大文豪に私はなる!   作:破戒僧

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今回、オリキャラが2人ほど出ますが……とりあえず一言。

……皆さん、鋭いっすね(汗)


第216話 現れた2人

 

 

「よかったの? パパまでついてきて……色々仕事あって忙しいんでしょ?」

 

「何、このくらい別に問題ねえよ。ちょうどいい息抜きだ」

 

 アリスからの電伝虫を受けて、私はその現場に向かおうとしてたところだったんだけど……ちょっと出かけてくる旨を伝えたところ、パパも『一緒に行く』って言ってきた。

 なので、側近として同行してもらうつもりで先に声かけてた2人……ビューティとブルーメの2人を合わせて、合計4人で今、そこに向かってます。

 

「提督と最高顧問が揃ってフットワーク軽すぎだと思うのですが……」

 

「いいんじゃねえの? 別に仕事に支障ねえんならさ。よくわからねえけど、アリスお嬢がてこずるくらいの事態なら、念のための備えにもなるし」

 

 そうビューティが言うのを聞いて、パパは葉巻を加えながらにやりと笑って、

 

「そういうこった。孫娘が何かトラブルに巻き込まれてるんだ……おじいちゃんとして助けに行かないわけにはいかねえだろ?」

 

「本音は?」

 

「アジトにいるとちょいちょいソゥに出くわして精神的な余裕を削られるから気分転換がしてえ」

 

 んなこったろうと思った。

 

 ママってば、30年以上現場を離れてたとは思えないくらい――ママ自身にとってはほんの数か月程度なんだとしても――普通に研究部門になじんでるし、緊張も遠慮も何もなしに色々取り組んでるからなあ……。

 あと、研究室とアジトって別棟で、防音処理も施されてるはずなのに、場所によっては貫通して声聞こえてくるし……うん、まあ……若干気が休まらなそうなのは察せる。

 

 そして、作り出す成果がまた無茶苦茶なんだよなあ……

 

 様々な薬品に始まり、『貝』の品種改良、色々な兵器の研究開発、Dr.インディゴが取り組んでる各種研究の改良案……

 そして何より、あのママが隠してまで行っていた、あの『本命』の研究……。

 

 あげ連ねて行こうとするときりがないので、詳しくは省く。

 

 ともあれ、そんな感じの理由でパパもついてきて……新世界レベルで考えても結構な過剰戦力が揃った状態である。

 私の船に皆で乗り込み、パパの能力で飛ばして現場に向かっている。

 

 

 

 そんなには離れていない場所だったので、さほど時間もかからず到着……したんだけど、どうも様子がおかしい。

 

 アリスからの電伝虫では、既にその『ナワバリにちょっかい出してくる海賊』との戦闘は、もう終わったっていう話だったんだけど……明らかに今、まさに戦闘中だ。

 

 眼下に見られるのは、数隻の海賊船。

 海賊旗は2種類だから、海賊団としては2つ、か。おそらく、アレがこのへんで悪さしてた連中だな……倒したと思ってたけど、まだ残ってたのか。

 

「見た感じ、大した連中じゃなさそうだな……ブルーメ、あいつらの海賊旗知ってる?」

 

「ええと……『ベイチョップ海賊団』と『サンフラワー海賊団』ですね。どちらも『楽園』レベルでも中堅という程度ですから、そこまででもないのです。スゥの言う通り、『大した連中じゃない』という評価でいいかと。ただ……」

 

「……戦ってるのは……あれ、誰だ? アリスお嬢じゃねえな?」

 

 ビューティの言う通り。その海賊団2つを相手に戦ってるのが……最初アリスかと思ってたんだけど、どうも違うっぽいんだよね。

 

 2人いる。たった2人で、海賊船数隻、数百人からなる海賊団を相手取って……圧倒している。

 遠めに見る限り……どっちも若くてかわいい女の子、に見えるな。

 

「あ、お母さん! 待ってた……って、おじーちゃんも一緒?」

 

 お、アリス発見。

 

 パパみたいに、翼も何もなしに単独でふわあっ、と浮かんでこっちに飛んでくる姿が視界の端に映った。

 

