◆◇◆
「生きているといいな」
「……はい。彼女はオレの、命の恩人なんです」
生まれておよそ十八年晴れて自由の身だった。
そんな最後の日、声をかけてくれたのは元、ご主人様だった。
「お前には本当にお世話になったな、娘のこと、村のこと、私たち夫婦のことだって、こうして今平穏に暮らしてこれたのは紛れもないお前さんの働きのおかげだ。本当に、今迄ありがとう」
「へへっ、水臭いじゃないですか旦那さん、そんな、オレはオレのできることを一生懸命しただけです」
「……いいや、本当に感謝してるんだ。しかし、私から君に上げられるものなど、たかが知れている。君は、お金にも興味ないだろうからな。だからこそ、君を一人の人間として、奴隷身分から解放しようと決めたんだ。……それでさえ断られそうになった時は流石に驚いたぞ」
「ええ、奴隷身分には満足していましたから。やりたいこともないですし、奴隷商のところへ帰れば
そう間をおいて、少し背の低い青年はその顔を悲しげに歪ませた。
「会えなくなったのだろう?」
「ええ、残念ながら。彼女は、僕に興味なんてないでしょうしね。どこにいったか、最後に会った時も何も教えてはくれませんでした。彼女が今どこにいるかは、まるで見当がつきません。しかし、この世界のどこかにはいる。だから、探しに行こうと思います」
「あぁ……頑張れよ。陰ながら応援してるよ、シヴァくん」
「…………」
そう言ったこの村の村長にあたる男の目は、腐っていた。
瞳の奥に、明確な意思はなく、視線はあらぬ方向に向いている。
口は半開き、涎が垂れている。
対して、シヴァはにっこりしていた。
「はい! 村長さんも、娘さんと奥さんと元気にお過ごしください! その方が、オレも頑張った介があるというものです!」
「…………あぁ、頑張れよ、シヴァ、くン」
最期にそう言って、男は。
焼け野原となり、いずれ地図からも消えるだろう、なんにもなくなった村の村長は、土となって崩れ落ちた。
男は死んだのだ。家族と、大切な村と最期を共にした。
「ん~! よ~し! 今日から忙しくなるぞ~! たっのしみだなぁ~!」
そう言って、この村を滅ぼした元凶である男、悪名高き奴隷、通称【破壊者】、シヴァと名乗る男は、のんきに旅支度をすませ、体をほぐし、体を回転させた。
「美味しいものを食べよう! 寝心地のいいベッドで寝よう! たくさんの人と会おう! 大切な人を作ろう! そうして、まだ見ぬ最愛を、この手で看取ろう。ああ、だけどその前に…………我が生涯、唯一の心残り、エルザ。ただ一人殺してあげられなかった最愛に、強き人に、また相まみえ得るならば…………殺してあげねばなりますまい」
男は、狂者である。
力はない、特殊な能力もない、別段特筆すべき特徴もない。
だが、死なない。
そして、男に関わった最愛はみな、死んでいくのである。
男はそれを看取ると呼び、その愛しい
男の名はシヴァ。ただのシヴァ。純粋なる破壊者である。
「愛するエルザ、オレの命の恩人。お人好しな狂女。最高の女。腸狂い。その魅力を挙げればキリがない」
シヴァは命を救われた。
もともと、普通の男だった。
普通の家庭に生まれ、普通の田舎に生まれ、普通に育ち、普通に生き、そうして、ありふれた不幸を享受した。住んでいた村がよくある飢饉にさらされて、育ててもらった生みの親にお金目当てに奴隷商に売り払われた。効率のいい口減らしだった。男は泣いた、普通に。男は哀しんだ、普通に。その泣き顔を奴隷商は気に入った。そそると。男は普通の男児だった。イケメンではなかったが、きっと、一番そそる顔をしていた。奴隷商は高く買った。男娼として売れるだろうという見込みだった。男娼の待遇はよかった。体が資本だからだ。心はいらなかった。ただただ、■られる日々だった。