ダンジョンに訳ありデビルハンターがいるのは間違っているだろうか   作:EGO

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Mission20 灰の都

 雨が降っていた。

 厚い雲に覆われた空から、天へと還った神や人間達の流した無念の涙のように絶え間なく、雨粒が降り注いでいた。

 灰色にも、腐り落ちた苔にも見える曇天は、明るくもなく昏くもない、どこか現実離れした景色を生み出していた。

 だが降りしきる雨の冷たさが、香る土の臭いが、目の前に立ち並ぶ『墓標』が、ここが夢の世界でなく現実だと教えてくれた。

 場所は迷宮都市の一角に広がる墓地。殺風景なその場所にいるのは、数柱の神だけだった。

 眷属(こども)達。あるいは僅かながらも確かな繋がりを持った民衆。神々が愛した人間(こども)達の魂は天へと還り、残された遺体も()()()()()()()()()()()()()

 今は雨のため強くは感じないが、視界を巡らせれば遠くで火葬を行う黒煙が空に向かって伸びているのが見えた。雨にも負けず、風に吹かれて舞い上がる遺灰が見えた。

 遺体を燃やし、残された遺灰をかき集め、手頃な袋や壺に詰めて埋める。そして墓標代わりの壊れた剣や枝を突き立てただけの簡素で、粗末な墓。

 墓標はない。棺なんて上等なものも用意できない。いや、しようがない。

 冒険者であろうと民衆であろうと関係ない。死人は異形の悪魔憑きとなり、懸命に救おうとした治療師(ヒーラー)や近くの民衆へと襲いかかる。

 それを冒険者が全力をもって撃滅するのだ。遺体はもはや肉片と呼ぶほかなく、辛うじて形を保っていても、そこに悪魔が取り憑かない保証もない。故に遺体はすぐに火葬し、灰へと変えてしまう。

 

「……弔いもなく、怪物として殺された挙句、遺体さえも残さない。冒涜だと言われても、反論のしようがないな」

 

 額に包帯を巻き、鼻にも綿紗(ガーゼ)を貼り付けたヘルメスが帽子の鍔を押さえながら呟いた。

 あの日産声をあげた『邪悪』が残した爪痕はあまりにも深く、英雄が産まれる都市たるオラリオを地獄へと変えた。

 多くの命が失われ、けれど彼らの死を悼む暇もなく、今もなお血が流れ続けている。

 

「アストレア。お前がいたら、何と言うだろうな」

 

 橙黄色の瞳を細め、憂いを帯びながら隣に立つ女神の姿を幻視した彼は、そんな幻覚を振り払うべく頭を振った。

 あの女神は攫われた、今はいない。彼女がいればと考える余裕があるのから、この状況を打開する術を考えるべきだ。

 彼は溜め息を吐き、周囲を見渡した。

 冒険者を埋葬する『第一墓地』。それなりの面積を持つそこにすら収まりきらず、中途半端に植林が進められた一角に設けられた急造の墓地は、ただひたすらに暗澹としていた。

 この土の下には何もない。魂も無念も天へと昇り、遺体は灰へと変わってしまった。

 神として、こんな『感傷』には何の意味もないと悟りつつ、それでも彼は帽子の鍔を下ろして目元を隠した。

 小さく、けれど何かを堪えるように力みながら息を吐き、踵を返して墓地を後にしようとすると、

 

「ぐぅぅぅぅ……!すまない!この言葉が何の意味を持たないものだとしても、すまない!!子供達よ!!」

 

 いつの間に現れたのか暗く湿った空気を吹き飛ばすほどに大泣きする男神の声が届いた。

 ヘルメスが目を向けた先。そこにいたのは顔を覆う象の仮面を被った男神、ガネーシャ。シャクティが団長を務める【ガネーシャ・ファミリア】の主神にして『群衆の主』を標榜する、オラリオが誇る善神の一柱だ。

 ガネーシャは象の仮面の隙間から滂沱の涙を流し、雨と涙で衣服を濡らしながら、周囲の視線など気にせず男泣きを続けていた。

 

「群衆の主たる俺はこんな時、涙を流し、吠える事しかできない!だから──すまない!!」

 

 うるさい、暑苦しい、と、普段のように笑いながら冗談混じりに非難する者は誰もいない。

 ヘルメスもいつものように『相変わらずだな〜』と笑い、茶化してやりたかったが、それもできなかった。

 むしろヘルメス含め、何の思惑もなく真っ直ぐに泣ける男神(ガネーシャ)を羨む者しかいなかった。

 

「……」

 

 ヘルメスは無言のままガネーシャから目を背け、歩き出す。

 祈りは済んだ。別れは済ませた。ならば、後は前に進まねば。

 今もなお戦い続ける、冒険者達のように。

 

 

 

