大文豪に私はなる!   作:破戒僧

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第128話 スゥとエンジェル島

 

 

 神の国・スカイピアにある雲の島『エンジェル島』に無事到着した私達。

 そこで現地民のコニスと知り合い、空島や『貝』に関することを色々と教えてもらったり、彼女のお父さんであるパガヤさんが獲ってきてくれた『空の幸』をご馳走になったり、風がなくても進む船『ウェイバー』に乗せてもらったりと、楽しい時間を過ごした。

 

 原作ではたしかこの後、やってきた『ホワイトベレー』とかいう人達に『不法入国』であることを見咎められ、なんやかんやあって追われる身になったんだったな。

 それに加えて、ナミが『神の島(アッパーヤード)』に行ってしまい、そこでゲリラや神官、それに遭遇して、さらには神・エネルの『裁き』を目にして、超ビビッて戻ってきたっけ。

 

 しかし今回は私達は、きちんと『入国料』を支払ってここにきている。そのため、犯罪者としてホワイトベレーに追われる理由はなく……実際、ここに滞在し始めてから半日ほど経っている今も何も起こらない。

 

 けど、この国のシステムはそれそのものが悪辣なので……例えば、きちんと入国料払ったのに、そんなの貰ってません、とかとぼけられたり、支払が『エクストル』じゃなくて『ベリー』だったから、手数料分が不足していて未払い扱いです、とか言われる可能性もゼロじゃなかった。

 なので、それでも不法入国扱いにならないように一応対策はしてた。

 

 具体的には、支払いの時にルプーに『音貝(トーンダイアル)』を持たせてあって、門番のおばあさんとの会話をひそかに録音させていた。

 『たしかに130万ベリーある』『手数料はかからない』など、根拠になる音声を証拠として。

 

 もし何か難癖付けられるようだったらそれを持ち出すつもりだったんだけど、必要なかったようでよかった。

 

 ただ、ナミは原作通り、ウェイバーで『神の島』に行っちゃったみたいだけどね。

 一応無事に帰っては来れたようだったからよかったけど、色々と見ちゃったのは原作通りだったらしく、かなりビビった様子だった。

 

 コニスとパガヤさんに、自分が今言った場所が絶対に行ってはいけない場所だったと聞いて、しかもルフィがそこに行く気満々でいるのを見て、『絶対行くな!』って鬼の形相で釘を刺してた。

 ……まあ、ルフィはあんまり聞いてないみたいだったし、いかにもって感じでワクワクしてて行く気満々だったけども。

 

 最終的に彼らがどうするつもりかはわからないけど……ひとまず今は普通に観光者として、空島観光を楽しめる状態なのは間違いない。

 なので、今のうちに色々と用事を済ませておくことにした。

 

 私達がここに来た目的……『貝』の調達である。

 

「へぇ、じゃあやっぱりスゥ達って、『空島』に来るの初めてじゃないのね」

 

「どうりで通貨単位のことも、『貝』のことも詳しいみたいだったもんな。もともと用事があってここに来てたのか」

 

 今私は、ルプーと一緒に、エンジェル島の大通りにショッピングしに来ている。

 『貝』は普通にそのへんのお店で売っていて、もちろん青海人である私達も買うことができる。空島の通貨である『エクストル』も両替して用意したので、準備は万端だ。

 

 一緒に、ウソップとナミもついてきた。2人もお目当ては、空島でしか見られないアイテムや食材のようだ。

 ……残金5万ベリーって言ってたけど、予算は大丈夫なんだろうか?

 

 あと、引き続き観光案内をしてくれるってことで、コニスも一緒だ。

 

「この『スカイピア』に来るのは初めてだけどね、私が行ったことあるのは他の空島だし」

 

「なるほど……それでスゥさん達は、『貝』のことももう知ってらしたんですね」

 

「そういや『空の騎士』のおっさんも言ってたな、他にも空島はあるし、ここまで来れるルートも別なのがあるって」

 

「ハイウエスト……だったかしら? そこから登ってきたの?」

 

「いや、私の場合、能力で自前で空飛べるから。初めて会った時も、私、飛んでたでしょ?」

 

「ああ、そうだっけな。それでルフィが……いや、その節はホントにご迷惑を」

 

