Blue Archive Daughter is the Devil 作:クラウディ
評価に色ついてビックらポンです。
ひとしきり暴れて不良達をボコった後、俺は不良どもを店員の子からもらったロープでぐるぐる巻きにして、数分遅れて到着したトリニティの正義実現委員会へと引き渡す。
「"ネロ"先輩、今日もお勤めご苦労様っす。でももうちょっと抑えてもらえると助かるっす」
「"イチカ"、それに関しちゃすまんが、それならもうちょっと早く到達してくれよな。あやうく「
「先輩が言うとジョークに聞こえないっすよ……」
そんな正義実現委員会の中でも、不良達を運ぶ生徒に指示を出す糸目の少女――「イチカ」を小粋なジョークで笑わそうとするも、イチカは顔を引きつらせるだけだった。
breakfastとbreakをかけた面白いやつだと思うんだが……やはり俺にスタイリッシュはまだ遠いか……。
そんなことを考えていると、俺の様子をうかがっていた顔見知りが近づいてくる
「……それで、この状況はどういうことですか"ネロ"?」
「コンビニで朝飯買おうとしたら喧嘩売られたんでぶちのめした。以上」
「はぁ……」
俺に対し早速説教を開始しようとしていた長身の女子は顔なじみの「ハスミ」。
生真面目な性格で生徒からの人望も厚く、"アイツ"のストッパーをやれてる優秀なやつでもある。
「……まぁ、不良の鎮圧に関しては感謝しています。少々暴れ過ぎではありますが、"ツルギ"の時と比べればまだマシです」
「そうそう、だからこの場は見逃してくんねぇか?」
「今までのことも含めて逃がすとお思いで?」
「逃げられると思ってるからさ」
その言葉を皮切りにすぐさま銃を構えるハスミと、"右腕"を伸ばして近くの建物をつかみ体を引き寄せる俺。
いつも通りの鬼ごっこが始まるかと思えば……。
「逃がしません!」
「うわっちょ!?」
つかんでいた建物の一部分を撃ちぬかれ空中で体が投げ出される。
こういうところも優秀なんだよなぁ! くぅ~スナイパーでこんな精密射撃ができるなんてスタイリッシュだなぁ!
そんな称賛を心の中で送りつつも空中で身動きのとれない状態となった俺に対し、即座にリロードを済ませたハスミのスナイパーライフルから弾丸が撃ち出された。
だがその弾丸は、俺が"空中を踏みしめ跳躍した"ことにより回避される。
「ふぃ~あっぶね~っと!」
「相変わらずっ、曲芸士みたいっ、ですねっ!」
「おいおい、そんな言葉で俺を例えないでくれよ。俺はスタイリッシュを目指してるんだ!」
「知りませんっ!」
そのまま何度か弾丸が発射されるがそれを何度もギリギリで回避していく。
自分の心の中でのスタイリッシュポイントがぐんぐん溜まっていく感覚に高揚感を覚えるが、ハスミの動きが止まったことで終わりを告げる。
「っ、弾切れ……!」
「お、そんじゃいい感じに楽しかったぜ。またな~」
「待ちなさい!」
「待てと言われて待つやつはいねぇんだよ~」
ハスミの制止を聞かずに、そのまま空中を跳ねて俺はその場を後にするのであった。
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その場に残されたハスミ達は銀髪の少女――「ネロ」が去っていった方向を見ながら、大きく肩の力を抜いた。
「っ、また、逃げられましたか……」
「お疲れ様ですハスミ先輩。それにしても流石ネロ先輩っすね。ハスミ先輩の狙撃を簡単に避けるなんて」
「……そうですね……なぜ"正義実現委員会をやめたのか"と思ってしまうほどです……」
イチカはネロの実力を称賛し、ハスミは非常に残念そうにあることを呟いた。
――「正義実現委員会をやめた」。
言葉通りにとらえるなら、元は彼女達の仲間であったということだろう。
一体なぜなのか……。
「噂では"やる気がなくなった"って言われてますけど、あれだけ"
「……彼女は"やりたいことができた"とは言っていました。でもそれが何なのかはわかっていません……」
「ん~……いずれ話してもらえるんでしょうかね~……」
そうイチカが呟きながら、彼女達もその場を後にした。
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「っと、こんなところか」
ハスミの狙撃を躱し、相当な距離まで離れた俺――「ネロ」は建物の屋上にある転落防止の柵に腰かける。
「それにしても、どうして俺みたいなのがこんな
柵に座り込み、会計の済んだ焼きそばパンを開封しながら、自身の境遇について考えた。
俺がこの透き通るような世界――「ブルーアーカイブ」に"転生"してどれだけ経ったのか……ざっくり十年か?
