大文豪に私はなる!   作:破戒僧

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今回と次回の話、多少オリキャラやクロスオーバーキャラが出てくるかもです。
苦手な方ご注意ください。


第222話 能力者のバーゲンセール(中編)

 

 

 とりあえず、ママは……きちんと私とパパでお説教した後、職場に戻しました。

 

 処分が甘いんじゃないかって? ……まあね、正直私達としてもそう思うよ。

 『悪魔の実』……それも、『オペオペの実』なんていう、数ある悪魔の実の中でも特殊性が高く、鬼の応用範囲の広さを誇るそれを、盗んで勝手に食べたなんてことになれば……普通は極刑まったなしである。海賊だろうが海軍だろうが。

 

 実際、パパはもちろん、私でも……食べたのがママじゃなかったらそうしてた。

 問答無用で『ヘブンズ・ドアー』で何か背後関係がないか確認した後、その場でバッサリ殺ってた。

 

 しかし……さっきもちらっと言ったように、今回のこれは、結果的にだけど最適解でもある。

 この金獅子海賊団の中で、『オペオペの実』を食べることで最もその力を発揮できるのは……まず間違いなくママだ。稀代の天才、ベネルディ・ソゥだ。

 あの実は、あの能力は……戦闘能力以上に、医学の知識と技術が重要だから。

 

 ぶっちゃけ、今回のことがなくても……さんざん悩んだ末にだとは思うけど、『オペオペの実』はママにあげてたと思う。

 それが早まっただけと思えば……うん、ギリギリ許容できる、か。

 

 しかも、その予想が正しかったことを裏付けるように……ママってばさっそくやらかしたからね。

 

 何をしたかって? あの人、能力を手に入れた直後に、もうそれを使いこなしてさ……さっそく自分を手術して、ママの体を蝕んでいた『不治の病』を治しちゃったんだよ。

 しかも、『オペオペの実』を食べた、その日のうちに。

 病巣を切除して、その影響を受けている他の部位の体組織もスキャンして特定して……後なんか色々やってたみたいだけどちょっと専門的で全部はわかんなかったから省略。

 

 そしてその翌日、『念のため検査お願いしまああああす!』ってDr.インディゴに突撃して……

 

 んで、もう1つ念のため、彼以外にも腕利きの医者に声をかけて検査してもらって……

 

 

 

「……はい、完治です。信じられないことに……しかし間違いなく、全て正常に治っています」

 

「フォスフォスフォスフォス! ああ、特に問題は見受けられなかったな! ただまあ、多少虚弱気味ではあるようだが、これはどちらかというと体質だろうし、病気らしきものはなかったぞ」

 

「俺も同じ診断だ……というか、本当に病気だったのか? いくら調べても病巣らしきものがどこにも……これではまるで……」

 

 

 

 順に、Dr.インディゴ、ドクトル・ホグバック、ローの診断。

 ママを除けば医療関係の識者スリートップである彼らの診断で、問題ないというのであれば……うん、マジで治ったんだろうな。

 

 ママすげー……食ってからノータイムでこんだけ使いこなせるのかよ。

 

 こうしてママは、きちんとした健康体に戻り、また今日も元気に研究室で辣腕を振るいすぎているのでした。めでたしめでたし(?)。

 

 ……さーて、めでたしめでたしってことで……研究室スタッフから提出された、精神疲労と難聴の労災認定の書類処理しないとなー……。

 

 

 

 あ、ちなみにさっきさらっとお医者さんの中に変なのが混じってた件について。

 

 なんでうちにホグバックがいるのかっていうと……『スリラーバーク』ごとうちで保護してるからだ。

 

 ペローナの希望通り、彼女の主である元王下七武海・モリアを探していたわけだが……すこし前に見つけることに成功した。

 その際、島1つを乗せているあの『世界一巨大な海賊船』に加え、部下であるホグバックとアブサロムも回収できたので、そのまま保護したってわけ。

 やっぱり生きてたよ。原作ではその後の描写はなかったけど、きちんと逃げられてたんだな。

 

