大文豪に私はなる!   作:破戒僧

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前回に引き続き、タイトル通りの内容です。

今回も ★★★ ←これ以降のパートに可哀そうな部分がありますので、苦手な方はご注意を。
……というか、今話、ほぼ全部そんな感じなんですが……。

それと、最近メッセージや感想で『拷問シーンどのくらい続きますか』って質問が多いのでここでひとつ。
あくまで予定ですが、このインペルダウン編のうち、拷問シーンを含む話は、それメインの話も含め、たぶん……MAX今週中くらいで終われるかな、とみてます。
苦手な方、一気に読みたい方は、土日か来週頭あたりまで待って見に来てもらえると峠は越えてるかもです。……あくまで予定ですが(2回目)。

まあ、どうぞ。第155話です。



第155話 スゥの囚人生活(拷問の日々)

 

 

 初めての『拷問』を食らった初日は……ひたすら背中が痛かった。

 ヒリヒリ、ズキズキ、じくじく……なんて表現していいのかわからないし、むしろ全部ごっちゃになって当てはまってる気がしなくもない感じで、とにかく痛かった。

 

 横になるのもつらくて、その日は寝るとき座ったまま寝た。

 身じろぎするたびに服がこすれるのすら痛かったので、いっそ脱いじゃおうかと思ったけど……その『脱ぐ』段階も痛いし、さすがに恥ずかしいので断念した。前に言ったと思うけど、この牢屋の中、他の男性用の牢屋から見えるし、普通に男の看守も見回りに来るしね。

 

 同室の女囚の皆さんは、『ああ、わかるわかる』みたいな目でこっちを見てきた。

 最初はきついんだよな、とか言って。

 

 ただ私としては、痛みよりも……こんな拷問をこれからずっと受け続けなければならないんだ……って部分に戦慄していた。

 

 自分で言ってて怖く、気分悪くなるけど……こんなのはほんの導入だ。拷問の種類はまだまだたくさんあるし、時間はたっぷりある。

 いつまでか、と言えば……私が政府の提案に『うん』というまで、あるいは死ぬまでだ。

 

 前回の拷問の終わり、声も出なくなって力も抜けて、汗や涙でひどい顔になっている私に……サディちゃんがそう言っていた。

 

 

 

 そして、その言葉通り……その日から、私の過酷な拷問の日々は始まった。

 

 基本的に拷問は、1日置きに行われた。

 

 拷問がある日は、午前中、あるいは午後にまとまった時間でそれは行われ……残りは何もなく休みとなる。

 そしてその翌日は、丸々1日何もない。食べて寝て……前日の傷と疲れを癒すだけ。

 

 そして、また翌日に拷問……という繰り返し。

 基本的にこの繰り返しだ。ただし、一部例外アリだが。

 

 拷問の内容は毎回違い、苦痛の度合いももちろん異なっていた。

 まあ、楽な内容のものは1つもなかったけど……初日の鞭が個人的には一番きつかったかもしれない。初めての苦痛のショックもあっただろうし……あとはまあ、内容的にも。

 他の拷問は、割と余裕をもって耐えられたものもあれば、泣き叫んでしまうくらいにきついものもあった。

 

 そうだな……一部、紹介してみようか。

 ここしばらくの間に私が受けたものを、いくつか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【拷問その1 水責め】

 

 一言で『水責め』と言っても、色々種類があるみたいだった。

 

 大きなたらいみたいな容器に張った水に、頭を掴んで押し付けて沈め……溺れる寸前で引っ張り上げて……というのを繰り返す原始的なのとか、

 

 もっと大掛かりに、手錠や足枷で拘束し、それを滑車につないで釣り上げて水の上に吊るし……滑車で上げ下げして水の中に沈めて苦しませたりとか、

 

 狭い部屋に囚人を閉じ込め、その中をたっぷりの水で満たし、天井付近に少しだけ水がない空間があって、そこにだけ空気が少しだけ残るようにして……その状態で長時間放置したりとか。

 なお、これは能力者じゃない囚人にだけ行うらしい。能力者は、大量の水に体がつかると力が抜けてしまって、そのまま自分で立つことも難しくなって溺死するからね。

 

 とまあ色々あるが、私が食らったのはどんな『水責め』かというと……どれとも違ったんだけど……1つ目が一番近いかな。

 

 床屋とか美容院にある、散髪後に髪を洗う設備を想像してほしい。

 倒れる椅子とか台に仰向けに寝て、頭だけを洗面台に突き出して、流れるお湯でシャンプーとかされるアレだ。

 その、洗面台の部分が水桶になり、寝る椅子の部分が拘束台になっていると思えばいい。

 