しかしある日不思議なことが起こった。何も感じなかった体が熱くなった。意識が遠くなって、熱を出した。魂が増えた。また、男は普通に泣くようになった。嫌だった。男に■されるなんて、いつも通り、今まで通りなのに。男は、【破壊】した。ぜんぶぜんぶこわれてしまえと、願った。すると、次の日から、男娼として呼ばれなくなった。話を盗み聞きすると、お得意客が死んだらしい。原因は不明。その数か月後、また買われた。今度は研究者だった。男は研究材料になった。注射がささる。魔法がかかる。記憶が消える。快楽に沈む。口からは泡を吹き、魂が注がれ、そして、暴走した。ルグニカ王国の魔法研究機関がじっけんに失敗したらしい。珍しいこともあるものだ。男は助かった。記憶を失いながらも助かった。助かって、村にたどり着いた。村はいい村だった。優しそうな女の人に、笑顔の村長。温かく迎えてくれて、宴会を開いてくれて、美味しいものを食べて、だんだん眠くなってきた。とても気持ちのいい夜だった。だから、吐いた。食べたもの全部吐いた。気持ち悪い。■された。魂が汚れた。加護が一段深くなった。次の日、村は■■を開いた。祭りだ。みなが裸になって■し合う。素晴らしい、美しい、みんな目が血走って、女は泣き笑って、子供も大人もナカヨク?していた。いいことだよね。僕は見ていた。その光景を目に焼き付けた。そうして飽きた。満足した。だから、許してあげた。死ぬことを。赦してあげた。そうしたら、三日三晩■り続けるのは、女男子供老人、みんな苦しかっただろうなぁ笑。滑稽だった。その色欲の罪を償えばいいのさ。少年は村だった場所を出た。次に町を訪問した。宿に泊まった。看板娘の子がかわいかった。ぼちぼち美味しい食事にまぁまぁの寝床だった。でも、なんだか安心した。宿で働かせてもらうことになった。なぜかウェイトレスとして雇われた。メイド服しかないんだって、なんだよそれ。まぁ、でも、オレは意外と嫌いじゃなかった。こんなはずじゃなかったんだけど。看板娘、ニーナと仲良くなれたから、まぁいいや。おばさんもおじさんもよくしてくれて、嬉しかったから。そしたら捕まった。ある日突然貴族の私兵に攫われた。貴族が、オレを、気に入ったのだとか。そしてまた売られたのだとか。また薬を盛られたのだとか。いい加減耐性がつけばいいのに。どうして心に免疫はないのだろう。傷つかない心は、成長する心はないのだろうか。痛かった。中も、外も。痛かった。久しぶりだったからかな。理不尽で、無理やりだったからかもしれない。やっぱメイド服なんて着るもんじゃないね。誰だろう、異世界にメイド服なんて生み出した奴は。文句を言ってやりたいね。お前も女装して可愛くなって見知らぬおっさんに痴漢の一つでもされれないいさ。もうされてる?まじで?いかれてんな笑。貴族は男に興味津々らしい。女に冷たい目で見られるのが辛いのだとか。デブできもくて声が太いから見た目だけで嫌われるのだと。そんな女が嫌いなんだって。オレは笑ったね。お前も同じ尺度で生きてるじゃんって。男とか、女とかじゃねぇんだよ。こいつは結局男でもいいからカワイイガキと■りたかった変質者だったってだけ。生まれながらのもんに文句つけんじゃねぇよハゲ。まぁ、気持ちはわからなくもないから、膝枕してやった。耳に呟いた。で、楽にしてあげた。我ながら優しすぎたと思う。気持ちよく自分に酔って逝けたんじゃないかな。笑って死んだよ。オレに金庫の開錠方法を教えてからね。助かったわ。何故か兵士の奴らはオレにビビッてなにもしてこなかった。あいつらの心臓が異常にドクドクいっていたのを感じた。いつからそんな耳よくなったんだか。そうして金庫から金目のものと金貨を薄汚れたメイド服のポケットいっぱいに入れて、宿に戻った。