 けど今のモリアは、頂上戦争の時の怪我こそ完治していたものの、王下七武海でなくなったことで追われる身だった。

 公式には『死亡』ってことになってる以上、居所がバレれば確実に政府から刺客を向けられる。しかも、麦わらの一味との関わりからこっち、色々あってゾンビの軍団もほとんどいなくなってしまった――正確には、そいつらを動かす『影』がない――ので、戦力も激減。

 

 そんな状態での逃亡生活はやはり楽ではなかったんだろう。

 ただでさえあいつ図体デカいから、隠密とか逃亡には致命的に向いてないし……ホグバックも中々に特徴的な見た目だから同様。

 アブサロムなら、能力があるから隠れるのは簡単かもだけど……見た目は目立つもんな……。

 

 そんなモリア達に対し、パパが自ら交渉に出向き、しばしの間かくまう代わりに、傘下の海賊団として色々と手を貸す……ってことで、協力関係になったんだよね。

 

 今現在、『スリラーバーク』の巨船は、パパの能力で空に浮かせて……近場の『空島』に隠してある。スカイピアとはまた別だけど、かなり大きな『海雲』を有する空島があって、そこならあれだけの大きさの島船も隠しておけるし。

 

 そんなわけで、ゲッコー・モリア以下『スリラーバーク』の皆は今、金獅子海賊団にいます。

 いつかは出ていくかもしれないけど、それまでの間は協力関係だ。モリアも『借りはきちんと返す。敵になるのはその後堂々とだ』って言ってた。パパもそれを了承してたし、まずは問題はない……と思う。

 

 そんで、さっそくそのモリアの協力込みで色々企んでるみたいだしね、パパ。今度は何を考えてるんだか……。

 

 そしてその間、モリアの部下の人達……といっても、ペローナ、ホグバック、アブサロムの3人だけだけど、それぞれ仕事についてもらってます。

 

 ホグバックはさっき言ったように、技術班の手伝い。主に医療分野。

 ペローナは、ゾロ達の修行の手伝い。主に拠点での雑用や……『ネガティブゴースト』を生かした精神面の鍛錬とか。

 そんでアブサロムは、『スケスケの実』の能力を生かした諜報関係。

 主にこんな感じだけど、他にも色々必要に応じて手伝ってもらってます。

 

 なお、アブサロムには最初に『スケスケの実の能力でお風呂の覗きとか企てたら去勢するから』ってきつく言っといた。『覇王色』の威嚇も込みで。

 めっちゃ冷や汗流しながら首を縦にぶんぶん振ってたので、きちんと理解はしたと思う。

 

 あいつ、原作でもお風呂入ってたナミのこと覗いたりしてたからな……。

 

 なお、こんだけきちんと注意したにもかかわらず、破ったら……最悪、マジで去勢する。

 あるいは、ママにあげちゃうのも手か? ママの研究室、割といつも人体実験用のモルモットを欲してるからな……。

 

 

 

 さて、話がちょっと脱線しちゃったけど……そんなわけで、ママは健康体になれたわけだ。

 なので、今後の働きに期待するってことで、ひとまずはおとがめなしにしました。

 

 これまでもそうだったんだ。ママなら、健康に戻った体を生かして、期待以上、必要以上の成果を、私達にもたらし過ぎてくれるだろう(確信)。

 期待半分、不安半分で、覚悟して待とうと思う。

 

 

 

 

 

 ……そんな私達の覚悟なんか余裕でぶっちぎる『成果』をママが引っ提げて現れやがるのは……このわずか1か月後のことだった。

 そのことをもちろん、私達はまだ、誰も知らない。

 

 

 ☆☆☆

 

 

 さて、そんな感じで、『未来産悪魔の実』による能力者第一号はママになったわけなんだが……それ以降も何人か能力者を増やしたので、簡単に紹介しようと思う。

 

 まずは、以前パパが拾って連れて来た……元・世界政府の諜報部員。

 CP9の新入りだった男……『海イタチのネロ』。

 

 今は、うちのレオナと模擬戦の最中である。

 

「“嵐脚・槍”!!」

 

「“嵐脚・惨爪”!!」

 