 

 

 まもなく、雨は止んだ。

 都市に降り注いだ雫は止まり、代わりに湧き上がったのは人々の怒号と悲鳴だった。

 

「門を開けろ!!なんで俺達を閉じ込めておくんだよ!?」

 

「出してよ!早く出してよぉ!」

 

闇派閥(イヴィルス)がいつ襲ってくるかもわからないのに!!」

 

『死の七日間』、二日目。

 恐怖に支配された民衆は一刻も早く都市から脱出しようと東西南北それぞれにある門へと殺到し、彼らを押し止めんとする冒険者達に『罵倒』をぶつけていた。

 場所は都市西部の門前。他の門でも似た景色が広がる中で、そこは特に人の流れが激しいものとなっていた。

 

「駄目だっ!門の外は、いや都市そのものが(・・・・・・・)包囲されている(・・・・・・・)!」

 

 罵詈雑言を浴びせられながら、それでも必死に民衆を止めているの【ヘルメス・ファミリア】に所属する獣人だった。

 見上げる程の体格を持つ虎人(ワータイガー)。ファルガー・バトロスは、今にも殴りかかってきそうな民衆を説得せんと叫ぶ。

 

「ここを出れば、お前達を守りきれない!頼む、我慢してくれ!」

 

 だが、彼の必死の懇願に返ってくるのは激しさを増した罵倒の声だった。

 

「知るか!」

 

「そんなのアンタ達が倒しなさいよ!」

 

「冒険者でしょう!?」

 

「こんなところ、いたくない!」

 

 男達の怒号が飛び、女達が金切り声を散らす。

 避難所から連れ出された子供達は大人達のあまりの剣幕に泣き喚き始めた。

 怒り、泣き、喚く。もはや暴徒になり始めている民衆の形相に、武装している冒険者達でさえ気圧される程だ。

 

「内偵を任されている私達(ヘルメス・ファミリア)まで、こんな仕事を……」

 

 その光景を一歩離れた位置から眺めていたアスフィは、顔に苦渋に歪めた。

 冒険者達だけでなく、駆り出されたギルド職員も民衆の誘導の為に声を張り上げているが、やはり彼らの錯乱は止まらない。

 オラリオの西方。徒歩でも数時間足らずの位置にある港街──メレンに向かおうとする民衆からすれば、冒険者達も、ギルド職員でさえも、自分達の安全を害する敵にしか見えていないのだろう。

 彼らを『愚か』と吐き捨てる事は簡単だが、それはできなかった。それ程までに、昨晩の惨劇はあまりにも酷すぎた。

 虐殺を、喪失を、混沌を、恐怖を、侵略を。そして犠牲を味わったのだから。

 

「皆、落ち着いて!大丈夫だから!!」

 

 民衆や冒険者達、ギルド職員にもみくちゃにされながら、それでも叫ぶアーディの声も民衆には誰にも届かない。

 

「【象神の杖(アンクーシャ)】、何か手を打たなければ……!本当に暴動が起きる!」

 

 アスフィが叫んだ先にいるのは【ガネーシャ・ファミリア】団長、シャクティの姿だった。

 ひっきりなしに飛び込んでくる各門の警備情報に目を通しつつ、忌々しそうに呟く。

 

「敵の狙いはそれか。冒険者だけでなく、民衆さえも都市に閉じ込め、内紛を促す」

 

「……!」

 

「こちらから打って出ても、間違いなく『罠』が待ち受けているだろう。そもそも、我々にそんな余力はない」

 

 エレボスの演説後、闇派閥(イヴィルス)と悪魔達は不自然なまでに市壁の外へと退いた。

 あのまま大攻勢に出ればまず間違いなく勝てたのだろうに、それをせずに相手が打ってきた手はまさかの籠城戦。

 冒険者達を、秩序に属する者達と、彼らに守られる無辜の民衆を、じっくりと苦しめてから抹殺せんとする、奴らの悪辣さが滲み出ている。

 そして、事実目の前の光景がその作戦の有用さを証明していた。このままでは闇派閥(イヴィルス)が何かする前に、暴徒と化した民衆と冒険者の潰し合いになるだろう。

 手を握りしめ、巨大市壁の上部を睨みつけるシャクティ。直後、その目を大きく見開いた。

 彼女の驚倒とほぼ同時。市壁の上から悪魔の咆哮が降り注ぐ。

 冒険者達や民衆がつられて視線をあげた瞬間、市壁から飛び降りてきたのは十体のライアット。そして鎧や兜で武装したライアットに似た蜥蜴型の悪魔──かつて魔界の帝王が人界侵略の為に生み出した怪物、ブレイドが五体。

