『七星剣』を体に収納し、『浮雲』は……このままでいいか。
S-アイビスとやらの消滅を見届けた私は……残るゼファーさんと、『ツヴァイ』と呼ばれていた子のところにすたすたと歩いていく。
瓦礫に背中を預けて、甲板に腰を下ろしているゼファーさんと……目が合う。
息が荒い。……よく見ると、体もわずかに震えてる? ただ疲れて息切れしただけじゃないな……呼吸器の病気か何かか? それとも、薬で身体機能を補助した副作用か何か……
「……見ての通り、俺はろくに動けやしない。仕留めるなら今だぞ、『王下七武海』……俺のことも『獲物』だと聞かされてるんだろう、クザンの奴に……」
「ええ。でもはっきり言っときますけど、別に仕留めるつもりとかないですよ」
「ああ、そうか……まあ、そんな風に言われそうな気はしていた」
「そうですか。まあ、言っても『海賊』ですからね私も。そりゃ、海軍や政府の完璧に思い通りになんて動きやしませんよ。ああ、でも……さすがにあの島吹っ飛ばすのはご遠慮願います。ダイナ岩も没収させてもらいますからね」
「……心配しなくとも、もうそんなつもりはないさ……」
「?」
ふいに告げられたそんな言葉に、きょとんとしてしまった。
私だけじゃない。隣に座って、ゼファーさんをかばうようにこっちを見ていた彼女……ツヴァイも、驚いた様子で彼を見る。
私から見ても、ゼファーさんは相当覚悟が決まったような……というか、覚悟という言葉すら生ぬるいような何かを心の中に抱えていた感じに見えた。
止まってほしいとは思っていたけど、ああ、これはもう何を言っても止まらないんだろうな……なんて思えてしまったくらいに、ホントにもう……ダメだと思ってた。
なので、こんな風に前言撤回してくれたことについては、嬉しいのはもちろん嬉しいんだけど……戸惑いもあるというか……。
「そんな不思議そうな顔なんぞしなくていい。何のこっちゃない……ただ単に、俺にも覚悟なんぞできちゃいなかったんだと突き付けられただけさ」
体のあちこちに巻きつけられた包帯。それが巻かれた部位をポンポンと叩きながら……そして、その手当をしてくれたツヴァイを見ながら言うゼファーさん。
「誰を、何を犠牲にしても成し遂げるなんて言っていたくせに……教え子の1人も見捨てることもできずに、このざまだ。この分じゃ、実際に成し遂げた後の俺は……ひどく後悔していたんだろうなあ。なあ、ツヴァイ?」
「……わかりません。私は……あなたが本懐を遂げられなかった未来から、来たから……」
「私も……『グランリブート』のせいで、『新世界』どころか世界全部が滅んだってのは聞きましたけど……ゼファーさんがその後どうなったかは聞いてなかったですね」
「はっはっは……世界全部と来たか、そりゃ大変だ。それだけの噴火なら、たぶん、俺もツヴァイ達も……コトを起こした直後に、巻き込まれて死んだだろうなあ。自分は死んでさっさと逃げて、倒すべきものだけじゃなく、守るべきものまで巻き込んで苦しめて……か。とんだ老害だな」
声の感じからも……そして、『見聞色』でも感じ取れる、その穏やかそうな雰囲気からも……どうやら本当に、ゼファーさん、『グランリブート』を諦めたみたいだ。
それを理解した瞬間、ほっと安心してしまった。それなら……これなら、もう、彼とは戦わなくて済むし……荒っぽいことも何もしなくていい。
そんな風に、あからさまに気を抜いてしまった私を、ゼファーさんは呆れた様子で見てくる。
「……海軍にいた頃と同じだ。結局俺は、信じたかったんだろうな……この世界が、まだまだ捨てたもんじゃないってことを。ろくでなしのクズどもが跋扈しているような世界でも……きっと未来は、もっとマシなものになる……そんな未来に向けて歩んでいくことを諦めない奴らが、俺みたいな老兵が未来を託せる奴が、きちんと今の世にいるんだ……ってな」
