大文豪に私はなる!   作:破戒僧

303 / 306
第303話 大宴会

 

 

 ビッグ・マムの弔いについては、その子供達に任せることにした。

 プリンをはじめ、こちらに降伏してある程度の自由と命を保証された人達いたじゃん? 彼ら彼女らに任せて、埋葬なり火葬なりやってもらおうかと思って。

 

 シャンクスが『白ひげ』を弔った時みたいに、こちらで墓標とか色々用意しようかとも思ったんだけど……あの時と違って、私らは最後まで敵同士、互いに尊敬しあう、認め合うような間柄じゃなかったからね。なんか違うだろうと思った。

 それならいっそ、言い方は悪いが『丸投げ』してしまった方がいいかなと思ったのだ。

 

 弔うにあたって必要なものとかがあれば、最大限協力はすることにした。

 何せ今のプリン達は、このホールケーキアイランドでは実権はないに等しいので、物資の用意、島と島の移動すら満足にできない。

 

 パパと、その腹心の部下達ががめっちゃ有能でさ。私がビッグ・マムに勝利して、ビッグ・マム海賊団が逃げ出したり降伏したりして、主がいなくなった『万国』を、あっという間に制圧してしまった。

 その翌日の昼くらいには、もう、『万国』全体を覆って支配するシステムを構築し、『金獅子海賊団』としてその運営を始めてしまったので、元の支配者だった『ビッグ・マム海賊団』の影響力がもう残っていないのだ。

 

 それでも、強引にものを言って多少の影響力をちらつかせることくらいはできるかもしれないけど、そんなことをすれば今度こそ粛清・処刑の未来が見え隠れする。

 繰り返すが、彼ら彼女らは、大人しくている、トラブルを起こさないことを条件に、生存と、わずかな自由を認められているのだから。

 

 

 

 その、弔いの準備が進められている裏で……こんな話が進められていたりもした。

 

 今、私とパパがいるのは、『スイートシティ』の中心部に建てられた、金獅子海賊団の仮拠点。

 

 もともとはホールケーキ城が建っていた場所だけど、ご存じの通りあれは倒壊している。

 本物のホールケーキになってしまったその残骸は、ママの兵隊のシロアリ軍団が食べて処理したので、スポンジのひとかけら、クリームのひとすくいも残っていない。完璧に更地にして、整地も済ませたうえで、そこに、拠点を新しく作った。

 ドレスローザの王宮作った時と同じで、私の『紙』と、ギャルディーノの『ろう』、それに特殊な溶剤を混ぜ込んで……という超突貫工事で、半日でできました。

 

 その拠点の一室、会議室として使っている部屋に……私とパパはいる。

 それに加えて、ジェルマ66の総帥にしてサンジの父親……ヴィンスモーク・ジャッジ。

 さらに、ジョーカーことドフラミンゴの失脚で行き場をなくしていた、シーザーもいる。

 

 ジャッジとシーザーはどうやら元々知り合いみたい(しかも仲はよろしくない感じ)で、互いに面白くなさそうににらみ合っている。

 私やパパがいなかったら、取っ組み合いの喧嘩でも始めそうな空気だ。

 

 そんな2人を仮拠点(ここ)に呼んだのはうちのパパなわけだが、なぜそんなことをしたのかというと、だ。

 

「仲が悪そうなのは承知で呼んだとはいえ、同じ部屋にいるとまあ、いい空気とは言えねえ有様だな。さっさと用件を済ませてお開きにすっか?」

 

「そうしてもらえるとありがたいな、『金獅子のシキ』。どこぞのバカの顔などいつまでも見ていたいものではない」

 

「バカはどっちだジャッジ!? ビッグ・マムに騙されて殺されそうになって泣いてたくせに抜かすなよ間抜けが!!」

 

「よせっつってんだろうが。全く、研究者ってのはどうしてこう扱いづれェ人種が多いんだか」

 

(誰のことを言ってるのか超わかる発言だなあ……)

 

 私まで頭が痛くなっちゃいそうだったけど、脳内に思い出される大声系研究者(肉親)のことはどうにか無視して……

 

「さて……話を始めると言っといてなんだが、その前に1つ確認しとくか。ヴィンスモーク・ジャッジ。お前さん、これからどうするつもりだ?」

 

「? どう、とは?」

 

「今回、未遂に終わったとはいえ、世界政府加盟国であったお前んとこが、仮にも海賊であるリンリンのところと縁を結ぼうとした。当然、加盟国にあるまじき方針として問題視されるはずだ」

