は用意周到を心掛けてるので……へっぷし!」

「直人さん。大丈夫ですか? 今度は風邪でしょうか?」

「平気ですよ。くしゃみが出るだけなので」

 

 またマックイーンさんに心配されちゃった。でも何だか最近くしゃみが止まらないんだよな。それとやけに鼻詰まりもするし、この症状が出ると思い当たるのはアレやな。

 

「ふぅ……疲れたぁ〜!」

「お疲れー! 早くこれ飲んで、あとタオル」

「ありがとう!」

 

 今日は反対側の所に、ダイヤ姉ちゃんのチームもトレーニングをしている。

 あっちもあっちで、皐月賞に向けて順調な様子だ。あんな強い走りを見せられたら、結構期待しちゃうよね。

 

「なおくん。鼻水出てるよ」

「あっ、ホントだ」

 

 僕は持参したポケットティッシュを使って鼻をかんだ。これでスッキリ……はしなかった。

 去年は発症しなかったのに何で今になって再発するんじゃい! これは耳鼻科に行くまで我慢だな。

 

「じゃあ、今日のトレーニングはここまでだ!」

「トレーナーさん。あたし、まだ走りたいのでロードワーク行って来まーす!」

「あんま無理するなよー!」

 

 姉ちゃんは今日もトレーニング後のロードワークで学園の外を走りに行き、僕は薬局で大量のティッシュやタブレットを購入して寮に帰った。

 

「おい、直人。デュエマしようぜっ……て、なんだぁ? その大量のティッシュは!?」

「花粉症対策だよ。さっきから鼻水が止まらなくてさ……ズビー!」

「お前花粉持ちだったのか」

「うん、僕の場合はヒノキ花粉症でな。ピークはだいたい5月の頭くらいには治るんだ」

 

 出来れば耳鼻科は土曜日の朝に行ければいいな。朝早くから番取りしないといけないので、5時くらいに寮を出ようと考えている。

 

「大変だなぁ……」

「ああ、この辛さを知る同志と出会いたいもんだ」

 

 その辛さを知る者が実は結構身近にいたと言う事を僕が知ったのは、明日の昼休みのカフェテリアでのことだった。

 

 カフェテリアにて、僕は姉ちゃんと2人でお昼ご飯を共にしている。今朝は鼻が詰まったせいで口呼吸で寝てしまい、喉が枯れて喋るのがちょっとキツい。

 さらにはくしゃみどころではなく、咳き込んでしまう。これは結構ひどい状態だ。何とか龍角散のタブレットを服用してるので多少は楽ではあるが……。

 

「ゲホッ……ゴホッ……!」

「なおくん。大丈夫?」

「姉よ……これが大丈夫に……見えますかい?」

「全然見えないよ。まさか花粉症が再発するなんて、お姉ちゃん思わなかったよ」

「まったくだぜ……今でも喋るの辛いっ……くしゅん!」

 

 今日の昼ごはんは、喉に良さそうな生姜入りのうどんを頼んだ。啜る時に時々鼻水が出てしまうのがデメリットだ。

 

「直人くーん! キタちゃーん!」

「おや、スペさんにスズカさん!」

「相席いいかな? キタちゃん」

「どうぞどうぞ……って、スペさん。目が赤いじゃ無いですか!?」

 

 スペさんの顔を見てビックリする姉ちゃん。それに鼻水がちょびっと垂れてるのが見える。もしかしてだけど、スペさんも僕と同じなのかだろうか? だったら嬉しい。

 

「うん、朝からちょっと痒くて。それに……ふぁっ……くしゅん! 最近くしゃみが止まらないんだ」

「風邪ではないわよね……?」

 

 スペさん曰く、今まで生きて来た中で、このような症状をこの季節に味わうのが初めてだと言う。

 僕は姉ちゃんのウマ耳にボソボソと小声で2人に伝えてほしい事を姉ちゃんを通じて伝える。面倒だけど、今はライブのために声量を大にしたくない。

 

