いったいどんな手段で手に入れたのか……
「ここどこぉ……おなかすいた……おみずのみたい……」
「……れすから、食料と補水液はあると何度も…」
「いやだぁ!!そんな味のしないダンボールの塊もぬるぬるしてるローションもいやだぁぁぁあ!!!」
「……なら蚕「それはもっといやだぁぁ!!」……大人が……こんな…」
もう、嫌です。
大の大人が、四肢を放り出して泣きながら喚くのを見るのは。
ムゥが泣きたいですよ。
◻️
事の発端は2通の手紙でした。
それは、アビドスからの緊急支援要請の手紙でした。
要約すると暴力団によって追い詰められているから助けて欲しい
それだけでした。
詳しいことは他に何も書いていませんでした。ですが、このクソガキ先生は手紙を読むなり出発しやがったのです。
ロクに準備もせず。アロナも迷子になるかもしれないと言っていたのに。このザマです。
アビドスにつくまでは順調でしたよ?
公共機関はありましたから。アビドスにつくまでは、
端的に言うと、アビドスはもう過疎ってるのです。
人がいません。
なのでこうしてただ広いだけの住宅街でも遭難するのです。
◻️
「れは、いったいどうするのれすか?先生の
「う、ぅぅぅぅっっ!!やだぁ…!」
またぼろぼろと泣き出す
ムゥだってこんなことしたくねぇです。
けど、水分もエネルギーも先生は昨日から取ってないのです。
アビドス__砂漠でそんなことをすれば、ヒトは簡単に死ぬのです。
「やぁぁあ!!」
ぶちっ
あ、もうむりれす
「………もう、いいれす……このくそがきが……きおくをけせばいいのれすから……!!」
「む、ムゥ……?」
本当に、本当に最終手段でしかやりたくなかったのですが、もうむりやり食べさせるしかねぇです
「ご、ごめん!ふざけすぎた!冗談!じょうだんだから!!」
「なにがじょうらんなのれすかねぇ……?___にげるんじゃねぇれすよ」
「ひぃっ!?」
ひっくり返ったままのくそがきに乗っかります。
ちゃぁんと尻尾で両足を縛って、逃げられないようにしてから、__『キキーッ』?自転車、です?
『緩んだ尻尾を振り払ってムゥを振り落とす』
「ぶぇっ」
「た、たすけて……!!」
いてぇです。振り落とされました。
……でもまぁ、ムゥも正気に戻れたので良いです。
もうすこしで離乳食をまうすとぅーまうすするところでしたから。
怒りで我を忘れたのは久しぶりです。
やはりモモフレンズがないと……スカルマンが恋しいです。
「えと……その制服は、連邦生徒会のヒトだよね? このヒトに何を、してたの?」
カチャリと、金属が摩れる音がしました。
たぶん、銃向けられてますね。これ
「……言うなら
持っていた銃__sr16を見えるように地面に置きます。
誤解にせよ何だろうと、まずは敵意が無いことを表すのが大事なのです。
『立ち上がって拘束衣の裾をドレスの様にたくしあげて頭を下げる』
「初めまして、連邦捜査部シャーレ所属。四季ムゥと言います」
「え、シャーレ?」
「えぇ、貴女は……アビドス高校の生徒、れ、いいれすか?」
「えっ、う、うん。
ムゥが名乗るとシロコさんは困惑しながらも銃口を下げてくれました。
そして、シロコさんは後ろひゅーひゅーと下手くそな口笛を吹いている
「それは、先生れす。シャーレの先生……みっともない話れすがね……」
「せん……せい……?」
シロコさんは先生にまるでこれが…??と言わんばかりの目線を浴びせました。
良いですよ。
もっと浴びせるのです。
どうせこのくらいではへこたれたりしませんし。
「そ、そっか……ホームレスじゃ無かったんだね「アッ…モウムリ……」__!?ど、どうしたの!?」
「ちっ……思ったよりも早いれす…泣きわめいたせいれすね」
シロコさんの後ろにいた先生が倒れました。
さっきまでバタバタと動いていたので余計に体力を消耗したのでしょうね。
……それはそうと、あの変態、シロコさんの匂いを嗅いでいませんか?
「ど、どうしよう……」
「
さっき無理やり食べさせようとしたら泣きわめいれ限界がきたのれしょうね」
ムゥがそう言うと、シロコさんはそれで…と言いたげな顔をしました。自業自得なのです。
「ミズ……ミズヲクダサイ……ムゥのは嫌です!」
「え、えぇと……」
「そこらけハッキリいっれんじゃねぇれす」
何なのですかこいつ? いい加減にしやがれ、です。
この阿保のせいでシロコさんも困っていますし……え、それに恵みをくれるんです?
