目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件   作:通りすがりの邪教徒

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今回は感謝祭2日目の前夜〜ライブ開始前の回です

それではどうぞ!


第七十四話:ファン大感謝祭・春(DAY2)

 

 

 1日目のファン大感謝祭が終了し、2日目前日の夜。僕は姉ちゃん達と別れてバンドメンバー達と明日に向けての最後の練習をした後にファミレスでご飯を食べる事になった。

 

 何処のファミレス行こうかと防音室で話し合って、洋食が大体食べられるサイゼリヤで食べることになった。ファミレスの中では圧倒的安価だし、ピザとかも美味しいから僕はサイゼリヤでも嬉しいよ。

 

「ツルマル様、4名さまいらっしゃいますか〜?」

「はーい! 皆、行くよ!」

 

 店員さんに席に案内されて、2つメニュー表を2人ひと組で見る。

 僕は席が隣のクラウンさんと何を注文するかを考えている。ドリンクバー4人分は確定で注文だな。

 

 メンバー全員の注文が決まって、注文用紙にメニューNo.を書いて店員さんに渡した。

 僕はサイゼリヤに来ると基本的に辛味チキン、ミラノ風ドリア、きのこのピザをよく注文する。この3つが結構好きですね。

 

 クラウンさんはハンバーグステーキのライス。ツヨシさんはカルボナーラ。タキオンさんはミネストローネにガーリックトーストを付けて、それぞれ食べている。

 

「いやぁ〜明日のライブ楽しみだね。今日もいっぱい練習できたし、準備は万端!」

「そうですね。私もソロで歌うのが楽しみです!」

「私のベースも調子がかなり良いよ。明日の体育館は満員御礼になるだろうね」

「だと良いですね。僕も全力で頑張ります!」

 

 メンバーで先に来た爽やかにんじんサラダ(4人分)を食べながら明日のライブのことを話していた。

 

「お待たせしましたー!」

「おっ、来た来た!」

 

 注文した料理がテーブルの上に全部揃ってピザをシェアしたり、自分が頼んだ一品料理を食べる。やっぱミラノ風ドリアしか勝たんわ……。

 

「あ、そういえばメンバーで直人くんの出店から出た後にルドルフ会長に会ったんだ。明日行くって言ってたよ」

「そうなんですね。気に入ってもらえるように頑張ろ」

 

 僕たち自慢のオムライスで、是非とも皇帝様の舌を唸らせたい。

 

「直人くん。良ければ何だけど、私たちもチラシ配りの宣伝とかでも手伝って良いかしら?」

「マジっすか!? クラウンさん!」

「ええ、マジよ。因みにひとつ聞きたいんだけど食材が無くなったら出店はどうする予定なの?」

「店は閉めますよ。その後はライブの準備もありますし」

「なら、お客をたくさん呼んで早めに終わらせようじゃあないか。そうすれば、念の為のリハーサル時間がたっぷり出来るだろうしね」

 

 と、タキオンさんが紅茶を啜りながら言う。確かにその通りだな。少しでも余裕を持って行きたいからな。

 

「分かりました。皆さん、明日はよろしくお願いします!」

「任せて。それはそうと、もう皆食べ終わった所だし会計行こっか!」

「ここは私が払おう」

「た、タキオンさんが!?」

「ああ、北くんには幾つか借りがあるからね。ここは私が奢るよ」

「ゴチになります!」

 

 こうして、タキオンさんの奢りでサイゼリヤを後にした僕らは寮への帰路へと向かうのであった。

 

 

 

 ー ダイヤ視点 ー

 

 

 

 皆さん、おはようございます! サトノダイヤモンドです。

 

 本日はファン大感謝祭・春2日目の日がやってきました。今日からなおくんやクラちゃんが所属して組んでいるバンド『スターリオン』のメンバー達が出店の宣伝として手伝ってくれる事になりました。

 

 クラちゃん曰く、リハーサルの時間を作るために、お店のオムライスを早めに完売にする手伝いをしたいからだそうです。

 私としては、なおくん達が作ったオムライスが沢山の人に食べてもらえれば満足です。

 

「じゃあ、クラウンさん達。このチラシ配りをお願いします」

「分かったわ。皆で手分けしていきましょう!」

「了解した。北くん、私たちに任せたまえ」

「行ってくるねー!」

 