 

「……そうだな。今年はもうじき“世界会議(レヴェリー)”だが、参加権は剥奪されるだろう……それどころか、政府加盟国としての立場自体失ってもおかしくはないな」

 

 特に動揺はしていないようだけど、幾分トーンダウンした様子の声で肯定するジャッジ。

 テーブル越しに『ざまみろ』とでも言いたそうな顔で見てるシーザーは無視して、話す。

 

「仮にそうなるとして……今後は非加盟国としてだが、今まで通り『戦争屋』の通り名で、武力と勝利を求める者達に手を貸し、金を払える者を勝たせてやるやり方を続けるだろう。幸いというべきなのだろうが、今回、ビッグ・マムによる粛清を免れた上、そのビッグ・マム海賊団を逆に壊滅せしめた実績を手にすることができた。無論、『金獅子』の戦争に便乗した形ではあるがな」

 

『四皇』の一角を相手取った戦争に、海賊と協力してとはいえ参加し、勝利した。今自分で言った通り、独力ではなく便乗に近い形でだけど、これは決して小さくない事実ないし実績だ。

 国としての公的な立場は失うだろうけど、武力としての『ジェルマ』を求める者は、むしろ今まで以上に増えてもおかしくないだろうな。

 

「なるほどな……お前さんの現状と今後の見通しはわかった。そんでシーザー、そっちは今……ドフラミンゴの失脚で、今後ろ盾がなくて根無し草状態、だったな?」

 

「うぐ……」

 

 顔芸でジャッジを絶賛あおり中だったシーザーが、『痛い所を突かれた』とばかりにのけぞる。

 

 対するジャッジは、別段煽り返す様子はない。対応に大人の余裕を感じる。

 やっぱり子供を持つ親だとそのあたり違うんだろうか……でも、親は親でもどっちかっていうと毒親なんだよな……聞いてる限り。

 

「しかも、リンリンに嘘こいて研究費水増し請求して、それ使いこんで『ガールズシップ』に入り浸ってたんだろ? まあ、そのビッグ・マムは海賊団ごと壊滅しちまったから、それを咎められることはないだろうが……おめー度胸あるな」

 

 ……ちなみに『ガールズシップ』っていうのは、キャバクラみたいなもんである。女の子と楽しくお話ししたりお酒飲んだりできる船。

 東の海(イーストブルー)の『バラティエ』が海上レストランなら、こっちは海上キャバクラとでも呼ぶべきかな。なお、『バラティエ』と違って、こちらから出向くだけじゃなく、自分の島に呼ぶこともできる。お金かなりかかるけど。

 

 ……そんなことしてたのかこいつ。しょーもな……。

 

 いやパパの言う通り逆に度胸あるのかなコレは。『四皇』から提供された研究費を着服横領して女遊びに使うとは……。

 

「あ、ああまあ……ほんの息抜きにな? シュロロロロ……」

 

「ふん……浅はかな」

 

「うるせェよジャッジ! な、なあ親分さん、ものは相談なんだが……俺を雇わねェか? 兵器開発、特に毒ガスや化学兵器に関しちゃ自信あるぜ! 俺の右に出る奴はいねえ! これからあんたがどういうやり方で、誰を相手に商売するにしても、誰と戦うにしても、役に立てるはずだ!」

 

 苦笑しながらシーザーがそう言うけど、パパは意外にも嬉しそうに、

 

「そいつは願ったり叶ったりだ。実のところ、その為にお前さんをここに呼んだんだよ、シーザー」

 

「え、そうなのか!?」

 

 提案したシーザーの方が驚いてた。まさかこんなあっさり……というか、パパの方から言い出してくるなんて思ってなかったみたい。

 

「やってることが一部しょーもねえのはともかく……お前さんの技術力自体は俺ァ高く買っててね……今後俺も色々と、あっちこっちに手を伸ばしていくつもりなんで、優秀な研究者はいくらでも欲しいのさ」

 

 パパが『あっちこっちに手を』といったところで、シーザーもだけど、ジャッジの方もぴくりと眉を動かしたのが見えた。

 

「もちろん待遇は相応のもんを用意する。報酬も弾むし、研究資金もいくらでも出そう。何かいい研究が形になったら、ボーナスも出す。やり方の違いはあるから『やりたい放題』とまではいかねえが……ドフラミンゴのところにいた時よりもいい思いをさせてやるぜ?」

 

「シュ、シュロロロロ……そ、それはまた魅力的な……」

 