 この場にいる全ての者を抹殺せんとしているのか、トドメを刺すように漆黒の大剣を背負った黒騎士、アンジェロが二体。

 更に目を凝らせば市壁の上を陣取った闇派閥(イヴィルス)の兵士達が魔剣を掲げ、悪魔達を援護せんと身構えていた。

 

「逃げろ!」

 

 頭上から迫る脅威にシャクティは声を張り上げ、その場を飛び退いた。

 直後、彼女がいた場所にアンジェロの一体目が落着し、地面を砕きながら鉄塊の如き大剣を一閃。

 

「ぐっ……!」

 

 素早く槍を引き寄せ、その一閃を受けたシャクティはその凄まじい重さに呻き、次の瞬間には弾き飛ばされた。

 骨が軋む程の衝撃と鈍痛に歯を食い縛り、両足の靴裏と槍の石突きを地面にめり込ませて急制動をかけて停止したシャクティが体勢を整えるよりも早く、数メドルの間合いを瞬時に詰めたアンジェロの追撃が迫っていた。

 断頭刃(ギロチン)の如く大上段から振り下ろされた漆黒の鉄塊を彼女は横に飛ぶ事で避けるが、アンジェロの追撃は止まらない。

 常人なら持ち上げる事も叶わない鉄塊を棒切れの如く無造作に、けれど稚拙ながら『技と駆け引き』が見え隠れする独特な剣技が放たれる。

 対するシャクティも今までの戦いで培ってきた『技と駆け引き』でもって迎撃するが、旗色は悪い。

 力も、速度もあちらが上。優にニメドルを越える体格による差も大きい。

 漆黒の残像を残して迫る剛撃を受け流すので精一杯。反撃に転じる余裕はない。

 鉄塊を受ける度に彼女の足元の地面は抉れ、砕け、得物の槍のあちこちにも深々と罅が刻まれていく。

 

『オオッ!オオオオッ!!』

 

 アンジェロは無貌の兜から地の底から響くような雄叫びをあげ、一気に攻勢を強めた。

 槍と鉄塊がぶつかり合う度に鳴り響く甲高い衝突音。鉄塊が空気をかき混ぜる轟音。そして、刃から迸るドス黒い魔力が揺れ動く音。

 アンジェロの猛攻を紙一重でいなすシャクティの表情には一切の余裕がない。

 

(この強さ……!私と同じLV.4……!下手をすればLv.5にも届くか……っ!)

 

 突きつけられる黒騎士(アンジェロ)の圧倒的なまでの強さ。

 こうして打ち合うことで理解させられる、敵軍の(・・・)一兵士(・・・)でしかない(・・・・・)悪魔の潜在能力(ポテンシャル)の高さ。

 低く見積もっても自分(Lv.4)と同格以上。最悪の場合、都市最高戦力(第一級冒険者)達にも届きうる暴力の化身。

 戦況の劣勢を突きつけられる。希望などないと理解させられる。勝利など、夢のまた夢と嘲笑われる。

 だが、それでも『都市の憲兵』の長たる彼女は折れない。折れるわけにはいかなかった。

 

「はぁ!!」

 

『ッ……!』

 

 次々と放たれる剛撃を掻い潜り、銀光を纏う高速の槍撃がアンジェロの胸部を捉え、そのまま渾身の力で持って穂先を前に進め、貫く。

 力ずくで鎧を破壊する異音。黒騎士は穿たれた己の胸を見下ろしながらがしゃりと金属が擦れる音と共に膝から崩れ、糸の切れた人形のように俯いた。

 

「皆は──」

 

 シャクティがアンジェロから視線を外し、悲鳴が響く民衆と冒険者達のいる方向に目を向けた瞬間、驚愕に目を見開いた。

 そこに広がるのはまさに地獄絵図だった。大盾を構え、民衆を守る壁とならんとした冒険者達が、アンジェロの剛撃でもって盾と、背に庇う民衆諸共に斬断され、泣き別れた上半身が宙を舞った。

 ライアットが狡猾な肉食獣のように、民衆の群れから孤立した人々を囲い、爪と牙でもってその肉体を引き裂き、喰らい、己の血肉していた。

 ブレイドは俊敏性と連携でもって冒険者達の抵抗などものともせずに逃げ惑う民衆の背中に喰らい付き、時には喉笛を噛みちぎり血の噴水を量産していた。

 そして殺された民衆が悪魔憑きとなり、逃げ惑う民衆を追撃せんと立ち上がり、異形のそれとなった腕を振り回しながら走り出す。

 

「くそっ!この化け物がぁ!!」

 

 ファルガーが虎の如き唸り声と共に得物である大剣を振り回し、民衆に襲い掛からんとしていたライアットを蹴散らし、少しでも注意(ヘイト)を自分に向けさせようとしていた。