「うんうん「スペさん。それ、多分花粉症ですよ」だそうです」

「花粉症!?」

「うんうん「そうです。鼻詰まり、鼻水、くしゃみの3点セットが花粉症の主な症状になります。他にも症状はあります」ですって」

「何があるの?」

 

 他にはスペさんみたいに目が痒くなったりもあれば、頭がボーッとする、頭痛、喉や皮膚の痒みやだるさ、不眠などの症状が現れることがある。これはスギ花粉症で起こる症状となっており、ヒノキ花粉症でも同じような症状が出るんです。

 スギ花粉症にかかっている患者の7割がヒノキ花粉症にも反応するので、両方重なると症状が重くなります。

 

「花粉症。恐ろしいべ……」

「直人くん。よく知ってるわね」

「はいはい「人やウマ娘の身体の中の細胞を擬人化したアニメを見て勉強した。因みに僕はヒノキ花粉症持ちです」だそうです!」

「へぇ〜そんなアニメもあるんだね……。へっくしょん!」

「うんうん「お昼食べたらスペさんの教室に行って昨日買い溜めしたティッシュBOXいくつかあげます」って言ってます」

「ホント!? ありがとう。助かるよ〜!」

 

 

 

 この後。教室に戻ってティッシュBOXをお届けにスペさんの教室へと向かった。

 

「おやおや、直人くんじゃ〜ん。私たちの教室に何か用事かにゃ〜?」

 

 そののんびりしつつ、眠気を誘うあかりんボイスを放つ持ち主と言えば……あのウマ娘しかいない。

 

「あ、スカイさっ……ん、くしゅん!」

「だ、大丈夫!? それに声もかすかすじゃん!」

「かすかすじゃなくてかすみん……じゃなくて。全然大丈夫じゃないっす。それよりもスペさんを呼んでくれると助かります……」

「うん、分かったよ。スペちゃーん! 直人くんが呼んでるよー!」

「はーい! よく来たね」

「これ、ティッシュです。遠慮せず使ってください。肌に優しいタイプです」

「本当にありがとう。さっきから鼻水が出そうで大変だったんだ」

 

 僕とスペさんは、今日のトレーニングに参加するのはぶっちゃけ辛いし、お互い自分のために休むことにした。

 

「2人とも花粉症辛そうだね」

「寝る時めっちゃしんどいですよ。鼻で息できないし……そうだ」

 

 僕はスペさんに耳を貸してほしいというハンドサインをして、彼女のウマ耳に小声で囁く。

 

「スペさん明日一緒に耳鼻科行きませんか?」

「私も?」

「はい。花粉症に対策はいくつかありますが、手っ取り早く症状を抑えるには薬で何とかするしかありません。どうでしょう?」

「確かにそうだよね。でも、私はまだ何のアレルギーか分からないし」

「それも見てもらうように相談すればいいと思います」

「そうだよね……」

 

 取り敢えず、明日の朝5時に栗東寮前で待ち合わせをして番取りの予約をしてから、耳鼻科が開く9時前から行く約束をした。

 

 スペさんは朝5時前に起きられる自信が無いと言っていたので、僕は彼女のルームメイトであるスズカさんにメッセージで頼み込んだら「分かったわ、私に任せて」と言う返信が来た。スズカさんマジでありがとうございます。

 それと、明日もトレーニングの参加はしないでスペさんと2人で耳鼻科に行く連絡もトレーナーさんに済ました。

 

 そして翌朝。僕は眠い目を擦りながら十分な厚着をして栗東寮前へと向かった。

 うぅ〜……さ、寒いよ。それに鼻詰まりのせいで全っ然眠れなかったからさっきからあくびが出るし、めちゃくちゃ眠い。

 

「おはよう。直人くん」

「おはようございます。ってスズカさん……」

「う〜ん……」

 

 寮の前で待ってたらまだねているスペさんをおんぶして運ぶスズカさんが出て来た。

 譲っても起きなかったので、厚着をさせて運んできたそうだ。スペさんの保険証などは持っているのとのことだったので、そのまま3人で行くことになった。

 