「あっはっは、もういいってば」

 

 軽い感じで雑談しながら、露店に並んでいる『貝』を見ていく。

 

 うーん、でも……この露店にも、珍しいのはないみたいだな。見たことあるものばっかりだ。

 一応、手元のそれと違いがないかどうか調べるために、いくつか買っていきはするけど……お目当ての、まだ見たことのない『貝』には、未だにお目にかかれていない。

 

「ねえコニス、やっぱ市販されてる『貝』って、どれも同じようなラインナップなのかな? 私達、もっと違うというか、珍しい『貝』が欲しいんだけど……」

 

「それは……難しいかもしれませんね。私もそこまで詳しいわけではないんですけど、確かに、一般には流通していない『貝』もあるにはあるそうですが、そういうのは専門の職人とか、『ホワイトベレー』みたいな特別に許可を得た立場でないと扱えないはずです。場合によっては、法に触れてしまうケースもありますから、やめたほうがいいかと……」

 

「そうっスか……残念っすね、お嬢」

 

「俺達からすりゃあ、ここに並んでるものだけでも宝の山なんだけどなあ……『炎』に『水』、『風』……おいおいすごいな、『雲』まで出せるのか」

 

「ホントよね、こんな不思議な道具が存在するなんて……ねえウソップ、コレ、私の『天候棒(クリマ・タクト)』に組み込んで改造とかできない?」

 

「ああそうか、『風』に『水』、『熱』……お前の武器は『天候』だから、応用できそうなもんは色々あるな。材料さえ揃えられればできると思うが……予算は?」

 

「うっ……」

 

 痛いところを突かれた、とでも言いたげなナミ。

 やっぱりというか、ここにきて『残金5万ベリー』が足枷になってるな。必要な買い出しとかもあるだろうから、計画的に使わないといけないだろうし。余裕はないか。

 

 ウソップ個人のお小遣いから出してほしそうに、ちらっ、ちらっ、と物欲しげな視線を向けているように見えるけど、当のウソップは務めて無視している。

 彼は彼で色々買いたいものがあるようだし、目つきは割と真剣だ。

 

 これがサンジあたりなら、二つ返事で了承していたと思われるけども。

 

 ちなみにそのサンジはというと、パガヤさんに『空の幸』や、空特有の調味料について色々と聞くために、今はコニスの家にいる。

 流石は料理人、昼に食べたバーベキューの食材以外にも、まだまだ豊かな『空の幸』に興味津々だったみたい。

 ナミにとっては間が悪かったかもね。

 

 そんなナミとウソップを横目に見つつ、私とルプーは小声で相談。

 

「どうするっスかお嬢? コニスの話だと、『正規ルート』じゃなければ、他にもっと珍しい『貝』はありそうっすよ」

 

「ひとまずはまだ様子見かな。いたずらに騒ぎを起こして犯罪者扱いになっちゃうのも面倒だし、合法的に何とかなるなら、それにこしたことはないでしょ」

 

 重ね重ねだけど、折角高いお金払って合法的に入国できたわけだしね。

 ひとまず今のうちは、何も後ろ暗いことのない今の立場で、安全に『観光者』として滞在して、買い物とかの色々な用事を済ませることにしたい。

 

 もちろん、それに甘んじるというか終始して、当初の目的である、珍しい『貝』の確保を諦めるつもりはない。ひととおりやることやったら……他にやり方を考えよう。

 それこそ、必要であれば……『法律』から外れるようなそれであっても選択肢に入れて。

 

(パパなら迷わず、強硬手段で調べて奪え、とか言うかもしれないけど……私はそこまで生々しく『海賊』するつもりは元々ないし、いいよね。それに、せっかく『スカイピア』に来たんだから、普通に平和に観光とかもしたいし)

 

 買い物して用事だけ済ませてはいさよなら、じゃあ味気ないしもったいない。

 せっかくこんな、ファンタジーの世界じみた、雲の大地の空の島に来てるんだし。『空の幸』や、『貝』以外にもいろいろあるだろう空特産のアイテム……見どころは色々ある。

 

 居心地もいいし、休暇のつもりでのんびり滞在するのも全然ありだろう。羽を伸ばしてゆっくり休んで、グルメもショッピングも楽しんで、英気を養っていこうと思う。

 