 だが機動力の暴力に振り回され、そして彼の意図を読んでいるように敢えて無視され、あっさりとその脇を抜かれて背後の民衆に被害が広がっていく。

 

「早くこっちへ!早く!!」

 

 民衆を誘導しながらギルド職員を守っていたアスフィだが、民衆に紛れて移動していた悪魔憑き──先程殺された民衆の一人だ──に背後を取られ、それに気づいたギルド職員が助けを求める隙さえもなく首に噛みちぎられた。

 遅れてそれに気づいたアスフィは顔を青ざめさせながら悪魔憑きを撃破するが、ギルド職員の瞳から光は消え、彼女の足元に血溜まりが広がっていた。

 

「この!こんのぉ!!」

 

 民衆を──逃げ遅れた親子を守りながら刃を振るうアーディはライアットを切り伏せ、返り血で青い短髪や戦闘衣(バトルクロス)を赤く染めながら、それでも奮闘を続けていた。

 だが、次の瞬間に盾役の冒険者達を一太刀でもって斬殺したアンジェロが彼女と、彼女の背後の親子に視線を向け、立ちはだかる冒険者達を蹴散らしながら、ゆっくりと足を進め始める。

 

「アーディ!!」

 

 シャクティが【ステータス】に物を言わせ、アーディとアンジェロの間に割り込まんとするが、次の瞬間に槍を何かに掴まれて無理やり静止させられる。

 

「……っ!」

 

『ォォ……オオオオオオ!!!』

 

 弾かれるように視線を向ければ、胸部を貫かれたアンジェロが再起動を果たし、己を貫く槍の長柄の掴み取っていたのだ。

 シャクティが無理やり抜こうと力を込めてもびくともせず、逆にアンジェロが力を込めるだけで柄が歪み、深い罅が刻まれた。

 

「ちぃ……っ!」

 

 シャクティは柄にもなく舌を弾き、槍を投棄して距離をとろうとするが、その判断はあまりにも遅すぎた。

 離脱せんと地を蹴った瞬間、アンジェロの剛腕が閃き、的確に彼女の首を掴んだのだ。

 本来ならそのまま首を握り潰され即死していただろうに、『神の恩恵』が与える【ステータス】がそれを防いで見せた。

 だが気道が締め上がり、血管が閉じられ、肺に酸素を取り込めず、血液の流れが滞り、顔が赤く染まっていく。

 

「っ……!──っ!!」

 

 視界が霞み、意識が点滅を繰り返す。

 それでもシャクティはアンジェロの腕を引っ掻くように掴みながら、何度も拳を振り下ろして脱出せんと足掻く。

 中に肉が詰まり、骨があれば、彼女の膂力でも籠手越しにそれらを破壊し、脱出も可能だったかもしれないが、鎧の中身は魔力が詰め込まれた伽藍堂だ。砕ける骨も、痛める筋肉もない。いや、あったとしてもその程度でアンジェロは止まらないだろう。

 だが、その抵抗を鬱陶しいと判断する程度には力強いものであるものも確かだった。

 

『オオ!!』

 

 アンジェロは雄叫びと共に体を反転させると、超常じみた腕力に遠心力を上乗せした勢いのまま、シャクティを市壁に叩きつけた。

 

「がは……っ」

 

 都市を外敵から何千年と守り続けた市壁に蜘蛛の巣状の罅が刻まれ、市壁上の闇派閥(イヴィルス)達も突然の振動に尻餅をつく。

 後頭部から市壁に叩きつけられたシャクティは口からなけなしの酸素と血を吐き、砕けた後頭部からも大量の血が噴き出した。意識が混濁し、アンジェロの腕を掴んでいた手からも力が抜ける。

 籠手に食い込ませていた指が脱力し、意識の断然と共に血走る程に見開かれた瞳が裏返りそうになった瞬間、彼女の視界の端にアーディに迫るアンジェロの背中を捉えた。

 今のアーディはLv.3。文字通り相手にすらならない。駄目だ、このままでは死ぬ。

 

「……──っぅうううううおおおおおお!」

 

 歯茎から血が滲む程に歯を食い縛り、獣じみた唸り声をあげて己を締め上げるアンジェロを睨みつける。

 並の冒険者ならその迫力に気圧され、怯み、脱出の隙を与えていただろう。だが、相手は血も涙も、そして恐怖さえもない動く鎧(アンジェロ)だ。

 アンジェロは無貌の兜で彼女を睨み返し、身を捩ってスペースを確保すると、鉄塊の如き大剣の鋒をシャクティに向け、恐怖を煽るように、敗北を刻むようにゆっくりと、刃を進めた。

