このペースで行けば夢の赤ゲージ満タンが見れるかもしれない
「……はい、こ、これで確認ができましたので……その、失礼しますっ今後ともカイザーローンをよろしくお願いします」
「は、はい」
スーツを着たロボットのヒトはアヤネさんから書類を受け取ると、足早にトラックに乗って去っていきました。
二度と来なくて良いんですがね。
「いやぁ~、びびってたね~あの人。お気の毒だ」
「ふんっ!いい気味よ!ナイスよムゥ」
ムゥの頭をポンポンするセリカさんは上機嫌です。
『ムゥ……あの人も仕事なんだから…』
「……んなもん知らねぇれす」
ニコニコとした
アレも中身はれっきとした大人のはずですが、ちょっと睨んだり圧をかけただけだあんなになるならその程度です。
それに、学生しかいない学校なのに借金返済方法は現金のみ、専用の現金輸送車まで用意しているのです。
どう考えてもおかしいでしょう。
それに……三百九年返済らしいです。それに加えてあり得ないほどの利息。
馬鹿でしょう?こんなの誰が考えても学生の返しきれる額じゃないです。宝くじを何回当てればいいんでしょうね。
「現金輸送車____!」
「シロコ先輩、あの車は襲っちゃだめだよ」
「うん、分かっている」
「計画もしちゃ駄目!」
「……うん」
「何で残念そうなのよ!?」
……その手もありましたね。それこそうまく行けば2、3回で返済も夢ではあ『ムゥ?』
「……わかっれます」
流石に本気7割冗談3割です。
本気であの額の借金を返すならこれぐらいでないと無理です。
それに、バレなければ犯罪にはなりませんし。
「___!」
「………シロコちゃんとムゥちゃんは同類だったか~…まぁそれは良しとして、今は目の前の問題を解決しなきゃね。教室戻ろっか~」
◻️
◻️
教室に戻り、まず始めに始まったのは昨日の襲撃犯、便利屋68の情報の確認でした。
年齢、名前、出身校等がホログラムに投影されています。
一応、昨日の取り調べで2度もアビドスを襲撃しないと言っていましたがアヤネさんいわく知っておいて損はないとのことです。
「あら?そういえばムゥちゃんはゲヘナ出身ですか?」
「いえ、ろちらr…
そう答えるとノノミさんはあれ~?と、首を傾げました。
なんなんですか。藪から棒に。
「とても仲良しに見えたので、先輩後輩の関係なのかと」
「あぁそういう……」
そう言えば、便利屋を始める前の社長の写真をムツキに見せて貰いましたね。
………図書委員がとても似合う姿でした。ええ。芋臭かったですが整えれば美人でしたがね……
に、しても学校ですか……この世界、キヴォトスの教育ってどんな感じなのですかね?数学はユウカさんが暇潰しで解いているのを見た限り同じでしたが、あとはわかりません。
………生徒会長に拾われなければ学歴無しの無能扱いでしたかね、もしかして。
「___ブラックマーケットの店舗がヒットしました」
「ブラックマーケット?」
「はい。あそこは中退、休学、退学……様々な理由で学校を辞めた生徒達が集団を形成しており、連邦生徒会の許可を得ていない非認可の部活もたくさん活動していると聞きました」
いや、それは知っているのですが………話を聞いてなかったので脈絡がさっぱりです。
「因みに便利屋68はブラックマーケットでも騒ぎを起こしているらしくて…依頼も大体はブラックマーケットか周辺に集中しているようです」
「とんだ悪党ね……」
まぁ、ブラックマーケットと言っても色々ありますからね。社長達は主に傭兵方面ですが他にもいっぱいありますし。
「でも、という事はブラックマーケットに何かある可能性が?」
「はい、パーツの出所と、便利屋の活動範囲、二つの出来事の関連性を探すのも、ひとつの方法かもしれません」
ぱーつ……?パーツ?本当に何の話で……?
「なるほどね、良し、じゃあ決まりだ、ブラックマーケットを調べてみよう、意外な手掛かりがあるかもしれないしねぇ~先生とムゥちゃんもそれでいいかな?」
『うん。もちろん』
「はい。構いません」
正直便利屋からの脈絡が一歳わかりませんが、まぁ先生が話を聞いていたので……聞いてましたよね?