 クラちゃん達が宣伝に行って10分後。第一号のお客様は意外なウマ娘さんが来ました。

 トレセン学園の生徒会長。シンボリルドルフさんが来たことになおくんとマルゼンさん以外の私たちは驚く。

 

「やぁ、直人くん。ここのオムライスが美味しいとツヨシから聞いてね。早速だがデミソースオムライスをひとつ頼む」

「はい! 頑張って作りますね! 姉ちゃん、フラッシュさん。取り掛かりますぜ!」

「うん! 任せて!」

「分かりました!」

 

 注文をしてから1分後にオムライスが完成し、なおくんがルドルフ会長さんに直接運んでやって来ました。

 

「会長さん、お待たせしました!」

「おぉ……。これは美味しそうだ。いただきます!」

 

 ナイフでオムレツ部分に切れ込みを入れて卵がトロ〜っとなる瞬間はいつ見ても美味しそうだと思ってしまいます。

 

「うん……美味しい。優しくてとても心地よく心が安らぐ味だ」

「気に入ってくれましたか?」

「ああ、見事だ。このソースもコクがあって濃厚でいい味付けだ」

「実は隠し味に八丁味噌使ってるんですよね〜」

 

 なおくんのオムライスを食べて幸せそうな表情を見せるあんな会長さん初めて見た。

 何時もはクールで冷静な表情を崩さないイメージがあったけど、会長さんもこんな顔をするんだと思いました。

 

「ごちそうさまでした。素晴らしいオムライスをありがとう。ブライアンやエアグルーヴにも宣伝しておこう」

「ありがとうございました!」

「良かったね、なおくん」

「うん!」

 

 会長さんはオムライス一杯無料券を置いて、出店を後にすると他のお客様も来店して来た。ここから忙しくなるので、私も頑張りたいと思います。

 

「なおくん。オムライスのデミソースが2つとホワイトが3つだよ!」

「イエス! ユアハイネス!」

 

 そしてお昼時の12時。私たちの同期のシュヴァルさんもやって来ました。

 

「本当は姉さん達も連れて来たかだけど、生憎都合が悪かったんだ」

「そうなんですね。それよりも、なおくんのオムライスはどうですか?」

「うん、美味しいよ。このデミグラスソースは、ヴィヴロスが好きそうな味だ」

 

 他にもなおくんの友達の音也くんや昨日のライブで活躍していたファルコンさん。バクシンオーさんにスイープさんなども……。皆さん、なおくんに招待されたそうです。

 

「う、美味っ! これ、本当に直人が……凄すぎる……」

「直人くん。すっごく美味しいよ〜!」

 

「バクシンオーさん、スイープさん。どうですか?」

「素晴らしいです! 学級委員長として、皆さんにこの美味しさを宣伝したいくらいです!」

「魔法に釣られてやって来たけど、悪くないわね。キタサン、直人にいい魔法だったって伝えておいて」

「分かりました!」

 

 そしてスターリオンのメンバーがチラシを配り終わって戻ってくると、接客の手伝いに回ってくれました。

 

 途中からネイチャさんが接客から厨房の手伝いに移って、ますますお店の回りが良くなり、予定よりも早く食材が無くなり、オムライスは完売となりました。

 

「なおくん。後片付けはお姉ちゃん達に任せて、リハーサルに行って来て!」

「えっ、良いの?」

「うん! 私たちに最高のライブを見せてね♪」

「私も直人さん達のライブ、楽しみにしてます」

「フラッシュさん……分かりました!」

 

 こうしてなおくん達はお店を出て、急いで体育館方面へと向かって行った。

 

 

 

 ー 直人視点 ー

 

 

 

 出店の後片付けを姉ちゃん達に頼んだ僕らは、体育館に到着してステージ上にてそれぞれ準備をする。

 

 ライブが始まるのが14時半からだ。現在、出店で出していたオムライスがツヨシさん達の協力のお陰で品切れになり、12時半にうちの出店は閉店になった。

 

 楽器の調整やリハをするのに時間がたっぷりあるのだが……。

 

「お腹空いたなぁ……」

「そう言えばお昼ご飯食べずに来ちゃったわね」

「空腹のままライブをするのは流石にキツイからね……。そうだ、これを食べてみてくれたまえ」

 

 そう言い、タキオンさんが取り出したのは白色のタブレット形状のものが大量に入った入れ物だった。

 

