短ーい!
そして喋る子が多いとわけわかんなくなるぜ!
「──エミリア様、これは、ここで一体何があったのですか?」
ラインハルトが疑問を告げる。
周囲は酷い有様で、建物は焼失どころが、ほとんどが炭となって燃え尽きている。
ただ火事があったわけではない。
魔法に疎いラインハルトでもこれが自然発生した炎によるものではなく、人為的に引き起こされた魔法によるものだと推測できた。
「天高く上る火柱を見て馳せ参じました。何者かによる王都での大魔法の行使、首謀者はどちらに………っ酷い火傷だ。それにその少女は──」
「ラインハルト………ラインハルト、お願いっ! この子、怖い女の人を倒す為にすごーく無理をしてひどい重症なの……!」
「やはり、先ほどの火柱は彼女の………」
「ごめんなさい、魔法に関しては私も一緒に謝るから、今はとにかくこの子ともう一人の子を治すために力を貸して欲しいの……」
「わかりました。──騎士ラインハルト、貴方様の御心のままに」
「……っありがとう」
ラインハルトはこの国の騎士として、王候補であるエミリアに傅いた。
「──エミリア様」
ラインハルトの協力を取り付けたエミリアに、今度はラムが声をかけた。
「ラム!」
「エミリア様、言いたいことはたくさんありますが、取り合えずご無事でよかったです」
「うん、でも……」
「私も協力します。もう
「こっち、よっ」
ふら、っと急に立ち上がったエミリアの身体がよれる。
疲労が溜まっているのだ。
無理もない。一日にこれだけ色んなことが起きれば心身ともに多大な疲労が伴うだろう。
「っ、ありがとう、ラム」
「ご無理はなさらずに」
「うん……ありがとう」
そうして、エミリアはラムに身体を支えられた状態でもう一人の重傷の子──スバルの元へと二人を案内した。
◆◇◆
「やっと戻ってきたか! ──って、誰だそいつら」
「フェルトちゃん、スバルを見てくれてありがとう」
「別に、あたしにできることなんてこれくらいしかないし、あんたには負い目もある。それよりあいつは? 無事だったのか?」
「うん、でも………」
「っ! ひでぇ怪我じゃねぇか! こいつ、なんでこんなに……」
「ごめんなさい、私が不甲斐ないばっかりに」
「……そりゃあたしも一緒だ。そんな謝ってばっかでいんなよな、悪いのはあのイカレ女だ。だろ?」
「そう、ね。それでね──」
エミリアはフェルトに二人のこと、これからどうするかについて話した。
「ホムラも、兄ちゃんもひでぇ状態だ。こんな状態の奴らを治せる治癒術士に心当たりがあるのか?」
話を聞いたフェルトは初っ端そうラインハルトに問うた。
「ああ、僕の友でありこの国最高の治癒術士である彼ならば、必ずや二人を治療してくれるはずだ」
「そうかよ。なら──あたしも行く」
「フェルトちゃん……」
「正直、貴族なんて信じる気になれねーが、あたしには何もしてやれないからな」
無力を噛み締めるように、フェルトは俯いて言った。
「ホムラは、ほんの少しの間だけだけど一緒に暮らした、家族だ。ぼろ雑巾だったあいつを拾って、寝るとこを貸してやって、同じ飯を食った。あいつは頭が固くて正義正義うるさい奴だけど、それと同じくらい周りに甘いやつなんだ。──あたしは家族を見捨てない。絶対にだ。だからあたしも連れてけ、剣聖」
「わかった、君の家族を助ける為に僕も微力を尽くそう」
「──私も、行きます」
「エミリア様、ですが……」
フェルトの強い意思に、エミリアもまた声を上げた。
しかし、エミリアが疲労していることは火を見るより明らかだ。
さらに言えば、エミリアがこの二人に会ったのは今日が初めてでありいくら協力関係にあったとしても、後はラインハルトに任せれば十分だろう。それにラインハルトの言う治癒術士とはおそらく──故に、エミリアがこれ以上、二人に肩入れすることは──、
「ごめんね、ラム。でも、二人は私を助けてくれたの。私なんかに手を貸してくれて、普通に接してくれて、あの、だから、私……」
「……はぁ、わかりました。貴方様のご随意に」
「ありがとう、ラム。わがままな主人でごめんね」
「いいえ、それが貴方様らしいかと」
「……本当に、すごーくありがとう」
そうして四人の意思が決定し、彼らが一団となって向かうことが決定した。
この国最高の治癒術士である称号『青』を持つ『フェリックス・アーガイル』、そして彼を有する次代が王候補──クルシュ・カルステン公爵のお屋敷へと。
◆◇◆
短ーい!