 途中からスペさんが起きて、耳鼻科に到着すると、すでに少人数ではあるが入り口前で待機列が出来ていた。やっぱり早くに来て正解だったな。

 

 その後は無事に予約を取ることに成功して、寮に戻って朝ごはんを食べて、改めてスペさんと一緒に耳鼻科に行きました。

 

 待ち時間まで暇だったので、昨日僕が言ってた細胞を擬人化したアニメを有線イアホンを使ってお互いの耳に付けて見ることにした。因みに、花粉症に関する回です。確かこの作品って教材も出てた筈だから勉強にもなるしお勧めだね。

 今では僕の大好きなVtuber事務所から出ている英語の教材もあったりするし、好きな物が関わると勉強するのも楽しくなると個人的に思ってる。

 

「これ結構面白いね。アニメで勉強出来るのすごいなぁ〜。私でも分かりやすい」

 

『北島直人さん、スペシャルウィークさん。待合室でお待ちください』

 

 室内からアナウンスが鳴り、待合室に移動。診察室へ先に入った僕は症状と自分が持ってるアレルギーに関してを話した。取り敢えず朝晩の食後に飲む薬と鼻スプレーを1ヶ月分出してもらうことになった。

 

 受診が終わり、次にスペさんの番。アレルギー検査を行ったところ、僕と同じヒノキ花粉症でスギも持ってなくて良かったと診察室から出て来た時にホッとしていた。

 

 スペさんも僕と同じ薬と目薬を貰って、耳鼻科を後にする。この後どうしような……特に予定がないんだよなぁ。

 

「じゃあ一緒に何処か遊びに行かない? お昼は先輩が奢っちゃうよ〜!」

「マジっすか!? ゴチになるっす!」

 

 そういえばもう直ぐで3月だったな。姉ちゃんの誕生日も近いから、何か早めにプレゼントでも選ぼうかな。

 去年はシャンプーをあげたけど、今年のプレゼントは……女の子だからアクセサリーとかあげると喜んだりするだろうか? ブレスレットとかペンダントとか色々あるけど。

 

「キタちゃんへの誕生日プレゼントかぁ〜。私は大量のニンジンをあげるよ!」

「スペさんらしいな。姉ちゃんニンジン大好きだから喜びますよ」

 

 暫く歩いてアクセサリーショップに入ってプレゼント選びをする事にした。姉ちゃんのことだ、僕からのプレゼントだったら何でも嬉しいとは言いそうだけど……ここは慎重に選びたいところだ。

 

「よしっ、このブレスレットにするか」

「可愛い意匠だね。絶対にお姉さんに似合うと思うよ」

「そうですね。会計行ってきます!」

 

 商品名が「鏡蓮華のブレスレット」って名前だった。鏡蓮華ってなにか花言葉があった気がするけど……何だったっけ? まぁ良いや。

 

「買い終わりました! お昼行きますか。お腹空いたぁ〜」

「私もだよ。何食べようっか?」

「今の僕は牛丼が食べたい気分です。スペさんは?」

「良いね牛丼。王者盛りっていうサイズがあるってキングちゃんから聞いたことがあったから、食べて見たかったんだ〜!」

 

 最近の牛丼屋にそんなサイズのがあるのか。特盛以上にご飯や肉の量が多いかもしれないが、スペさんなら余裕で食べられそう。

 因みに、何故僕が牛丼を食べたたいと思ったのかというと、白銀団長のオリジナルソングを聴いた影響です。

 

「いらっしゃいませなの〜!」

「おや、アイネスさん!」

「あっ! 直人くんにスペちゃん!」

「ここでバイトしてるんすね」

「そうなの。取り敢えず、空いてる席にどうぞ!」

 

 そして偶々通りかかった牛丼屋さんに入ってカウンター席に着くと、張り紙に「王者盛り挑戦者求む」と書かれた物が壁に貼られている。

 

「好きなの注文していいよ」

「ええっと……」

 