『………難しい話わかんないや』
…………………ブラックマーケットに調査に行く、ということがわかっていれば大丈夫です。たぶん。
行けば何を調べるか自ずとわかるでしょうし。
そういえば、最近連絡を取っていませんが……一人で行っていたりしませんよね?
以前のこともありますし、ないとは思いますが……ま、適当に回りを探しながら行きましょう。
___そういえば最近チェックしてませんでしたね………!?こ、これは!?
『【急用ができたので現地で合流します】………えぇ……まだ日付変わってないんだけど…』
◻️
◻️
「お、おいあれ……」
「ぉわぁ……すっげ」
ふむ……やっぱり、この方が楽ですね。
まるでモーセのなんたら?のように人混みが割れて道ができていきます。
ムゥが今着ているのは【彩雲】として活動していた時の装備です。見た目はまぁ………てるてる?テカテカ?して、膝下までしかない拘束衣です。それとの左目の部分が割れているフルフェイスの変声機付きガスマスクです。
引退して長らく来ていませんでしたが未だに名前は残っているようで…良いんだか悪いんだか……まあ楽に移動できるのでいいんですかね?
まぁ残っていなければ今回は困ります。
と、つきました。
ムゥの今日の目的地はここです。見てくれはボロいレンガの家ですが……ブラックマーケットではこんなのもお店なのです。
せめて看板くらいは置いてほしいですがね。
「…お~、らっしゃ~~~ん、ん?__ア°」
その声どこからだしているんですか?それと、そんな珍獣をみるような目で見るんじゃねぇです。
「あ、あぁわりぃ…した。あ~、ここに来たってことはヌイ(縫い包みの略)ってことでいい……すか?」
「……その変な敬語は使わなくて良いです、あとヌイであってます」
「おわぁ……モノホンじゃねぇの……待ってな、金の準備しとけよ」
男のヒトはそういうと奥へ引っ込んで行きました。
久しぶりに変声機を使いましたがやっぱり地声に掠れたノイズが被さると格好いいですね。
そして、お金を用意しておけと言いましたが……いくらなのですかね?今回のヌイもヌイなので50は用意しましたが……足りなかったらとんずらしましょう。
「お~、そうそういるぜマジで。賭けは俺の勝ちな」
《まじかぁ……?ならツーショットよこせや。本当にいんなら値引きするって
奥から出てきた男の人は携帯でそんなことを話ながらこっちをチラチラと見てきました。
まぁ相手の声も聞こえているので内容はわかっています。
それぐらいで良いのなら良いです。
「よっと……んじゃぁこれがお望みのヌイだが……あ~…」
「聞こえていました。やるのであれば手早く」
「お、おう……聞こえてたんかよ……じゃ、じゃぁ頼む。_____うし、あんがとな、」
パシャリと写真を撮ると出てきた写真をパタパタと扇ぎながらヌイを「20だ」と言って寄越してきました。
【現金で20万円を渡す】
「ほい、まいどあり】
案外安かったですね。それはさておき、ヌイ本体ですが……はい。本物ですね。
ちゃんと梱包も形が崩れないように配慮されています。
しっかりリュックに入れて……よし。
さて……では皆さんと合流しましょう。
【ムゥが店を出る】
「………マジで彩雲ってモモフレンズで釣れるんだな」
◻️
◻️
………そう言えば、楽に動く為とは言えこの装備どうしましょう……?………イメチェンということにしておきましょう。
皆さんの現在地は……「ひゃぁぁぁあ!?」…ん?ヒフミの声がしたような……
「待てやぁぁあ!!!!」
「こ、来ないで~!?」
……聞き間違いじゃなかったですね。
予想はしていましたが、まさか本当にいるとは……はぁ…少し遅れます……っと、おいかけっこなら得意ですよ。地味に。
【ヒフミを追いかける不良を追いかける】
「金ぇぇえ……ん?誰だおまアベシ!?」
「おわ!?馬鹿おまえ!引っ張ったら危ない彩雲ンンンン!?おいやべぇって!!逃げるぞ!!」
遅いですね。まぁ人混みなので当たり前なのですが。というかヒフミはよくここをあんなに走れますね……
「ど、どいて~!ごめんなさいっ~~!」
「どけぇぇえ!!」
「いやだ!死に"た"く"な"い"!!」
「おかぁさん!!!!」
逃げるのに必死で後ろの様子には気がついていないようですが。
「アバァ!?」
と、あと2人ですが……あれ、先生と皆さんが……
「わわ!そこどいてください~!!」
『ぉふぁ!?』
……先生は引き付ける何かの成分でもあるのですかね?とにかくあと二人をさっさと片付けてヒフミをトリニティに送りたいのですが……これ、ムゥのこと気づいていないんですかね?