「ただし、もちろん俺の元では、リンリンの時にやってた使い込みなんかは許さんがな……もしもそういうのが発覚した時には、相応の覚悟をしてもらわなきゃいけねえ」

 

「そ、そそそそそそれはもちろん……はい」

 

 希望が見えて来て上機嫌になったり、脅しをかけられて冷や汗ドバーになったり……表情の変化が見ていて面白いなこのガス人間。

 しかしどうやら、居場所もなければ後ろ盾もない今の状況を何よりもまずどうにかしたいらしいシーザーは、パパの申し出を受けるようだ。

 

「すると金獅子殿、我らジェルマに対しての『要件』も同様のものか?」

 

「そうだな。と言っても、お前さんのところは『国』って形を成している以上、うちの海賊団に組み込むわけにもいかねえだろう……技術協力とか、共同研究みたいなもんを申し出たい」

 

「……気は進まんな。そちらの方針にケチをつけるつもりはないが、どこぞのバカと顔を合わせる機会が増えることを考えるとな」

 

「こっちのセリフだジャッジ! 親分さん、こんな奴と組む必要なんざねえよ。その分俺が……」

 

「だが」

 

 と、シーザーのセリフを遮るように言うジャッジ。

 

「正直に言って、1人の研究者として、『金獅子』が今回の戦争で使っていたいくつもの兵器、及びそれらに使われている技術には興味がある。それらに関する情報開示をしてもらえるのであれば、こちらとしても協力して研究を行うことはやぶさかではない」

 

「おォ、俺らんとこの技術に興味を持ってくれたわけか……嬉しいねェ。さすがに全部は無理だが……共同研究者になる以上は、必要な情報は開示するぜ?」

 

 今回の戦争……ママが開発した『マスドライバーキャノン』やら『ラムネ』やら、その他色々な兵器を惜しみなく投入して、大暴れさせたからな……。

 ジャッジからしても、見たことも聞いたこともない兵器もいくつもあっただろう。武力が商売に直結する『戦争屋』として、それらに興味を持ってくれたようだ。

 

 その後少し細かいことも話して……無事に、ジャッジとも……というか『ジェルマ66』とも協力体制を築くことに成功したようだ。研究部門で強力なパイプができたことになるな。

 

 それに加えて、以後ジェルマは、パパの協力者として、『金獅子海賊団』の拠点やナワバリを自由に使えるようになるし、必要に応じて補給を行ったり、取引もできるようになった。

 土地を持たない回遊国家のジェルマには都合がいい条件だろうな。

 

 ジャッジは、『血統因子』や人体改造・強化、クローン技術について。

 シーザーは、毒ガスなんかの化学兵器や、人造悪魔の実関係の技術について。

 

 それぞれうちにとって強力な味方になってくれるだろうが…………その前に……

 

「さて……無事に協力関係を築けたことは喜ばしい。だが、そのためには……こっち側の技術者とも顔合わせなり、自己紹介をしておかなきゃならねえと俺は思う」

 

(だよねー……)

 

 ジャッジもシーザーも、『そりゃそうだ』とでも言いたげな顔でうなずいていたが……それはこの2人が、今パパが言ったことの意味を分かっていないからである。

 うちの技術者……すなわち、ママと顔を合わせるということの意味を。

 

 

 そしてそのママだが、実はもう部屋の前に呼んである。

 

 合図をすると、ガチャリ、と部屋の入り口が開いて……

 

 

「失礼しまああああす!! お呼びでしょうか、親分さああああん!?」

 

 

「「!? !? !?」」

 

 相変わらず、衝撃波を伴っていると錯覚してしまいそうな大音量……。

 この2年間でさらに音量大きくなったんじゃないかとすら思うそれを不意打ちで食らって、2人とも目を白黒させていた。多分耳はキーンってなってる。

 

 私? 私とパパは前もって耳をふさいでたから無事だよ。

 ……余裕で突き抜けて響いてくるけどね、ママの声はそれすらも。

 

「お、親分……さん? この子供はいったい……」

 

「あー、ナリはそう見えるかもしれねえが……そいつがうちの研究員だ。あとついでに言うなら……ここにいるスゥの母親でもある」

 

「母親!?」

 

「おい、それいくつだよそこのガキ……いやガキじゃねえのか。え、本当なのか!?」

 

「ホントですよ……この人、私のママです。ちゃんと血繋がってます」

 

「どうもおおおおお! 始めましてえええええ! 金獅子海賊団研究開発部門第(ゼロ)班班長のソゥといいますううううう! 以後お見知りおきをおおおおお!!」

 

