……読む前に皆様に一言。
今回のコレは完全なネタ回なので、頭を空っぽにして細かいことは考えずに読んでください。思い付きと勢いだけで書いたので作者自身何も考えてません。マジで。
……多分疲れてたんだと思う。
あと、思いっきりクロスオーバーキャラが出てくるので注意です。
どうぞ。
……どうして……
……どうして、こんなことになってしまったんだろう。
こんなはずじゃなかったのに。
こんなつもりなかったのに。
でも、もう取り返しがつかない。
彼は……
彼は……もう……
「……っ……ごめん、ゾロ……っ……!」
☆☆☆
スゥの、血を吐くような慟哭から遡ること……数時間前。
「何だよスゥの奴、遅れてんのか? それとも……迷子か? 今日ここで稽古だって言ってたっつーのに……全く」
いつものパターンで、修行予定地としてスゥが指定していた場所とは全く違う場所……どころか、全く違う空島にたどり着いていたゾロの姿がそこにあった
厳しい修行を経て、専用の道具を用いることなく、空中を走れるようになったゾロ。
しかしその結果、彼の『行動範囲』……すなわち、イコールで『迷子になる可能性がある範囲』がとてつもなく広くなってしまったのは言うまでもない。
空中戦もこなせるようになったため、これも成長には違いないが……素直に喜べない事態に、スゥ達はため息をつくしかない有様だった。
なお、スゥはきちんとゾロが迷子になる可能性を考慮し、『ペローナと一緒に来るように』と保険をかけていたのだが、ゾロはそのペローナを呼びに行く段階で迷子になり、『何だよどこにもいねえな……仕方ねえ一人で行くか』とか何とか考えた末に今に至っている。本当にどうすればいいのか。
そんな調子で今日も迷子になったゾロだったが……この日が、彼にとって……ある意味運命を変える日になった。
迷子になって、場所を間違えてここにいるのだから、普通であれば『修行』など何も始まるはずもないし……いつまで経っても何もなければ、もと来た場所に帰るなり、スゥに連絡するなり、何かしらの対処を取っただろう。……それで帰れたかどうかは別として。
「ん? 向こうに誰かいるのか……スゥ達じゃなさそうだが」
しかし、偶然にもこの日……そこには、ゾロ以外の『誰か』がいた。
……否……『何か』というべきかもしれないが。
ゾロにとっては、見覚えのない相手だった。
しかし、それ自体はそれほど不思議には思わなかった。ここ最近、ゾロの修行相手として、知っている者も知らない者も、幾人か新たに訪れていたからだ。
空島で戦ったエネルや、その部下である4人の『神官』。
スゥやシキが勧誘し、新たに『金獅子海賊団』の傘下に加え……その中でもきちんと秘密を守ることができる者達。ボニーや、元BWの面々など。
『NEO海軍』の一件を知らないゾロにとっては初顔合わせとなった、イリスやスノウ。そして、イリスが作ったホーミーズなど。
さらには、この数か月の間には、大親分であるシキや、その古参の部下達が訪れることもあったため、会ったことのない相手との稽古に、そこまで抵抗も違和感もなかったのだ。
しかし、その日ゾロが出会った相手は……スゥ達が手配した『修行相手』などではなく……
「おい、あんたが今日の…………は?」
『今日の修行相手か?』と聞こうとして近づいて……その『何者か』の姿、全容を目にしたゾロは……絶句した。
絶句するしかなかった。
何せ、そこにいたのは……
☆☆☆
時を同じくして、そことは全く別な空島。
より詳しく言うなら、今日、スゥとゾロが稽古をするはずだった空島。
「……とうとう案内役のところまでたどり着けないレベルになったか」
「す、すまん……もっと早くにミニホロでもなんでも出して見張っておくべきだった。調子いい時はきちんと私の部屋まで一人で来れるんだが……」
「……字面だけ聞くと、小さい子のお使いの失敗報告みたいじゃな」
「え、何、ゾロまた迷子?」
「いやあそれ、ペローナは悪くないよ。……日に日に異次元の方向に方向音痴と、それを認識できない感性を進化させていくゾロが悪いんだよ」
どうやら別な空島にまで行ってしまったようだし、これは今日の修行は中止だろうか……と、スゥと三人娘が考えていたその時。
「お母さん、お母さぁあーんっ!」
そんな悲鳴のような声と共に、空からイリスが舞い降りて来た。ホーミーズのどれかに乗って飛んできたようだ。
その表情は、ひどく困ったというか、焦ったようなものになっていた。ともすれば、『グランリブート』の一件の時と同じか、それ以上の動揺が見て取れた。
それだけで『ただごとではない』と悟ったスゥ達は、すぐにイリスの話を聞く姿勢に入る。
「どうしたのイリス、何かトラブルでも起こった?」
「それがその……ごめんなさい! 私の……私のせいなの!」
イリスの報告は……開口一番、まだ何も事情を聴いていないうちから、謝罪から始まった。