「そこまで言われるとさすがに怖気づいちゃいますけど……っていうか、海賊にそんな、真面目な政治家みたいな期待寄せないでくださいって」
「仕方ないだろう。お前さんも知っての通り、その政治家がろくでなしばっかりなんだから」
あー、それは確かに。
その直後、少しとはいえ笑みを浮かべていたゼファーさんが、ふいにそれを引っ込めて言う。
「だが、覚えておけ“海賊文豪”。この先の時代はおそらく、今までよりもさらにろくでもない時代になるぞ……海賊、海兵、市民……それこそ、誰にとってもな」
「!」
「『頂上戦争』は間違いなく、この世界における、1つの転換点だった……あれがきっかけで消えていったものもあれば、新たに生まれたものもある。それが一体、この先の未来に何をもたらし、あるいは奪うのか……誰にもわからない。ひょっとしたら、滅んだ方がマシだったと思うような地獄の扉が開くことだって考えられる」
「……そうですね。でも……人生なんて、えてしてそういうもんだと思いますよ? 何が起ころうと、その都度対処していく……その繰り返しじゃないですか、人生も、世界も」
「…………」
「もちろん、その『対処』が誰にとってもいい結末を呼び込んだなんてことはないし、結局失敗に繋がったことだってあるんでしょうけど……それでも、それすら糧にして進んでいくしかないんですよ……人なんてのは、結局」
「ふ……たかだか30年と少し生きただけの小娘が、随分と重いことを言うじゃないか。さすがは……インペルダウンに入ったという、普通ならトラウマになりそうな記憶すら『経験資料』にしてしまった“海賊文豪”だけはあるな」
「あっはっは……そのへんはもう性分でして。でもきちんと、あの時の経験も……今の人生に生きてますよ。あ、元とはいえ海兵の人に言っても微妙なことでしたね」
「ああ、全くだ。だが……」
一拍。
「そうだな、お前くらい楽観的でもいいのかもしれん。少なくとも、この世界は……この先を生きる若者たちは、俺みたいな老害がわざわざ悲観して心配するようなものでもないんだろう。世界を巻き込んで心中しようなんぞ、大それたことを考えた……まったく、我ながら呆れたもんだ。小娘や教え子に、それを教えられるとはな」
「よかったじゃないですか。師弟関係って、少なからずそういうところあるし。親が子に、師匠が弟子に教えられることは案外多いし……将来、そうして親や師を支えられるようになるのは、若者の役目というか義務みたいなもんでしょ?」
ホントならこんなこと、ゼファーさんに対しては釈迦に説法みたいなもんなんだろうけどね。
『全ての海兵を育てた男』なんて言われてる彼が、こんなことを知らない、理解していないはずもないし。
彼のことだ、きっと……『ゼット』になったその時に、海兵達の『師』であることすら捨てたのだと思う。過去との決別として……これから無法の道を生きる、自分へのけじめとして。
それでも、数十年の間に『教官』として『ゼファー』さんが築き上げてきたものは……ちゃんと今もこうして、彼の中に宿っていて……最後の最後に、彼を止めてくれたんだなって。
さて、じゃあ、一番面倒そうだった説得――場合によっては説得(物理)も覚悟していた――がどうにかなったわけだが、ここからどうするか……と、私が考えていたその時。
―――パ キ ン
「「「……っ!?」」」
海が……凍った。
この海域一帯が、叩きつけられるように広がった膨大な冷気にさらされ、氷になってしまった。
今私達が乗っている旗艦を含む『NEO海軍』の戦艦はほぼ全て、氷によってその場に固定され……動くことができなくなってしまった。
こんなことができる奴は、1人しかいない。
振り返って見てみれば、その氷の陸地の向こう側に……海軍の、数隻の軍艦が。
そして、その甲板には……
(マジで来たのか……あの人……!)
