Hero Sky Blade Works   作:ゆぐゆぐ

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いつもご愛読ありがとうございます!

先週辺りに更新したかったんですけど、物語の構成練り直したりゼルダやっちゃってたり色々あって間に合いませんでした()



#12 チキュウシンリャク

 

 通学路であるこの坂道は生徒達で賑わっている。

 時刻は朝の7時半過ぎ、平日のこの時間帯こそ登校する生徒が一番多い。

 そんな中、

 遠坂凛、間桐桜、虹ヶ丘ましろとこんな目立つ面子と歩いていようものなら、そりゃあ周りから奇異の目で見られまくる。

 

「そのツバサって子がスカイランド出身のプニバード族で、一年前からましろの家で暮らしていたと」

 

「うん。おばあちゃんにトンネルを作ってもらうよう頼めばスカイランドに帰れたんじゃないのかなって聞いたんだけど、簡単には帰れないって。そしたらソラちゃんが『何故ちゃんと説明してくれないんですか!信用出来ませんっ!』って怒っちゃって……」

 

 それが原因で、今日はエルの身を案じて学校を休むのだそうだ。

 ましろがそれで良かったのか心配になっていたが、正直ソラの警戒も無理ないと思う。

 そのツバサがどんな身なりをしたヤツなのかは分からないけど、しどろもどろな発言からもしカバトンの仲間だと一度でも考えてしまえば、当然エルから目を離すわけにはいかない。

 

『たった一度の油断』というのは負の連鎖の災いの元にも繋がる。

 しかも状況が状況だ。狙われる対象が護衛しなければならない存在ならば、気付かぬ内に危険に晒されるなんてことは絶対に避けたい。

 

 とはいえ、確かにその護衛役をソラ1人に任せ続けるのも心配になる。

 ソラはキュアスカイである前に女の子なのだから、ずっと家にこもりきりってのは良くない。

 

「俺も授業が終わったらすぐにましろの家に行きたいけど、どうしても外せない別件があってな。それが終わった後でそっちに行くことになりそう」

 

「うん。でも、その頃にはきっと解決出来てると思うよ。何となくだけどね」

 

 ……確かにそうだな。

 ソラだって奥歯に物が挟まるような気分を払拭したいだろうし、素直な子だからちゃんと面と向かって話をすれば、ツバサとも打ち解けることが出来るはずだ。というか、そうなって欲しい。

 

 ところで、

 

「……」

 

 何か忘れ物でもしたのか。

 その別件の張本人である遠坂はさっきからずっとこんな調子で黙っている。

 

「どうした遠坂。さっきからずっと様子が変だぞ、お前」

 

「え……?やっぱりヘンかな、わたし」

 

「別に変じゃないというより、その反応が変だ」

 

「先輩、多分そういうことじゃなくて、遠坂先輩は周りから見られているから、どこか自分の様子がおかしいのではと思っているんじゃないかと……」

 

「そ、そうだけど、やっぱり桜から見てもヘン?おかしいな、やっぱりここの所忙しくて寝不足なもんだから目にクマでも出来ているのかしら、ねえぇ?」

 

「何でそこで俺の目を見るんだ。遠坂が寝付けないのは俺の所為じゃないだろ。それに、目にクマが出来るなんて誰にだってあることだろ。気にするなよ」

 

「失礼なこと言わないで。女ってのは生まれた時から自分の身だしなみを気にするものなの。ああもう、外見だけは完璧にいようって繕ってきたのに、それも今日でおしまいってことかしら、ねえぇ……!!」

 

「だから何で俺を見て怒るんだよ。なんで遠坂が変なのかは知らないが、間違いなく俺の所為じゃないんだから八つ当たりは余所でやってくれ」

 

「遠坂先輩は今日も綺麗ですよ。みんなが先輩を見ているのは、わたしたちと一緒だからです。先輩、今まで誰かと登校したことなんてありませんでしたよね?」

 

「え、その程度のことでこんな扱い受けるわけ……?侮れないわね。学校の謎はまだまだ残ってるってことか」

 