「“第0班”……?」

 

 変わった呼び名だからだろうか、ジャッジが不思議そうにしてた(耳ふさぎながら)。

 

 あ、うちの海賊団の『研究開発部門』は、第1班班長兼部門全体の総責任者がDr.インディゴで、表向きのトップなんだけど……もう1人、裏のトップとしてママがいるんだよね。非公開になってる『第0班』を率いる班長として。

 ちなみにそのDr.インディゴは、別件で今日はいないので、顔合わせはまた今度です。

 

 ママの行う研究は、強力で有用だけど、異端と言っていいレベルで特殊すぎるのが多いからね……表には出せないんだ。存在ごと隠して運営してる。

 ……この音量のせいで、存在の方はあんまり隠せてないけど。

 

 ともあれ、これから力を合わせて研究していってもらうわけだ。きちんと自己紹介して、互いに理解を深めてもらういい機会になるといいな。

 

 

 

 ……ジャッジとシーザーが、早くも視線と表情で『助けてくれ』って語りかけてきてる気がするけど、多分気のせいだ。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 それから数日後。

 戦後処理も一通り終わり、統治システム関係の調整やごたごたも収まった。

 ビッグ・マムの弔いも、済んだ。

 

 というわけで、随分先延ばしにしてしまったけど……ようやくこの時が来た。

 

 

「よぉしお前ら、随分待たせちまって悪かったな! 今日は俺達『金獅子海賊団』が、『ビッグ・マム海賊団』を破った祝いの大宴会だ! 思う存分飲み食いして騒げ! 乾杯!!」

 

「「「乾パァ―――イ!!」」」

 

 

 同じく『仮拠点』の一室にある……巨大宴会場。

 今日はそこに、ありえないほど大量の料理が並べられて、でかい戦いが終わった後に恒例の『宴』が行われているというわけだ。

 

 もっとも、今日の主役は、ワンピース的にはイレギュラーながら、ルフィ達ではなく……私達『金獅子海賊団』であって、ルフィ達はあくまで協力者っていう立ち位置での参加である。

 

 だからって食べちゃいけないとかそういうのは全然なくて、全然好き放題食べてくれればいいけどね。和洋中その他の料理が、本当にありえないくらいの量並んでるから。

 ルフィが大食いなのは知ってるけど、そのルフィでも絶対食べつくせないくらいある。

 

 何せ、こっちだって大食いはレオナやボニー、その配下のメルヴィユ動物王国組とかで見慣れてるもの。そいつらの胃袋を満足させつつ、部下達にもきちんとたらふくいきわたる量を用意してあるんだから。思う存分食べてくれ。

 

 それに、ルフィ達だってどっちかと言えば、宴の主役やるだけの立ち位置ではあるしね。

 何せ、戦争中にはビッグ・マム海賊団の幹部格を何人も倒してる。長男のペロスペローに加え、そいつが率いていたビッグ・マムの子供達を何人も。

 さらに、ゾロは敵の旗艦であるあの巨船を斬って沈めた実績もあるし。

 そもそも、戦争中、『食い煩い』だったマムを引き付けて囮役を全うしてくれたわけだしね。

 

 ルフィ達だけでなく、同じく幹部を倒したジェルマや、ウエディングケーキの運搬や終盤の雑魚敵の掃討戦に手を貸してくれたベッジ達『ファイアタンク海賊団』、海戦……特に封鎖戦で力を発揮してくれた『タイヨウの海賊団』も今回参加してます。

 人魚達も陸で楽しめるように、低空に浮くことができる特殊な浮き輪を装備して。

 

 ベッジ達は戦争そのものには直接のかかわりは薄いけど、ビッグ・マムを『食い煩い』に追い込んだ功績があるし……シフォン達はルフィやナミ達と話せて嬉しそうだ。

 ぶっちゃけもうこの規模の宴だと、そんな細かいこと誰ももう気にしてないしね。いいでしょ。

 

 あとは、今回の戦争をもって『義理を果たした』として、うちの傘下から抜けるロー達も、参加してる。『戦争って言ったらその後の宴までが戦争です!』って言って、きちんと『最後まで』参加して楽しんでもらうことにした。

 ローは呆れてたようだったけど、見たところ部下の人達は楽しんでるみたいだし、よかったんじゃないかな。

 

 あ、ちなみにその部下の1人のベポ君……あの白熊のミンク族の彼ね。前にローが言ってた、ビッグ・マムとの戦争に関して『やる気になってる部下』ってのは彼のことだったらしい。

