ゼファーさんが振るう、巨大な戦闘用の義手。
最早義手じゃなく鈍器、というかむしろ兵器にしか見えないそれは、クザン元帥によれば、海軍の技術部だかによって作られた『バトルスマッシャー』という兵器で、全体が海楼石でできている対能力者用の兵器なんだとか。
それを振りかざして殴ってくるゼファーさん。
当然当たれば私もただじゃすまないので、さっと避ける。
が、大きさと重さからは想像もできない素早さで切り返して、かわした後の私を追撃してくる。まるで自分の腕で戦ってるみたいに取り回しが軽い。
何度目かの回避の後、よけきれなくて『武装色』を纏わせた番傘で受けた時、
「スマッシュ……バスター!!」
ヒットと同時に、内蔵されていたらしい爆発物に着火。そのまま地面が抉れるほどの威力の衝撃波が私を襲った。
が……ちょっと前に触れたと思うが、私の番傘には、ママの改造により『
効いていないことを即座に見ぬいたゼファーさんは、すぐに切り替えて私の体を番傘ごとつかみにかかるが、ひらりとそれもかわして背後に回り込む。
こっちを見ずに繰り出してきた、もう片方の腕による裏拳――当然『武装色』つき――を受け止めつつ、意識を刈り取るために傘の柄で延髄に一撃。
しかし、それもかわされた。……咄嗟の動きじゃなく、明らかにそこが攻撃されるとわかっていた動きだ。
まあ、わかってはいたけど、『見聞色』も相当鍛えられてる……もしかしたら『未来視』のレベルにまで達してるのかも。
元とはいえ『海軍大将』だからな……それでも全然おかしくない。
さっきからずっとこんな感じの攻防が繰り返されてる。
猛烈な勢いで攻めてくるゼファーさんの攻撃をかわし、いなし、防ぎながら、隙を見て私が攻撃し……しかし防がれ、かわされ、みたいな感じ。
傍から見たら、拮抗した戦い……あるいは、わずかに私が押され気味、に見えるかも。
こっちが攻める回数より、明らかにゼファーさんが攻める回数が多いからね。
けど、実際は……
(……ゼファーさん……無理してるな)
何十回目かの激突。
金属音を響かせて、番傘と『バトルスマッシャー』がぶつかり合い、一瞬の拮抗の後……弾かれるように距離を取る。
その際、私の目には……よーく見ないとわからないけど、確かにゼファーさんが、わずかに肩を上下させているのが見えていた。
『武装色』『見聞色』を高レベルで用いて、互いに一瞬の油断もできない戦いなのは確かだ。
けれど……だとしても、そこまで長時間戦闘したわけでもない状況で、早くも息が乱れて来ているのは……
「おいおい、戦いの最中に何を敬老精神なんぞ見せてるんだ、『海賊文豪』? 随分とまあ、優しいことじゃないか……」
「そういうセリフが出てくるってことは、自覚はあるんですね」
「そりゃああるとも。自分の状況もわからず突っ走るほど耄碌した覚えはないからな」
……つまり、ご自分が全盛期より大きく衰えている……ってことをきちんと自覚した上で、こんなテロリストみたいな行動に出てる、ってことですか。
となると……やっぱ何を言ったところで、言葉じゃ止まってくれなさそうだな。
何でそこまで……
「何でそこまで、とでも聞きたそうな顔だな?」
「……っ……さっきの『敬老精神』云々といい、そんなにわかりやすいですかね、私?」
「ああ……特に気を許した相手や、無意識に警戒感を薄めている相手に対してはな。長所にも短所にもなる……人としては好ましいが、何かと損しがちなタイプだな」
「思ったより詳しく分析されてる……」
そして否定できない。
加えて、まあ……今のセリフ通り、私は……海軍の中では、ゼファーさんに対しては確かに、比較的警戒心が小さいというか……壁がない方だと自分でも思うからなあ。
小さい頃の経験はもちろんのこと、彼の掲げる『正義』の貫き方自体も、どっかのマグマおやじの『徹底的』とかとは違って、割と応援したくなる感じだったし。
もちろん、海賊っていう立場があるからそれもかなわないとは認識したうえでね。
おっと脱線しそうになったな……
といっても、そのゼファーさんの『正義』自体にかかわる話でもあったわけだが……