「タキオンさん。コレなんすか? まさか、変な薬とかじゃ無いですよね?」

「まぁまぁ、そんな警戒せずに。取り敢えず数粒食べてみたまえ。大丈夫だ、前のチョコのように変なものは入ってないよ」

「ホンマっすか? じゃあ、いただきますね」

 

 僕は言われた通りに、これは何かの薬で副作用があるオチとかは勘弁してほしいと願いながらタキオンさんから貰った小さな粒をいくつか口に含んだ。

 口の中に広がる甘さ、不思議なことにお腹が満たされたような感覚が身体中から伝わって来た。

 

「これって……ラムネかぁ!」

「大正解だ。北くん!」

 

 成る程な。ラムネの中に含まれている主成分のブドウ糖は、血糖値を素早く上昇する働きがある。血糖値が上がれば脳の満腹中枢が刺激されるから「今はお腹がいっぱいだ」と判断して、短時間で空腹感を紛らわせることができる。

 

「ブドウ糖は栄養にもなるし、疲れたタイミングに摂取するとシャキッと取り組めるメリットもあるんだ」

 

 ほほう、タキオンさんから良い事を聞いたぞ。今度からいざという時にラムネを常に常備しとこうかな。他の2人もラムネを数粒食べて何とか空腹を誤魔化した。

 

「ツルちゃん。お待たせシマシタ!」

「こんにちは直人さん」

「エルさんに、グラスさん!?」

 

 まだ誰もいない体育館内の広い空間にいたのはエルさんとグラスさんだった。

 どうやらこの2人がツヨシさんがこの前話していたライブのお手伝い兼アンコールの発起人役らしい。

 

「お2人とも、お手伝いありがとうございます!」

「私たちは大丈夫ですよ。それとナレーションもさせていただきますね」

「素晴らしいライブ、期待してマスネ!」

「お〜い! スピーカーに照明の異常は特にねェぞー!」

「おやおや、ご苦労だシャカールくん」

「シャカール?」

 

 そして荒々しそうな口調と共にステージの脇から現れたのはかなりエキセントリックといかにもぶっきらぼうそうな雰囲気のウマ娘がやって来た。ついでにターボさんみたいに歯もギザギザしている。

 

「北くんは彼女に会ったのは初めてだったね? 彼女はエアシャカール。実は前回のライブ機材の調子も彼女が見てくれたのさ」

「てめェに言われて仕方なくだったけどな。お前が直人か、よろしくな」

 

 エアシャカールって言ったら、クラシック三冠のうち皐月賞と菊花賞を制して、日本ダービーではハナ差僅か7センチ差で三冠制覇の逃したことから「準三冠馬」なんて呼ばれるようになった奴だったよな。

 

「よろしくお願いします。機材チェックしてくれてありがとうございました!」

「これくらいどうってことないぜ。ンじゃ、オレはライブの時間まで適当に散歩でもして来るか……」

 

 シャカールさん結構優しいウマ娘なんだな。タキオンさん曰く、あの怖そうな見た目で一部の周囲の人たちからは距離を取られているそうだが、見た目で判断しちゃいけないってことだね。

 

「うん?」

「どうしました? ツヨシさん?」

「いや、何でもないよ」

 

 ツヨシさんがギターの弦を見て、眉間に皺を寄せていた。

 もしかして、このタイミングでギターの不調か? でも普通に音は出てるし、特に問題は無さげに見える。ライブ中に弦が切れるなんてハプニングにならなきゃいいが……もしもの時は僕が何とかするしか無いな。

 

 そしてリハーサルが終わり、裏の楽屋的な部屋でひと休憩を取る僕たちは、ライブ用のTシャツに着替えて時間が来るまで雑談をすることになった。

 

 それにしても、さっきのラムネ食べて少しだけ膨れた感覚あったけど、さっきリハで歌ったせいでお腹がまだ空いて来ちゃった……。

 

 

 

 ー キタ視点 ー 

 

 

 

 皆さんこんにちは! キタサンブラックです。現在あたし達は、出店の後片付けを終わらせて体育館へと向かっている所です。

 

 向かってる途中でお腹が空いたので、屋台のお好み焼きやたこ焼きなんかを食べながら、なおくんのライブが今から楽しみだねとダイヤちゃんやネイチャさんと話ながら向かっています。

 

 そういえば、なおくんたち。ライブのリハーサルに直で行くって言ってたけど、ちゃんとお昼ご飯は食べたのだろうか? お姉ちゃんはそこら辺が心配である。

 