宿の自由扉を開けて入れば看板娘がおぼんを落とした。そんで勢いよく走りつけてきて、抱きしめてきた。柔らかかった。何がとは言わない。そんで、酒場がざわざわして、騒ぎを駆けつけてきたおじさんおばさんに金貨をばらまいてやった。ふざけやがって。おじさんもおばさんも困惑していた。頭が悪いのかと思ったら、どうやら売ったわけじゃないらしい。オレが、勝手に思い込んでいただけだった。恥ずかしかった。申し訳なくて、罪悪感が胸に去来した。苦しかった。その日は休ませてもらった。次の日、宿屋は閉店していた。金貨も、おじさんも、おばさんも、看板娘も、ぜんぶいなくなってた。捨てられた。裏切られた。それを理解できなかった。呆然として、椅子に座った。その日もメイド服を着ていた。次の日、また捕まった。今度は国の兵士、いや、騎士だとかいってた。どうでもよかったから、あんまり覚えていない。もう、どうでもよかった。優しそうな、というよりは優秀そうな騎士だった、なんだっけか、西遊の岸田とかなんとか。あんたはどこの総理大臣だ。まぁどうでもいい。どうせなんだかんだ捨てられるんだ。騎士所に行けば、尋問された。昨日宿にいた人間が、昨夜から見当たらないとか。オレの知ったことじゃない。逃げたんだろ。そしたら今度は貴族が行方不明だとか。知らねぇよ。あーだこーだ言われても知らないものは知らない。黙っていると今度は青い女が出てきた。似たような、オレと似たような、男だった。何を思ってこんなやつを騎士にしたんだ。女はやたらとオレの手に触れてきた。何かされている気はしたが、いやな気はしなかった。そんなこんなで適当に話していたら、女は急に顔を青くして、なんとその場で吐きやがった。ああって、なんとなく直感で理解したんだよね。こいつ、オレの記憶を覗いたんだろうなって。はっ、ご愁傷様。そおしたらまた最優が出てきて何事だぁとか言ってオレに問い詰めてきやがる。女はよっぽどショックを受けたのかまだ吐いてる。純情なんだろうな。きたねぇもん見せて悪いな、でも、見たお前が悪いよ。まぁ、さすがにあれを第三者視点で見る勇気はオレにもないが。男の『ピー』に指を『ピー』してぐちゃぐちゃにしてその状態でオレに『ピー』させて、もう一人の兵士にオレの『ピー』を■させるなんて、誰が見たくて誰が考えんだよ。可哀そうに、うん、同情するね。一瞬だけ、あ、やっぱごめん笑うけるわ。そったらへへっなんて笑っちゃって最優がうるさいのなんの。そうこうしてると青い女がやっと回復した。回復はお手の物ってか。猫耳男のむすめとこれはオレにもダメージが来るな、今のなし。で~なんだかんだあってカルステ、る?侯爵?公爵?の屋敷で検査を受けた。なんか知らないけどあの男女魔法が使えるらしい。魔法にはいい思い出がないんだけどね。んで、終わったらオレの魂が二つあるだとか、心が壊れてるだとか、マナが澱んでるとか、恐ろしい加護がどーだとか、でたらめなこと言いやがる。それでよく青だとか名乗れるな。青が何か知らねぇが。そしたらクルス?とか言う人が出てきてここで暮らさないかとか言ってきた。もういいよ、そういうの、どうせ見た目目当てなんだろ。中身なんて見てねぇんだ。第一印象が、ファーストプリジュディスが、てめぇの価値観が絶対なんだろ?オレもそうだよ、当たり前だよな。……へぇ。女の目は強かった。その言葉は正しかった。一本気の通った強い女だ。正直好みだった。だから、ちょっとだけ、暮らすことにした。青に壊れた心を治療してもらいながら、緑の髪と暮らした。たまにそれっぽいことを執務中の緑にアドバイスした。どこの知識かはしらないけど、たぶん間違ってない。お金の巡り、貴族の習性、村における魔獣の脅威、稲作の仕方、法案の発想、医術の知識、病気の概念、学校の必要性、まぁあと色街の重要性も説こうと思ったけど、やめた。