VTuberで頂点に!   作:牧葉

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十一話 スタレコ一期生 2

スー、スー、とタブレットとペンが擦れる。

 

「よし!4人目完成!」

 

私は、誕生日配信で描いている、スタレコ一期生のSDイラスト(ミニキャライラスト)で、4人目を描き終えていた。その間、配信に凸で来る人はいなかったので、リスナーと話しながら絵を描くという、いつもとあまり変わらない配信になっていた。

 

「今って何時だろ」

 

チャット:今は(鯖缶)22時05分

チャット:22時(てんぽん)05分

 

「あっ、みんなありがとー」

 

 そんな時、ピコンと音が鳴り、誰かが入ってきた。

 

「わっ、あっ、えと…声乗っけても大丈夫ですか……?」

 

「…はい、ありがとうございます」

 

そうして自己紹介をお願いする。

 

「自己紹介お願いします…!」

 

「はー(???)い」

 

「どう(天空 天華)もー!人間界に勉強に来た新米天使のー!天空(そらから)天華(てんか)ー…です!!」

 

「はじめまして…」

 

「はじ(天空 天華)めましてー!!」

 

来てくれたのは天空天華。金色の肩までくらいの長さの髪に、天使の羽の形をしたヘアピンをつけて、ダボっとした白のジャージを着ている女の子だ。配信は主にゲーム配信をしていて、印象としては元気っ娘って感じ。もちろん絡んだことはありません……。……言ってて悲しいな…。

 

「お誕(天空 天華)生日!おめでとうございます!!」

 

おっきい!!声!!

 

チャット:すっご(天使見習い)い陽

チャット:夜兎(sp)ととは真逆の存在

チャット:…真(コッテ)反対

 

おい!コイツら……好き放題言いやがって!まぁその通りだけど……!

 

「…言っとくけど、コメント全部見えてるからね……」

 

と、前置き?はそこそこに、質問を始める

 

「じゃあえっと…一つ目の質問です」

 

「はい(天空 天華)!」

 

「私に配信でして欲しいことってありますか?」

 

「うー(天空 天華)ん夜兎ちゃんにして欲しいことかー……うーん」

 

「あっ(天空 天華)!」

 

「まっ(天空 天華)たり系のゲームして欲しい!」

 

「まったり系のゲーム…ですか?」

 

まったり系の……確かにやった事ないな…。

 

「そう(天空 天華)!!夜兎ちゃんってあんまりゲーム配信やってるイメージないから、で!雑談が基本の夜兎ちゃんだったらまったり系のゲームだと見やすいし、やりやすいかなーと思って!」

 

いい子か?私にして欲しい事なのに、私に配慮してくれてるんですけど…。

 

「ホラゲより断然やりたい欲ある」

 

チャット:(ww)

チャット:そり(まった)ゃそうだww

 

「今度やってみます…!」

 

「ホン(天空 天華)ト!?ありがとう!!」

 

はぁ〜っ、かわよ!

 

「えっとじゃあ、二つ目の質問です、私としたいコラボってありますか?」

 

「夜兎(天空 天華)ちゃんとしたいコラボ……うーん…」

 

「あっ(天空 天華)!…夜兎ちゃんって…FPSって…できる?」

 

FPSか……

 

「あっ、はい。たまにやるくらいですけど」

 

チャット:夜兎(ちゃんちゃん)にそんな頭使うこと……

チャット:また(月兎)見栄張って……

 

コイツら…ほんと……!!

 

「リスナーども、後で覚えてろ…!」

 

チャット:ひえ(ロン)

 

「今度(天空 天華)出来るFPS教えてよ!一緒にやってみたいし!」

 

「う、うん…!」

 

チャット:よか(ぽっぽ)ったねぇ、友達ができて…

チャット:夜兎(ここっしー)がFPSをしてる情景が全くと言っていいほど思い浮かばない…

 

………コイツらさっきからほんと失礼だな。

 

「…じゃあ最後の………」

 

そこで、口が止まった。こんないい子にあんなゴミみたいな質問をしていいのかと。一瞬考えた結果、出た結論は………

 

「そ、天空さん」

 

「ん?(天空 天華)どうしたの?」

 

「………今のパンツの色って何色ですか」

 

聞いた。

 

「……(天空 天華)へ?」

 

「すみません!最初に質問決めた時にリスナーが聞けって…」

 

そしてリスナーのせいにした。

 

チャット:は?(天天侍)

チャット:??(コップらん)

チャット:やりや(ロンロンポン)がった

 

あまりにこれまでと違いすぎる質問に天空さんは混乱していた。

 

「えと(天空 天華)……」

 

「あは(天空 天華)は……え、えっと…配、配信に…乗せない…?」

 

甘い、というか恥ずかしくて少し泣きそうな感じの声で聞いてくる。……なんか申し訳ないな…これ。

 

チャット:背徳(ナナナ)感……

チャット:申し(ててしん)訳ないが可愛い

 

「わ、わかりました!」

 

ミュートにし、配信に声が乗らないようにする。

 

「できました!」

 

「じゃ(天空 天華)、じゃあ…言うね……」

 

「えと(天空 天華)……ピ、ピンク…」

 

……ダメだ反応が可愛すぎる…!小動物みたいで……!