 能力で重力を『逆転』させて浮遊できるアリス。しかし、それではあくまで浮かぶことしかできないので……靴に仕込んだ『風貝(ブレスダイアル)』で推進力を生み出して移動してるのだ。

 スラスター使って飛ぶシズに教わりながら練習してたのを見てたけど……すっかり使いこなせるようになったな。もう縦横無尽に自由自在だ。

 

「お疲れアリス。早速なんだけど……コレ、どういう状況?」

 

「ええと……ごめん、もうすでに片付いたと思ってたんだけど、例の連中、まだ仲間がいたっぽくて……敵討ち的な感じで襲ってきたんだよね。けどそしたら、『我々が相手をします』って言って、2人とも向かって行っちゃって」

 

「ってことは……あそこにいる2人が、私達に会わせたかった人達?」

 

「うん、そう。……戦闘になってるのは、結果的にだけどちょうどいいかもしれないな……お母さん、おじーちゃん達も……あの2人、よく見てて! ボクが何で『ただ事じゃない』って言ってたのか、すぐわかるから!」

 

「?」

 

 どうやら、あの2人の戦闘を見ていればいいらしい。

 まだよく事情はわからないけど、言われたとおりに……眼下で繰り広げられている、2対数百の戦いを見物していることにした。

 

 さて、一体何が見られるのやら……?

 

 あ、今更だけど、見えている2人の大まかな特徴でも話しとこうか。

 

 1人は、白髪のショートヘアの女の子。年齢は……女子高生くらい、かな? 背丈的には、普通の人間の範疇で……スタイルはかなりいい。

 

 手に持ってる武器は、薙刀……というか、あれって……刃のところに龍の頭みたいな飾りがついてるんだけど……『青龍偃月刀』ってやつじゃない? 三国志とかに出てくる武器。

 

 もう1人の方は、ロングヘアの金髪の……こちらも女の子。年齢や背丈、スタイルの良さは、1人目の子と同じ感じ。

 というか、遠目にだからちょっとわかりにくいけど……顔も似てるな。姉妹?

 

 こちらの武器は剣か。しかも、刀身が真っ黒……黒刀?

 刃がちょっと反っててサーベルっぽい見た目だけど、その割には全体的に細いな。ナックルガードもついてるから、和風の刀剣って感じはしないが……。

 

 それぞれ別な海賊船に乗り込んで大立ち回りを演じている。

 2人とも強いな……向かってくる海賊達がまるで相手になってない。しかも……2人とも、弱めにだけど、『武装色』使ってるな。

 

 ここはまだ『偉大なる航路』の前半の海だ。覇気使いは相当数が限られるはず。

 けれど、2人ともやっぱり見たことないな……それだけの腕なら、海賊でなく賞金稼ぎとかでも……それなりに名が知られていてもおかしくはないのに、見覚えがない。

 もちろん、原作キャラでもないと思うし……。

 

 なんてことを考えていると、ふと、その2人がこっちをちらりと見た。

 気付いたのか、私達が見てることに……ひょっとして、『見聞色』も使えるのかな?

 

 すると今度は、別々な船に乗っている2人が視線を交わしてこくりとうなずいた。

 今の一瞬で、何かしらのアイコンタクトが完了したらしい。

 

 私達をちらっと見たことと関係があるのかわからないけど……

 

「……お母さん。おじーちゃん達も。そろそろ出るよ。見てて」

 

 と、横でアリスが……神妙そうな顔でそう呟いた。

 見てて、って何を?と聞くより先に……眼下にて、事態が動く。

 

 突然、青龍偃月刀を持ってる方の娘が……勢いよく地面(とうか甲板)を蹴って、海賊船の外に身を投げた。

 

 そのまま海に落ちる、ないし飛び込むのかと思ったけど……その瞬間、何もない空間から雲みたいなものがボワン! と現れて、少女はその上に飛び乗った。

 突き抜け……ない。『島雲』みたいに、その上に乗ってる。雲に乗って飛んでる。

 

(!? 『雲貝(ミルキーダイアル)』? いや違う、青海では『雲貝』の雲は形にならないはず……ママが今作ってる改良種も未完成だし……それに、なんか変な形だな? 炎みたい)

 

 などと考えている前で、彼女は驚くべき行動に出る。

 雲に乗ったまま、薙刀を片手で持ち……もう片方の手を、拳を握って反対側へ引き絞るように……って、ちょっと待て? あの構えは……

 

 その直後、裏拳のような動きで拳を振りぬき……

 

 

 ―――ズドォン!!

