目が覚めたらキタサンブラックの弟になった件 作:通りすがりの邪教徒
気づいたら7000文字を超えました。それくらい今回の話は全力で書いたつもりだ。
自分が書いた小説で初めての長文ですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです!
それでは運命の天皇賞・春をどうぞ!
ダイヤ姉ちゃんの『皐月賞』の応援に駆けつけた俺たちは、レースを見終わって直ぐに、強化合宿に急いで戻った。
途中から姉ちゃんの温かい背中の上で眠ってしまったが、起きた時には早朝になっており、片道約190キロの距離を11時間掛けて、姉ちゃんは走り切った。
「姉ちゃん。本当に大丈夫か? 休みなくここまで走って……」
「え? 大丈夫だよ。それよりも、よく眠れた?」
「あ、ああ……」
う、嘘だろ……。僕の姉ちゃん化け物すぎんか? 一睡もしないでここまで来るとかとんでもないぞ。
でも、姉ちゃんの表情。何だか吹っ切れたみたいで僕は安心した。今の姉ちゃんなら、3時間の壁を絶対に突破できるかもしれないと。
「お、戻って来たな……」
「心配おかけしてすみません、トレーナーさん!」
「いや、良いんだ。それよりも……元気、ちゃんと貰って来たか?」
「はい! もう大丈夫ですので、残りの日数もご指導よろしくお願いします! なおくんも、お願いね!」
「うん! 分かった!」
「ですがその前に……朝ご飯にしましょう。それと、暫くの仮眠を取りなさい」
と、ブルボンさんが優しい声で言う。そういえば、昨日から何も食べてなかったな。
前にも言った通り一文無しだったし、道中にあった安価で有名なファミレスにすら入れなかったからな。
「見て見て、パン焼いたんだよ!」
「へぇ〜! それどうやったんですか? 僕に作り方教えてくださいよ!」
「えっへへ、良いよ。ライスね、朝はパン派なんだ!」
「僕もなんすよ! ここに仲間がいたぁ〜!」
「な、直人くんもなの!? ライスとお揃いだね!」
「はいはーい! あたしもパン派でーす!」
「姉ちゃんは米派じゃん」
そんな事よりも、お腹が空いたから早くそのパンが食べたい。
「いっぱい作ったから、沢山食べてね!」
「「いただきま〜す!」」
ライスさん特製のパンにバターを塗って食べる。まさか、この山の中でパンを食べられるなんて思わなかった。
「ライスさん、これめっちゃ美味いっす!」
「にんじんジャムもあるよ。良かったら使ってね?」
「ありがとうございます! あたし、このジャム凄く好きなんですよ!」
今までの朝ごはんは、山盛りの白米におかずが鯖の味噌煮か秋刀魚の蒲焼の缶詰だったからな〜。
魚缶は、たんぱく質やカルシウムも獲れて、DHA・EPAも豊富でめちゃくちゃ美味しいし、何より缶詰で手軽だから直ぐに食べれるのが何よりも有難い。
もう今日は夕食作るの面倒くさくなっちゃったし、今夜のおかずは魚缶でも良いよね? 答えは聞いてない!
