Blue Archive Daughter is the Devil 作:クラウディ
「おい! たんまり稼いでるのは知ってんだ! とっとと金を詰めろ!」
「そうだそうだ! 隠しても無駄だぜぇ!」
「ひ、ひぃ!」
ここは学園都市キヴォトスにある、トリニティの自治区の一角。
そこのコンビニにて一人の店員が明らかに不良然とした輩達に絡まれていた。
不良の一人は銃を突き付け金を出せと語気を荒くして脅す。
隠さずいうなら「強盗」をしていた。
外の世界なら銃刀法違反やらなんやらで即お縄につくような光景だが、この学園都市ではもはや日常茶飯事である。
(な、なんでこんなことに……!?)
当事者であるコンビニの店員は、ここ最近で一番の不幸に顔を青ざめていた。
彼女はこの由緒正しきお嬢様が集うトリニティの中でも平々凡々な一般生徒で、これといった特徴はないもののそれなりに充実している生活を送っていたと思っている。
今日だって、少し早く起きれて、少し朝ご飯が美味しく感じて、いつもは疲れてばっかりのコンビニだって楽しく働けそうだったのに……と、彼女は現実逃避気味な思考をしてしまう。
パニックになってるのか歯の根が噛み合わず、言葉になら無い声を発する店員の少女。
「チッ! めんどくせぇ!」
そんな彼女の様子に苛立ちがピークに達したのか、銃を突き付けていた不良が引き金に指を掛けようとする。
脅しですめばよかったが、ここまで要求が通らないとなると実力行使にでるしかないと考えたからだ。
「ひっ」
「とっとと出さなかった自分を恨みな!」
銃を構え、店員の少女の眉間に照準を合わせ、指に力を込めたことにより弾丸が撃ち出される。
――しかし、それは不良の横を通ってカウンターに向かった銀髪の少女の存在によって遮られた。
「すみません。これとこれの会計お願いします」
「……あ?」
その少女は青の表地に、赤いインナーカラーをしたパーカーを纏い、動きやすい生地のズボンを穿いている。
肩には黒い革地の鞄を掛け、左腕にはトリニティ総合学園を意味する腕章をつけていた。
頭にはヘットフォンをつけており、彼女の登場によって静まり返った店内に響くくらいには音漏れしている。
そんな一見すれば、この状況でも取り乱さない図太い精神の持ち主かと思えば、背中にはこのキヴォトスでは早々見かけないような『モノ』を背負っていた。
――それは片刃の『剣』である。
しかもただの剣ではなく、柄がバイクのハンドルのような形状をしており、刃の根本の部分に今度はバイクのマフラーのような機構が伸びている。
その他にも、彼女の腰のホルスターにはやたらゴツい六連装のリボルバーが提げられており、こちらも珍しいものだった。
そんな異質なものを背負っている少女は不良のことなど目に入っていないとでも言わんばかりの態度で、店員の少女にカウンターに置いたもの……炭酸飲料と片手で食べられる焼きそばパンの会計を頼む。
しかし、あまりの急展開に呆然としてしまう店員の少女。
しばらくスマホをいじっていた銀髪の少女だったが、声がかからないことにふと目線を上げ、店員の少女に声をかけた。
「どうしたんだ? 早くしてくれると助かるんだが……」
「えっ、あっ、は、はいっ! 少々お待ちください!」
銀髪の少女に会計を頼まれた店員の少女は、内心混乱しながらも商品のバーコードを機械で読み取っていく。
だが、その動きが気にくわないものもいる。
「おいてめぇ! なに邪魔してくれてんだよ!」
「フーフーフフフン♪ フフフフンフーン♪ フーフーフフフン♪ ……ん? あ、
お嬢様の多いこのトリニティでは珍しい、「俺」という一人称を使う銀髪の少女に詰め寄る不良達。
「そうだよてめぇだよ! こっちがいい感じにタダ金手に入れられそうだったのに!」
「タダ金……へぇ……てめぇらトリニティで堂々と盗みやってんのか。HAHAHAHA! おいお前ら、泥棒はダメよってママに教わらなかったか?」
「ッ! テメッ――」
「皆が知ってる常識を知らねぇの? お前ら頭が悪いな!」とでも言いたげな銀髪の少女の生意気な物言いに、控えにいた不良の一人が銃を構えて撃とうとする。
だが――
「ガッ!?」
「早撃ち勝負は俺の得意分野だぜ?」
不良が引き金を引くより先に構えられたリボルバーから放たれた
よく見れば、銀髪の少女が構えているリボルバーは、バレルが2本もあった。
撃たれた衝撃で勢いよく倒れた不良は後頭部を強く打つと、数回痙攣したあとに動きを止める。
「なっ!? このや――」
「んー、我ながら良い出来だぜ。っと!」
「ふげっ!?」
「こ、こいつ盾にしやがった!」
仲間がいきなり撃たれたことに怒りを露にした不良が引き金を引くが、銀髪の少女は近くにいたもう一人の不良を盾にして銃撃から逃れる。
トリニティのお嬢様達ではやりそうにない卑怯上等の戦い方に驚愕する不良達。
だがそれだけではなかった。
計画をめちゃくちゃにされて慌てる不良達に向かって一気に距離を詰めた銀髪の少女は、不良を一人ずつ右腕で掴み、コンビニの外に投げていく。
「
「「「「ぐぁああああああああああ!!??」」」」
ガラスを突き破り、外へと放り出される不良達。
「な、何事!?」
「あ、姉貴!? チクショウ! いったい誰がこんなことを……!?」
外で見張りをしていたであろう不良の仲間が先ほどまで店内にいた不良に近寄り、様子を見るがかなりボロボロにされている。
下手人が誰かとコンビニに目をやれば、割れたガラスを踏みしめながら銀髪の少女が背負っている剣に手を掛けながら軽口を叩きつつ、戦意をむき出しにしていたことに絶句した。
「HAHAHA! おいおい! この程度なのか? もうちょっと楽しませてくれよな!」
「このっ、舐めやがって……!!」
「あ、姉貴! アイツと戦うのはマズイですよ!」
「あぁんっ!? なんでだ!? ここまでコケにされておいて今さら逃げられるか!!」
銀髪の少女の煽りに応戦しようとする不良。
だが、外にいた不良の一人から制止される。
激昂のまま腕を振り払おうとしたが、仲間が青ざめた表情で震えていることに気づいた。
「や、やっぱりだ……! トリニティの腕章……バレルが2本のリボルバー……銀髪碧眼の剣使い……あ、アイツだ! 『トリニティの悪魔』だ!?」
「ト、『トリニティの悪魔』!? なんでそんなやつがここに!?」
『トリニティの悪魔』、そう仲間が言った瞬間、不良達の間に恐怖の色が見え始める。
「へぇ、俺の名前を知ってんだな。ま、お前らに知られたところで別に嬉しくもなんともないがな」
「ひっ!」
その間にも、背中の剣を左手に握り、地面へと剣先を突き立てた銀髪の少女は、グリップを捻りつつ叫んだ。
「
感想もらえたらウレシイウレシイ……