前世というべき記憶が突然途切れ、気づいた時にはもうこの世界に住む一人として生きていた。
今がトリニティの2年生くらいだから、この世界に生まれたのは7歳くらいか……。
その時のことをふと思い出してみる。
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「ここ、どこだよ……」
目が覚めて数分後の自分の口から出た言葉はこんなものだった。
その前までは、いつものように寝ぼけ目を擦りながら眠りから覚め、いつものようにベッドから這い出し、いつものようにスマホをいじろうとしたところで違和感に気づく。
「ふ、ぁああああ……あ? ……あー、あー、んんっ! ……俺の声ってこんな声だったか?」
大きくあくびをしたときの声が今まで自分の口から出ていたものとは大きく変わっていたのであった。
しかも焦点が合ってきたことで別の違和感にも気づき始める。
「……俺の部屋ってこんなところだったっけ?」
仕事のせいか片付ける余裕なんてありもせず、結構とっ散らかっていたはずの部屋の面影は全くといっていいほどなく、むしろ整理整頓が行き届いてきっちりしている自室の姿に、思わずフリーズしてしまった。
「……待て、俺じゃなくてダチの部屋かもしれな……いや、アイツも俺とどっこいどっこいだったな」
普通ならあり得ない光景に、友人の部屋で寝ていたのかと思うが、俺と同じくらいに汚れていたアイツの部屋ではないと判断する。
んじゃ、ここは一体……そう思っていた時、眩しい外の光に目を向けたことで、俺は絶句した。
「な、なんだよ、ここ……」
そこは別世界だった。
広大な都市の空には巨大な円環が浮かび、そんな空には飛行船らしきものも浮かんでいる。
そしてなにより、俺が住んでいた都市の姿と全く違う町並みが目に飛び込んできたのであった。
「……よし、夢だな。参ったぜ、俺はこんな妄想するほど中二病拗らせてたのかよ。はー、悪い夢は覚めるに限るぜ」
そうして布団を深めに被り、目を閉じてこの悪夢から覚めようとする。
1分、2分、3分、4分、5分……大体10分くらい経って、大きくベッドから上半身を起こした。
「……夢じゃねぇ」
そうだ。全身の感覚が伝えてくる。
これは夢なんかじゃないと。
「……待て待て待て待て待て待て待て待て! なんでなんでなんでなんでなんでなんで!? なんで俺が転生!? なんで!?」
非現実的な現象に思いいたり、盛大に取り乱す自分。
それもそうだ。なんでいきなり見知らぬところで寝てて、かと思えばそこが完全に別世界という普通ならあり得ないことだからだ。
それに……。
「……体は小さいし、腕も細い……髪も白い……誰だよこれぇ……」
身体の方も完全に別人となっていた。
カッコよくなりたくてそれなりに鍛えていた身体は見る影もなくなり、おおよそにして小学生レベルにまで縮んでしまっている。
しかも、寝る以前から黒一色だった自分の髪は白というよりかはキラキラとした銀髪になり、完全に別人となってしまっていた。
思わず呆然とする俺。
しかし、少しだけ冴えている俺の頭はあることを考える。
「……! そ、そうだ! スマホのカメラ機能を使えば……!」
最後の最後に思い付いたスマホのカメラ機能を使って、自分の姿を確認するということだ。
相当混乱していたのか、最後の最後まで諦めきれなかったのだろう。
枕元に置いてある青色のスマホカバーに覆われたスマホには特にパスワードはかけられておらず、電源ボタンを押すことで即座に起動する。
そのまま画面を操作し、「カメラ」と書かれたアイコンをタップして自分を写して……また絶句した。
「だ、誰だこの美少女……!?」
画面に写っていたのは前までの俺とは似つかない銀髪碧眼の美少女だった。
その容姿は10人が見たら10人が美少女と答えるであろうほどの整った顔立ちをしていて、これが自分なのかと疑うほどだ。
あまりにもあり得ない出来事に、またフリーズする。
だか、おかしなのはそれだけではない。
「な、なんだこれ……? 天使の、輪っか……?」
頭に浮かぶ青色の円環のことだ。