とは言っても、今日は食材を買いに山から降りないとなぁ……。明日のご飯は何にしようかな。
「あぁ〜……それにしても美味い。こんな事ならベジマイト持ってくれば良かったな」
「直人さん。ベジマイトって何ですか?」
「オーストラリア発祥の発酵食品ですよ。基本的にパンに塗って食べるんですけど、独特の風味から「世界一まずいジャム」なんて言われてるんですよ」
「ま、不味いのかよ!? 逆に味が気になるな……」
トレーナーさんも興味を持っている。
ベジマイトはどちらかと言うと、醤油を凝縮して、固形にしたものを一気に食ってるみたいな感覚だった。これは直で食った時の僕の感想です。
オーストラリアの人はこれがめっちゃ美味しいと言っているらしく、一部の国では輸入禁止となっている食材だ。因みにその国はアメリカです。
「ふぅ〜お腹いっぱい……。これでトレーニングも頑張れ……ふわぁ〜」
姉ちゃんが大きなあくびをする。休み無く走って飯食えば、そりゃ眠くなるわな。
「その前に少しでも寝な? 万全な状態でトレーニングしないとね」
「うん、そうだね……。なおくん、一緒に寝ようよ?」
「うん、分かったよ」
「あれ? いつにも増して素直だね」
「うん、僕も姉ちゃんを元気にしたいからな!」
「ありがとう……」
こうして僕と姉ちゃんは、テントで一緒に仮眠を取る事にした。
姉ちゃんは俺にしがみついて、気持ちよさそうな表情で眠っている。
「なおく〜ん……お姉ちゃんが絶対に勝つからね〜……むにゃむにゃ……」
「ああ……絶対に勝とうな」
そして仮眠を取ってから数時間後。強化合宿のトレーニングを再開した。
今回の山道ダッシュも、俺が後ろからセグウェイで姉ちゃんを追いかけて、メガホンで指示を出す。
「良いぞ! その調子だ! そのペースを乱すなよ!」
「分かった!」
凄い! 最近は疲労のせいだったのか、途中で転んだりして心配だったけど、今のところペースも落とさずに走れている。
これならタイム更新もワンチャンあるぞ。
山道ダッシュを終えて、ダイヤ引きトレーニング。
ブルボンさんと一緒にタイヤの上に座って、タイヤを引き摺る姉ちゃんを見下ろす。
「良い感じです! その姿勢を忘れずに、もっとペースを上げてください!」
「はい!」
そしてインターバル走も疲れを感じさせない走りでフォームも安定していた。
瓦割りでもあっという間に100枚を割り切って見せた。
「よし、最後は崖登りだ! なおくん、行くよ!」
「分かったから、そんな焦るなよ!」
「キタサンのやつ、だいぶ調子が良くなって来たな。お前もトレーナーらしくなったな」
「僕なんてまだまだですよ。まだ勉強中の身ですし」
「そうだったな。ま、『天皇賞・春』絶対に勝ちに行こうぜ!」
「もちろんそのつもりですよ!」
そして日が沈みそうになる時間帯の崖登り、姉ちゃんは次に掴む場所を見極めながら岩を掴んで登っていく。
まだ荒削りな部分はあるけど、確実に成長しているのが、トレーニングを通して伝わって来た。
「登りきったー! なおくん、タイムは!?」
「3時間55分19秒。新記録更新したぞ!」
「よしっ! あと55分19秒……これなら行ける!」
「んじゃ、新記録祝いに今晩はカレーな!」
「やったー! カレーだー!」
そしてこの日を境に、姉ちゃんは確実にタイムを縮めて行った。
ダイヤ姉ちゃんから貰った元気を糧に、毎日のようにトレーニングに励んだ。
「じゃあ……ここだ!」
「ま、負けた……。姉ちゃん、やるじゃん!」
「やったー! 本気のなおくんに初めて勝ったー!」
夜の五目並べ対決でも、互角の勝負の末に姉ちゃんに負けてしまった。
僕の先読みを的中させる判断力。実に素晴らしい一手であった。
そして天皇賞・春まで、あと一週間という所まで来た。24日目にして、タイムはなんと3時間30分56秒という絶妙に良い所まできた。
そんなある日の買い出し、僕はライスさんと業務スーパーで会計をした後に、レジの人から福引券を貰った。
なんと、外で抽選会をやっているらしいので挑戦して欲しいとのことだった。一等は、謎に包まれていた。
よし……ここはいっちょ、姉ちゃんにお土産でも持って行きますか! 頼むからポケットティッシュだけは勘弁してくれ!