 それに、もう何度もあちこちの『空島』には行ったことあるとはいえ……ここまで『天の国』じみた、ファンタジックな雰囲気の島に来たのは初めてだ。

 なんというかこう、刺激されるよね、私の中の好奇心が。

 

 あちこち見て回りたい。それこそ、原作では描写されていなかった部分まで全部、隅から隅まで全部見て回りたい。冒険心が止まらない。

 ……うん、そうしよう。ゆっくり滞在して、じっくり『取材』していこう。

 

 帰った後……いい作品を書くためのいい『経験』ができる気がする。

 

 ……後になってから聞いたんだけど、この時私は、いかにも何か、悪だくみ的なことを考えてそうないい笑顔を浮かべていたそうだ。

 見慣れてるルプーは『あー、火が付いたっスね』くらいに思って苦笑してたが、ウソップとナミは当然初めて見るので、ちょっと驚いて……しかし同時に、ほぼ無意識に少し引いていたそう。

 何でかって言うと、『冒険』する気満々の時のルフィと同じ気配を感じたから、だそうで。

 

 ……うーむ……主人公と同じ風に見られて光栄と思うべきなのか、そんなに危なっかしくて無鉄砲だと思われたことを嘆くべきなのか……。

 

 まあ、いいか別に。『取材』が絡んだ時の私自身が結構な問題児だってことについては……悲しきかな、割と自覚あるしね。

 ……それでいて、直すつもりも何もないところも、ルフィと同じなのかも?

 

 ともあれ、このまま数日はゆっくり過ごせそうなわけだし……その間にできることは全部して、なおかつ観光としてもこの『エンジェル島』滞在期間を存分に楽しむ! この方針で行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……そんな風に考えていた時期が、私にもありました。

 

 

 

 時間にして、それからわずか数十分後。

 小腹が空いたので、たまたま見つけたカフェに入って軽食を食べていた時のことだ。

 

 私はそのカフェで巡り合うことができた、とろけるように美味しいケーキに、うっとりしながら舌鼓を打っていた。

 

「はぁ……やばい、コレ美味しすぎ……」

 

「左様でございますか。それはよろしゅうございました。『雲チーズ』を使ったチーズケーキにございます」

 

「わぁ、すっごく幸せそうな表情……」

 

「いやでも、ここの菓子ホントにうめーな……ありがとなコニス、こんないい店紹介してくれて」

 

「いえ、私も行きつけでお気に入りのカフェなので……気に入ってもらえたならうれしいです」

 

「よろしければ、テイクアウトもございますが……」

 

「ホールで買います! 4つ……いや5つ!」

 

「ほ、ホールでですか!? そ、それはありがとうございます……しかし、日持ちしないので、冷暗所に置いておいても明日明後日が消費期限ですが……」

 

「大丈夫です、保存方法はあるので! あとその材料に使われてる『雲チーズ』っていうの、どこで買えるか聞いてもいいですか?」

 

「『雲チーズ』なら、この島の特産でして、普通にお店で売っている品ですから……特別な仕入れ先などはないのですが……」

 

「あ、よろしければこの後案内しますけど」

 

「ありがとうコニス! よし、絶対お土産に買って帰る! サンジに料理してもらおう!」

 

「な、なんかすげー勢いだな、スゥ……そんなに気に入ったのか」

 

「お嬢、チーズ大好きっスからね……冒険した先でお気に入りのチーズとかチーズ料理があると、毎度大量にお土産に買って帰るんスよ。こないだも箱で買ってきて……」

 

「箱って……業務用? 何キロも一度に買ってきたの? よっぽど好きなのね……」

 

「いや、箱は箱でも業者の運搬用のコンテナ丸ごとっす。2トンくらいっすね」

 

「買いすぎだろ!? 肉買う時のルフィじゃあるめーし……っていうかアイツだってそんなに一度に買わねーよ!」

 

「それ……食べきれたの? 毎日食べてもさすがに使い切る前に腐っちゃうんじゃ……今回のケーキもさ、日持ちしないって言ってたじゃない? 1日1ホール食べても無理よ?」

 

「大丈夫大丈夫、今言ったでしょ、保存ならできるんだってば。私の能力で」

 

「能力? ……ああ、そういや能力者だって言ってたっけな……詳しくは聞けてなかったけど。何の能力なんだ?」

 

「それは…………ん?」

 

 そんな話の途中で、ふいに『見聞色』に引っかかるものを感じた私は、気配のした方を見る。

 

 すると、向こうから慌てた様子で、1頭の鹿が……あ、ちがう、トナカイだ。

 てか、チョッパーだ。獣形態で走ってくる。……なんかすごい慌ててる感じだけど……?