「……なんかもう説得とか無理そうな上、下手なこと言ったら逆に怒られそうなんで諦めますけど……せめて理由くらい話してくれてもいいんじゃないですか? どうしてあれだけ力強く貫いて、多くの海兵……教え子たちに支持されてた『正義』を捨ててこんなことしてるんです?」
それを聞いても、ゼファーさんはいかにも悪そうな笑みを崩すことはせず、
「何を言う、捨てちゃいないさ……海賊を倒して市民を守る、俺は昔と変わっちゃいねえよ。……変わったのは世界の方……いや、違うな、そもそも世界の……政府や海軍のやり方が間違ってた。そんな歪んだ、生ぬるい世界の中じゃ、信じる『正義』も貫けやしない……そう理解しただけだ」
「……あなたが今からやろうとしてることを成せば、大勢の市民が犠牲になると聞いていますが。そんなことは昔のあなたならしなかったはずです」
そう……30年前、私を救ってくれた頃のゼファーさんなら。
そして、15年前にあの島で再会した頃のゼファーさんなら。
『新世界』全てを大破局噴火で焼き尽くし、市民もろとも海賊を、そしてその海賊達の目的である『ひとつなぎの大秘宝』を消し飛ばして、大海賊時代を終わらせるなんていう方法にでるはずもなかった。
なんならそれ聞いた時、しばらく信じられなかったし。
いくらイリス達の言っていたことでも……それこそ、『
あまりに私が知るゼファーさんの人物像と違いすぎて、信じられなかったし信じたくなかった。
どうしてこうなったのか、イリスやスノウもそこまでは知らなかったし、クザン元帥も教えてくれなかったけど……
「……言いたいことはそれだけか」
そして……ご本人も話してくれそうにないなこりゃ。
「生憎思い出話をしに来たわけじゃあない……やる気がないならさっさと帰れ。そうでないなら死ぬ気で向かってこい。……まさかとは思うが、手を抜いてることに俺が気付いてないとでも?」
「……手を抜いてるんじゃなくて、本気になり切れないだけです」
「どっちでも同じことだ……やはりお前は海賊なんぞになるべきじゃなかったな」
「私だってなりたくてなったわけじゃないですけどね」
「そういう悲劇も含めて今の世界は間違ってると、ようやく俺は理解したんだよ……おしゃべりはもういいだろう、時間稼ぎでもされてクザンやボルサリーノに来られたんじゃたまらん。さっさとやることやって……っ!?」
「……? ……っ!」
その瞬間。
私とゼファーさんは、ほぼ同時に……『それ』に気づいた。
次の瞬間、私は傘を開き、ゼファーさんは『バトルスマッシャー』を掲げるようにして……
―――ピュピュピュピュピュピュン!
―――ドゴゴゴォオォン!!
そこに、私達2人ともを巻き込む形で、弾幕みたいな密度で、レーザーが雨あられと飛んできた。
(レーザーって……黄猿!? それともパシフィスタ……いや、どっちも違う! 何この気配!?)
数秒ほども続き、周囲の地面を……さっきのゼファーさんの攻撃にも劣らないレベルで吹っ飛ばして凸凹にしまくったあと、ようやくそれはやんだ。
そして、レーザーが飛んできた方を見ると、そこには……
「……誰?」
「ぬぅ……!」
知らない子がいた。
比喩表現じゃなくて、実際に子供だ。
でも……なんか、いろいろおかしい子供だ。見た目とか、大きさとか……ホントに色々と。
肌の色は褐色で、髪色は白。背中に黒い翼が生えてて……背中が燃えてる?
あと、見た目は子供……なんだけど、なんか体がアンバランスに大きくないか? この距離であの見え方だと……身長2m以上余裕であるんじゃない?
服装は、上下一体のライダースーツみたいなの。
ヒーロー的な意味じゃなくて、そのまんまバイク乗りって意味での。ちょっとスタイリッシュなツナギ、って感じかな? ……例え方がいまいちわかんない。
……偏見かもだけど、某大泥棒の三代目を振り回す女スパイとかが着てそうかも。
子供の見た目には微妙に似合ってない気がする……。
あと、一番気になるのが……
(なんか、見覚えがある……というか、毎朝鏡で見てる顔なんだけど)
なんかあそこにいる子、私に似てる。
より正確に言えば、小さい頃の私にそっくりだ。勘違いでなければだけど。
髪が白いのもあいまって、余計に私そっくりに見えて……けど、それ以外の特徴があまりに違うというか、独特なので、違和感がすごい。……いや、ホントなんだあの子?