 特盛くらいがちょうど良い僕はそんなに挑戦的じゃないので、王者盛りは流石に無理だ。

 スペさんから聞いたけど、この王者盛りはキングさんが前に挑戦して全て完食したそうだ。名前にキングが付いてるだけに「王者」というワードに惹かれて食べたに違いない。

 

「すみません。三種のチーズ牛丼の特盛に温玉付きの豚汁セットをお願いします」

 

 僕のようなオタクにはこのメニューが相応しい。でも普通に美味しいからね。デザートは「とろけるダブルショコラ」にでもしようかな。

 

「私は牛丼の王者盛りをお願いします!」

「かしこまりましたー!」

 

 僕のチー牛温玉付き豚汁セットが来て、スペさんが注文した王者盛りが出てきた。スゲェ……ご飯よりも肉の量が多いんじゃないかってくらいの肉と玉ねぎの山だ。

 

「おおー! いただきます! はむっ……美味しい〜!」

「それじゃ僕もいただきます。うんうん、コレよコレ! やっぱチー牛に温玉しか勝たんわ。紅生姜入れます?」

「ありがとう!」

 

 暫くして僕が特盛のチー牛と豚汁を食べ終えて、デザートのダブルショコラを食べている隣で、スペさんは王者盛り牛丼を幸せそうに食べている。

 

「う〜ん……美味しいべ〜!」

 

 お腹の辺りを見ると、少し膨らんでおへそが見えちゃってる。なんていうか……うん、えっちだ。

 

「ふぅ〜……。ごちそうさまでした! 教えてくれたキングちゃんに感謝しないと」

「僕も満足です。帰りにおやつとして、セブンのバナナクレープでも買ってくか……」

 

 この後はゲームセンターに遊びに行き、クレーンゲームでは僕が前から欲していた重曹ちゃんの縫いぐるみとスペさんが欲しがっていたニンジン抱き枕をワンコインでゲットして寮に持ち帰った。

 

「直人くん。今日はありがとう! またねー!」

「はい! 薬、飲み忘れないでくださいね!」

 

 

 

 こうして僕とスペさんの花粉症との戦いは、薬のお陰で数日経った頃には症状が治っているという結果になった。鼻も詰まらないし、くしゃみも止まった。これで横になって眠る時も一安心だな。

 

 休み明けの昼休み、カフェテリアで僕は姉ちゃんとダイヤ姉ちゃんとご飯を食べている。

 

「声が戻ってるね。良かったね、症状が和らいで」

「うん! はぁ〜……飯が美味いわ〜!」

「うふふっ。そう言えば、もう直ぐで春のお祭りが近いけど、私たちで何か出し物やらない?」

「良いね。何やろっか? なおくんは良いアイデアある?」

「ふつうに食べ物屋台とかやってみたいな。最近オムライス作りに凝っててさ」

「なおくんの作ったオムライス……。食べてみたいかも」

「材料だったらサトノ家の力で何とかするよ。私もなおくんが作ったの食べてみたい!」

 

 サトノ家ってやっぱり凄いな。でも出店をするにしても、接客する役も必要だし僕ら3人だけでは回らないしキツいと思う……誰かしら誘いたい所だ。

 開催日もホワイトデー近くだし、お返しとしてチョコを貰ったウマ娘たちとかも招待して、オムライスをお返しとして作ろう! めちゃくちゃ悩んでたけど、ちょうど良いや。

 

「じゃあ明日、試作として作ってみるか。味見よろしくな2人とも!」

「「はーい!」」

 

 こうして3月を迎えたトレセン学園は『ファン大感謝祭・春』に向けての準備の日々が始まった。

 

 





花粉症ってガチで辛いんです。ウマ娘も花粉症になることをホーム画面のスペちゃんが身をもって教えてくれました。
他にもネオユニちゃんもなってるみたいですが、他のウマ娘は花粉症になったりするのだろうか? 非常に気になります。
 
直人くんはオタクだけど根暗でも陰キャでもないですが、チーズ牛丼が大好きな子です。

この小説が完走したら新しいキタサトの小説始めたいと思います。

それではまた次回お会いしましょう!
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