「私がちゃんと見ていれば……ううん、そもそも、私があんなことしなければ……あんな、あんなもの生み出さなければ……どうして、どうしてあんなことに……!?」
「落ち着いてイリス! 何があったの、ちゃんと説明して? 焦らなくていい、ゆっくりでいいから……ね?」
「そうそう。ボクもお母さんもちゃんと聞くし、困ってるなら助けてあげるから。ね?」
過呼吸になるんじゃないかと言うほどに狼狽しているイリスを、スゥに加えて、『父親』にあたるアリスも加わって、なだめながら続きを促す。
そのかいあってか、少しずつ落ち着きを取り戻していき……肩の震えが収まったあたりになって、イリスは一度深呼吸して気持ちを落ち着けると、あらためて話し出した。
……申し訳なさそうな表情だけは、変わらないままだったが。
「……私が作ったホーミーズが……暴走しちゃったの。生まれると同時に暴れ出して、逃げ出して……捕まえようとしたけど、私とスノウが2人がかりでも止められなくて……」
「ホーミーズが暴走? 能力者であるイリスに逆らってなんて……そんなことあるの?」
「すごく珍しいけど、ないわけじゃないの。ホーミーズは基本的に創造主には逆らえないけど、あまりに我が強かったりすると……反抗することがあるから。もっとも、私は基本、命令して押さえつけるようなことはしないで……ホーミーズとは1人の例外もなく友達になってるから、そういうのは経験したことないんだけど……」
「今回作ったホーミーズは、違ったと?」
「うん。……といっても、悪い子じゃないと思う……ただ、とんでもなく我が強いというか、理解もできないくらい滅茶苦茶にぶっとんだ性格をしてて……とても私の手に負えない感じで……」
「……凶悪な性質を持ってるとかではないのか。それはよかったが……なんというか、随分と珍妙な……イレギュラーなホーミーズが生まれたんじゃのう」
「あー、うん、でもそういうの動物達の中にもたまにいるからわかるよ。悪い子じゃないけど色々ぶっ飛んでて、仲良くはなれるけど言うことは聞かない感じ」
「随分とじゃじゃ馬だね……で、イリスの言うこと聞かないでどっか行っちゃったの?」
「うん。空飛べるような変化をしてたから、すごい勢いでカッ飛んで行って……途中、行かせないように立ちはだかったイフィジャールとかオキューとか、皆ぶっ飛ばされちゃって……」
「それは……とんでもないの作ったね、イリス……。スノウやイフィジャール達は大丈夫だった?」
「大丈夫。目回しちゃって気絶したけど、怪我は……それこそ、不自然なくらいに『怪我は』ないの。あの勢いで激突されたら、骨くらいイっててもおかしくないと思ったんだけど……まるで、お母さんが時々書く、ギャグ系の小説みたいに」
「……んー……それはまた、なんか、独特な感じだね……ってか、そのホーミーズって、一体何に『
「……別に変なものってわけじゃないと思う。ただ思い付きだったし……そもそも何であんなハチャメチャな感じになっちゃったのか……。それでね、『魂』を入れたのは……」
「……魚雷、なんだけど……」
☆☆☆
「か……はっ……!?」
その頃、ゾロのいるとある空島。
(バカな……全く、攻撃が通じねえ……3本とも使って、覇気もこめて……それなのに、まるで効いてねえだと……!?)
あまりに高い壁。
あまりに遠い道。
あまりに強い敵。
それこそ、覇気も知らなかった時分に、『東の海』でミホークに挑み……惨敗したあの時以来の、絶望にすら近い感覚をゾロは味わっていた。
ノコの『ネムネムの実』の夢でスゥを相手にしていた時ですら、ここまでの感覚はなかった。
(なんなんだ……こいつは……!?)
それほどの、理不尽とすら言える力の差を突き付けてくる目の前の存在。
全く理解が及ばないその存在に対して……ゾロは心の中で、帰ってくるはずもない問いをこぼしていた。
(こいつは、一体……何者なんだ!?)
「立ちなさい坊や。そんなんじゃカンヌのレッドカーペットは目指せないわよ」
(……いや目指してねえし知らねえし、つかホントに何なんだこいつは……!?)
手足の生えた魚雷。
そう形容するしかない存在が、ゾロの目の前にいた。
ぱっちりとした目に、やたら濃い口紅、あるいは地の唇?があまりにも特徴的な……謎の生物。いや、生物かどうかも疑わしいが、一応意思疎通はできているので生物なのだろうとゾロはあたりをつけていた。
ただ、それ以外のことは全くわからない、理解が及ばないままだったが。
遭遇した後、微妙にかみ合わない会話を交わした後に……戦うことになった。
その時はまだゾロは、『今日の修行相手なんだろう』程度に軽く考えていたのだが……
「くっ……まだだ!」
3本の刀に覇気を纏い、足に力を入れ直し、地面を蹴ってすさまじい勢いで突撃する。
「三刀流……
目の前で『あらやだ、靴ズレ』と足の調子を気にして隙をさらしている魚雷めがけて、同時に3本の刃を振り抜き……
―――ビシィッ!!