 なんでも、彼の兄がかつてビッグ・マムに寿命を抜かれて殺されたらしくて、その敵討ちに燃えてたみたい。

 

 しかもそのお兄さん、海賊時代のペドロの相棒だったんだって。

 ビッグ・マムのもってた『ロード・歴史の本文(ポーネグリフ)』を盗もうとして失敗して、それを咎められて……ってペコムズが言ってたアレね。

 

 今ちょうどあそこでその2人が話してるけど、ペドロは大ジョッキで酒を飲んでるし、べポは両手にバーベキューを持って口いっぱいにほおばってて、湿っぽい雰囲気は欠片もない。

 ……まあ、笑って騒いで送り出してもらえて、お兄さんも喜んでるんじゃないかな。……それか呆れてるか。

 

 と、ここまで他の陣営の皆の様子を説明して来たけど、もちろん私も、私達も楽しんでるよ。

 

 スズはいろんな場所を回って色んな料理を少しずつ食べながら、色んな人と話してる。

 社会人の飲み会みたいな渡り歩き方をしてるように見えるけど……ちゃんと楽しめてるみたいだから問題はないかな。

 

 レオナは、まあ……食べたいものを食べたいように食べてるな。

 部下の『メルヴィユ動物王国』の皆と一緒になって、誰に遠慮するでもなく、好きなように。時々ルフィやボニーと一緒になって、大皿料理を秒で空にしたりもしてるみたい。

 

 アリスは……料理よりも、我が世の春を満喫中って感じだ。両手に花どころじゃなく、周囲に美少女や美女、美少年も何人も侍らせてハーレム状態。なんというか……一番海賊っぽい楽しみ方をしてると言えなくもない……かも?

 

 もちろん私も楽しんでるよ。

 堅苦しいマナーとかを気にしなくていい、好きなものを好きなだけ、好きなように食べられる系の宴の席ってやっぱいいなあ。『空島』で宴に参加した時も思ったっけ。

 ただただテンションに任せて騒ぐ楽しさって奴が、やっぱりある。

 

 大変な戦いだっただけに、宴の楽しさ、喜びもひとしおって奴だな……10年近く前から続いていた『ビッグ・マム』との因縁を、ようやく清算できた。

 これでもう、私や娘達の政略結婚に頭を悩ませることもなければ、パパが命を狙われることもない。いいことずくめ、万々歳の結果だ。

 

 

(…………今は、ね)

 

 

 でも当然……それだけじゃ終わらないだろうな。

 

 何せ、『四皇』の一角を落としたんだ。世間に広がる動揺・衝撃は、並大抵のものじゃないだろう……『頂上戦争』で“白ひげ”が死んだ時みたいに、その名に見合った大きな『変革』が、世界中で起こるはずだ。

 

 ビッグ・マムの旗は力を失い、それに守られていた国は、他の方法で己の身を守ることを余儀なくされる。

 ビッグ・マム海賊団に睨まれ、おびえて動けなかった、大人しかった者達も動き出す。

 ビッグ・マム海賊団が抑えていた権益を狙う者達も然り。暴れ始めて、あちこちで戦いが起こるだろう。

 

 その一部に関しては、これまたパパがさっさと動いて抑えにかかってるようだけど。

 

 海賊だけじゃなく、政府や海軍も動くだろうな……そう遠くない未来、私にも何かしらの形で、アプローチが来るだろう。

 ……いや、とっくにアプローチというか、連絡が来ようとしてるのは知ってるんだけどね。私の私室に置いてある電伝虫が、結構な頻度で鳴ってるから。自動音声で逃げてるけど。

 

 けどそれもそろそろ限界だろうし……徐々に、別な忙しさが襲ってくるはず。それらへの対応も考えていかなきゃな。

 

「でもまあ、今日くらいは楽しんでもいいよね!」

 

 現実逃避と言われてもいい。飲み会なんて大なり小なりそういう面があるもんだ。

 手に持ってたコップの中身をぐいっと一気に飲み干して、私はまだまだ続くこの宴を楽しむために、また別なテーブルに赴くことにした。

 

 全種類制覇……はとても無理だけど、美味しそうなのは片っ端から食べたいな。なくなっちゃう前にもらっちゃわなきゃね。

 

 

 

 




明日がたぶん年内最後の更新になります。

で、諸事情でいつもより早い時間に更新しようかと思ってます。予定では19時くらい、かな?

ただいま執筆中……間に合いますように……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。