 

 ―――ビシィッ!!

 

 

 まるで、空間を殴ったかのように……空気にひびが入った。

 

 そしてそこから衝撃波が発生し……海賊船が木っ端みじんに吹き飛んだ。

 

「…………!!!?」

 

 目を疑った。

 横でパパや、ビューティやブルーメも同じ感じになっている。目を見開いて、口をあんぐりと開けて、『信じられない』と言わんばかりの表情になっている。

 

 今のって、白ひげの……『グラグラの実』の能力じゃない!?

 地震の能力で、空間を殴って放つ衝撃波。

 

 今は、方法は不明だけど黒ひげが『奪って』、自分のものにしている能力のはず……何であの子が使えるの!?

 

 よく似た別な能力かと思ったんだけど……

 

「……パパ?」

 

「……間違いねえ、ニューゲートの能力だ。威力はまだまだ劣るようだが……」

 

 かつて同じ船に乗っていて、その力をよく知っているパパが、そう言った。言い切った。

 ……となると、別物である可能性は、限りなく低い。

 

 そうなると、どうやって……?

 『SMILE』や『TABOO』みたいな、人造悪魔の実? それとも……

 

 しかも、驚きはそれだけでは終わらなかった。

 

 粉砕された船を離れ、別な一隻に近づいていく薙刀の子。

 今度は両手で薙刀を持って、中段で大きく振りかぶり……一気に降りぬく。

 

 すると、斬撃が飛……どころじゃない!? 明らかに『飛ぶ斬撃』どころじゃない威力と範囲の、何十発ものカマイタチが発生して、標的の船を切り刻んだ。

 さらにはもう一回振りぬくと、こんどは斬撃に乗って炎が吹き上がって……既にボロボロになっている船を消し炭にした。

 

 さらに、驚かされるのは彼女にだけじゃなかった。

 もう1人の、剣を持った金髪の娘の方もだ。

 

 海賊達を次々切り伏せながら、じろりと周囲の……あまりの強さに怯える海賊達をにらみつけたかと思うと、にやりと笑って、

 

 

LIFE(寿命) or  DEAD()?」

 

 

「……っ!? バカな……『魂への言葉(ソウルボーカス)』!?」

 

 隣でパパが、さっきまで以上に驚いてたけど……私も驚いた。

 あれは……『ビッグ・マム』の能力だ。『ソルソルの実』の……相手の魂を奪う問いかけ。

 

 あれをされて、問いかけた者に対して『臆する』と……

 

 その少女の周囲にいる海賊達の体から、ゼリーみたいな何か……『(ソール)』が湧き出してきた。

 すかさず少女は、剣を一閃させてそれらを斬り……海賊達本人から切り離す。

 

 今ので寿命を奪いつくされてしまったのか、そのまま倒れて動かなくなる者も何人か。

 

 さらに、その刀身から……これも何らかの能力なのか、何十匹もの蝙蝠が現れて飛んで行く。

 そのうち半分くらいは、切り離してふわふわと空中に漂っていた『(ソール)』を掴んで回収し、女の子の元に持っていく。

 

 残り半分くらいは……海賊達に直接噛みついたかと思うと……嚙みつかれた海賊達は、みるみるうちにしなびて、しわくちゃになって……こちらも倒れて動かなくなってしまった。

 血を吸われて干からびたのか? でも、それにしては……何か様子が……

 

 何にしても……確かに『ただ事じゃない』。

 『グラグラの実』に『ソルソルの実』……今現在、既に能力者が判明している悪魔の実の能力を使った上に……それぞれの武器も何やら普通じゃない『能力』を発揮しているように見えた。

 

 青龍偃月刀の方は、今度は雷撃まで放ったぞ……これで、炎、風、雷……属性3つだ。しかも威力が、明らかに『貝』とかで出せる範囲じゃない。

 黒刀の方は……蝙蝠って何だよ、意味わからん……絶対『貝』とかの仕込みじゃない。

 

 となるともしかしたらアレらも、無機物に悪魔の実を『食わせる』系の力によるもの……?