☆☆☆
「どうなった?」
「成功です、クザン元帥。『NEO海軍』の戦艦の固定に成功しました……あ、しかし、全てを凍らせることができたわけではないようで……無事だった船に移ろうとする者達が続々と……」
「あららら……ダメだったか」
やれやれ、といった調子でため息をつく……海軍元帥・クザン。
普段であれば、新マリンフォードにある執務室に構えているのが普通……というか、構えていなければ、軽々しく出歩いてはいけないはずの立場の男が、今、新世界の海にいた。
何人もの中将達と、大将・黄猿をも従えて。
「まあ、あんまり全力でやると……向こうの方の海であっぷあっぷしてる、防衛ラインの連中巻き込んじまうからなあ。君、救護班にあの連中の回収頼んできて。船は2隻そっちにやるから」
「はっ!」
「このあたりも流氷だらけで進みづらくなっちまったねえ~。わっしが先に行こうか、クザン?」
「いや、いいよ黄猿。多分ありゃ、急がなくても大丈夫だ……氷ももしかしたら、要らなかったかもな」
言いながらクザンは、隣で部下が持っている……今も相手につながったままになっている電伝虫の受話器を手に取り、
「そんなわけで、今から行ってきます。……すんませんね、センゴクさん、おつるさん……留守番代わってもらっちまって」
『こんなことはこれっきりにしとくれよ元帥。全く、引き受けたからにはきちんとどっしり構えていてもらわにゃ困るってもんだよ。こっちのバカ2人じゃないんだから』
『ぶわっはっはっは! そう言うなおつるちゃん、クザンに……いや、ボルサリーノや他の中将達にしたって、この任務に行かずに待機していろっちゅうのは酷じゃろうて(バリバリ)』
『そうだな。というか、俺も今やガープと同じ問題児枠か……はっはっは。あ、おかき食うか? 新作が出たんだ(パリパリ)』
『いらないよおかきオヤジ。クザン、あんたもさっさと終わらせて帰っておいで。組織仕切るのは代われても、書類仕事やら何やらの決済はあんたにしかできないんだから、さっさと帰ってこないとこの部屋が書類で埋まるよ。というかそもそも『元帥』の仕事が『留守番』ってなんだい』
電伝虫の向こうから聞こえる、聞きなれた……年季の入った老兵達の声。
“大参謀”つる中将に加え、引退した前元帥センゴク。そして……呼んでいないはずなのに来ているらしいガープ中将の声だ。
声以外にちょいちょい入ってくる軽快な音(しかも2種類)は、おそらくガープの煎餅とセンゴクのおかきだろう。……時折、お茶をすする音もする。
今、元帥執務室は海軍老人会のお茶スペースになっているようだ。
「帰りたくなくなるようなこと言わねーでくれよ、おつるさん。……んで、お三方……何か先生に伝えることとかあります?」
その質問に、一瞬だけ、電伝虫の向こうが静かになるものの、
『ないよ。大丈夫だ。安心してケリつけてきな』
「……ホントにいいのか? 下手したら、これが最後の……」
『あんたらひよっこと一緒にするんじゃないよ。こちとらアイツとは何十年って付き合いだ……。もう、言葉なんて何もかも交わし尽くしてんのさ。今更言うことなんて、ありゃしないよ』
『ああ……きっと、ゼファーもそうだろう』
「……わかった。それじゃ……」
ガチャ、と音を立ててクザンは受話器を置いた……と同時に、その甲板に、突如空から降り立つ人影があった。
突然のことに、周囲の海兵達がぎょっとするものの、既に気づいていたクザンは『よう』と軽い感じで声をかける。至極当たり前のように。
「悪いな、待たせちまって……“海賊文豪”」
「ホントですよ全く……もう全部終わっちゃいましたから、海軍の出番ないですよ…………って、言いたかったんですけどね」
と、何か含ませるような言い方をしたスゥ。
それを聞いただけで、クザンは……何が言いたいのかを察した。
『含み』の部分になっているのは、自分達が師と仰ぐ人物だけに……付き合いが長い分、それを理解するのは特に難しくもなかった。
あの人ならそういう選択をするだろうと、予想できてしまうから。