 戦闘衣(バトルクロス)を引き裂き、柔肌に食い込み、そのまま肋骨を砕いて心臓を貫かんとした瞬間、灰色の剣閃がシャクティの視界を駆け抜けた。

 彼女の瞳がゆっくりと見開かれた瞬間、アンジェロの首が飛び、胴が袈裟懸けに切り裂かれ、上腕が完膚なきまでに破壊され、大剣が重々しい音を立てて地面に落ちる。

 彼女の首を掴んでいた籠手からも力がなくなり、彼女は市壁に背を擦りながら地面に尻餅をついた。

 喉を押さえながら咳き込み、血の混ざった痰を吐き出すシャクティが顔を上げれば、そこにいたのは灰色の髪を戦場の風に揺らす一人の少年だった。

 四肢を包む(・・・・・)漆黒の籠手と具足は罅割れ、歪み、辛うじて形を保っているだけ。

 肩に担ぐ長剣もその刃は罅に覆われ、魔力で無理やり補強しているようだが、それでもなぜ剣としての体を成しているのかわからない。

 潰された左眼は閉ざされ、それでも残された右眼がぎょろりと動かす様は、さながら幽鬼のよう。

 だが体のあちこちを覆う漆黒の鱗と、その隙間から漏れる灰色の魔力光が点滅を繰り返す様は、まさに悪魔のようでさえあった。

 グレイはアーディに迫るアンジェロを睨みつけ、長剣を肩に担ぐ。

 ほんの一瞬腰が沈む。直後、地面を爆砕するほどの勢いでもって彼は走り出し、アンジェロに肉薄。

 

『……っ!』

 

 殺意を全開に迫る灰髪の悪鬼に気づいたアンジェロは大剣を振り上げ、直後に振り下ろす。

 半月の軌跡を残し、少年の脳天に向けて的確に放たれた一閃は、直後無造作に払われた長剣の一閃と激突。

 甲高い金属音を響かせながら、力負けしたのはアンジェロだった。

 弾き上げられた大剣に引っ張られ、体を仰け反らせた黒騎士はそれでも両の足で大地を踏み締め、大上段からの剛撃を放つが、その胴体に少年が放った左の拳(・・・)がめり込んだ。

 

『……ッォォ……!』

 

 鎧を完膚なきまでに破壊するその一撃はアンジェロが大剣を振り下ろすよりも速く振り抜かれ、快音と共に鎧姿の巨体が吹き飛ばされる。

 漆黒の砲弾は地面を何度も跳ねながら体勢を整え、四肢と大剣を地面にめり込ませて急停止。

 

「グレイ!」

 

「グレイ・アッシュウォルド!?」

 

 この場において誰一人として対応不可の怪物の一体を撃破し、もう一体を追い詰めた増援──グレイの登場にアーディは声を喜びで跳ねさせ、アスフィが驚愕に目を見開いた。

 あの死闘場から離れ、戻らなかったアーディは知らないが、リヴェリア達を救出の為に戻ったアスフィは知っている。今のグレイは左腕を無くしている(・・・・・・・・・)筈だ。なのに、彼の左腕には罅割れた漆黒板金で包まれた籠手が嵌められ、ギチギチと音を鳴らしながら拳を握っている。

 

『オオオ!』

 

 そして、アンジェロもまたグレイこそがこの場における最大の障害と判断したのだろう。地の底から響くような低い唸り声と共に、彼に大剣の鋒を向けた。

 直後、民衆と彼らを守る冒険者達を追い回していたライアット達とブレイドが突如として反転。威嚇するような金切り声と共に、彼に迫り始めた。

 

「あれが報告にあった小僧か!奴を殺せ!」

 

 市壁の上に陣取る闇派閥(イヴィルス)もまた、昨晩の無双を知るが故に彼の排除を最優先に定め、魔剣と魔法の矛先を彼に向けた。

 ライアットやブレイド達が彼に到着するよりも速く、闇派閥(イヴィルス)の魔法による一斉爆撃が彼に放たれる。

 それに対するグレイの対応は、左の手のひらをそちらに向け開くのみ。

 ガションと何かが開く小さな音と共に魔力吸引口が口を開け、周囲の大気諸共に迫り来る炎を、雷を、氷を、風を、全てを呑み込み、純粋な魔力に変換。余剰の魔力で籠手と具足の欠損を瞬く間に修復し、新品同然の輝きを取り戻す。

 

「へ……?」

 

 闇派閥(イヴィルス)の戦闘員の口から、間の抜けた声が漏れた。

 魔法を喰らう籠手など聞いたことがない。突きつけられたとびっきりの『未知』を前に思考が止まり、動きも止まる。

 彼らに不運があるとすれば、魔具(ゴリアテ)の存在を知るものが陣営にほとんどいなかったこと。知っていたとしても、その大半が死んでいること。ゴリアテの能力を知りつつも生存したザルドが、一切口をきいてくれなかったことだろう。