 どちらもわけわかんないけど、特に青龍偃月刀の方……あんなバリエーション豊かな攻撃手段持ってる実なんてあったか……?

 

 考えても答えが出ない中で、2人の少女による蹂躙は続いていた。

 

 地震の衝撃波で船を粉砕し、真空波で切り刻み、雷で感電させ、炎で焼き尽くす。

 『魂への言葉(ソウルボーカス)』で寿命を奪い、刀から放つ蝙蝠で食い散らかす。

 

 片方は火力がえげつなく、もう片方は直接『命』を分捕りにかかっていく。

 余りにも強烈で、容赦なく……得体が知れない2人。

 

 ……アリスが『自分の手に負えない』『判断できない』と言って、迷わず私に泣きついてきたのもよくわかる。

 

(……しかし……なんかあの2人、私達が来てから、わざわざ見せつける感じで能力使い始めたようにも見えたな。明らかにこっちを意識してたし、戦ってる最中もチラチラこっち見上げてたし……何でだろ?)

 

 目の前で今まさに、最後の1隻が粉砕され、海賊団が壊滅した光景を見ながら……私はそんなことを思っていた。

 

 

 ☆☆☆

 

 

 ほどなくして、私達は……近くにあった島に降り立った。

 そこで、さっきまで海賊達を相手に大暴れしていた2人と向かい合っていた。

 

 遠目で見た時と大体印象は同じだな……2人とも、髪色や長さは違うけど……どちらもスタイルよくて背は高め。かわいい顔してて……双子かと思うくらいに似てる。

 いや、実際双子なのかもしれないな。髪の部分の印象が大きく違うのと、目つきがちょっと違うからわかりにくいけど……そのくらいには似ている。

 

 白髪……ではなく、プラチナブロンドのショートヘアの、青龍偃月刀を持った子。

 金髪にロングヘアの、黒刀を持った子。

 

 2人はそれぞれ武器を収めた状態で、神妙そうな面持ちで私達の前に進み出た。

 

 さて、いきなり戦闘シーンから見ることになって、そこで色々と気になりすぎる光景を見ることになったわけだが……もともとこの2人、私に会いたがってたんだったな。

 一体何の用なのか、それ以前にそもそも、彼女達は何者なのかを聞こうとして……しかし、それよりも先に……

 

「……ぐすっ……!」

 

 なぜか私達を……というか、私を前にして急に涙ぐむ金髪ロングの子。え、何いきなり?

 

 話が始まる前からなんか感極まったみたいな感じになっているその子に、さすがにきょとんとしてしまう。……色々聞きたい、聞かなきゃいけないことがあったから、なるべく凛とした感じで話を聞こうと思ってたんだが……意表突かれた。

 

 けど、向こうも別にこっちのペースを崩そうとかいう意図はなく、本当に『思わず』涙ぐんでしまったみたいで……隣にいた白髪の子が慌てて、

 

「おい、何をしているイリス! これから話を聞いてもらおうという時にお前……」

 

「わかってる、わかってるわよスノウ……でも、いざ目の前にしたら……我慢できなくて……だって、だって……」

 

 

 

「お母さんが……ちゃんと、生きてて……!」

 

 

 

(…………はい?)

 

 ……お母さん?

 

 えっと……誰が?

 私見ながら言ってる気がするんだけど……え、私?

 

 ……いやいや、知らないよ。

 パパ達が皆してこっちを見るけど、知っての通り私は独身だし、新たに『娘』を引き取った覚えもないからね? 時々ブルーメとかがふざけて『お母さん』って呼んだりはしてくるけど……私の娘は今現在、スズ、レオナ、そしてそこにいるアリスの3人だけだよ。

 

 それなのに、私を母親と呼ぶ……でもなんか、デタラメ言ってるって感じでもないんだが……?