「……そうか。わかった、ここから先は俺達が引き受ける。お前さんは、手勢の『金獅子海賊団』も含めて撤収して……手を引いてくれ」
「……ついていって、見届けるとか……そのくらいは?」
「……悪い、遠慮してもらえると……助かる」
「…………」
「あの人のことは、俺達で送り出してやりたいからよ……頼むよ」
「…………ハァ」
ため息一つついて、スゥは……背中に翼を生やした。
「わかりましたよ。後は……お任せします。ゼファーさんは、無事だった船に他の連中と乗り込んで逃走するって言ってましたよ、追うなら急いだほうがいいかもですね」
「あららら、そりゃ大変だ。おーい、観測頼む。逃げる船は見えるか? どっちに向かってる?」
「はっ! 確かに、『NEO海軍』の船団から離脱して逃走する船が1隻!」
「本船と随伴2隻でその船を追え。残りはこの海域に残って、NEO海軍の船の制圧と物資の回収を。ダイナ岩もだ。扱いは慎重にな」
「え、物資もそっちで回収しちゃうんですか? 『王下七武海』の特権として接収するつもりだったんですけど」
「あー……重ね重ねすまん。でも、さすがにモノがモノだからよ……危険物よそに流すわけにもいかないから……ごめんなホント」
「もう……今回の件、最初から最後まで振り回されっぱなしだったんですけど。私じゃなかったら手出てるんじゃないですかコレ?」
「ごもっとも。後でなんか埋め合わせするからよ」
申し訳なさそうに、気安い調子で話すクザンに、ぷいっと面白くなさそうに背を向けるスゥ。
「全くもう……わかりましたよ、部外者はさっさと帰ります。……雨も降って来たみたいだし」
「ん? 雨? いや、雨なんて…………!」
「………………」
背中を向けているスゥの顔は、クザンからは見えない。
しかし、何かを察したクザンは……黙ってうなずいた。
「…………ああ、そうだな。降ってきたな……風邪ひかねえうちにさっさと帰んなよ」
「……じゃ、お先します。お疲れさまでした」
☆☆☆
『さっさと逃げな、“海賊文豪”。……ああ、悪いが、こいつのこともついでに連れてってくれると助かる。面倒見ろとまでは言わねえから、どこか適当な島まで……おいおい、何だその顔は?』
『何? 逃げるか投降しろって? もう『グランリブート』を実行する気がないなら、争う理由もない? はっはっは……優しいなあ、おい。でもな、バカなこと言っちゃいけねえよ……諦めるにしたって、それとこれとは別だ。一度走り出した男には、相応の終わらせ方ってもんがある』
『投降したところで、どの道俺に未来はない。監獄行きか……そうでなくとも、およそ『自由』と呼べるもんはなくなる。今回のことを負い目に、政府の言いなりになっていいように名と力を使われるのは、ごめんだ。だったら……最後まで少しでもカッコよく行きたいだろう』
『何より……見ろよ、アレを』
『クザンに、ボルサリーノ……ドーベルマンやらストロベリーやら……あんなにたくさんの教え子達が、俺を止めに来てくれたんだ……。色々思うところもあっただろうによ……海兵として、決意を胸に……この『ゼット』を止めに来てくれた』
『こんなに頼もしい、こんな嬉しいことはない……! だったら俺も……最後まであいつらに付き合ってやらなきゃいかんだろう。カッコ悪い姿なんぞ、見せるのはごめんだ……!』
『だからよ……さっさと行きな、お嬢ちゃん』
『お前は……お前達は、生きろ。どんな形でも、ろくでなしばっかりの世界でも……それでも希望はあると信じた……この先の、未来を』
『さあ……行け!』
……これが、ほんの数分前の、ゼファーさんと私の会話。
この後、サングラスをかけ直し、吸入器をくわえるゼファーさんを置いて……私は、ツヴァイちゃんをひっつかんで、飛んで……その場から離脱した。
クザン元帥のところに降り立ったのは、ツヴァイちゃんを安全な場所に置いて……さらにその後だ。
「……本っ当……! 海兵って、どいつもこいつも……!」
☆☆☆