 そんな彼らを色褪せた隻眼の瞳で睨みつけたグレイは大量の魔力を取り込み、それが変換された炎を溢れさせる魔力吸引口を彼らに向け、長剣を背負うと共に右腕で左腕を支えた。

 

消え失せろ(Fuck off)……!」

 

 そして放たれるのは隠そうともしない侮蔑を孕んだ言葉と、膨大な魔力が圧縮された結果産まれた、全てを呑み込み炭化させる純粋たる暴力の化身──灼熱の火球であった。

 火球は発射された勢いそのままに闇派閥(イヴィルス)諸共に市壁の上部を呑み込み、球体状に抉り取りながら、空の彼方へと消えていった。

 断末の叫びもなく、命乞いをする暇もなく、悪の信徒達は魂諸共に焼き尽くされ、燃え滓の魂の欠片だけが天へと還っていく。

 反動で後ろに飛ばされ(ノックバックし)たグレイが地面に靴裏をめり込ませて急制動をかけた直後、彼の左腕は肘の関節を無視する形でだらりと地面に向けて垂れ下がり、ピクリとも動かなくなった。

 グレイがそんな左腕に何の感慨も抱いた様子もなく一瞥をくれた隙をつき、ライアットが彼の背後から飛びかかる。

 だが彼は振り向きもせずに放った右の裏拳がライアットの頭を粉砕し、地面に染みへと変えた。

 そのまま反転しながら残された胴体に蹴りを入れ、後ろに続いていたライアットとブレイドを牽制した彼は、垂れ下がるのみとなった左腕をとりあえず無視し、市壁の根元に駆け込むと共に転がっていた緋色の魔剣──おそらく炎の魔力が込められたもの──を拾い上げる。

 数度振って具合を確かめた彼はそれに過剰なまでの魔力を供給し、刃から溢れた炎に己の魔力を無理やり混ぜ込んでいく。

 そんなものお構いなしに迫るライアットとブレイドが混ざり合う悪魔の群れを睨んだ彼は、魔剣を一閃。

 同時に吐き出された灰炎が悪魔達を呑み込み、一瞬にしてその肉体を焼却した。

 代償は魔剣の粉砕。本来なら数度の使用に耐えただろうそれを一撃で使い潰す事で発揮された異常なまでの火力に、悪魔達が耐え切れる道理などなかった。

 周辺を駆け抜けた灰炎が爆ぜる衝撃と熱風にあちこちから民衆と冒険者達が悲鳴をあげる中、グレイはすっと目を細め、長剣を背に隠すように逆手に構えた。

 

『オオオオオオオ!!!』

 

 直後、灰炎の残火が燻る戦場を駆け抜けたアンジェロが、漆黒のマントを焼き焦がしながら爆炎の中から飛び出した。

 加速の勢いのままに振り上げた大剣を振り下ろさんとするが、それよりも速くグレイの逆手抜刀の一閃がアンジェロの胴を袈裟懸けに切り裂いた。

 泣き別れる上半身と下半身。斬られた勢いで宙を舞った上半身が、それでも渾身の力を込めて大剣を振らんとするが、返す刃で兜を粉砕された事で全身から放っていた不気味な魔力を霧散させ、手から大剣がこぼれ落ちた。

 ガシャリと音を立てて地面に落ちるアンジェロの胴体と大剣。グレイはそれを何の感情を抱いていない瞳で見下ろすと、小さく息を吐いた。

 悪魔達の燃え滓が、闇派閥(イヴィルス)達の燃え滓が灰となり、風に乗って周囲に広がり、降り注ぐ。

 雲に覆われ、灰が降り注ぐ空を見上げていると、不意に「グレイ!」と自分の名を呼ばれた。

 視線を落とした先にいるのは、返り血で体を赤く染め、そこに降り注ぐ灰を纏わり付かせたアーディの姿だった。

 彼女はグレイの姿に驚きこそすれど、何かの【変身魔法】か【スキル】類いだろうと目星をつけ、その事には触れない方向で話を進める事にした。

 

「よかった、無事ったんだね!」

 

「俺は、な」

 

 グレイは抑揚の抑えられた、無機質な声で、けれど普段通りのどこか相手を煽るような口調でそう返し、周囲を警戒。

 続けてアーディも周囲を見渡すが、次の瞬間には表情を悲哀に染めた。

 あちこちに転がる冒険者や民衆の遺体。家族だった者の遺体に縋りつき、涙を流す者。負傷した腕を押さえ、痛みにのたうつ者。意味もなく天を仰ぎ、ただひたすらに涙を流す者。命が助かった者は多いが、ほんの数分の蹂躙劇は民衆の心を文字通り叩き折っていた。

「あの人達を、安全なところへ」とアーディが口にした瞬間グレイは「まだだ」と割り込み、顎で遺体を示した。

 

