今俺を見たな? これでお前ともエンゲージができた   作:三柱 努

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エン13話 オアシスの勇者

「スッゲェエエエエ! さすが信仰対象! 神竜様マジはんぱねぇ!」

タロウ無双を目の当たりにし、フォガートが率いる自警団のハイプリースト・パンドロは卒倒しそうになるほど興奮していた。

ソルム王国は神竜信仰の国であり、聖職者である彼にとってタロウの存在は何者にも代えがたい最上位の信仰対象なのだ。

「大したことはない。何せ病み上がりだからな。我ながら54点といったところか」

タロウ節はいつものようにスルーするとして、アルフレッドたちとしては聖職者のノリがあまりにも軽いことのほうが驚きとなっていた。さすが自由の国ソルム。

復活したタロウの暴れっぷりへの驚きポイントが54点だとしたら、聖職者のノリの軽さは37点といったところか。

ソルム王城へ案内してくれたフォガートが実はソルム第一王子だったということは、46点。

ソルム王国が邪竜討伐参加を即決してくれたことは、35点。

ソルム王国に託された紋章士の指輪を女王が紛失したことは、57点。

その指輪をソルム王国第一王女が持ち出した可能性があるという話は、35点。

王女が南の砂漠のオアシスで野宿しているかもしれないという話は、32点。

といったところか。

『私たちもだいぶ耐性が作られたということか』

『タロウ病とでも呼ぼうか。毒されてきているな僕らも』

『神竜様の影響を受けられるなら、私はそれだけで幸せだわ』

今までの自分たちであれば膝から崩れ落ちそうな驚きの情報の連続だったが、それを呑気に聞いていられることにディアマンド、アルフレッド、アイビーは自分自身に驚いた。

 

そんな一行が第一王女と合流すべく到着したオアシス。

オアシスの村は異形兵を率いた蛮族たちの襲撃を受けていた。

「イルシオン軍以外に異形兵を従える者がいるのか」

「波長が合うのだろう。それにしても異形兵、節操がないな」

「って、何を呑気なことを言っているのあなたたちは! 神竜様と村を守らないと」

族の蛮行を目の前にしながらも、ついつい緊張感を忘れてしまっていたアルフレッドとディアマンド。唯一、毒され具合がまだマトモな範囲にいるアイビーがハッと目を覚まし、2人の王子の尻を叩く。

そんな光景を尻目に、ソルム第一王女ミスティラは蛮族と交戦を開始。

そこにタロウも参戦を始めていた。

「私たちが遅れている間に、ほら!」

アイビーが指さす先で、蛮族のリーダーであろう2人の男が宙を舞っていた。

「前人未桃、打ち上げロボタロウ!」

打ち上がった蛮族たちを追撃しようと、タロウも打ち上がった。

そして彼の姿が打ち上げ花火の中に幾度も現れ、その度に凄まじい推進力で空中を高速移動。その勢いのまま花火と共に蛮族を斬り捨てた。

「・・・って、花火!?」

「落ち着いてくれアルフレッド王子。他にツッコむべきところはあるだろう」

「ツッコミを入れてる場合じゃないでしょ! いい加減に落ち着きなさい2人とも!」

2王子の困惑振りに声を荒げるアイビー。

 

その後、ミスティラとタロウの奮闘もあり、村に被害は一切なく蛮族と異形兵は全て排除された。

「片付いたね! 出会って早々戦わせちゃってごめんなさい神竜様」

「問題ない。お前達の力も分かった。52て・・・」

突然口を濁してアルフレッドたちの方を振り返ったタロウの言動に首をかしげるミスティラ。

アルフレッドは「そうだね。止めて正解だ」と苦笑いして会話に入った。

「ミスティラ王女。突然の訪問を謝ろう。だが事態は急を要する。イルシオン王国で邪竜が復活した。そのために僕たちはソルム王国にも応援を求めに来たんだ」

「うん、知ってるよ」

「そうか。話が早くて助かる・・・え?」

ミスティラの即答を想定していなかったアルフレッドは呆気にとられた。城を出て放浪している彼女は近況を何も知らないはずなのだから。

「お前は何を言っている? この国の連中は最初から全て知っているに決まっているだろう?」

「やっぱ神竜様、最初から気付いてた?」

当然のように言い放ったタロウの態度に、フォガートは頭を掻きながら同調した。この2人の態度にアイビーは首を傾げる。

「どういうことですか神竜様?」

「どういうこともない。フォガートは最初から俺を本物の神竜かどうかを見定める態度だった。俺を試すとはイイ度胸だがな」

「やばー、バレバレかぁ。さすが神竜様」

『そ、そうだったのか』

オーバーリアクションをしながらも真面目にタロウと向き合うフォガート。

彼をただの軽い王子とあなどっていたディアマンドたちは心の中で深く謝罪した。

 

その後、ミスティラは正式にタロウに紋章士の指輪を献上し、共に戦うことを約束した。

そしてソルム王国が託されているもう1つの指輪も渡すことを宣言。

だがその時、彼らに急報が入った。

ソルム王城がイルシオン軍の襲撃を受けているのだという。

そしてその敵将はアイビーの妹であるオルテンシアなのだと。

 





じか~い じかい

『次回の~内容を歌に乗せて~紹介したいな~♪』
『お城が~大ピンチ~イルシオン軍が~攻めてきた~♪』
『神竜様が~なんか金ぴか~鳥が飛んできた~♪』

エン14話「ソルム攻防戦」というお話

アンタが一番お役に立つと思う動物はどれだ?

  • 風流・わびさびは日本の心「サル」
  • 漫画は娯楽。嗜好で至高だ「オニ」
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