 台に寝かされ、手足を動かせない状態で拘束され……頭から仰向けに、水の中に沈められる。

 仰向けだから、息ができないでなく……口や鼻から水がガンガン入ってきてすごく苦しい。起き上がろうとしても、押さえつけられている上に海楼石で力が抜けるから、顔を自ら出せなくて……苦しいのがずっと続く。

 

 飲み切れないほどの水が胃袋に流れ込んできて、胃袋だけじゃなく、水が入っちゃいけないところにまで水が流れ込んできて……もうどうにもならなくなって、体がビクンビクンと震え始めて……そこでようやく、頭を外に出してもらえる。

 

「ぐ、ぅえっほ! げっほ、げほっ……ぇほ……! はぁ……はぁ……あぶっ!?」

 

 しかし、息が整う前にまた沈められる。

 そしてまた溺死しかけて、寸前で呼吸を許されて……それを延々と繰り返す。

 

 息が苦しい。鼻の奥が痛い。

 涙が出るけど、すぐ水の中に溶けて消える。

 

 しかも時々、こっちが必死で息を止めて頑張ってる時に……

 

 ―――どすっ!

 

「っ、ごぼぉっ!? がぼ、ごぼごぼごぼ……!」

 

 お腹を殴られて、強制的に息を吐き出させられたりもする。

 

 ひたすらに苦しい拷問ではあるけど……それと同時に、この拷問、どうやら……『恥ずかしい』という面の苦痛も兼ねているようだった。

 

 さっき言った通り、この拷問だと、水に沈められるたびに大量の水を飲むことになるから……お腹がパンパンになる。水中毒になるんじゃないかってくらい、何リットルも飲むことになる。

 それが苦しいのももちろんきついけど……その状態が何時間も続くのだ。

 

 そして……トイレには行かせてもらえない。

 

 結果……

 

 

 ―――しょわぁぁあぁ……ぴちゃぴちゃぴちゃ……

 

 

 決壊することになる。

 尊厳も何もなく、いい大人がおもらしして、囚人服にシミを作る姿を、周囲の看守達に見られて笑われることになる。

 

 そして、そんな時だけ、水に沈められずに、いつまでも視線を受け続けることになって……尊厳を貶めて攻撃して来るタイプの拷問でもあるんだな、って痛感させられた。

 

 

 ☆☆☆

 

 

【拷問その2 緊縛】

 

 頑丈な縄で縛られて、宙づりにされる拷問。

 

 もちろん普通に動けなくされるだけでなく……吊るされた時に痛く、苦しくなるように計算された姿勢と縛り方で吊られる。

 残念ながらそっち方面の知識は私は明るくないので、縛り方の名前とかはわからないけど……腕や足、肩の関節が、吊られる前でも痛みがある縛り方をされた。

 

 そしてそのまま、背中側から延びたロープを滑車に通して、引っ張り上げられ、吊るされる。

 

 自分の体重の重みで縄が体に食い込み、関節はあらぬ方向に力がかかって悲鳴を上げる。気のせいじゃなければ、呼吸まで苦しい……横隔膜でも圧迫されてるのか?

 体中からみしみし、ぎりぎりと音が聞こえて、壊れる寸前まで追い込まれているんだっていうのがいやでもよくわかった。

 

 しかもそこにさらに、獄卒が重りを追加して乗せたり、弄ぶようにぐいっと私の体に手をかけて下に引っ張ったり……そのたびに、縛られている個所にも、関節にも激痛が走る。

 

 おまけにこれも、痛いだけじゃなく恥ずかしいのだ。

 

 縛り方が縛り方だから――しつこいようだが名前は知らない――股にもお尻にも縄が食い込んで裂けそうに痛いし、こすれるし……逆に縛られているせいで、胸の部分は大きく突き出すように、両方の乳房がそれぞれ強調される形になっていて……

 エロ拷問にしては、苦痛の度合いが大きすぎる気がする……っ……!

 

 しかもこれ、私は服を着たままやられたけど、周りを見ると全裸にされた上で吊られてるのも、男女問わず何人か……

 しかも水攻めと同じで、トイレに行かせてもらえず、決壊してる人も……

 

 ……今はまだ、服を着せている分優しい……と言われている気分だった。

 実際、そうなんだと思う。

 

 つまり、私もいずれはああして……服も何も全部脱がされた上で……

 

 

 ☆☆☆

 

 

【拷問その3 棒叩き】

 

 太い柱や、水平に吊った木の棒に括りつけられて拘束され、叩かれる拷問。

 前世でテレビで見た時代劇で、敵の悪代官や廻船問屋に捕まったくのいちとかがされてるの、よく見たことある。……って言ってわかる人いるかな?