見たところスポーツドリンクのようですが、飲みかけですよね?
そんなの変態に渡したら
「これ、スポーツドリンクだけどよかったら。えと、コップは「いただきます!」っ!あっそれ……」
「…………」
「ぷはっ!生き返った!!」
やりました。
ついにやりました。
こいつ、シロコさんの飲みかけを躊躇なく直のみしやがりました。
「生き返った、れはねぇれすっ!!!!」
『鞭のようにムゥの尻尾が背中に叩き込まれる』
「ぎぴぃぃぃいっ!?」
「
『更に尻尾で叩かれる』
日頃の怨みも込めて叩いていると、シロコさんに止められました。
何故です?普通、知らない奴に間接キスをされたら気持ちが悪いだけで__「別に、気にしてない、から……///」
………はい?
きにしてない
気にしてない……??
「……そ、そう、れすか」
……ま、ぁ
本人がきにしてないなら良いです。
もともとイかれた世界なので、もう諦めます。えぇ。
スポーツドリンクは後程弁償させて頂きます。
◻️
◻️
「そっか、アヤネの申請が……」
アビドス高校へ向かう途中に、シロコさんにアビドスに来ることになった経緯を説明しました。
どうやらシロコさん達、アビドス高校の皆さんはもはやダメ元だったらしいのです。
更に聞けば、物資も既に何とかやりくりをしている、と言う状況です。
「その、本当に大丈夫?言ってくれれば変わるけど」
「いえ、大丈夫れす。物資をシロコさんが持っれくれているおかげれ大分楽なのれ、むしろもっろ早くれもらいじょうぶれすよ」
「そっか。ならペース上げるね」
シロコさんは頷くと、
ムゥもシロコさんとの距離が離れないように並走します。
念のため言っておくと、シロコさんはロードバイクで物資を持って、ムゥは
前世では考えられないような話ですが、
最初はシロコさんが先生を運ぶと申し出てくれたのですが、背負うとなって自身が汗をかいていることに気づいたようです。
それを聞いた瞬間にあれから変態の欲望が感じられたのでムゥが押しきりました。
なんですか、むしろそれがいいって。
シロコさんもどこかまんざらでもなかったのが理解できねぇです。
「すぅぅぅぅぅ…………これだけ走って汗の匂いがしない……?ムゥって人間?」
「………別に、汗をかかない体質なだけれす」
「それ、大丈夫なの?体温調節とか…」
背中から心なしか心配そうな声で話しかけられます。
別に、たいした問題では無いです。
寒さや急な温度変化はダメですけれど、暑さは大丈夫なのです。
むしろ、体温が高い方が今のように動けます。
まぁ高すぎてもダメですけれど……そのための拘束衣なのです。冷却、加熱機能がついてます。
「ト…………爬虫類?」
「トカゲと言わなかった事は誉めてあげるのれす」
◻️
「ん、もうすぐつくよ」
「おぉ、あれがアビドス高校かぁ…」
シロコさんが指を指した方向には三階立ての校舎がありました。
アロナから聞いてはいましたが、
グラウンドも手入れがされていて綺麗ですし、
とても生徒が5名しかいないとは思えないですね。
「ほら、さっさと降りるのれす」
先生を背負っていた腕をパッと離して、転びそうになったところをシロコさんが支えました。
「ムゥは、少しあっちの木陰でクールダウンするのれ、とりあえず挨拶は先生らけれお願いするのれす」
「体を冷やすなら校舎の方が、」
「ん、エアコンもあるし氷とかもあるよ?」
シロコさんが誘ってくれましたが、お断りします。
エアコンは温度変化が激しすぎて吐きます。
氷は少しばかり頂けるとありがたいですが。
「ん、わかった。少しまってて」
そう言ってシロコさんと先生は校舎へ入っていきました。
『木陰で拘束衣の前を開けて横になる』
先生はまだ、体力が戻っていない様でシロコさんに再び肩を貸して貰っていました。
…脆いですね。
この身体になってから、忘れていました。
普通、人間の身体では銃弾を受け止めることも
爆発に耐えることも
過酷な環境に適応することは難しいです。
すぐに……すぐに、壊れてしまいます。
ヘイローがあるからこそ、ここキヴォトスで、ムゥは生きていられたのです。
ヘイローの無い先生は……いえ、変態パワーで生きてそうですね。
もっとも、ムゥがいる限り簡単に死なせる訳にはいきません。
先生を、どうかお願いします
えぇ、わかっています。受けたご恩はかえさせてください。
ヒフアズの間に挟まりませんぜったい
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