そして、その謎の女の子が、右の手のひらをこっちに向けてて……しかもその掌の部分に発射口みたいなのが見える。そこから『シュウゥゥ……』って煙出てる。
状況から見て、今のレーザーの乱射はあの子が撃ったってことになるけど……え、じゃああの子『パシフィスタ』なの!? 素体がくまじゃない……新型か何か?
「不意打ちによる抹殺は失敗。『見聞色の覇気』により察知されたものと推測。これより通常戦闘に移ります。標的、NEO海軍総帥ゼット、および“海賊文豪”スゥ」
しかもなんかロボっぽい事務的口調だし……とか思ってたらすごい勢いでこっちに突っ込んできた。
「ちょっと……何っ……聞く気なしかよ!」
海兵御用達の『剃』かと思うほどの移動速度で突っ込んできたかと思うと、右手を握りしめて突き出してくる。
と思ったら、握りしめた指の間から銀色に光る刃? 爪? みたいなものが飛び出して……おい、どこのX-M〇Nだ!?
それを、私の首を薙ぎ払って飛ばす軌道で振り回してきたので、バックステップで避ける。
覇気は込められてないみたいだけど……いやなエネルギーを感じた。さっきまで戦ってた、ゼファーさんの右手のアレと同じだった。……多分、海楼石。
というか、こうして近くに来られて見て改めてわかるけど、この子やっぱでかいな!? 私と同じくらいか、それ以上に身長あるじゃん!
それでいて見た目、というか頭身が子供のそれだから、やっぱ違和感すごい……っていうか、これ絶対人為的に色々手加えられて作られた系の奴だよね!?
さっきから番傘でさばいてるけど、結構力強いし!
素の馬力や頑丈さが下手な『覇気』使いよりある気がする。これなら戦い方や武器次第で、普通に新世界でも通用するレベルだ。
距離を取ったらレーザー、接近したら海楼石の爪……しかも戦い方もなかなか洗練されてる。
しかも、私ばっかり狙ってる……かと思えば突然、
―――ピュン!
「ぬゥ!?」
不意打ち気味にレーザーを放ってゼファーさんを狙ったりもする。
さっきの弾幕といい、この子……私とゼファーさんをどっちも標的にしてるみたいだ。
本当に何なんだろこの子……いや、もう『子』と呼んでいいのかすら不明だな。得体が知れなさ過ぎて……いやまあ、十中八九、世界政府あたりが開発した人造人間とかだろうけど。
となると、『パシフィスタ』という前例がはっきりある、ベガパンクあたりが最も濃厚だろう。
さっき、私が完全に『?』だったそばで、ゼファーさんが何かに気づいたような様子になってたのも気になるし。
とかなんとか考察してたら、また何かしようとしてる。
今度は左手を……あ、やっぱり手のひらに発射口ある。
けど、出てきたのはビームじゃなく……
―――ぶしゅぅぅううゥゥ……
「……っ……ガス!?」
見るからにやばそうな感じの、緑色のガスだった。
咄嗟に私はそこから飛びのいて、背中に翼を生やし……インペルダウンでマゼランの毒ガスを吹き飛ばした時と同じように、羽ばたきでガスを散らす。
が、ガス自体が重い気体なのか、思うように吹き飛ばない。
それでもどうにか、こっちには来ない程度に散らすことはできたけど……ふと見ると、羽ばたきの時に舞い散った1枚の紙が、そのガスに触れて少しして……変色して朽ちていくのが見えた。
触れただけでそれって……毒性強いな!? いやむしろ殺意強い!
