スー、スー、とタブレットとペンが擦れる。
「よし!4人目完成!」
私は、誕生日配信で描いている、スタレコ一期生のSDイラスト(ミニキャライラスト)で、4人目を描き終えていた。その間、配信に凸で来る人はいなかったので、リスナーと話しながら絵を描くという、いつもとあまり変わらない配信になっていた。
「今って何時だろ」
チャット:
チャット:
「あっ、みんなありがとー」
そんな時、ピコンと音が鳴り、誰かが入ってきた。
「わっ、あっ、えと…声乗っけても大丈夫ですか……?」
「…はい、ありがとうございます」
そうして自己紹介をお願いする。
「自己紹介お願いします…!」
「はじめまして…」
来てくれたのは天空天華。金色の肩までくらいの長さの髪に、天使の羽の形をしたヘアピンをつけて、ダボっとした白のジャージを着ている女の子だ。配信は主にゲーム配信をしていて、印象としては元気っ娘って感じ。もちろん絡んだことはありません……。……言ってて悲しいな…。
おっきい!!声!!
チャット:
チャット:
チャット:
おい!コイツら……好き放題言いやがって!まぁその通りだけど……!
「…言っとくけど、コメント全部見えてるからね……」
と、前置き?はそこそこに、質問を始める
「じゃあえっと…一つ目の質問です」
「私に配信でして欲しいことってありますか?」
「まったり系のゲーム…ですか?」
まったり系の……確かにやった事ないな…。
いい子か?私にして欲しい事なのに、私に配慮してくれてるんですけど…。
「ホラゲより断然やりたい欲ある」
チャット:
チャット:
「今度やってみます…!」
はぁ〜っ、かわよ!
「えっとじゃあ、二つ目の質問です、私としたいコラボってありますか?」
FPSか……
「あっ、はい。たまにやるくらいですけど」
チャット:
チャット:
コイツら…ほんと……!!
「リスナーども、後で覚えてろ…!」
チャット:
「う、うん…!」
チャット:
チャット:
………コイツらさっきからほんと失礼だな。
「…じゃあ最後の………」
そこで、口が止まった。こんないい子にあんなゴミみたいな質問をしていいのかと。一瞬考えた結果、出た結論は………
「そ、天空さん」
「………今のパンツの色って何色ですか」
聞いた。
「すみません!最初に質問決めた時にリスナーが聞けって…」
そしてリスナーのせいにした。
チャット:
チャット:
チャット:
あまりにこれまでと違いすぎる質問に天空さんは混乱していた。
甘い、というか恥ずかしくて少し泣きそうな感じの声で聞いてくる。……なんか申し訳ないな…これ。
チャット:
チャット:
「わ、わかりました!」
ミュートにし、配信に声が乗らないようにする。
「できました!」
……ダメだ反応が可愛すぎる…!小動物みたいで……!
「ありがとうございます!」
変態みたいだなと自分で思いつつ、ミュートを解除する。
「聞けたよ」
チャット:
チャット:
「ダメだよー、言わない約束だから!」
そのままピコンと、天空さんは通話を抜けていった。
「天使って実在したんだ…!」
チャット:
チャット:
「また遊びたいなー」
チャット:
「私にできるとでも?」
「コミュ症にはキツイよ」
チャット:
「話してるね……確かに…ここ最近で一番話してるんじゃないのかな?」
何気に、前より話せるようにはなっているのかもしれない。画面越しでなら、と言う言葉がつくが。
いつのまにか、配信は2時間を過ぎていた。
「もう結構できてきたねー」
描いていた私たち1期生のSDイラストはほぼ完成してきていた。そう言うと、またピコンと音が鳴った。ミュートにしてから挨拶をする。
「はじめ…まして」
「あ、はい、ありがとうございます」
そう言って声をのせる。
チャット:
チャット:
風巻透。普段は雑談とゲーム配信をしている男の子だ。配信では基本、のほほんとしたような雰囲気で、ちょっと天然っぽい感じ。パーカーの上にジャケットを着ていてちょっと茶髪っぽい。
「じゃあ早速……」
「私にして欲しい配信とかって、…何かありますか?」
「マイクラ……」
…ん?みんなで…??
「ミンナデ?!」
チャット:
チャット:
みんなで…みんなでか……。1人ずつ話すだけでもやっとなんだけど…。
「わ…わかりました…」
「今度…やりましょう…」
「………」
えっと……気まずいな…
「…えっとじゃあ……次は」
「私とコラボするなら何かしたいことはありますか……?」
風巻さんが考え込むような声をあげる。少しして声を出した。
チャット:
「……………え…?」
「……」
「え?!?!」
つまりリスナーが考えたセリフを役に演じ切って…ってこと…?
…無理!!絶対無理!!!恥ずかしい!
「えっと…それは……」
「!」
あっだめそう、逃げられなくなっちゃった……。氷見月さんもだけど、なんでマネージャーさんに連絡して逃げ道をなくしてくるんだ…!
「…わかりました……」
「日程は…後ででいいですか?」
「はい……」
チャット:
ほんとなんでだろうね……はは…
「じゃあ最後、今履いてるパンツの色ってなんですか?」
チャット:
チャット:
「あっはい、ありがとうございます」
そう言って風巻さんは通話から抜けていった。
大っ変遅くなりました!