そんなの、言いたくない。……オレ、今更嫌われるのが怖いなんて、いかれてるな。あ、これが心が治ってきてるってことなのか?なら、ああ、オレの初めての友達も中々やるじゃねぇか。ハハッ。ははっ、あぁ、こんな簡単に笑えるんだな。人って。すげぇや。幸せだった。ある日、白い鯨がいた。白い鯨がいた。白い鯨がそこにいた。三人と御者で王都へ向かっている時のことだった。突然、晴天が曇りへと変わって、朝が夜になった。暗闇で怖くなった。また、閉じ込められる。実験される。売られる。汚される。今も寝るときは明かりをつけるのに。どうして外で。体が震えた。二人は、手を握ってくれた。暖かかった。初めてだった。女の子と手をつなぐのは。初めてだった。こんなに胸がどきどきして、こんな状況で安心できるのは。一刻も早く打開しようと■■■■は言った。三人で外に出た。初めてだった。あんなに大きい生物を見たのは。怖かった。大きかった。あんなの勝てるわけない。怪物だ。でも、大きな唸り声で迫りくるそいつに、■■■■は守るように前に出て、大きな口が近づいてきて、避けようとした。その時、角が光って。直観だった。オレは■■■■を突き飛ばした。そのあとの記憶はない。目が覚めたら平野には何もなくなっていて、場所も二人も、いなかった。また、置いてけぼりになった。寂しいな。でもダイジョブ、この辺の地理はぜんぶ覚えた。そうさ、く、く……あの人の言う通りオレはやればできるのだから。我が家に帰った。なぜだろう。捕まった。なぜだろう。誰も名前を呼んではくれない。なぜだろう。涙が出るのは。なぜなんだろう。こんなにも、怒りがわくのは。その冷たい目に恐怖よりも憎悪がわくのは、トモダチの他人面に絶望よりも憎しみを抱くのは。なぜなのだろう。追い出された。路地裏に行った。叫んだ。「ふっっっざけんなバカやろぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!」「オレが!何をした!助けてやったのにぃぃぃ!!!教えてやったのにぃぃぃ!信じてやったのにィィ!どうしてぇぇ!なんでぇぇ!ぁぁぁぁぁぁぁあああ!」叫んでも、スッキリしなかった。治った心は正常に澱んだ。強くなった心は凶刃だった。叫んで、叫んで、そうして今日も攫われた。人攫いだ。今日も今日とて攫われた。こんな発狂してるかわいい弱者を攫うなんて、お前人さらいのセンスないよ。なめんなよ。売られた。高値で売れたらしい。こんな場所あの女に潰させておけばよかった。結局何も変わらなかった。この場所へ逆戻り。もはや我が家に等しい奴隷商。裸にされ、見物台に立ち、晒される。値段が付く、買われる。そいつは死ぬ。買われる。そいつも死ぬ。買われる、奴隷商が死ぬ。自由になる。貧民街の子と暮らした。売られた。買われる。そいつが死ぬ。■される、そいつが死ぬ。自由になる。金目当てに攫われる。■される。売られる。エルフの子と暮らした。楽しかった。また雪合戦しようね。オレのこと思い出したら、また。また、攫われる。今度は趣が違った。魔女狂とか言ったか、熱心なファンらしい。死人にお熱ってかって言ったら発狂して生きてるって訂正してきた。知らねぇよ。寵愛とか受けたいわけ。見もしねぇおっさんの寵愛なら腐るほど受け取ったぜ。ぜんぶくれてやらぁ。今日も死なない。寵愛がどうだとか今日も言っている。しかしこんな狂った場所であるのに、ここでは■されることはなかった。意外といい場所なのかもしれない。飯はないけど。ああ、美味いもんが食いたい。トモダチの料理が、看板娘の料理が、両親の、料理が、食べたい。いい寝床で寝たい。洞窟は嫌だ。ふかふかの豪邸で寝たい。次の日、何かに認められた。