 槍のように鋭く、密度を濃くしたネロの嵐脚を、レオナは連続で放ったそれで迎撃する。

 

 そのまま一気に近づいて殴ろうとするものの、ネロはひらりと『紙絵』で回避。

 そしてその隙をついて、『指銃』を打ち込むが……レオナの素の防御力を抜くことができずに『ガキン』と止まってしまい、ちっ、と舌打ちをして、追撃が来る前に離れた。

 

 直後、一瞬前までネロがいた場所を薙ぎ払うようにレオナが後ろ回し蹴りを放ち……しかも放ちながら『嵐脚』も放って追撃した。

 

 飛んできた鎌風を、ネロは今度は『鉄塊』で防御。『武装色』も纏っていたようで、傷はないみたいだが……やや響いたようで、少し顔をゆがめていた。

 

「やれやれ、これが才能って奴か……羨ましいったらねえな。ロブ・ルッチの奴といい……調子に乗ってた頃の俺がどんだけ『井の中の蛙』だったかってのを毎度わからされるぜ、シャウ!」

 

「そういうこと言う割には全然当たらねーじゃん、あたしの攻撃。相変わらずすばしっこいなー」

 

「当たり前だろ。レオナお嬢の攻撃なんぞ、俺みたいなのが1発でも貰ったらそれだけで戦闘不能になっちまうよ。武装色使ってても耐えられるか怪しいもんだ。それに……一応は体術の教官役として、生徒にあんまり情けねえとこを見せるわけにも、簡単に超えられるわけにもいかねえしな」

 

 そう言って余裕そうに見せるネロ。

 

 ぶっちゃけ、今のネロよりもレオナの方が、単純な戦闘能力自体はすでに上だ。

 けど、すばしっこさや体術の技術においては、まだもうちょっとネロの方が上なので、引き続き教官役をやってもらっている。

 

 さっきのセリフも、まったくのでまかせや強がりで言ってたわけじゃないだろうしな。大なり小なり、自分の意地として言っているか、あるいは、自分に言い聞かせてる部分もあるだろう。

 

 なお、ネロの名誉のために言っておくと、彼自身も以前……エニエスロビー到着前の『海列車』での戦いでフランキーに負けた時よりは、俄然強くなっている。

 それまでは『四式』使いだったのが、きちんと『六式』全て使えるようになったし、覇気も覚えた。パパの指示で様々なミッションに赴き、経験も積んだ。

 

 そして今回、さらに……

 

「じゃあお嬢、こっからは能力ありで行かせてもらうぜ……!」

 

 そう言うと同時に、ネロの体が変化していく。

 

 体中に頑丈そうな鱗? 皮膚? が現れて覆われていき……手足に鋭い鉤爪が生える。

 元々服のデザイン的に大きく開いていた背中……腰のあたりから、すらりと細長い、鞭のような刃のような尻尾が伸びて、ひゅうん、としなって音を立てた。

 口が大きく裂けて牙がずらりと生え、目は爬虫類のような盾に割れた瞳孔に変化する。

 

 一言で言い表すなら、細身ですばしっこそうなトカゲ人間。あるいは……恐竜人間、といった見た目になった。

 そして、当たっているのは……後者の方だ。

 

 動物系『リュウリュウの実』(古代種)

 モデル:ヴェロキラプトル

 

 それが、これまでのネロの働きと能力を評価したパパによって下賜された……ネロの新たな力である。

 

 体術使いに抜群に相性のいい『動物系』……その中でもタフネスに定評のある『古代種』。

 それでいて、恐竜の中でも、体は小さいがその分すばしっこくて、ネロ自身の強みというか戦い方を存分に生かせる、最適解と言えるチョイスだ。

 

 このレオナとの模擬戦ないしトレーニングは、彼にとっても、この『恐竜』の能力を熟達させる格好の場というわけである。

 

 

 

 そんで、その後しばらく鍛錬を続けて……只今休憩中。

 

 結局今日も、ネロはどうにか『いいの』を一発ももらわずにレオナの攻撃をさばききるか、あるいは耐えきって修行を終えた。

 でも、覇気もかなり使ったし、疲労は割と大きかったようで、終わった後すぐに帰って行った。

 