 ふーん、と真剣に考え出す遠坂。

 というか、今日も綺麗ですよって賛美を当然のようにスルーするとは何事か。

 

「……分かんないヤツだな。遠坂が誰かと登校すれば騒ぎになるなんて当然じゃないか。それが男子生徒なら尚更だ」

 

「けど遠坂先輩、そういうの気にしない人なんです。だから今まで浮いた話ひとつもなかったんですよ」

 

「え、そうなんだ。凛さん美人だから恋人とかすぐ出来そうなのに」

 

 ……とはいえ、そいつは良かった。外見に騙されて泣きを見た犠牲者は、今のところ1人だけってことだからな。

 なんて、小声で秘密会議をした後、ましろと別れて引き続き学校へと歩みを進めていく。

 

「あ、そうだ桜。慎二のヤツ、ここ最近欠席続きなんだが何かあったのか?」

 

「え?」

 

 きょとんとした顔で、桜は俺の方に顔を向ける。

 あれ、聞こえなかっただろうか。

 

「いや、だから慎二のことで……」

 

「あぁ、えっと……実は兄さん、ここ数日家にも帰ってきてないんです。外出したり何かある時はいつも事前に伝えに来るんですけど、それもなくて……」

 

「となると無断欠席か。アイツがそんなことするなんて思えないけどな……」

 

「そう、ですよね……」

 

 何とも歯切れの悪い回答ばかりが返って来る。

 とはいえ、桜も最近は家で泊まることが多く事情も詳しくは知らないだろうから、これ以上の追及はしないことにした。

 いずれにせよ、刑事事件とかに巻き込まれてなきゃいいが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一日が終わる。

 放課後になって、生徒達は波が引くように下校していった。

 

 ──そんな中、俺は遠坂と合流して、同じく帰路に就く。

 

 遠坂曰く、俺達以外にももう1人魔術師が校内にいる可能性が高いらしく、また学校など至る所に何か所か結界を張る為の支えとなる"呪刻"が散らばっているらしい。

 

 遠坂は何日も前から見つけては消してを連日繰り返しているのだが、その度に新しい呪刻が作られたり、数日前に消した呪刻が再度浮かび上がったりで、完全に結界を消すには至らないそうだ。

 

 結界自体はもう作られているから、遠坂がやってることは効力を弱めているだけ。それでもやらないよりはマシ、不完全なうちはあっちだって結界を発動させないだろう。なんだそうだ。

 学校にある呪刻を一通り消した後、今度は時間の許す限りで街中の呪刻を消しに行く。

 

「衛宮くん、魔力感知は出来ないクセに場所の異状には敏感なんだもの。まさかこんなに早く、校舎内の呪刻を消せるとは思わなかった」

 

 遠坂は上機嫌だ。

 いやまあ、こっちも役に立てて嬉しいんだが、今はそういう気分になれない。

 

「なあ遠坂。魔術師ってのは魔術師が判るのか?その、そこにいただけで気配が感じるとか」

 

「え、別にそんなことはないけど……そうね、何も細工をしなければ識別は出来るでしょうね」

 

「そうなのか……!?」

 

「普通に魔力を探っていけば魔術師って見つけられるのよ。加えて夢幻召喚(インストール)状態なら破格の使い魔と融合してるわけだから、隠したって魔力は漏れるわ。衛宮くんは鈍感だから気付かないけど、わたしだって魔力を残して歩いてる。魔術師が見たら一目でわたしが魔術師だって判るだろうし、逆も然りだと思う」

 

「……なんだ。魔術師捜しだなんて言うけど、その気になればすぐにでも見つけられるじゃないか。強い魔力の残り香を辿っていけばいいんだから」

 

「そうでもないわよ。例えばの話、アサシンなら気配を殺して的を狙う暗殺者なわけだから、そういう魔術は持ち合わせてる。キャスターにしてもその辺は難しくないでしょうね」

 