「……なん……だと……!?」
魚雷は、
寝そべってポーズを決めながら足を上げ、その足の親指と人差し指で……3本の刀全てをつまむように受け止めてしまった。
「もう、落ち着きのない子ね。そんなにお姉さんに……この魚雷ガールにかまってほしいのかしら」
その魚雷―――魚雷ガールは、渾身の一撃で繰り出したはずのゾロの技を、全く脅威に感じる様子もなく……あっさりと指を放して、3本の刀を解放する。
「言ってくれればお姉さん、遊び相手くらいしてあげるのに……何も言わずに襲い掛かってくるなんて。お姉さん、ワイルドなのも嫌いじゃないけど、時にはちゃんと言葉にしないと伝わらないことだってあるのよ。よくわからない奴だなー、なんて思われちゃっても知らないゾ?」
この時ゾロは、ちくわに『中身のない奴は嫌いだ』と言われた気分になった。
「でも坊や、遊んでほしいなら後にして、今日のところは帰ってくれるかしら? 私コレからマイブームの部分瘦せヨガやるところなのよね」
「へっ……お断りだ……やられっぱなしで、終われるかよ……! どうしても追い出したいって言うなら、力ずくでつまみ出してみせな……さっきの俺の刀みたいにな……!」
と、ゾロが特に意識してでもなく……ちょっとうまいことを言った、その瞬間。
それまで、見た目はともかく『困ったわねえ……』と、年上のお姉さんを思わせる態度を見せていた魚雷の目が……カッと見開かれた。
瞬間、
発火。
「ふざけすぎ―――!!」
「ぐごあぁぁああっ!?」
魚雷としての本分を思い出したかのように、すさまじい勢いで突撃した魚雷ガールに弾き飛ばされ……ゾロは空島の空に舞った。
そのままきりもみ回転で落下し、あまりのダメージに受け身も取れず、また動けないでいる。
そのゾロの横に『サチコ』と降り立ち、
「どんなおふざけも許さない……なぜなら私は魚雷だから!」
存在自体がふざけている生物が、謎な決め台詞を見事に言い放った。
「そんな風に私のこと挑発してまで挑戦して来るとは言い度胸ね坊や! 気に入ったわ、あなたのこと認めてあげる。ただし、修行は厳しいわよ……ついて来れたならその時は、あなたをどこに出しても恥ずかしくない立派な魚雷に育ててあげる!」
「は? 魚ら……いや別に俺は……ってかお前やっぱ修行相手じゃ……いや別にそれならそれでもうぶべらっ!?」
「気を抜くな! 構えなさい! 敵と食後の血糖値は待ってくれないわよ!」
「ま、待っ……だから、何か勘違……」
「ガタガタ言ってないでちゃんと人の話を聞けェ―――!!」
「お前が聞けぐあぁぁああぁ―――っ!?!?」
その日。
とある空島に、ある剣豪の、ちょっとなんかいつもとベクトルの違う悲鳴が響き渡っていた。
☆☆☆
―――ぷるぷるぷる……ぷるぷるぷる……
―――ガチャッ!
「あ、よかったやっとつながった……もしもしゾロ!?」
『あ? ああ、何だスゥか……どうした、そんなに慌てて?』
「いやその、ゾロが今ちょっと変な魚雷に絡まれて吹っ飛ばされてたとかいう目撃情報が入ってきたもんで、まさかと思って……ええと、大丈夫だった?」
『ああ、何だ心配してくれてたのかよ? そりゃ悪いな。まあそうだな……ちっとよくわかんねえこと言われたり、最初は戸惑ったが、終わってみりゃいい修行だったよ』
(あっ、よかった、割とホントに大丈夫そう)
「そ、そう? ごめんね、ちょっとアレに関してはこっちの管理不行き届きな面があってさ……いやあ、ゾロに何かあったらどうしようかと」
『おいおい、誰に鍛えられて誰と一緒に修行してると思ってんだよ。まあ、心配してくれんのはありがてえが、大げさだっての。安心しろ、何も問題ねえよ―――』
『―――なぜなら俺は魚ラ……』
―――ガチャッ!
―――ツーッ、ツーッ、ツーッ……
「お、お母さん!? か、顔がなんか、能面みたく……えっ、ぞ、ゾロに何かあったの……?」
「…………何も……な゛かった……!」
Q.え、魚雷先生参戦すんの!?
A.しません。今回だけのネタキャラです。
こんなん常設キャラとして出したら全部ぶっ壊れる未来しか見えないし。持て余すどころじゃない。
Q.ゾロ大丈夫?
A.次回出てきたときには多分元に戻ってるから大丈夫。
まあ結果的に強くはなったことでしょう。