 彼女達は一体、ホントに何を言ってるのか……

 

 その2人はというと、どうにか金髪の子……イリスと呼ばれている子を、スノウと呼ばれていた白髪の子がなだめようとしていたんだが、嗚咽が中々収まらないので、諦めてしばし放置しつつ、彼女の方が先に説明を始めることにしたらしい。

 

「このような有様で申し訳ありません。イリス……この者のことは一旦置いておいていただければと……お話は私、スノウからさせていただきますゆえ」

 

「……まあ、いいけど……。色々と聞きたいことはあるけどさ、ひとまず今の話、どういう意味? 私……今育ててる子達以外に、子供を持った覚えはないんだけど」

 

 まさかとは思うけど、『宝くじに当たると親戚が増える』的な感じで、私の娘を名乗る不届き者が……いやでも、なんかそういう感じでもないんだよなあ、不思議なことに。

 悪意みたいなものは感じないし、むしろ、今こうして向けられてるのは……純粋な、好意? そんな風に『見聞色』で感じ取れてる。

 

「それについても、もちろん説明させていただきます。ただ、あまりに荒唐無稽な内容ゆえ、いきなり話しても信じていただけない可能性が大きく……まずはこちらをご覧いただけますか」

 

 そう言ってスノウが差し出してきたのは、1冊の本だった。

 結構分厚めの、少し古くて傷んだ感じのある本だけど、一体……

 

「…………っ!?」

 

 差し出されたその本の、表紙を見て……私は凍り付いた。

 

 横から覗き込んできている、アリスとブルーメが、私に続けて本を見るが……こちらはしかし、不思議そうな表情になるにとどまっている。

 

「あれ、これ……著者名、お母さんじゃない。お母さんが書いた本ってこと? でも……」

 

「……こんな本、スゥ書いてましたっけ?」

 

「……書いてないよ。……まだ(・・)、ね……」

 

「? どういう意味?」

 

 アリスの問いに私は答えず、手渡された本をぱらぱらとめくっていく。

 速読とはいえさすがに流し読みになってしまうけど、おおまかに読むくらいならそれで十分だった。……読み進めるほどに、私の眉間にしわが寄っていくのが自分でわかった。

 

(このタイトル……このストーリー……キャラクターの名前まで、全部……)

 

 最後に私は、裏表紙をめくったところに書いてある、発行日を確認すると……

 

「……? 何だこりゃ、発行日が……今から1年後?」

 

「…………」

 

 普通に考えたら、印刷所のミスか何かにしか見えないような、奇妙な日付。

 ビューティが今思わず言った通り、発行日として記載されているのは、1年くらい後の日付だ。

 

 しかしもしこれが……ミスでも何でもないのだとしたら。

 この日付で発行された本を持っている、彼女達は……まさか……

 

「あなたであれば……その本に記されている内容に見覚えがあるはず。何せそこにあるのは……今のあなたが、まだ執筆していない、頭の中にアイデアの状態であるはずの内容……本来であれば、今から1年後の、その日付に出版されるはずの物語です。そして……」

 

「私達にとっては、小さい頃から何度も読んで聞かせてもらった……あなたとの思い出の本……。何百回、何千回も読み返して、ボロボロになっちゃったけど……お母さんとの日々を思い出させてくれる……宝物」

 

 どうにか嗚咽の収まったらしい金髪の子……イリスの方が、続けてそう言う。

 頑なに、『お母さん』という呼称をそのまま使って……目だけは感極まって潤んだ目のままで、こっちをまっすぐ見て……そう言ってくる。

 

 おいおいおいおい待て待て待て待て……マジで? マジでそういうこと!?

 

 いやでも確かに『そう』なら、一応、さっき見た光景にも説明がつかないこともないけど……いやでも、それにしたって……あまりにも……!

 

 しかし、その直後。

 スノウと、イリス。よく似た2人は……私の目をまっすぐ見据えて、はっきりと言いきった。

 

 

 

「私は、ベネルディ・トート・スノウ。彼女は、ベネルディ・トート・イリス。双子の姉妹で……名前と、今の話から察していただけているかもしれませんが……」

 

「私達は……今から20年後の未来から来た……あなたの、娘です……!」

 

 

 

 





前話の感想欄における指摘率と的中率が脅威の100%でした。皆さんさすがwww

そんなわけで、まさかの未来から子供が来ました。

原作の影も形もない突拍子もない展開ですが、今後ともよろしくです。
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