「まだ終わってねぇ」

 

 彼が淡々とそう告げた直後、やはりというべきかそれは起こった。

 喉を裂かれた遺体が血の泡を吐きながらよろよろと立ち上がり、腕を失った遺体が断面から異形の腕を生やしながら天へと吼える。

 起き上がる。起き上がる。悪魔に殺された者たちの遺体が、次から次へと、瞳に禍々しい魔力の煌めきを宿しながら、悪魔憑きとなって起き上がっていく。

 

「そんな……っ!」

 

「くそっ!またこうなるのか……!」

 

 アスフィは顔を真っ青にしながら起き上がったギルド職員に短剣を向け、ファルガーが苦渋に歯を食い縛りながら自分や仲間達を囲んでいく悪魔憑きを睨みつける。

 

「全員、民衆を守れ!これ以上の犠牲を赦すな!」

 

 後頭部から血を垂らし(うなじ)を赤く染めたシャクティが、止血を後回しに声を張り上げた。

 そしてその声が合図となり、冒険者達と悪魔憑きの攻防が開始される。

 アンジェロの蹂躙を赦し、その数を減らした冒険者達に、かつての同胞や守るべき民衆だったものが殺到し、掲げられた盾や剣に牙や爪を突き立てる。

 そんな冒険者達の奮闘から少し離れた位置にいたアーディも急いで姉の元に行こうとするが、その脇を灰色の軌跡が駆け抜けていった。

 彼女を容易く追い越し、すれ違い様に悪魔憑きの首を刈り取っていくのはグレイだ。右腕一本で振り回される灰色の斬撃が、冒険者を押し倒した悪魔憑きの胴体を寸断し、民衆に跳びかからんとしていた悪魔憑きを四肢を裂く。

 そしてギルド職員の悪魔憑きを脳天から叩き斬った瞬間、彼女に襲われていたアスフィが声を絞り出した。

 

「あ、ありがとうございます。いえ、貴方、大丈夫なのですか!?」

 

「何がだ」

 

「だって、腕が……」

 

 謝意を述べた次の瞬間に出たのは、心配の声だった。

 首を傾げながら、跳びかかってきた悪魔憑きを叩き落とし、その頭蓋を踏み砕いたグレイの問いかけに、アスフィはだらりと垂れ下がった左腕を見ながら言う。

「ああ」と他人事のように頷きながら左腕を一瞥した彼は、そこに大量の魔力を送り込む。

 すると垂れ下がっていた腕が跳ね上がり、ギチギチと不気味な音を立ててそれぞれの関節が本来の動きを無視する形で蠢き、ガチャガチャと金属が擦れる音が続く。

 そのあまりの気味の悪さにアスフィが小さく悲鳴を漏らすと、不意に指の動きが止まり、ゆっくりと指を折りながら拳を握りしめた。

 

「ど、どうなっているんですか!?」

 

「中身は空のまま、魔力で無理やり動かしてる。たまにあんな感じでバグるが、問題ない」

 

「空っぽ……?魔力で……?もう、訳がわからないのですが……」

 

「左腕だけ操り人形になってるだけだ。気にするな」

 

 口調こそいつも通り。だが淡々と、抑揚もない声音で告げられた言葉にアスフィは困惑するが、どこかで聞こえた悲鳴を合図に意識を戦場に戻した。

 名も知らない冒険者が一人、悪魔憑きの凶刃に倒れ、首から血を噴き出しながら崩れ落ちる背中が見えた。

 グレイが走り出すよりも早く、ファルガーがその背中から襲いかかり、大剣の一撃でもって悪魔憑きを両断。そして、足元で冷たい死体となった冒険者を見下ろし、苦渋に満ちた表情で「すまない」と声を震わせた。

 だが次の瞬間にはその冒険者にも悪魔が取り憑き、腕を溶解させながら握ったままだった剣と一体化させ、ファルガーに襲いかかる。

 

「ぐっ……!」

 

 悪魔憑きの強襲を盾で受けるが、そのあまりの重さに彼の巨体が数セルチ後退し、踵が地面にめり込んだ。

 

「アァ……!アアアアア!!」

 

 ガチガチと歯を鳴らし、獣じみた唸り声をあげながら剣で盾を滅多打ちにする悪魔憑き。

 盾がへしゃげ、罅割れ、歪んでいく中、ファルガーが反撃に出れないでいると、横合いから飛んできた投げナイフが悪魔憑きのこめかみを貫き、次の瞬間には飛び蹴りで頭が弾け飛ぶ。

 見開かれたファルガーの視界に飛び込んできたのは、投げナイフを投じた姿勢ののアスフィと、魔力の火を噴き超加速した具足で蹴りを放った体勢のグレイだった。

 

「お前は!?」

 

「足を引っ張るな、デカ男」

 