ふと見ると、ゼファーさんは私ほど臨機応変な技は持ってないようなので、私よりも大きく距離を取りつつ、『バトルスマッシャー』から爆風を出したり、『嵐脚』で吹き飛ばして散らしてた。
が、そのガスの中を突っ切って、さらに飛んできている爆風や『嵐脚』も強引に突破して――やっぱ素の頑丈さが下手な鎧とかより高いみたいだ――ゼファーさんに接敵する謎の子。
ゼファーさんと比べるとさすがに体格では劣るものの、一切ひるまず、手から生やした爪でゼファーさんの喉を狙う。
が、そんな見え見えの攻撃が通じるほど甘くない。
ゼファーさんは『武装色』をまとった左腕でそれを防ぎ、右の横合いからバトルスマッシャーを叩きつけて……同時に爆発。その子を吹き飛ばした。
が、その子は地面を転がったものの、たいして効いていない様子ですぐに起き上がる。
起き上がりざまにレーザーを放って追撃が来ないようにけん制までする始末。
「ふん……馬力と頑丈さは大したもんだが、“技”ってもんがてんでなっちゃいないな。政府の兵器といっても、そういうところまでは再現できんというわけか」
「……やっぱこの子、政府の兵器なんですか」
「俺も詳しくは知らんがな……風の噂で聞いたことはある。『パシフィスタ』をさらに改良した人間兵器を熱心に研究している、とな。完成はまだ先だと聞いていたが……」
「そんだけ、ベガパンクとやらが優秀だったのか……いやそうだとしても、何でこんな風に、私とゼファーさんを狙ってくるんですかね?」
こう言っちゃなんだが……現在テロリスト扱いになってるゼファーさんを狙ってくるなら、まあギリギリわかる。
けど、一応『王下七武海』という立場を持ってる私を一緒に殺そうとしてくるのはなぜ?
パパの存在があるから色々怪しまれてるとは言え、
それをこんな風に、いきなり全部ぶっ壊すような形で不意打ちなんてかましてくるか?
しかも、するならするで……こんな新型兵器の試し打ちするようなこと……確実に私を仕留める気なら、大将あたり送り込んできてもよさそうなもんだ。
自画自賛って言われるかもしれないが、そのくらいには私は強い。戦うなら、中将の中でも上澄みの人達……ガープ中将とかつる中将とかが必要になるくらいではある、と思う。
さっき戦ってみて分かったけど、この子……ゼファーさんが言ってたように、パワーやタフネスは驚異的ではあるけど――毒ガスも効いてないみたいだし、他にも色々ありそうではあるが――他は正直、全然だ。
フィジカルにものを言わせてゴリ押ししてる感じ。覇気も使ってこないし。
……それでも大抵の相手ならどうにかできてしまえそうなレベルではあったけどね。
「神経ガスによる毒殺も失敗……次のプランに移行します」
とか言ったと思ったらまた何か……左手から火を噴き出した。今度は火炎放射か。
かと思ったら右手からもさらに何か……鎖? 色んなもん仕込んでるね君……あの鎖も多分海楼石だろうな。
「あーもー、ゼファーさんの相手だけでも大変だってのに……」
「そりゃあお前さんが変に手加減なんぞするからだろうが……しかし、あの娘どこから……周囲には新手の海軍軍艦や政府の船は来ていないはずだが……単独でここまで来たのか?」
……クザン元帥からも、あんな援軍が来るなんて聞いてないし……そもそも私ごと攻撃してきてるから援軍じゃぜったいないし……マジ何だよあの子?
後で絶対聞かないと。
とか思ってたら……
「だが、まあいい……どこの誰だか知らんが……『時間切れ』だ」
「?」
「海賊文豪……お前さんもさっさとこの島を出ることだな。でないと」
その瞬間、
―――ドッ……ゴォオォン!!
「この島と一緒に……海の藻屑になるぜ」
(……っ……間に合わなかったか!)
ゼファーさんの言葉と同時に、轟音が轟き、さらにまるで地震のような揺れが起こる。
しかし、これが自然の地震ではないことは、ゼファーさんの態度や、今のそもそもの状況からも明らかである。……やられたな、守り切れなかったか、『エンドポイント』。
直後、私の懐の中にある小電伝虫がコール。
反射的にそれを手に取り……それを隙と見た謎の子が襲ってきたけど、ひらりとかわして熱っつ! 火炎放射やめろ!