その、数時間後。
海軍による犯罪者の追跡とは思えないほど、のんびりとしたペースでの追いかけっこを経て……ゼットと、クザン達は、とある島に上陸していた。
「『パンクハザード』……だったか。数年前に、海軍科学班が起こした事故で汚染され、立入禁止になった島……数年経って毒も消えてるようだな。暴れるには、うってつけだ」
クザン達の前で、ゼットは今一度吸入器を使い……そして、バキッと握りつぶして破壊する。
もうこの先、これは必要ないとでも言うように。
そしてクザンは……能力を発動し、巨大な氷を周囲に生み出す。
それは、ゼットを含めた自分達の周囲をぐるりと覆うように展開し……氷のコロッセオの中に、海軍とゼットは閉じ込められた。
「おいおい何だこりゃ。こんなもん作らなくたって、逃げやしないぞ俺は」
「目隠しですよ。ま、こんなとこのぞき見してる連中なんていやしないでしょうが……念のためにね。そうでもしないと……あんたを『先生』と呼べないでしょう」
「変なところで律儀な奴め……」
くくく、と笑いながら……ゼットは今一度、目の前に立つ男達を見る。
新しく『元帥』となったクザンに加え、大将黄猿ことボルサリーノ。
以下、中将達。
皆……大なり小なり自分が面倒を見てきた面々だった。
ある者は決意を固めたような表情で、ある者は気を引き締めつつも悲壮さを押し隠せない表情で……ある者は歯を食いしばり、ある者は涙を流し……
『悪』を前にしているくせに、何ともちぐはぐな様相。
しかし、そんな景色が……ゼットには嬉しく思えてしまった。
(あんな顔をさせてしまっているのは俺だというのにな……だが、何も言わずにこうして出て来てくれたんだ。なら、俺も……最後まで、俺らしくありつづけよう!)
笑みを深めたゼットに対し……クザンが口を開く。
「……無粋かもしれませんけど……最後に一つだけ」
「?」
「俺達は……これからも戦いますよ。あんたが失望しちまった世界を……海軍を……少しでも、見れたもんにするために。……このろくでもない時代で、『正義』の看板を背負って戦うに足るだけの組織になって……そうであり続けるためにね」
「口では誰でも、どうとでも言えるぞ、クザン。できるのか、ひよっこのお前に? センゴクすら多くを諦め、取りこぼしたこの……ろくでもない世界で、正義を張り続けられるか」
「やってみせますよ。……俺達全員、誰に鍛えられたと思ってんすか?」
「……ははっ。くくく……はははははっ! ああ、そうだな……よく言った、よく言ってくれた、ひよっこ共!」
「だが……ああ、だがそれでも心配だなあ。果たしてお前らが、この先の『新時代』を……きちんと戦い抜いていけるかどうか……ああ、心配だ。これは、ちゃんと確かめなければいけないな!」
「心配すんなって言ってんでしょ、先生。まあでも、そんなに確かめたいならご自由にどうぞ……嫌ってほど教えてやるからよ、俺達がどれだけ成長したのかを……どんな力で、どんな覚悟で、この先の時代を戦っていくつもりなのかをよ!」
「言ったなクザン! いいだろう、見せてみろその覚悟! 情けなくて死んでも死にきれないようなザマぁ見せてくれるなよ!」
「だとよ! 全員気合入れろ……俺達の先生に……最後にぬるいもん見せちゃいられねえぞ!」
「「「応ッッッ!!」」」
「全員かかってこい……お前らに、最後の稽古をつけてやる!!」
☆☆☆
この日。
多くの海兵に……そして、一部の海賊にすら慕われ、尊敬された、1人の英雄が……歴史から退役した。
ゼファーさんは、生き残るかどうか最後まで……というかついさっきまで悩んでたんですが、最終的に『彼なら最後まで貫き通すだろう』と思ったので、この結末にしました。
あと、もし仮に生き残ったとして……スゥの味方になるとか、スゥの世話になるっていうのも想像しづらかったのもあります。イコールでシキ(悪い海賊)の世話になるってことだし。
生存を望んでいただいていた方々には不本意な不本意だったかもですが、このようになりました。