大文豪に私はなる!   作:破戒僧

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第36話 スゥ15歳、からの16歳

 

 

 はいどうも、スゥです。

 ついこの間、16歳になりました。女なので、日本だったら法律上結婚できる年だ。

 

 この1年で、私の普段の生活は……割と大きく変わった部分もあれば、全然変わっていない部分もある、といった感じだ。

 

 変わっていないのは、普段の生活の仕方について。

 

 『取材』や『冒険』がない日は、雑誌や新聞、本なんかを読んでのんびり過ごしている。

 気分次第で外出して、買い物を楽しんだり、外食して美味しいランチやディナーを食べたり、舞台劇とかを見て、心も体もすっかり休めてリフレッシュする。

 同時に、本や舞台劇からは、『作家』としての活動の肥やしになりそうなものを適宜インプットして『経験』に変えていく。

 

 新聞とかで何かイベントがあると知れば、興味が出ればその現場に行って見物したりする。

 純粋に楽しいのもあるし、これも、執筆意欲につながりそうな『経験』になる。作る物語に深みを持たせるための知識にもなる。

 

 近場に手ごろな賞金首が来ていると知れば、賞金稼ぎとして狩りに行く。

 もちろん、危険度や状況なんかはきちんと考え、懐具合やスケジュールとも相談し、なおかつ気分が乗れば、くらいのもんだけど。そんなに頻繁には出ない。

 そこそこの首を持って帰れれば、数百万から数千万はさくっと稼げるし。

 

 それと、これについてはいちいち描写したりすることは少ないけど、普段からきちんとトレーニングも欠かしてないよ。武術っていうのは、さぼるとあっという間になまるからね。

 『休暇』に支障が出ない範囲で、最低限にしておくこともあれば、ガッツリ打ち込んで能力向上に努める日もある。時には、体を休めるために完全に何もせず休みにすることもあるけど、基本的になまらないよう、より強くなれるように頑張っている。

 もちろん、剣術とか身体能力についてだけじゃなく、『覇気』や『悪魔の実』の能力もだ。

 

 さて、ここまでが私の生活の中で、今までと変わっていない部分。

 ここから先が、大きく変わった部分。

 

 今しがた話した『トレーニング』について。

 賞金稼ぎとしての『実戦』をトレーニングの延長扱いにしないのなら、もっぱら自主トレなんだけど、ここ最近はそれ以外の選択肢も取れるようになった。

 ごくたまにではあるものの……シャボンディ諸島に行って、シャッキーやレイリーに修行見てもらったりしてるから。

 

 時々遊びに行くんだけど、その時に『ついでだから昔みたいに見てあげる』って、シャッキーに稽古をつけてもらって。

 それを見ていたレイリーが、『なら私も一肌脱ごうか』って、暇つぶしがてら面倒見てくれて。

 

 2人とも私なんかとは別格……なんて言葉じゃ言い表せないくらいに実力差がある人達である。

 当然ながら、全然本気なんか出させることはできてない。

 

 毎度、私がヘロヘロになるまで打ち込んで、なのにシャッキーもレイリーもケロッとして笑ってるんだもんな……能力使っても、汗すらかかせることができない。

 仕方ないとわかっててもちょっとへこむよ、さすがに。

 

 そう言ったら、『ならそれをばねにして頑張れ』って2人とも笑ってた。

 

 この2人との修行は本当にためになるけど……特に、『覇気』に関する指導がありがたかった。

 

 『覇気』に関しては私、漂流中に極限状況がきっかけで目覚めて以来、使い方も修行方法もずっと我流でやってたからね。きちんとした熟練者に指導してもらえたのは大きかった。

 

 使い方も修行方法も、大筋としては間違ってなかったみたいではあるけど、レイリー達に聞くようになってからもっと錬度が上がったと思うし……2人が実際に『覇気』を使うところを見て、それを体感できたのも、大きなヒントになった気がする。

 

 上手く言葉にはできないけど――作家として微妙に恥ずかしい――2人が使う『覇気』と、私が使う『覇気』は、やっぱり違うのだ。量(?)も、質も、何もかも。

 

 未熟さを突き付けられた気分で、この程度で調子に乗っていた自分を恥ずかしく思うことになったけど……反面、私もまだまだ強くなれるということがわかったわけなので、嬉しくもあった。

 引き続き、心身ともに研ぎ澄ませて行こうと思います。

 

 他に変わったことと言えば、より仕事が増えたこと、かな?

 

 ヒット作も多くなってきたからか、『うちで書いてください』って感じで、アプローチを受けることがより増えてきた。

 雑誌だったり、新聞(『世経』以外の、地方紙とか中小規模のを含む)のコラムや特集記事とか……作家として求められる仕事の幅が大きくなった気がする。

 

 作家としての私そのものにインタビューとかが来て、『新進気鋭の作家の素顔や日常生活に迫る』なんて、私に関する特集記事組まれたこともあった。

 ちょっと恥ずかしかったけど、正直嬉しかった。

 

 それらもあってまた割と有名になったからか、道を歩いてて『ファンです!』って言われたり、サインをねだられたりすることも。

 自意識過剰かなと思いつつも、練習しておいてよかった。

 

 ファンレターも増えたし、『〇〇の続編が読みたいです!』なんて言われることも。

 