それは俺の頭上に浮かび、確認のため左右に頭を振ってもついてくる。
現実離れしすぎた光景に気絶しそうになるが、その時、ふとあることを思い出す。
「え、これって……『ヘイロー』……?」
そう、自分の中にある記憶でこれに近しいものがあった。
それが『ヘイロー』。
ソーシャルゲーム「ブルーアーカイブ」という作品に登場するキャラクターのほとんどが持つ不思議な輪っかだ。
そもそも「ブルーアーカイブ」というゲームを説明するなら、「学園都市キヴォトス」という場所にとある部活の先生として来た主人公が、その都市にある多くの学園の生徒と共に様々な問題を解決していくという学園×青春×物語RPGだ。
ストーリーも重厚感があり、最近になって序盤に張られた伏線が回収され始めるほどの構成のよさもある。
さらに、登場する生徒のほとんどが美少女ばかりであるため、キャラゲーとしても楽しめる素晴らしいゲームだ(ガチャが渋いのに関してはソシャゲあるあるとして見逃してくれ)。
これだけ言えば「まぁよくあるゲームだな」と思うだろう。
だが、ブルーアーカイブはそれで終わらないゲームなのだ。
なんとこの学園都市、治安が「北斗の拳レベルかそれ以上」に悪いのである。
そこらで不良がドンパチするわ、チンピラが違法取引された戦車引っ張り出してくるわ、ブラックマーケットなんかも普通にあるわ、本当にロクな世界ではない。
一応、主人公である先生を除けば、キヴォトス住人は弾丸の直撃をもらっても痛いで済むレベルには頑丈なので、先生ではなくキヴォトスの生徒として転生できたのはまだ良い方だろう。
しかし、それでも治安自体が悪いためいつ大怪我するのかたまったものではない。
そんな世界に転生してしまった俺はまたフリーズした。
フリーズしすぎて頭がブルースクリーンみたいになりそうだけどな(ブルーアーカイブとかけた激ウマギャグ)。ハハッ、ウケる。
「ま、まだ望みを捨てるな! まだ俺には希望が……!」
そう言ってカメラアプリを閉じ、スマホを操作していく。
この世界がブルアカの世界ではなく、よくにた世界かもしれないと思ったからだ。
しかし、現実は残酷である。
「え、主な連絡手段は『モモトーク』? この自治区は『トリニティ総合学園』管轄? 連邦生徒会長による『エデン条約』?」
検索すればするほど出るわ出るわ見知った単語。
もうここで俺は諦めた。
この世界はブルーアーカイブの世界だと。
「……とりあえず飯を食べよう。そのあと、この家にあるものを探すか……。あと護身用の武器もあればいいなぁ……」
半ば現実逃避ぎみに朝食のためベッドから降りた。
「……ご馳走さまでした。それじゃ、自分の身分を整理、っと」
なんだか味がしない朝食を無理矢理流し込み、自分の部屋にあるものを探し始める。
「えっと、これは制服……これは腕章で、所属は『トリニティ』……うっそだろぉ……なんでよりにもよってトリニティ……」
探していくのを進めていくと、自分がトリニティ生徒だということがわかり、軽く絶望してしまう。
この治安が悪いキヴォトスでも割りと未来の方でヤバイのがトリニティとかなので、余計に絶望する。
「年齢は6歳で……小学生くらいだな……んで、名前は"ネロ"と……名字はねぇってどういうことだ? まぁ、いいか。んで、武器は――」
そう自分の名前をあっさり流したが、タンスから出てきたある"モノ"のせいで本日何度目かわからない絶句を経験する。
「これは……バラの模様があるダブルバレルのリボルバー……"ブルーローズ"!? ま、まさか俺のネロって名前――!」
そう、ここで俺は気づいたのだ。
「俺、"デビルメイクライ"の"ネロ"かよ!?」
これ
・ネロ
よくある現代社会の成人男性が訳もわからず転生したあとの姿。
モデルとなった人物は「デビルメイクライ4」および「デビルメイクライ5」の主人公「ネロ」。
戦闘センスはピカイチで、ツルギと真っ正面から戦える。
「神秘」の力を使って原作デビルメイクライの動きが再現できる。
原作開始時点では身長はかなり高くなる予定。
・羽川ハスミ
成長したネロと同級生であり親友。
ネロとトントンくらいの身長になる美少女。