 

 普通に痛いのはもちろんのこと、鞭と違って鋭くない、鈍い痛みなので……体の表面だけじゃなく、中まで届く。筋肉も、骨も痛い。

 

 ……骨が折れないように加減して叩けているのは、逆に上手なのかも……。

 

 ただ、骨がある部分以外にも、お腹とかの柔らかい部分を叩かれることもあって……息が詰まったりもする。

 内出血で何カ所も青あざができた。……見た目にもえぐいな、この拷問。

 

 殴るだけじゃなく、突かれたり……ぐりぐりと抉るように押し付けて圧痛を与えて来たりもするし……体にも心にも効く。

 

 他の拷問よりも直接的なダメージが大きいからか、早めに終わったことだけは幸いだった。

 

 

 ☆☆☆

 

 

【拷問その4 電気ショック】

 

 名前そのまんま、電気ショックを与えられる拷問。

 

 まず最初に、頑丈な椅子に縛り付けられ、身動きできなくさせられる。

 腕も足も固定されて……動くのは手足の指の先くらいのもの。

 

 その状態で目の前に、バチバチと火花が散っている金属の棒を突き出され……それを、わざとゆっくり、よく見えるように体に近づけられて……

 それが触れるか触れないかという瞬間……

 

「あ、ぐ……がががが。がががっ!?」

 

 体の中を電流が走り抜けていく感覚が、私の頭を真っ白にする。

 同時に体が、強烈な刺激に反応して勝手に動いてしまいそうになるけど、固定されているために動けず、ガタガタ、ビクビク、とその場で跳ねるように震える。それしかできない。

 

 電撃なんて食らう機会、そうそうあるもんじゃないから……どんな苦痛なのかなんて知らなかったし、想像もできなかった。

 これ……かなり苦しい。痛いし、熱いし……

 

 エネルの電撃……私も食らってたら、こんな感じだったのかな。

 全部吹き飛ばして打ち払って、結局1発も食らわなかったけど。

 

 何より、ショックが体の中を走り抜けるから、内側から違和感がドカンと膨れ上がるのに加え……心臓がびっくりして『ばくんっ!!』とはねるように動いたのがわかった。

 

 心臓以外の内臓も、ちょっとの間だけ変な風にならなかった?

 棒を放された後も、しばらく体が震えて……上手く呼吸できなかったり、お腹の中からぎゅるぎゅるぐるる……って変な音がしたんだけど……

 

 目の奥がちかちかするわ、変な汗が出るわ、しばらく体がうまく動かないわ……人体ってこんな風に反応するのか、っていう驚きのオンパレードだった気がする。

 ……驚きすぎて苦痛があんまり頭に入ってこなかった。よかったのやら。

 

 むしろ、心不全とか不整脈になりそうで怖かったよ。

 ……あんな風に、はっきりと自分の心臓の音がうるさく聞こえたり感じられたの。初めてだ。

 

 ただし、ダメージはきっちり体に残っていたので、解放された後全身熱いわ痛いわで大変だったけど……

 

 

 ☆☆☆

 

 

【拷問その5 毒ガス】

 

 何の説明もなく、狭い部屋の中に閉じ込められたかと思ったら……いきなり天上から白い煙が勢いよく噴き出て来て……。

 狭い部屋だから逃れることなんてできなくて、それを吸い込んでしまい……その瞬間、

 

「う、っ……げっほ、ごほ、がほっ……おえっ、おえぇぇっ!? うぐ……痛い……苦しいっ……はぁ、はぁ……う゛あぁっ……!?」

 

 目も鼻ものども痛くて、思いっきりせき込んだ。呼吸する暇がないくらいの勢いでひたすらせきが出て、苦しいったらない。

 

 加えてその後少し後、吐き気まで襲ってきた。たまらず、朝食べたばかりだった食事を吐き戻してしまう。

 

 さらにその後、お腹が痛くなってきて……動けなくなってうずくまる。

 体の中からぎゅるぎゅる音が聞こえて……一体このガスは何なんだ、私の体内で何が起こってるんだってすごく心配になった。

 

 苦しさのあまり、体は反射的に酸素を求めて大きく呼吸してしまい……しかしそのせいで余計に毒ガスが入ってきて、また苦しくなるという悪循環。

 

 汗も涙も鼻水も、色々垂れ流しにしてもだえ苦しんで……たっぷり1時間以上もそのまま放置された後、ようやく終わった。

 