ヒフミと皆さんは気づいているようですが。
「あ? 何だお前ら、退け!アタシ達はそこのトリニティの生徒に用があるんだよ!」
「あ、あの後ろ……」
「そいつはなぁ!キヴォトス随一のお嬢様学校トリニティの生徒だ!」
「そいつを拉致って身代金を要求すりゃぁガッポガッボチ!?」
「拉致って交渉ぉ!なかなかのテクだrルォン!?」
【ドゴォン!!】
「ふぅ……」
まったく、あれだけ騒いでて気づかないなんて……馬鹿なんですね。
さてヒフミ、なぜ一人でブラックマーケットに来ているんですかね?くれぐれも、一人で来ないようにと行っていた筈なのですが。
「あ、あぅ……ごめんなさい……」
命は謝罪ではすみません。もっと自覚してくださいね。
まぁ……説教はさておき、思っていたより早く合流できましたね皆さん。……あの、皆さん?
『その目と尻尾…………もしかしてムゥ?』
……そういえば変声機つけっぱでしたね。
【ガスマスクを外す】
「ふぅ……はい、ムゥれす。……」
「ありゃ、なんでまたつけたのさ」
「いえ……悪目立ちしますので」
つい外しましたが、
「とにかく、移動しましょう。ヒトが多いので目立っています」
何人かに顔を見られているでしょうが……どうしようもないです。
今はとにかく移動するのが先です。もちろん、ヒフミも一緒です。
逃がしませんよ。そもそも一人で帰ろうとするものならまた絡まれますよ。
「それよりさ、そのかっこどしたの?それに裸足だしさ~」
「あ、本当だ……痛くないの?」
「……………足裏にも鱗があるので、」
その代わり感触は鈍いのですがね。
あれです。厚い靴下を履いているような感覚です。
それはそれとして……どうやらノノミさんもモモフレンズを知っていたようで後ろの方でヒフミと会話の華を咲かせています。
ヒフミは悪い子ではないのですが、モモフレンズのことに関しては熱くなってしまって…それが原因になったりして……何人かはいるようですがね。
そして、今向かっているのはブラックマーケット内のムゥのセーフハウスです。
先ほどのヒフミを追いかけていた不良達。
あのような輩はブラックマーケットでは
数だけは多いことが確定しているので囲まれる前に一度隠れなければなりません。
この路地を進んで行けば……「にゃぁ?」___まだ、覚えててくれていたようです。
「わわ!?急に猫だらけになってきました!」
「こ、こんにちは……ペロロ様を引っ掻かないでくださいね?」
アヤネさんやヒフミが皆に色々言っているうちに、いつの間にか前には大きい犬……に、乗った猫がいました。
一応ここのボス猫さんです。
「う"なぁっ」
犬から降りたボス猫さんはムゥの拘束衣をよじ登ってきて、胸辺りに来るとグルグルと喉を鳴らし始めました。
本当によく覚えていましたね。
最後にここに来たのは1年程前なのに。
「ね、ねぇムゥ?この猫達は?ていうかどこに向かってるの?」
「ここの皆は一応友達……に、なります。この先にセー……安全地帯があるのれそこをめざしれます」
「そ、そうなのね…」
「うは~猫ちゃんもワンちゃんもいっぱいだね~」
『ほら、怖くない……怖くないから……イタイ!!』
先生はどこの姫様なのですかね。
因みに先生。ここの皆全員野良なので病気とか細菌とかヤバイですからね。
『………キボウノハナ~』
作者の活動報告にて先生にしてほしいこと、本作でもっと絡んでほしい生徒のリクエストを募集しております。
ネタを……ネタをくれ……!.!それと評価感想も……
それはそうとていつまでアビドス編やってんねん……がんばります