「もしもし!?」
『母上、すまん! どうにか爆破を阻止しようとしたんじゃが……間に合わんかった! 『ダイナ岩』のセット自体がもうほぼ終わっていて……しかも『NEO海軍』の連中、自分達も巻き込む形で自爆しおった!』
『全部予定通りに起爆できたわけじゃないみたいだから、想定より崩壊は遅いと思うけど、ぶっちゃけ時間の問題みたい! お母さんも早く避難して! ファウス島と同じように、この島も吹っ飛ぶよ!』
「……っ……ダメだったか。あーもー……これで王手じゃん!」
しつこく私を狙ってくる『パシフィスタ』っぽい子を蹴っ飛ばして地面に叩き落し……たと思ったらなんか足から火噴いて飛んできた! 自力で空飛べるんかい! 鉄腕パシフィスタですか!?
さてはその力で単独でやっぱりここまで飛んできたな?
爪と鎖……どっちも海楼石のそれを振りかざしてくる少女に、ちょっと八つ当たりもかねて番傘の一撃を、覇気強めにして叩き込み……今度こそ地面に叩き落す。
そしてゼファーさんの方を向くと、
「……ああ、そうか……こいつが『そう』だったのか」
「?」
今私が叩き落した少女の方を見て、何かに気づいたように呟いていた。
「なるほどな。本来なら、俺は1人でこいつと戦って……ということか。それも、今から1年後に……そうなれば、『ツヴァイ』の奴が言っていた通りになっていたかもしれんな」
「……何かわかったんです?」
「生憎だが教えるつもりはない。だが、そうだな……恐らくだが、お前のところにもいるんだろう、遠い所から来た客人が。そいつらと話してみたら……何かわかるかもしれんぞ」
「…………」
また……思わせぶりなことを。
さっき言ってた『未来』発言といい、明らかにゼファーさん……イリスやスノウが来た『未来』の世界に関することに言及してるよな……彼にも何かしらの、『未来』の情報を知る、あるいはそれに触れる情報源みたいなものがあるってことか?
だとすると、今のこの世界が、イリス達が知る歴史と違ってしまってるのは、それが原因……
―――ドドォオオォン! ゴゴゴゴゴゴゴ……
……っと、その辺の考察もあとにした方がよさそうだ。もう時間ないな。
見れば、いつの間にかあの謎の子もいなくなってるし、ゼファーさんも撤退するみたい。
……追撃は、私まで危なくなりそうだから、残念だけどこの場は撤退しよう。空飛べるとはいっても、さすがに島一つ吹っ飛ぶレベルの噴火は怖い。
そして、私達と『NEO海軍』が島から退却してから十数分後。
『セカン島』は、地下のマグマの噴出により跡形もなく吹き飛んでしまい……2つ目の『エンドポイント』が破壊されてしまったのだった。
イリス達から聞いていた情報だけでも驚愕モノだったのに、それを上回る驚愕の……あるいは、わけのわからない事態がめっちゃ起こってる。一回、きちんと腰を据えて検証してから、じっくり作戦を立てて動いた方がよさそうだ。
とりあえず、ゼファーさんの言っていた通りに……イリス達と一緒に、これからのことについて話し合うことにしようか。アリス達が戻ってくるのも待ってだけど。
……でも、そこまでのんびりもしてらんないんだよなあ。『エンドポイント』、残り1つになっちゃったし。
ゼファーさん達にそこを破壊させちゃったら、何もかも終わりだ。それだけは絶対に防がなきゃいけないから、それもきちんと見据えたうえで……あと、あの謎の子の妨害とか襲撃も防ぎつつ……ああもう、時間ない上にやること多いな!
☆☆☆
「任務失敗。“海賊文豪”スゥ、NEO海軍総帥ゼット、いずれも戦力、想定以上」
「一対一でならともかく、2人を同時に相手取って抹殺は困難。暗殺か、各個撃破が理想と推定。優先攻撃目標……ゼット」
「最終エンドポイント『ピリオ島』破壊までの推定タイムリミット……海軍の警戒ラインから算出……約3~4日。『グランリブート』発動阻止のため、早急にゼットを抹殺……あるいは、妨害工作により時間を稼ぐ必要あり。後者を実行し、時間を稼いだ間に、部下の相手を任せるための戦力の補充を行うのが上策。……プラン立案完了、早急に取り掛かる」
「全ては……セラフィム・クイーンの君臨する未来のために」