 けど……終わった後も、各部の痛みはしばらく消えてくれなかったし、お腹の中の異常も続いた。

 ガスの毒が体から抜け出てくれるまで、ほとんど丸一日かかって……翌日の休日にまで、拷問がずっと続いているみたいな気分だった。

 

 

 ☆☆☆

 

 

【拷問その6 毒】

 

 これは、別室に連れていかれて受けるタイプの拷問じゃなかった。

 

 ある日、いつも通り持ってこられた食事を食べると……味が変だった。

 

 古い食材でも使ったのかな、とその時は思ったんだけど……食べ終わってしばらくして、お腹が痛くなってきて……明らかにおかしいと気づいた。

 

 同室の女囚の1人に聞いてみたら……『食事に毒が入ってたんだろうね』とあっさりと教えてくれた。

 

 そんな、日々の食べ物にまで『拷問』要素を盛り込むような真似をするのかと、驚きやら怒りやらで頭がごちゃごちゃになったけど……すぐにお腹からこみあげてくる痛みその他で、思考の隅に追いやられてしまった。

 

 その日はいつもより何回も多く、トイレのお世話になることになった。

 

 そして、そんな日が……何日かに一回やってくる。

 

 いつ来るかはわからない。

 拷問の日に来ることもあるし、1日おきの休日にそうなることもある。

 

 そして、拷問の日に来たとしても、拷問は拷問で別に行われる。二倍……いや、二倍どころじゃなく苦しいし、つらい。そして恥ずかしい。

 水攻めや緊縛の日にそうなった時は特に悲惨である……具体的にどう悲惨なのかは、とても描写したくないけど。

 

 

 ☆☆☆

 

 

【拷問その7 入浴】

 

 囚人達は、たまに入浴を許される。

 これは、あまりに不衛生にしすぎて病気でも蔓延したら困るから、必要に応じて、という理由らしいんだが……入浴してリフレッシュできるのは、普通に嬉しいと思っている囚人も多い。

 

 ただし、お湯につかってゆっくり体を洗えるような、普通の入浴ではない。

 というか、風呂ですらない。

 

 ただの細長い通路だ。天井にシャワーがいくつもついてて、お湯ですらない冷水が降ってくる。

 囚人達は、服を脱いで裸になり、一列に並んでその通路を進みながら、上から降ってくる冷水で体を洗い、汚れを落とす。通路の端に到着してしまうまでに、なるべくきれいにする。

 どっかの地下王国みたいだな……とてもこれを『入浴』と呼ぶ気にはなれない。

 

 ……そんなんでも気分転換になるくらいには、ここの生活はひどいんだが……

 

 しかし、そんな入浴(仮)の時間ですら拷問にされてしまうこともある。

 

 入浴の日に、『お前は別だ』といわれて、1人別室に連れていかれて……そこで裸にされて。

 

 そして、熱湯のシャワーを浴びせられる。

 しかも、上から降ってくる形じゃなく……獄卒が持っているホースの先端に付けたシャワーヘッドから、まるで花壇に水やりでもするかのように雑にぶっかけられる。

 『地獄のぬるま湯』と同じ、100度のお湯だそうだ。結構な勢いで……痛いし熱いしでかなりつらい。顔とかにあたると呼吸も苦しいし。

 

 逆に、冷水のシャワーを浴びることもある。同じように、強烈な勢いで。

 温度は、別に氷水が吹き付けてくるわけではなく、普通の冷水なんだけど……体中に勢いよく、大量にぶっかけられるので、体温が奪われて寒い。

 手や足がかじかんで、その後しばらくずっとつらい。

 

 ……冷水のシャワーは疲労物質を流すから、温水よりむしろ疲労回復には効果的である……って何かで読んだことあるけど、限度あるよね……。

 

 そんな風に苦しい『入浴』でも、清潔にしないといけないのに変わりはないので……我慢して、頑張ってどうにか体を洗わなきゃいけない。

 いじめられながら、見られながら、隅々までどうにか洗う。

 

 ようやく終わって、服を着ることを許されると、ほっとする。

 

 

 ☆☆☆

 

 

【拷問その8 さらし者】

 

 説明することはあんまり多くない。ほぼほぼ言葉通りだからだ。

 

 感覚としては、苦痛ほぼ0割、恥辱10割って感じ。

 主に女囚専用の拷問のようで――まあ、野郎をそうしたところで需要無いだろうし――私以外にも、同じ部屋や、他の部屋の女囚がくらうことがあった。

 

 やることは簡単。

 服を全てはぎとられて、人通りの多い、よく見える場所に拘束されて……そのまま放置される。

 

