箸休めとしてちょっとした説明回。
今回は争いは一切無いです。なので争いが見たいって人にとっては全く需要が無いです。
興味がある人は読んでみて下さい。
それではお楽しみください!
“導きの地”
この地は知っての通り、複数の環境が共生している異様な地だ。溶岩溢れる場所と吹雪が吹き荒れる場所が共にある為、当然陸珊瑚が発生する幻想的な地帯も広がっている。
現在の導きの地は、各地帯に主と呼べるモンスター達が存在し、時折小競り合いを起こしながらもバランスを保っている。主格とされているモンスターは全員が歴戦の古龍に匹敵する実力者達だ。その中には元は古龍級生物ですらないモンスターもいるが、この地で長く住み続けることで実力の限界を突破し、古龍に並ぶ程の力を手に入れたのだ。
故に、導きの地において古龍というのは絶対的な存在ではない。もちろん強敵ということには違いないが、血の気の多いモンスターならば下克上精神で普通に向かって行くし、古株といえる者達ならば、古龍というだけで生意気な態度を取るなら、格下ならば容赦なく叩き潰す。
そういった猛者達の頂点が主達であり、この地におけるトップクラスの強者だ。
森林地帯は“超攻撃的生物”と謳われる金獅子が主として君臨している。古龍との死闘をも越えた歴戦の金獅子が巡回する縄張りは正に鉄壁を誇る。当然危険ではあるが縄張りから出ることは少ない為、主の中だとバランサーとして認識されている。
荒野地帯は、“古を喰らう者”として恐れられる滅尽龍が主として君臨していた―のだが、数日前に縄張りに侵入した角竜の二つ名個体、鏖魔との死闘により重傷を負い、更に瘴気地帯の主から追撃を受け、行方をくらました。鏖魔も重傷を負った為、荒野地帯の主は不在となり、残りの猛者達が主の座を争って競争を繰り広げている。
瘴気地帯はあらゆる生物を喰らい、狂ってしまった恐暴竜の縄張り―というより他の地帯は主の妨害が鬱陶しかった為、自然と住み着いたのが瘴気地帯だった。そして主の中だと最も危険視されている存在だ。何せ少しでも他の主に隙が出来ると、すぐさま喰らってやろうと動き出すのだ。そして大抵他の主とは引き分けるのだが、その際に生まれる被害が馬鹿にならない為、また導き地全体に争いの火種が広まり、主同士の小競り合いに繋がるのだ。
溶岩地帯は紅蓮滾る爆鱗竜の縄張りだ。こちらも恐暴竜程ではないが時折からかうように他の地帯を荒らすことや、戦闘の際に爆鱗によって周囲への被害が多大なものになる為、危険視というより愉快犯のような認識をされている。
氷雪地帯は龍光纏う獄狼竜の縄張りだ。この獄狼竜は下克上を繰り返して主の座を勝ち取った、戦闘経験値だと主の中で頭一つ抜けたモンスターだ。古龍が忌み嫌う龍属性を扱うということや、以前の主を討ち取って見せた確かな実力から他の主からも一目置かれている。こちらも縄張りから出ることは少ない為、主の中だと危険度は低い方だ。
そして残り一つ、陸珊瑚地帯は他の地帯とは少々事情が異なっている。そもそもここまで知って思った者もいるだろう―何故実力が拮抗しているという程度で滅尽龍や恐暴竜がおとなしくしているのか。当然主達の実力も理由の内に含まれているが…最大の理由は陸珊瑚地帯の主の事情と性格にある。
陸珊瑚地帯の主は―二匹いるのだ。一匹は翼をネオンのように光らせる古龍、溟龍。そしてもう一匹は爬虫類のような見た目をした姿を消す霞龍だ。
この二匹は互いに穏やかな性格であったことや、能力の相性が良いのか、溟龍は後から来た霞龍を追い返すような真似をせず、共生関係を築き上げたのだ。この二匹によって陸珊瑚地帯は常に小雨と霧に見舞われていた。そして二匹共主に相応しい実力を持っている。つまり陸珊瑚地帯で暴れるということは―二匹の主を敵に回すことを意味する。他の地帯の主も強いが、自身と同等の実力者を二匹相手にすることがどれだけ分が悪いことか分かっている。
その上二匹は自身を害することが出来る存在に対して非常に敏感だ。故に他の主―主に恐暴竜や滅尽龍が暴れると、やり過ごすことが得意な霞龍が迎撃に赴き、争いを程々に済ませるのだ。それだけならばまだしも、自身の縄張りを侵されることを嫌う獄狼竜や金獅子も便乗して来ることがある為、流石のあの二匹も退かざるを得ないのだ。更に霞龍が出ている間も縄張りの防衛は溟龍が行っている為、落とそうにも落とせないのだ。下手をすると二匹が連携して戦う為、怒りを買うと手が付けられなくなるのだ。
こうした様々な要因により、導きの地のバランスは保たれている。だが主が特定の地帯で縄張りを構えているのを疑問に思う者もいるだろう。実際、血の気が多い滅尽龍や恐暴竜だけでなく、金獅子や獄狼竜など、広い環境を生息範囲とするモンスターは主の中にもいる。なのに何故今の縄張りで満足する者がいるのか―
―それは主だけでなく、この導きの地に住まう全てのモンスターに無意識の内に刻まれていることだ。
“この地全てを自身の物だと思わないこと”
何故かは分からないが、この強迫観念のようなものがこの地に住まうモンスターに刻まれているのだ。そして主と言えるモンスター達は気付いている。自分達を見ている巨大な“何か”の存在に―
そもそもおかしいのだ。この地のように複数の環境が一纏まりになっている地など、世界のどこを探してもこの地だけだろう。この地には巨大な古龍の遺体があり、モンスター達はそれに惹かれているという考え方は出来るが、この複雑な環境は古龍のエネルギーであっても説明がつかない。つまり―この環境を作り出した“何か”が存在するのだ。だが、普通に考えればあり得ない。何せ複数の環境を意識的に作り出せるということは
―あらゆる環境を自身の思うままに創造することが出来るということになるのだ。
それはまさしく世界を支配することが出来る力だ。あらゆる環境を創造出来るということは―その地に住む生命体を全て抹消することも可能なのだ。
自然現象を司る古龍であろうとも、複数の力を操ることが出来る古龍など、極少数だ。しかもそれは周囲の環境や手助け込みで結果的に操れるようになったというものがほとんどであり、生まれつき複数の現象の力を操ることが出来る古龍はほとんどいない。そんな中で思うがままに環境を創造することが出来る古龍がいるならば正に全ての古龍の頂点に立つ存在―
―“古龍の王”と呼ばれるに相応しいだろう。
「……」
導きの地の最奥、生命の気配が感じられない地底にて、一個の生命が鎮座していた。その存在が地面に足を付けると、地面が輝き始め、光がそれに向かって吸い込まれ、その存在の翼に星の輝きのようなものが浮かび上がった。そしてその存在から光が収まると、その存在は満足したように眠りに就いた。
今日も導きの地は、生命に溢れている。
はい、この小説における導きの地の説明回でした。
各地帯における頂点は主達ですが、瘴気地帯以外は他のモンスターもちゃんと生息しています。あくまで最も広い範囲を縄張りとしているのが主達というだけです。
そして最後のモンスターの縄張り争いもいつか書きます。
それでは次回をお楽しみに!
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