 

「ありがとうございます!」

 

変態みたいだなと自分で思いつつ、ミュートを解除する。

 

「聞けたよ」

 

チャット:おい(楽々)!ずるいぞ!

チャット:頼む(かっいす)教えてくれ!

 

「ダメだよー、言わない約束だから!」

 

「じゃ(天空 天華)!じゃじゃ、じゃあ!お誕生日!おめでとうございます!!!また遊びましょう!!」

 

そのままピコンと、天空さんは通話を抜けていった。

 

「天使って実在したんだ…!」

 

チャット:それ(尻尾)

チャット:あれ(天天国)は天使

 

「また遊びたいなー」

 

チャット:誘え(月兎)るの?

 

「私にできるとでも?」

 

「コミュ症にはキツイよ」

 

チャット:その(コッペパン)わりには今日いっぱい話してるね

 

「話してるね……確かに…ここ最近で一番話してるんじゃないのかな?」

 

何気に、前より話せるようにはなっているのかもしれない。画面越しでなら、と言う言葉がつくが。

 

 いつのまにか、配信は2時間を過ぎていた。

 

「もう結構できてきたねー」

 

描いていた私たち1期生のSDイラストはほぼ完成してきていた。そう言うと、またピコンと音が鳴った。ミュートにしてから挨拶をする。

 

「はじめ…まして」

 

「はじ(???)めましてー」

 

「配信(???)に声のせてもらっても大丈夫だよ」

 

「あ、はい、ありがとうございます」

 

そう言って声をのせる。

 

「どう(風巻 透)もー、風巻(かざまき)(とおる)でーす」

 

チャット:まき(はなはな)くん!

チャット:透く(ばんびっく)んだー!

 

風巻透。普段は雑談とゲーム配信をしている男の子だ。配信では基本、のほほんとしたような雰囲気で、ちょっと天然っぽい感じ。パーカーの上にジャケットを着ていてちょっと茶髪っぽい。

 

「じゃあ早速……」

 

「うん(風巻 透)、どうぞー」

 

「私にして欲しい配信とかって、…何かありますか?」

 

「みん(風巻 透)なとマイクラ配信とか?」

 

「マイクラ……」

 

…ん?みんなで…??

 

「ミンナデ?!」

 

「うん(風巻 透)、しない?」

 

チャット:楽し(ぽむこ)そう!

チャット:見た(こひむみ)

 

みんなで…みんなでか……。1人ずつ話すだけでもやっとなんだけど…。

 

「わ…わかりました…」

 

「今度…やりましょう…」

 

「うん(風巻 透)

 

「………」

 

「……(風巻 透)…」

 

えっと……気まずいな…

 

「…えっとじゃあ……次は」

 

「私とコラボするなら何かしたいことはありますか……?」

 

「うー(風巻 透)ん……」

 

風巻さんが考え込むような声をあげる。少しして声を出した。

 

「じゃ(風巻 透)あ……視聴者にセリフを考えてもらって、それを2人で演じる…みたいなことやってみたいかな?」

 

チャット:!!(れれ)!!

 

「……………え…?」

 

「……」

 

「え?!?!」

 

 

つまりリスナーが考えたセリフを役に演じ切って…ってこと…?

…無理!!絶対無理!!!恥ずかしい!

 

「えっと…それは……」

 

「恥ず(風巻 透)かしい?」

 

「!」

 

「大丈(風巻 透)夫、殻を破る気持ちでやろう」

 

「さっ(風巻 透)き、マネージャーさんに連絡しといたから」

 

あっだめそう、逃げられなくなっちゃった……。氷見月さんもだけど、なんでマネージャーさんに連絡して逃げ道をなくしてくるんだ…!

 

「…わかりました……」

 

「日程は…後ででいいですか?」

 

「大丈(風巻 透)夫だよ」

 

「はい……」

 

チャット:地獄(かっかつ)みたいな空気してるのは何故…

 

ほんとなんでだろうね……はは…

 

「じゃあ最後、今履いてるパンツの色ってなんですか?」

 

チャット:あっ(百合)さり聞くようになったな

 

「灰色(風巻 透)

 

チャット:返事(薔薇)もあっさりきたぞ

 

「じゃ(風巻 透)あ、誕生日おめでとう」

 

「あっはい、ありがとうございます」

 

そう言って風巻さんは通話から抜けていった。




大っ変遅くなりました!
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