「おぉ〜! 1等大当たり〜!」
「マジか!」
「やったね、直人くん!」
「で、景品は何なんだろう?」
「こたら1等は、2泊3日の温泉旅行券です。最大で3人までだから、家族やお友達なんかとお楽しみください!」
温泉旅行券だとぉ!? しかもこの場所って……天皇賞の後に姉ちゃんにサプライズで渡そうかな。
「ラッキーだったね。お姉さんには内緒で良いよね?」
「それでお願いします。やったー!」
こうして意気揚々と合宿地に戻る僕だが、『天皇賞・春』まで後わずかと迫っていた。
いつものキツいメニューを乗り越え、最後の崖登り。苦しい表情を見せる中、姉ちゃんは力を全力で振り絞った。
「ぐぬぬぬぅ……はぁはぁ……。なおくん、タイムは?」
「姉ちゃん。おめでとう!」
「2時間59分59秒……はぁ……」
ついに3時間の壁を超えた。ギリギリだったけど超えられれば何でも良い。
明後日はいよいよ、初めての『天皇賞・春』だ。ここまでやったなら絶対に負けられない。
僕は疲れて寝転がっている姉ちゃんに手を差し伸べる。
「立てるか?」
「ありがとう!」
「姉ちゃん、『天皇賞・春』絶対に勝つぞ!」
「うん! ブルボンさん、ライスさん、トレーナーさんも合宿でのご指導ありがとうございました!」
「お礼なら、天皇賞を勝ってからにしてください」
「レース、絶対応援に行くね!」
「頑張れよ、キタサン!」
「はい! 分かりました!」
こうして、長い長い強化合宿は終わりを迎え、僕たちは広い校庭で、合宿最後の夕食を食べた。
次の日はレースに備えるため、1日中トレーニングを休み、府中に戻って英気を養うことにした。
姉ちゃんの部屋から運ばれたベッドと共に、車に揺られて数時間後。
久しぶりの府中に帰って来た。ベッドはブルボンさんとライスさんがちゃんと寮に戻してもらいました。
「う〜ん……! 久しぶりの府中だな〜! 山に篭りまくってたせいか、都会の空気が心地いいよ!」
「そうだね。皆、元気にしてるかな?」
「あ、そうだ。俺ちょっと髪を切りに行ってくるから、寮で休んでて」
「分かった。お金渡そうか?」
「いいよ。自分で払うから」
そう言って、僕は行きつけの散髪屋へと急いで足を運んだ。
「あ、直人くん。久しぶり」
「シュヴァルさん!」
番号札を取って、しばらく席でスマホを弄りながら待っていると、隣に姉ちゃんの同期であるシュヴァルさんが隣に座って来た。
「直人くんも髪を切りに来たの?」
「はい。ここ1ヶ月間、姉ちゃんの強化合宿に行ってて行く時間なかったんですよね」
「そうか、もう直ぐで天皇賞だったね。僕も出るのは知ってるよね?」
「もちろんです。たしか初めてのGⅠレースでしたよね?」
「うん。君には悪いけど、勝つのはこの僕だよ」
「いいや、勝つのは姉ちゃんです! それだけは譲れませんよ!」
天皇賞の事でシュヴァルさんとお話をしていたら途中から店員さんに呼ばれて、髪を切ってもらい、散髪屋を出た俺は、シャワーを浴びに寮へと戻った。
「な、なおくん?」
「あっ、ダイヤ姉ちゃん!」
帰宅中に、久しぶりにダイヤ姉ちゃんと再会した。彼女は、僕を見つけるや否や、凄い勢いでハグをして来た。
「やっぱりなおくんだ! なおく〜ん!! 皐月賞負けちゃったよー!」
「うん、見てたよ。でもよく頑張ったな……。次のダービーで覆せば良いんだ」
「うん……。久しぶりの本物のなおくんの声、匂い、温もり、鼓動……。なおくん、次のダービーは絶対に私が勝つから! 私の走り、しっかり見ててね!」
「分かってる。じゃ、天皇賞・春は強くなった姉ちゃんを見に来てくれよ?」
「うん! 絶対に見に行く!」
久しぶりに僕と話せたのか、ダイヤ姉ちゃんは穏やかな表情で微笑んだ。
「そう言えば髪切った? 凄くカッコよくなったね」
「あ、ありがとう……」
カッコいいと男が女の子から言われて嬉しいワードを聞いて照れ気味にならながらもダイヤ姉ちゃんと歩いていると、初対面のサウンズオブアースさんに絡まれて一日が終わった。
「やぁ、北島くん! キタサンブラックの情熱的でエレガンスな春のメロディを楽しみにしてるよ!」
「は、はぁ……?」
完全に忘れてた、この人も春天出るんだったね。
ー キタ視点 ー