 レオナの方はというと、こちらもそこそこ疲れてはいるようだが、ちょっと休んだくらいですぐに回復したようだ。

 今は……

 

「あっはっはっは、こらこらやめろってドラ~! 私汗かいたばっかなんだからそんななめたらしょっぱいだろー?」

 

 口ではやめるように言いつつも、そうしていつものように動物の友達とふれあい中である。

 ただしいつもと違って、今触れ合っているのは、メルヴィユ産の動物ではない。彼女の故郷……空島『スカイピア』から連れて来た、『雲ウルフ』である。

 

 この子は、割と前から……それこそ、頂上戦争が終わった直後くらいからレオナが飼い始めた奴だ。

 その時スカイピアに遊びに行っていたレオナは、『神の島』で、群れからはぐれてしまった子供の雲ウルフを見つけた。ケガもしているようだったので、一旦連れ帰って手当てをしてあげた。

 そしてしかし、怪我が治ってからも元の群れに戻ろうとはせず、レオナと一緒に居たそうだった(というか群れ自体見つかってなかったが)ので、そのままメルヴィユで一緒に住み始めたわけ。そしてその際、『ドラ』って名前も付けた。

 

 他のメルヴィユの動物達と違い、少し大きめの狼、という程度のサイズなので、時々家の中にまで連れて行ってかわいがっている。

 

 そんなドラだが、実は……結構強い。

 レオナと元気いっぱいに遊んでいるのがそのまま割と修行になっているのに加え、動物を育てて躾ける専門家として、『スカイブリーダー』ことオームに協力を依頼したので、躾もきちんと行き届いていて、こっちの言うことをきちんと理解し、言うことを聞く。

 何より相応のトレーニングも積んだため、今言った通り結構強い。

 

 さすがにオームの相棒であるホーリーみたいに、二足歩行だの拳闘だのって滅茶苦茶な動きこそしないものの、修行島こと『ルーボッツ島』でレオナと一緒に狩りに出た時、猟犬役やれるくらいには強くなった。

 

 そんなドラだが、実は(二回目)……こいつも新たな『能力者』である。

 それなりに見込みがあるってことで、レオナがパパから食べさせる許可を貰ってた。

 

 あ、今ちょうど変身する。レオナを乗せて『飛んで』、空の散歩に一緒に行くみたいだ。

 

 毛並みふかふかの体が変化し、その一部が……さっきのネロと同じような、鱗のような皮膚のような頑丈なそれで覆われていく。

 4本の足のうち、前足2本が、恐竜のそれを思わせる、長く伸びた指と鉤爪に変わる。

 顔も、狼と恐竜が合わさったようなそれに変化し、背中から翼が生えた。

 

 結果、どうにか一言で言うと……グリフォンの親戚みたいな感じの、キメラ的生物になった。

 

 ご存じの通り、グリフォンは、鷲の頭と前足、翼をもち、胴体と後ろ脚、それに尻尾はライオン……という特徴を持つ、2つの動物が合わさった幻獣だ。

 そしてこのドラは、鷲とライオンではなく、翼竜と狼が合わさった見た目である。

 

 顔、前足、翼が翼竜。

 胴体、後ろ足、尻尾が狼。……すげえ見た目だな……。

 

 けどそんな見た目でもレオナはきちんとかわいいらしく、ひとしきりほおずりしてかわいがった後、その背中に乗り、ドラは飛び立って空中散歩に行きましたとさ。

 

「もう少しでおやつの時間だから帰って来なねー?」

 

「はーい!」

 

 ……おっと忘れてた。

 

 

名前:ドラ(雲ウルフ)

能力:動物系『リュウリュウの実』(古代種)

   モデル:ディモルフォドン

 

 

 『プテラノドン』かとおもったら微妙に違ったんだよね。

 一応、『プテラノドン』の能力も存在はしているそうなんだけど、どうやら未来から持って帰ってきたものの中にはなかったみたいで。

 

 さて、まだまだいるよ他にも。新しい能力者。

 

 続く!

 

 

 

 

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