 

 ……嫌な予感がするな。

 

「ナミー! ウソップー! 大変だー!! あ、スゥ達もいた!」

 

「チョッパー?」

 

「おい、どうしたんだよそんな血相変えて……何かあったのか?」

 

「うん。大変なんだよ……じ、実は!」

 

 

 

 で、チョッパーの話を聞いてみると……

 

 

 

(あぁ~……そう来たかぁ……!)

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 そのすぐ後になって、急いでエンジェルビーチに戻ってきた私達。

 するとそこは、一目見て戦闘が起こったことがわかるような状態になっていて……

 

「申し訳ありませんお姉さま! 私達がうかつだったせいで、こんなことに……」

 

「いやいやいや、リュビちゃん達は悪くねえよ!」

 

「そうだぞ! あいつらの言い方、完全に言いがかりって言うか、俺達を無理にでも犯罪者にするつもりだったもんな……」

 

「どっちみちというか、遅かれ早かれというか……結論の決まった茶番を見てる気分だったな」

 

 帰ってきた私達を見つけるや否や、深々と頭を下げて謝ってくるリュビ達3人。

 そして、それをかばうというか、フォローするように言ってきてくれる、サンジにチョッパー、そしてゾロ。

 

 サンジとゾロはいかにも、一仕事終えた後って感じがするのは……ここで戦ったのが、彼らだからだろうな。

 あと、ルフィもか。そっちは今、向こうでナミとウソップに捕まって事情を聴かれてるけど……あ、上手く説明できなくて結局ロビンが引き継いだ。

 

 そしてその横では、申し訳なさそうに肩を落としているパガヤさんと、それを慰めようとしているコニスがいる。

 

 

 

 何が起こったのかを簡単にまとめると、だ。

 一言で言ってしまえば……原作と同じように、ルフィ達が『犯罪者』として追われる身になってしまった。もちろん、私達も一緒に。

 

 というか、今回の場合……きっかけはむしろ、私達の方で作ってしまったみたいなのだ。

 

 そもそもの発端は、3人娘が『空魚』や『スカイロブスター』などの『空の幸』を取るために、素潜り漁をしていたことだった。

 昼食で食べたそれらが美味しかったので、もっと食べたいと思ったそうで。というか、そう思ったのは彼女達だけじゃなく、ルフィやチョッパー、それに私も含めた全員だったんだけど。

 

 サンジもサンジで、色々と他にも料理を作ってみたいと思っていたそうだし。

 

 けど、毎度あまり大量にパガヤさんにおすそ分けしてもらうわけにもいかない。

 お金を払って買い取るにしても、彼が1人で取って来れる量には限度がある。

 

 なので、漁場を教えてもらって自分達で獲ることにしたんだそうだ。

 魚人であるリュビ達にとって、海はホームグラウンド。それは、空島の『雲の海』であっても同じことだ。

 

 教えてもらった漁場で、様々な海の幸をたくさん獲り、意気揚々と帰ってきたところで……浜辺で彼女達を待ち受けていた、スカイピアの警察組織『ホワイトベレー』に鉢合わせした。

 

 そして彼らに、リュビ達が行ったのは『密漁』だと言われてしまったのである。

 許可なく漁を行うのは犯罪行為であり、連行する、って。

 

 当然リュビ達や、一緒にいたサンジ達もこれに反論するものの、聞く耳持たない。

 しかも、途中で間に入ってくれたパガヤさんが、自分が不注意に教えてしまったせいです、って言ってかばってくれたものの……そしたら今度はパガヤさんまで連行しようとする始末。

 

 問答無用でパガヤさんや、リュビ達の腕をつかんで連行しようとしたあたりで、我慢の限界に来たルフィとサンジが手(と、足)を出してしまい……それがさらに『公務執行妨害』だと言われて……そこからはまあ、原作通りだ。