 エディちゃんがこの前、『サイン会とかしてみません?』って言ってきたっけ……あれ、本気だったんだろうか? だとしたら、ちょっと恥ずかしいけど……やっぱり嬉しい。

 

 趣味の延長から始めた作家業で、ここまで来れるとはなあ……。

 

 思い返せば、割と勢いコミで『大文豪になる!』って宣言して……もちろんそれも、できる限りのことをやってみせる的な意味で本気だったけどさ。やっぱりというか、実際にこういうところまで来てみると、感慨深くなるものがあるじゃん。

 穿った見方かもしれないけど、夢を夢のままで終わらせることになる人が多いのが、作家っていう職業なわけだし。

 

 ここまでこれたのも、ひとえに支えてくれた方々、そして読んでくれた読者の皆さんのおかげだと思っています。

 これからも楽しい物語を考えて皆さんに届けていきたいと思いますので、応援どうかよろしくお願いいたします!

 

 

 

 …………誰に言ってるんだろ私は。

 

 

 

 さて、他に変わったことと言えば……私の行動範囲かな。

 

 『永久指針』を使ってとはいえ、『シャボンディ諸島』にまで来れるようになったこともあって、今迄よりも広い範囲で旅することができるようになった。

 航海技術的な意味と、精神的というか、度胸的な意味で。

 

 もちろん、『エレナ』で作ってもらった、私の手足同然に動いてくれる船の存在も大きい。

 風があろうがなかろうが、波が高かろうが低かろうが、限度はあるとはいえどんな風にでも動かせるっていうのは、本当に海を行くうえで便利だ。

 

 ここ最近は、『さすがに遠いし、まだいいや』と思っていたけど、ずっと行ってみたいと思っていた島にも足を運んでいる。『キューカ島』や『ジャヤ』なんかが主な例だな。

 

 キューカ島は名前の通り、快適に休暇を過ごせる島で楽しかった。リゾート地を絵にかいたような感じで、気候も安定しているので、『偉大なる航路』の島だってことを忘れそうになるくらいに平和で穏やかな時間だった。

 食事も美味しかったし、機会があればちょくちょく来たいと思った。

 

 ジャヤもそれなりに面白かったけど、治安は最悪だったな。さすがは世界政府の目すら届かない町、ってだけのことはある。普通にその辺で強盗や殺人が起こってた。私も狙われた。

 原作に出てきた『トロピカルホテル』とやらに泊まってみたけど、サービス自体は快適だった。でも……積極的にまた来よう、とは……ちょっと思わないかな。

 

 あと、原作に出てきたそれと思しき店に行って、チェリーパイ食べてみたけど……まあ……普通、かな?

 

 それと、まだ行ったわけじゃない話なんだが……近々『魚人島』にも行ってみたいと思ってる。

 

 大海賊時代のはじまり以降、無法者達による人攫いが横行していた魚人島ではあるが……大海賊『白ひげ』がそこを自分のナワバリにしてからは、そういう無法もなくなったらしい。

 人攫いのみならず、その他の点でも昔より格段に平和になったそうだ。

 

 まあ、海賊とはいえ……いや、海賊だからこそ、『白ひげ』を敵に回すようなことは避けたいに決まってるからな。そのナワバリでバカなことするような奴はいないだろう。

 

 そんなわけで平和になった魚人島について、『もし行きたいなら案内するぞ?』ってはっちゃんが言ってくれてるので、近々お言葉に甘える形で行ってみたいと思ってるんだよね。

 海底の楽園……マーメイドカフェ……魚人島名産の甘いお菓子……どれも楽しみだ。

 

 もちろん、原作までまだだいぶ期間がある今では、それらはまだない可能性もあるけど。

 

 ……そういえば、まだ『マリージョア襲撃事件』って起こってないっぽいし……『タイヨウの海賊団』の結成もまだなんだろう。

 だとすると、今魚人島に行くと……アーロンやジンベエもまだ魚人島にいるってことか?

 片やリュウグウ王国の兵士として、片や『魚人街』だったかのチンピラとして。

 

 はっちゃんの案内があれば、物騒なことにはならないと思うけど……そこはちょっと不安かも。

 

 まあ、懸賞金2000万くらいの危険度なら、襲われても返り討ちにできると思うけど、アーロンって『東の海』に行って鈍って実力落ちたっていう考察もあったはずだし……今とかはまだもっと強いのかも……。

 結局、騒ぎは起こさない、面倒に巻き込まれないってのが一番なんだろうな。……向こうから寄ってこないようにだけ祈っておくとするか。

 

 

 

 さて、そんな感じで、前までと比べて変わったことについて、いくつか説明してきたが……最後に1つ、一番大きな『変化』について話さなければなるまい。

 

 もっともこれも、『魚人島』云々と同じく、どっちかと言えば、これから変わることなんだけど……そうなることがもうすでに決まっていることでもある。

 

 正直、私もこんなことになるとは思ってなかったんだけど……決まった以上は、これも『経験』だと思って受け入れようと思う。

 

 そういうわけで、報告します。

 

 

 

 私こと、ベネルディ・トート・スゥ16歳は、この度…………結婚することになりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……天竜人と。

 

 

 

 

 

 

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