次の日、高山は南達に高山の土産話をしていた。
「僕が金沢から列車に乗った時だったかな。」
「うん。」
「何かあったのか。」
と、南は高山に言った。
「実はな、帰りに特急に乗っていた時の事だったかな。」
「で、それがどうかした。」
「金沢を発車した後に、高岡を通り過ぎて、富山辺りかな。」
「ほう。」
「一人の女が、窓側に座っていたんだよ。」
「なるほど、それで。」
「そしたら、信越本線辺りで彼女がいなかったんだよ。」
「それ、本当なのか。」
「うん、彼女は富山を過ぎた後は糸魚川へ下車したみたいだよ。」
「ほう。」
そして、高山は南と一緒に歩夢と侑に会って話をした。
「えっ、歩夢ちゃん翡翠を見に行ったことあるの。」
「うん、富山県の朝日と新潟県の糸魚川辺りだけどね。」
「へぇー。」
「美しいよね、翡翠は。」
「うん。」
彼女は、富山から北陸本線に乗り、糸魚川へ向かった。
「やっと、糸魚川か。」
と、言って駅を下車した。
そこへ、駅前に1台の赤いスポーツカーがやって来た。
「おい、どこへ行くんだ。」
「私は、糸魚川まで行くけど。」
「親不知へ行くのかい、だったら乗せてやるよ。」
「いいんですか。」
「ああ、どうせ通り道だ。」
と、言って彼女は男が乗っている赤いスポーツカーに乗せて糸魚川バイパスへ向かった。
「君は何処から来たの。」
「東京よ。」
「そうか、東京から来たのね。」
「ええ。明日には糸魚川から列車に乗って直江津から新幹線に乗って東京へ帰るんです。」
「そうか、明日には東京へ帰るのか。」
「はい。」
「東京か、俺もあこがれだったな。」
「そうですか。」
「ああ、ねぇ、海岸へ行かない。」
「うん、いいわね。」
と、言って2人は親不知海岸へ向かった。
親不知海岸
海岸へ来ると、波がしぶいてきた。
「人生、いろいろだね。」
「ええ。」
「昔、彼と一緒にここへ来たことがあるの。」
「そうですか。」
「でも、私、彼が何も言わずに手紙を見て、別れるなんて、あんまりだわ。」
「そうか、それで君は女の一人旅か。」
「ええ。」
「へぇー、その女が。」
「おう、明日には糸魚川から直江津へ行くそうだよ。」
「そうか、誰も気づいていないかしら。」
「そうだろうな。」
と、言って海岸を後にした。
赤いスポーツカーは、海岸を走り去って行った。
「彼と別れて、ひとり旅か。」
「うん、何かは中井って感じだわ。」
そう言って、彼女は赤いスポーツカーに乗せて糸魚川駅へ向かった。
彼女は2番乗り場から直江津行の列車に乗った。
「海は、いいわ。」
と、彼女は言った。
彼女は糸魚川からの海を眺める車窓を楽しんでいた。
13時26分、彼女が乗った北陸線は定刻通り、直江津駅に到着した。
「次の特急は、長岡行は14時ごろか。」
14時28分、金沢から発車した特急「かがやき7号」が直江津駅に到着した。
なおえつー、なおえつー、なおえつー、ご乗車有難うございました、直江津です。お忘れ物のないようにご注意ください。
と、駅のアナウンスが流れた。
そして、彼女は14時28分発の特急「かがやき7号」に乗って長岡から上越新幹線に乗って東京へ帰京したのであった。
そして、事件は意外な展開になって来た。