 実力行使で取り押さえようとしたホワイトベレーを返り討ちにしたものの、それによってさらに罪状が悪化し、『第2級犯罪者』にされてしまった。

 

 ホワイトベレーの隊長は、『お前達は『神の島(アッパーヤード)』の神官達の手によって裁かれるのだ!』と言い残して退却していったそうだ。

 

 つい数時間前にその場所に行って、その得体の知れなさを思い知っていたナミは、その事実に愕然としていたものの……同時にルフィやロビンから、事の次第を詳しく聞いていたので、そこまでルフィ達やリュビ達を責めようとはしなかった。

 

 というのも、ホワイトベレーの面々は、こっちに手を出してきた罪状こそ『密漁』だったものの……それ以前からどう見ても、こっちに難癖をつけるつもりで来ていたとしか思えない態度だったそうだから。

 

 ビーチにやってきた目的は、『要注意の青海人が滞在しているとのことだったので見回り』とか言ってたそうだし……この時点で見方によっちゃ喧嘩売ってるよね。

 その時はややイラっとしつつも、『まあ珍しいことだろうし警戒くらいするか』と一応無難に応対できていた。……元々海賊だし、無法者扱い事態は今更だってのもある。

 しかし、その後も次々と……

 

 ルフィ達が船から持ってきて、パガヤさんに見せていた壊れた『ウェイバー』――青海に落ちてきたものを拾ったやつ――を見て、『君達が壊したのなら器物損壊罪になる』とか、

 

 もともとルフィ達が持っていたものだとパガヤさんが答えると、『青海に『ウェイバー』は存在しないはず。盗んだのなら窃盗罪にあたる』とか、

 

 他にも続々。

 ビーチだからって水着で日光浴しつつ、サンジにサンオイルを塗らせていた(もちろんサンジは大喜びで塗っていた)ハニーの様子を見て『公序良俗違反』、

 話の途中でたまたま襲ってきた空魚を撃退すれば、それが珍しい種類の奴だからって、正当防衛だって言っても聞かずに『保護法違反』、

 何を話してもトラブルになるから何もせず昼寝でもしてようかとすれば、公共の場でいびきがうるさいから『環境破壊罪』、

 いろいろ厳しすぎるからって反論すれば『恐喝罪』、

 

 なんかもう、何でも言って罪をこじつけようとしてるようにしか見えなかったそうだ。こうして聞いた限りでも、いかにもそうである。

 

 で、そこにタイミング悪くリュビ達が帰って来ちゃったと。

 そこからはさっき話した通り。

 

(そのリュビ達のことだって、どこまでホントなんだか……パガヤさんがうっかりしてた可能性も確かになくはないだろうけど、ホントに無許可の漁は禁止されてるのか? 仮にそうだったとしても、ゾロが言ってたように、ゴールの決まった茶番だったようにしか思えない)

 

 もしそうだとすれば……いや、そうでなくても、もうすでに明確に、この国の法に照らして、私達は『犯罪者』にされてしまったわけだし、原作通りの面倒ごとに巻き込まれていくんだろうな。

 だったら……

 

 

 

(向こうからそう来るんであれば……こっちも遠慮する必要はなくなってくる、よねえ?)

 

 

 

 思わず、にやりと笑ってしまう私。

 

 その様子に気づいたのは、多分、ちらっとこちらの様子をうかがっていたハニーとルプーのみ。

 ハニーは呆れた様子で、ルプーは面白そうに彼女自身も笑っていた。

 

 130万ベリーもふんだくっておきながら、半日かそこらで犯罪者扱いにしてくれるような連中に、遠慮も何もするつもりはなくなっちゃったよ。

 

 いいだろう、そっちがそう来るなら、その喧嘩買ってやる。

 細かい展開は覚えてないけど……確かこの後、『神の島』に行くことになるんだったよね? 上等だ……行ってやろうじゃないか。

 

(海賊に喧嘩売って……ただで済むと思うなよ……?)

 

 やると決めた私は……主人公(ルフィ)みたく、甘くも優しくもない。

 きっちり全部、もらうもんもらってやるからな。たまには……パパ仕込みの『海賊』のやり方を見せてやるのも悪くないだろう。

 

 

 

 

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