5月1日。ついに『天皇賞・春』当日がやって来た。
新幹線の中で、チームの皆と京都レース場へと向かう。
「いよいよだね、キタちゃん。ボク達も気合を入れて念を送るよ!」
「ありがとうございます、テイオーさん。地獄のような1ヶ月でしたが、絶対に勝って見せます! なおくんの笑顔のために!」
「だってさ、直人くん!」
「テイオーさん、ちょっかいかけないでくださいよ。まったく……」
車内アナウンスが流れて、やっと京都に到着した。
レース場に到着した時、ブルボンさんとライスさんが来ていた。
「それでは、キタサンブラック。行って来ます!」
「行ってらっしゃい! 春の盾、期待してるからなー!」
「分かってるー!」
なおくんの応援を受け取り、あたしは控え室に入って勝負服に着替える。
あたしは今回、2番人気で1枠1番の最内枠の位置だった。
『さあ、続いて……お祭り娘が姿を現しました! 2番人気、1枠1番。キタサンブラックの登場です!』
「キタサン」
「シュヴァルちゃん!」
「今回はよろしく。このレース、僕が勝つ!」
「あたしだって絶対に負けないよ! お互い頑張ろうね!」
シュヴァルちゃんは無言で頷き、レース場に鳴り響くファンファーレと共に、あたしもゲートへと向かった。
『最後方の戦い、いよいよ決戦の時です。さぁ、キタサンブラックが枠入り、ゴールドアクターもゲートの中に入ります。解説の高橋さん、今回の展開ですがどう予想されますか?』
『積極的に飛ばしてくるようなウマ娘はいないでしょう。スタート次第ではキタサンブラックが行くと思いますが、いずれにせよペースは若干緩め。レースが動くのは勝負所、2周目の3コーナーだと思います』
『これも注目のウマ娘、シュヴァルグラン。岡野さん、このウマ娘も十分力をつけて来ましたね』
『はい、非常に安定して来ましたよね』
(このレースで必ず僕が勝ってみせる。絶対に負けたくない理由があるから!)
『およそ7万5千人のファンが見つめる中、最後のゲートイン。いざ、春の盾。『天皇賞・春』スタートしました! 揃った、綺麗なスタートを切りました! さあ黒い勝負のキタサンブラックがハナを奪い、マイペースに持ち込んだ! そして2番手にはヤマニンボラクテ。3番手内からカレンミロティックが続いています。そして1番外からサウンズオブアース前に行った! サウンズオブアースがゴールドアクターより前に行きました!』
(今の所あたしが内側を先頭で走っているけど、シュヴァルちゃんは中団の位置かな? 取り敢えずこのまま逃げ続ける!)
『さぁ、間も無く迎える前半1000mのペースはどうか? 1分1秒8のスローペース! キタサンブラックのペースです! 7万5千人の歓声が18人のウマ娘達を襲います! ここは辛抱です、落ち着いていきたいところです!』
(歓声のせいで耳がキンとする。でも……歓声に、僕は負けない!)
『緑鮮やかなこのターフの上を、色とりどりの勝負服が駆け抜けます。さぁ、静かな前半戦になりました。ゴールドアクターもこの辺りで落ち着いているようです。木々もざわめく2コーナーに向かいます。ここまでは静かな流れ、そのペースを握っているのはキタサンブラック1バ身のリードです! 2番手にはヤマニンボラクテ、3番手にはカレンミロティック。その後ろ、サウンズオブアースは前に着けた』
(足場の悪い山道で鍛えたこの脚と、インターバル走でのフォームの姿勢もちゃんと取れてる。よし、このままあたしのペースで差をつける!)
『さぁ名物の難所、3コーナーの坂です。まだ、静かな流れ。キタサンブラックが逃げているぞ! 残り800を切った! 先頭は変わらずキタサンブラック! そしてゴールドアクター外から上がって来た! 内からキタサンブラック! ゴールドアクターが詰め寄って来たぞ!
そしてその後ろからサウンズオブアースだ! シュヴァルグランは内から仕掛けている! キタサンブラックが先頭! また祭りに包まれるのか!』
(動け、あたしの脚! なおくん達とこれまで頑張った日々を無駄にしたくない! なおくんに春の盾を絶対に持って帰る! 絶対絶対に負けない! 勝つのはこのあたしだ! そしてあたしの走りで、皆を笑顔にするんだ!)