「ファルガー!そのまま彼の援護を!このまま押し返します!!」

 

 グレイが割と本気の軽蔑の声を漏らし、アスフィが声を張り上げて指示を出す。

「団長はどこですか!?」と悪態をつきながらも、それでもこの場における最善を尽くすべく思考を回す。

 もっとも、そんな事をしている内にグレイは進撃を始めており、悪魔憑き程度ではそれを止められない。

 

「彼に続け!民衆を守れ!」

 

「うん!いくぞぉぉおおおお!」

 

『うおおおおおおお!!!』

 

 彼の快進撃にシャクティが仲間達を鼓舞し、いの一番にアーディが応じて走り出し、その背中を冒険者達が追う。

 冒険者達の攻勢は止まる事はなく、勢いのままに悪魔憑きを殲滅していくのだった。

 

 

 

 

 

 そして、十分も経たずに悪魔憑きを殲滅した冒険者達が次に取り掛かったのは、遺体の焼却であった。

 市壁上の闇派閥(イヴィルス)が落とした炎の魔剣や、炎系の魔法を使い、一箇所に集めた民衆や冒険者達の遺体を焼いていく。

 民衆はもういなかった。こんな場所にはいたくないと、もはや幽鬼のようにおぼつかない足取りで最寄りの避難所に帰っていった。

 どうにか西門を制圧したものの、問題は多い。こんな戦いが続けば、こちらの戦力が先に尽きるのは明白。物資にも、人員にも、欠片も余裕がない。

 

「…………」

 

 天へと昇っていく黒煙の柱を無感動に見上げたグレイは、火葬に使った魔剣を地面に突き立てると踵を返し、歩き出す。

 

「グレイ、どこ行くの?」

 

 焔の前で両膝をつき、胸の前で手を組んで祈りを捧げていたアーディはハッとして彼の背中に声をかけた。

 

「ヴァニタスを探す。悪魔の気配を辿れば、そのうち見つけられるからな」

 

 振り返りもせず、けれど立ち止まりながら、己の目的を再確認するように告げた言葉に、アーディは「そっか」と頷いた。

 彼の個人的な事情は知らない。だがヴァニタスがアストレアを攫ったという情報自体は、彼女にも伝わっている。あの男を探さなければならないのは確かではあるのだ。

 

「もういいか」

 

「あ、ちょっと待って」

 

 そのまま歩き出そうとした彼を呼び止め、追いかけ、そっと手を取った。

 籠手に包まれてわからないが、この手も胸のように鱗で覆われているのだろうか。

 アーディはそんな疑問を胸中で抱きつつ、すぐに笑みを浮かべながら告げた。

 

「リオン達の所にも顔を出してあげて。アストレア様が攫われちゃって、塞ぎ込んでるらしいから」

 

「断る。お前が行け」

 

 アーディの頼みを間髪入れずに断るグレイ。今更『足手纏い(デッドウェイト)』呼びした相手にかける言葉などないだろう。

 

「私は──」

 

 彼の取り付く島もない声音にアーディが何かを言おうとすると、

 

「アーディ!早くしろ!」

 

 生き残った冒険者を纏め、移動しようとしていたシャクティの声が二人に届いた。

 彼女はグレイにも目を向け、早く行けと言わんばかりに頷いた。

 ヴァニタス、ひいてはアストレアの捜索は急務だ。グレイという戦力を自由にさせているのは不安要素だが、彼でもなければ悪魔が蔓延るこの都市を行動する事もできない。

 グレイは彼女の合図に返答もなく歩き出すと、その背中にアーディの「お願いね!」と念を押す言葉が投げられた。

 グレイはそんな彼女の声も無視し、魔力の揺らめく音と共にその場を離脱していった。

 そんな彼を見送ったアーディは息を吐き、頬を叩いて表情を引き締める。

 リオン達にどうにか会いに行きたいが状況がそれを許さず、何より今の彼女達にかける言葉を見つけられない。

 あの戦いは自分にとっても『正義』を見失わせるには十分だった。

 誰の笑顔も守れない。誰の平穏も守れない。自分の身さえも、失う所だった。

 

「こんな顔、リオンに見せたくないな……」

 

 頬を叩いた手でぐにぐにと顔を揉みほぐし、溜め息を吐いた。

『大抗争』で絶望を叩きつけられたのは、何も民衆だけではない。戦友を失い、家族を失い、己の意義も、矜持(プライド)さえも失い、行く道を見失った冒険者も数多い。アーディも、そんな中の一人だった。

 

「『正義』は巡る。でも、私の『正義』は……?」

 

 彼女の独白は誰にも届く事はなく遺体を燃やす業火の音に掻き消され、黒煙と共に天へと昇り、消えていくのだった。

 

 

 

 




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