洞窟にきて二週間、何も食わずに生きていることが、何かの証明らしい。何故か認められて、なぜか狂人は同志と呼んでくる。死に際に現れたこの黒い本に、いったいどれだけの意味があるというのやら。解放されて、外に出された。久しぶりの外は曇りだった。まぁ、嫌いじゃない。それから、本の言うとおりに進んだ。それに従っていると攫われなかった。終わらない呪いを止めてくれたのだ。それはオレにとって福音だった。しかしある日、白紙になった。その日、腹を裂かれた気がする。死んだ。その日まで、村を燃やして、人を売って、民衆を扇動して、貴族を洗脳して、世を乱し、魔女の言うとおりに生きてきたのに。まるで役目を終えたかのように、寵愛は消えた。結局、寵愛なんておっさんもばぁさんも碌なもんじゃないのだ。次の日、目が覚めた。鳥肌が立った。自分が狂っていたことに気づいた。罪悪感が胸を押し上げてきて吐いた。吐いて、吐いて、いつかの青みたく吐いた。そうして、記憶がすっぽり抜けた。辛いことを忘れたかったんだろう。ただ、助けられたことだけを覚えていた。本当の自分を思い出させてくれた、命の恩人がいたことを。彼女に会いたくなった。そう願うと力は答えてくれた。攫われた。売られた。そこには、彼女がいた。奇麗だった。ほかの誰もがオレの言うことを聞くのに。彼女だけは思い通りになってくれなかった。きっと願いが叶わなかったのだろう。素晴らしい。彼女だけはありのままの自分を受け入れてくれる。嬉しかった。何度も売られた。何度も買われた。自分も彼女も老いていくことがなかったから。変わらない彼女にかわらない自分。お似合いだと思う我ながら。楽しかった。もうオ■されるのも慣れたものだ。こんな年増に腰を振る見た目にとらわれた豚も可愛く見えてくる。哀れだね。可哀そうだ。何のために生きているんだか。可哀そうだから、同情して、願いをかなえてあげた。理不尽な生まれを嘆く彼らを来世に導いてあげる。看取ってあげる。それが好きだった。はやく、彼女も送ってあげたいな。なのに、突然彼女は消えた。願うも願うも足取りがつかめなかった。だから見つけなくてはいけない。看取ってあげたいのだ。愛しているから。大好きだから。灰になった彼女を愛してあげられるのはオレだけだから。あの狂った女を見つけにいこう。それが今のオレの願い。さぁ、【猛き憤怒】よ、我が願いを叶え給え。さぁ、【愛しき被虐】よ、我が人生を狂わせ給え。運命を捻じ曲げよ。……まぁ、こんなこと言っても意味ないんだけど。心で思えばだいたい思い通りになるし、まぁ、気持ちだよね。テンションの問題だよ。だから、そう、久しぶりに名乗ろうかな。オレは、うっうん!
「オレは元魔女教大罪司教【憤怒】担当、【被虐の魔人】シヴァ・ノートリアス」
「やっぱこの名乗りが一番だよね。かっこいい」
「さっ!今日も今日とて彼女を探しに西へ東へ!オレが彼女の運命の人ではないというのならその運命を捻じ曲げる!」
彼はシヴァ。またの名を【破壊者】。またの名を【憤怒】。またの名を【被虐の魔人】。またの名を【傾国の男娼】。またの名を【災厄をばら撒く者】。
悪名高い、
「待っててね、エルザ」
彼と彼女の邂逅は、そう遠くない未来。
一人の不幸な少年との邂逅もまた、遠くない。
◆◇◆
好きだぜ。シヴァくん。邂逅ってのは盗品蔵の話ね。てか時系列いろいろおかしいよね。
一応、被虐の加護を持った少年が生きることを不幸だと嘆いた結果死ぬことが出来なくなり、万が一死んだときはよその魂を持ってきて合体し蘇るというもの。
寄り集まって極まった魂は強大になり大いなる力の根源となり、覚醒、憤怒の座を得た、という話。
まぁ、実際は権能と加護は別もんらしいけど、加護が極まって権能にぃ、みたいなの、いいよね。あと被虐の魔人は被虐のノエルから来てる。