(ぐっ……! あの2人に着いて行けない!)
『真ん中からカレンミロティック! 内はキタサンブラック! カレンミロティックか! キタサンブラックか! カレンミロティックか! キタサンブラックか!』
ー 直人視点 ー
僕は姉ちゃんとカレンミロティックさんがゴール板を突っ切った時、どっちが勝ったのかが肉眼では分かりずらかったが、凄くギリギリの接戦で、僕的には姉ちゃんが僅かに差し返したようにも見えた。
「頼む……勝ちであってくれ……!」
『出ました。1番キタサンブラック、着順掲示板出ました! 1番キタサンブラック!』
「かっ……た? 勝った……はっ、ぐっすっ……ううっ……勝った〜〜!! ヨッシャー!」
「直人さん。おめでとう御座います。この勝利は貴方とお姉さんの2人で勝ち取った勝利です」
「良かったね、直人くん!」
いや、僕だけの力じゃない。ブルボンさんにライスさん、トレーナーさんの協力もあってこその勝利だ。
「はいっ……ブルボンさん、ライスさん。本当にありがとうございました! トレーナーさんも、ありがとうございました!」
「ああ、良かったな。お前の姉ちゃん、凄くカッコ良かったぜ!」
ようやくのGⅠレース2勝目の嬉しさで、僕は目から涙を流した。若干震えている背中をライスさんがそっと撫でてくれた。
はぁ……。僕はこの瞬間をずっとすっと待っていたんだ。
「やったね、キタちゃん。良い走りだった!」
「そうですわね。テイオーよりも凄くなりそうですわね?」
「マックイーン、それだけは言わないで!」
「うっふふ、直人さん。キタさんのところに行ってあげてください」
「もちろんです。姉ちゃん、今行くからね!」
大きな歓声に包まれた京都レース場のターフへと足を踏み入れて、僕は姉ちゃんの元へと駆け足で向かって行った。
別の場所では、ダイヤ姉ちゃんがクラウンさんと来ており、姉ちゃんに拍手を送っていた。
「姉ちゃん。お疲れ様!」
「はぁ……はぁ……なおくん。あたし、勝ったよ!」
「うん! またギリギリだったけど、本当に良いレースだった。本当におめでとう!」
「なおくん……おいで?」
姉ちゃんは両手を広げて、僕が抱きしめてくれるのを待っていた。
もうトゥインクルに載っても良いや……と思った僕は姉ちゃんに思いっきりハグをした。
「本当に……がっでよがっだよ〜……!」
「なおくん、これからも一緒に頑張ろうね。次もお姉ちゃんが勝つところ見せるから!」
「うんっ……! 僕も姉ちゃんが勝てるように全力でサポートする!」
姉ちゃんは抱きしめたい僕の頭を優しく撫でてくれた。
会場からは「おめでと〜!」や「よっ! お祭り姉弟!」などの温かい歓声が聞こえて来て、京都レース場のファン達はこの光景に涙が止まらなかったと、後のトゥインクルの記事に綴られることとなった。
「キタサン、直人くん。今回は負けたけど……次は僕が勝つ!」
「シュヴァルさんもお疲れ様でした!」
「いや、あたしも負けないよ! シュヴァルちゃん!」
この後は表彰に移って、僕は姉ちゃんと一緒に『天皇賞・春』の盾を一緒に持って、記念のツーショット写真を撮った。
さぁ、次は6月の『宝塚記念』だ! いったいどんなレースになるのか、これからも才能豊かなキタサンブラックの活躍に目が離せない。
でも僕たちはまだ知らなかった。まさかあのウマ娘が帰ってくるなんて、僕らだけではなく、日本中の人たちは夢にも思わなかったのだから。
ベジマイトはマジで好き嫌いが分かれるジャムなので、よければカルディなどで探してみてくださいw
そしてキタちゃんの合宿が終了して天皇賞春をレースシーンを見ながら再現させていただきました。ついにGⅠレース2勝目を獲得したキタサンブラック。
次のレースは宝塚記念です。あの怪物が、ついに帰ってくる。
次回は春天の後日談やGW編などの日常回を書いていきますのでお楽しみに!
それではまた次回お会いしましょう!