「心配なら何か差し入れで持って行ったら?」

「差し入れ……何にしようかな? あっ!」

 

 そこで偶然通りかかったにんじんカレーパンを売っている出店を見つけた。そういえば、なおくんは昔からカレーパンが大好きだったっけ。これ持ってったら喜んでくれるかな? ついでにクラさんやツヨシさん、タキオンさんの分もたくさん買って持って行こう。

 

 体育館に到着すると、受付のテーブルにたづなさんが座っていた。

 

「皆さん、こんにちは」

「あの、たづなさん。なおくん達に差し入れを持って行きたいんですけど、今どこに居るか分かりますか?」

「先ほどリハーサルを終えて休憩室にいますよ。それと、もう中で待機してても構いません」

「分かりました。皆、あたし行ってくるね!」

「キタちゃん。私も行くよ!」

 

 こうしてネイチャさん達は先に客席の方に向かって、あたしはダイヤちゃんと一緒に体育館内の休憩室に向かった。

 

「失礼しまーす」

「あ、キタサン。それにダイヤも……何しに来たの?」

「実は皆さんに差し入れを持って来たんです。お腹空いてないかなって思って」

「か、カレーパンだ! 皆ちょうど空いてたんだ。姉ちゃんありがとう! いただきます!」

「どう? ニンジンたっぷりだよ」

「う〜ん……美味しぃ〜!」

 

 やっぱり、皆お腹空かせてたんだね。お姉ちゃんはなおくんの喜ぶ顔が見れて良かった。

 

「ふぅ……カレーパンで充電完了だ。皆さんはどうですか?」

「もちろんバッチリよ。ありがとうキタサン!」

「私も力が漲ってきたよ。この後のライブ、万全の状態で頑張れるよ!」

「やっぱり食べ盛りの歳頃の子にはちゃんとした食の方が良かったようだねぇ……」

「でも、ラムネのお陰で多少は空腹も保てたんで、寧ろタキオンさんにも感謝ですよ」

 

 なおくん達の元気な姿を見た後に、あたしとダイヤちゃんは秋の時にも着用したなおくん激推しのハッピに鉢巻、「弟しか勝たん!」が書かれた団扇とサイリウムを装備して出店メンバーがいる最前列へと向かった。今回は立って見るスタイルらしい。

 

「おお、来た来たって……アンタたち、何その格好?」

「何ってやだなぁ、ネイチャさん! なおくんを応援する為の勝負服ですよ。ね〜? ダイヤちゃん!」

「うんうん!」

「流石にガチ過ぎでしょ……。他人のふりしよ〜」

「あっ、ネイチャさん。このビデオカメラで撮影お願いします!」

「って、アタシが撮るんかい! まぁ、別に良いけどさ……」

 

 会場内では「ユメヲカケル」や「うまぴょい伝説」のアレンジインストが流れており、ライブ感がすごく増してい今から始まるんだってワクワクしている。

 

「やっほ、キタちゃん!」

「テイオーさん!」

「マックイーンさんも!」

「こんにちは、ダイヤさん」

 

 心を躍らせていると、後ろにはチームスピカのメンバーが全員揃っていた。

 

「すみませ〜ん、隣良いですかぁ〜?」

「はい、どうぞっ……ゔっ!?」

 

 そして私の隣の空いてる場所には肩に流した三つ編みに大きなリボンをした謎の酔っ払いのカップ酒を持ったお姉さんとその隣に金髪ロングヘアーの柄が悪そうなお姉さんが来た。

 ……って、お酒ぇ!? なんで学園内で堂々と飲んでるの!? よくこの学園内に入れたなと思った。

 

 それからあたし達は、ライブが始まる時間まで、今夜のお疲れ様会の計画を話しながら待機することとなった。

 

 

 それにしても……お酒臭いなぁ〜。

 

 





サイゼって良いよね。

前回のファインモーションに続いてエアシャカールが初出走です。最初は見た目怖いなと思ってたんですけど、見慣れたら可愛いなと思って来ました。

うまむすめしでシャカールがタキオンにラムネをあげた奴あったよね。僕、あの話結構好きです。

次回はライブパート。

キタちゃんの隣に座って来たお姉さんのカップ酒には何の意味があるのか!? 楽しみにしててください。

お気に入り、評価、感想お待ちしてます!

それではおつこんです!
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