「じゃあ、もし遠坂の身近にいる人間が魔術師でも、そいつがアサシンとかキャスターのクラスカードを持っていたら判らないかもしれないってことか?」

 

「どうかな。物によるけど、どんなに隠してもすごい近くにいれば判ると思う。クラスカードを扱う時点でどうしても世界との摩擦は起きるから」

 

 時と場合、はたまた条件によったり、どれを当てはめても容易に判別は出来ないってことか。

 魔術師捜しって簡単そうに見えて、面倒ごとが多くて難しいんだな。

 

「っ、何だこの音……!?」

 

 すると、周囲から物体が鳴るとは思えない高音が響き渡る。

 空を見上げてみると、頭上には円盤の形をした物体が右往左往と気味悪く浮いていた。

 

「まさか、巨大UFO!?」

 

「地球侵略か!?」

 

『おいプリキュア!どこだ!とっとと出てきて勝負するのねん!!』

 

 街の人々がアレの存在に気付き混乱をきたしている中、UFOの甲高い音と共に突然聞き覚えのある声が耳に届く。

 プリキュアのことを呼ぶその時点で、声の正体も誰がUFOを操縦しているのかも1人に定まった。

 

『さっさと出てくるのねん!さもないと……ポチッ』

 

『ランボーグッ!』

 

 瞬間。

 UFOを模した怪物──もといランボーグは光線を放ち、街中を荒らし始めた。

 

「カバトンのヤツ、無茶苦茶だ……!」

 

「全くよ!あいつら、いつもあんな考えなしに人を襲ってるわけ!?」

 

 自分の命や街の危機により、人々は恐怖で逃げ回っている。

 プリキュアを見つけ出す為だけに、関係のない大勢の人達を巻き込んでいるのが気に食わない。

 

「ああもう、そう考えたら何か腹立ってきたから、あのビルの屋上まで文句言いに行ってやる!!どうせランボーグを生み出してるのって大したヤツじゃないんでしょ!?」

 

「あ、おい遠坂──」

 

「あっ……ヨヨさん、今士郎くん達と合流しました!」

 

 わなわなと拳を震わせながら進もうとする遠坂を止めようとした時、スマートフォンを片手にヨヨさんと電話しているであろう聖先輩が近づいてくる。

 

「2人に頼み、ですか……えっ、エルちゃんが1人でこっちに向かってる!?」

 

「は……!?」

 

「うん……分かりました。エルちゃんのことは私と士郎くんに任せてください!」

 

 そう告げて、先輩とヨヨさんは通話を終えた。

 

「エルが1人で向かってるって、ソラ達はどうしたんだ?ていうか、まずどうやってこっち来てるんだ……?」

 

「ソラちゃん達が向かった後に飛び出して行っちゃったらしくて。しかも、空飛ぶ抱っこ紐に乗って」

 

「……抱っこ紐?」

 

 そういえば、俺が見ない間に何か作り出したらしいな。

 見たことないし、あまり想像に困る光景に思えるが、それが本当ならカバトンに捕まる前に急いで見つけ出さないと。

 こうしている間に遠坂は既に行ってしまったが、何処かでソラやましろと合流出来るだろうし……何よりアイツなら多分大丈夫だろう。

 

「エルちゃんは居場所自体はヨヨさんが追えてるから、私達はそこに合流しよう」

 

「分かったけど、あの暴れっぷりじゃ簡単には行かなそうだ。もし危なくなったら俺に任せて先輩は安全な場所に避難して──」

 

「ううん。私だって頼まれた身だしエルちゃんを見つけ出すまでずっと探すよ」

 

「……ああ、そうだな。なら急ごう」

 

 そうと決まり、俺と聖先輩でエルがいるであろう場所へと走り出す。

 だが、その時──

 

「っ、スカイとプリズム!?」

 

 高い所から、負傷した状態で落下するキュアスカイとキュアプリズムの姿を目撃した。

 

 

 





更新が遅れた分、早めの更新を目指します。
今月末を目安にまたお会い出来ればと思いますので、もう少々お待ちください。
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