 それだけだが……生まれたままの体を隠すこともできず、看守や獄卒、さらには他の囚人達――そのほとんどは男性である――の視線にさらされ続ける。

 

 上から下まで、全部見られる。下品なヤジも飛んでくる。

 しかも、この拷問が執行されている時に限っては、そういうヤジその他の下品な行為に対して、看守や獄卒もほとんど注意も何もしない。

 

 尊厳も何もない、心に食い込んで傷ができる拷問だ。

 

 拘束の仕方も様々。鞭打ちの時みたいに腕を引っ張り上げられて宙吊りだったり、足を開く形で緊縛されたり、後ろ手に手錠をかけられて棒に括りつけられたり、片足だけ引き上げられて丸見えにされたり……。

 

 中でもひどかったのは……『ギロチン拘束』って知ってる?

 首と両腕を、1枚の板に横一列に3つ開いた穴にはめて動きを封じる奴。

 手が全然動かせないから、どこも何も隠せない上に、その状態で、頭を低い位置にして……ちょうどまさに、ギロチンにかけられるような姿勢で固定・拘束されようもんなら……それはもうひどいことになる。

 というか、なった。

 

 姿勢が姿勢だから、必然的に後ろにお尻を突き出す形になる。全部丸見え。

 一方で、上半身は地面とほぼ水平にされてるから、横から見ると乳房が丸出しで丸見え。少しでも身じろぎすると、ぶるん、と揺れる。

 

 ……牛舎の中の乳牛にでもなった気分だった。惨めで、恥ずかしくて……

 

 見てる側からすれば、喝采モノだったようだけどさ……私の裸がそんなに嬉しいか。

 

 とはいえ、ひどい屈辱ではあるものの……これでも『見られるだけ』で終わっている分、まだましな方であるらしい。

 極端な話、気にしなければそれまでだし。女囚の中には、『減るもんじゃないし好きに見ろ』と言わんばかりに堂々としている人もいるから。

 

 しかし、これがさらにひどくなると、より直接的に屈辱を与えてくるものにシフトするらしい。……適当な男性囚人を何人か使って。

 ……最初のうちの連れ回しで私が見せられた中にもあったあれだな。

 

 つまり、今は私も、見られる程度で済んでるけど……強情張り続けると……。

 

 そうなる前に色よい返事を待っている、とあざ笑うように獄卒に言われた。見られながら。

 

 

 ☆☆☆

 

 

 ……とまあ、こんなところか。

 

 他にも色々拷問の種類はあるし、なんだったら私はまだ受けたことない種類の拷問について、同じ房の女囚から聞かされたりもした。

 どれも酷いもんだったけどね……焼きごてとか、睡眠妨害とか……

 

 今のところ、どうにか耐えられてるけど……少しずつ精神が摩耗してきているのを感じる。

 

 1日おきに拷問と休日を繰り返す、っていうこのサイクルも……よく考えられてる。

 休日だからといって、さっぱりした気分で休めるわけじゃない。むしろ……明日になったらまた拷問される、って恐怖の中で過ごすことになる分、心があんまり、あるいは全然休まらないから。

 

 確実に来るとわかっている苦痛は、それを待っているときが一番怖い……って何かの本だかマンガで読んだことあるな。全くその通りだ。

 

 それでも……

 

(我慢我慢……大丈夫、まだ大丈夫。折れるな、私の心)

 

 私が作家になると決めた時の思いを、捨てちゃいけない。忘れちゃいけない。

 

 つらくて苦しいけど……勝算なら、ある。

 今の、この時期を考えれば。

 

 メタな理由ではあるが……

 

(私が『赤犬』に捕まる前に、既に『エニエス・ロビー編』は終わって、ルフィ達全員の懸賞金が更新されてた。だったら後は、『スリラーバーク』『シャボンディ諸島』『女ヶ島』を挟んで……『インペルダウン編』と『頂上戦争編』に入るはず……! そこまで来れば、脱獄のチャンスが来る!)

 

 具体的な長さまではわかんないけど……せいぜい数週間か、長くても数か月だろう。

 

 なら……それまで負けるもんか、どれだけの苦痛にも、どれだけの恥辱にも耐えきってやる。

 

 そして、その時が来たら……

 

 

 

(やられた分、絶対にやり返す……100倍返しだ……!)

 

 

 

 




Q.なんかダイジェスト気味で拷問の紹介だけだったんだけど……ストーリー全然進んでないんだけど……。コレ今回話挟む意味あったん?

A.すんません、作者が純然たる趣味に走った結果です。
まあ、今回みたく拷問だけメインな回はさすがにもうない……と思う……多分、きっと。
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