はい、皆さんご察しだと思いますが、書き貯めが尽きました。とりあえず最低限週一投稿目指して頑張りたいと思います。
そしてアンケートでは見たい派とお試しで投稿してそれ次第という意見だったので、とりあえずこの短編はこの話で一区切りです。
見ない派に投票してくれた人もありがとうございます。一応今回で一区切りというだけなのて、完結する訳ではないです。どんな反応であっても頻度が変わるだけでこの作品もちゃんと続きます。
それではお楽しみください!
“導きの地”
今この地は異様な雰囲気に包まれていた。何もモンスター達が暴れているだとか、過剰なまでに殺気立っている訳ではない。むしろその逆、
導きの地において、全てのモンスターが姿を消すという事態はまず無い。何故なら歴戦の古龍とも互角に戦える主達がいるからだ。当然自分達と戦える程であれば警戒するが、それでも姿を消すことは無い。戦ったとしてもとりあえず上手く手打ちにすることが出来るからだ。故に導きの地にどんなモンスターが訪れても、生物の気配が一切感じられないという事態はあり得ないのだ。
だが、今は主までもが姿を消している。それはつまり―
“導きの地・最奥部”
生物の気配が一切感じられない、まるで常世から切り離されたような環境に、一匹の古龍が座していた。
40メートルを越える巨体、俗に言われる超大型古龍である巨戟龍や爛輝龍と同じような体格だが、その身体から感じる風格と威圧感は、彼らを凌駕するものだった。
それもその筈、この古龍は数多く存在する古龍の中でも、その実力と能力から古龍の頂点を戴く存在―“古龍の王”と謳われる程のモンスターだ。完全なる者を意味するその名は―
「グルル…!」
赤龍は周囲を繭に囲まれた地底にて、ある者を待っていた。おそらくこの世界で数少ない自身と渡り合える実力を持った相手だ。戦う前から恐れて逃げるなどと言う無様な真似はしない。命の危機に瀕することでも無い限り、撤退を選ぶことはない。
出来ることなら新たな王の揺り篭となる周囲の繭も守りたいところだが、おそらく難しい。自身と渡り合える実力を持った相手である時点で、他のことを気にする余裕はないだろう。それに赤龍自身が生きてさえいれば子孫を残すことは出来る。とにかく今はこれから訪れる客人の相手をしなければならない。
「グギャアアアァァァン!!!」
「!!」
ドゴォン!!
赤龍がそう考えていた時、その客人が割れ鐘のような鳴き声と共にやって来た。客人は氷塊という贈り物を赤龍への挨拶とした。が、赤龍もそれを両腕を上げて受け取るような馬鹿ではない。その場から飛び退き、氷塊を回避する。
そして赤龍はその姿を捉える。まず目を惹くのは全身の鱗や甲殻が全て逆向き―つまり逆鱗であることだ。骨格は鋼龍や炎王龍と同じ、一対の翼に4本の足で大地を捉えている。古龍のほとんどが持っている角も天を貫くような何重にも重なった角になっている。煌黒色の甲殻に覆われ、黒くとも輝く煌黒星のようだ。
だが、この古龍の外見的特徴はどの文献を漁ったとしても合致するものはいないだろう。それもその筈、この古龍はその絶大な力故に数少ない文献が焚書され、存在をなかったこととされた、“禁忌”として数えられる存在―
「ギャアアァァン!!」
ドン!ドドドン!!
「!」
煌黒龍は吠えながら地底のあちこちに冷気を纏ったブレスを乱射する。攻撃自体は冰龍も行うものだが、火力と攻撃範囲は比べ物にならず、一瞬で周囲を絶対零度の様相に変える。
「ギュウウウ…!」
繭を凍らせ尽くした煌黒龍は、赤龍を見て唸る。赤龍の推察通り、煌黒龍は赤龍とその繭を撃滅する為にここまで来たのだ。赤龍が煌黒龍の気配を感じていたのと同じように、煌黒龍も赤龍程の正確さはないものの、赤龍の気配を感じ取っていたのだ。
そして煌黒龍は自ら以外の強大な存在を認めない意識が強く、自身に匹敵する力を持つ赤龍と放置しておけばそれが複数誕生することになる繭を撃滅しに来たのだ。
そして直に見て改めて確信する。赤龍は絶対に生かして置けない存在だ。自らの思うがままに環境を変え、創造することの出来る赤龍の力は気に入らないし、将来的な面でも、赤龍が複数誕生してしまえば、それこそ誰の手にも負えなくなる。今の内に確実に始末せねばならない。そして立ち振舞いから伺える自身が王であるという傲慢さに溢れたその姿は、自らの強さに絶対的な自信を持つ煌黒龍にとっては苛立ちを募らせるものだ。
「グルル…!」
だが、苛立ちを覚えているのは赤龍も同じ。全てを破壊せんとする煌黒龍の力は全てを好きに創造出来る赤龍からすると邪魔でしかない。何より自身を差し置いて自らを最強だと自負しているその様は、王としてのプライドを持っている赤龍から見ると非常に許しがたいものだ。ここで始末し、誰が頂点なのか分からせてやらねばならない。
そうして対となる二匹の龍が対峙し―
「ガアアアアァァァァ!!!」
「ギャアアアアァァァァン!!!」
―対極でありながら、滅びという同じ結末に導く力が激突した。
「ギュアアアアン!!」
煌黒龍が天に向かって吼えると、氷塊が発生する―と同時に落雷と龍雷が辺りに降り注ぐ。これが煌黒龍が禁忌の存在として恐れられる理由だ。煌黒龍も持っている力こそ他の古龍とは一線を画するが、それでも古龍特有のその種が操る天災は存在する。
煌黒龍の古龍として操ることの出来る力は―
これが意味することは、煌黒龍は全ての属性を操ることが出来る。しかも属性の出力も、他の古龍と比較しても完全に上回っている。
それ程の力をその身に宿している為、煌黒龍の身体からは常に属性の力が溢れ出ている。故に煌黒龍の住み着く場所はどんな生物も住めない神域となるのだ。
まさにあらゆる古龍を上回る存在であり、その力は神をも恐れさせることすら出来ると言われている為、“最強の古龍”という異名が名付けられている。
「オオン!!」
だが、赤龍もまた導きの地の主達すら歯牙にもかけない実力を持つ。巨体からは想像も出来ない速さで地を駆け、落雷と龍雷を躱すと、エネルギーを圧縮した光線を放ち、氷塊を撃ち落とす。
「! ギュアアア!!」
赤龍が攻撃をやり過ごしたことに煌黒龍は少し驚いたものの、今度は龍雷を身体に纏い、赤龍に向かって突進する。
「! オオオ!!」
赤龍は煌黒龍の突進を後退しながらも受け止めて見せる。が、煌黒龍と接触した箇所に細かい傷が刻まれていく。
これは煌黒龍の逆鱗の性質だ。煌黒龍の逆鱗は、あらゆる衝撃を跳ね返し、触れるだけで刻み込む凶器となる。むしろ細かい傷だけで済んでいる赤龍の頑強さと、禁忌たる煌黒龍の突進を受け止められたことの方がおかしい。あらゆる天災を操るのが煌黒龍最大の強みだが、身体能力単体で見ても十分脅威となる。それを受け止められる赤龍の身体能力も、また規格外だ。
「グオオオン!!」
「ギャアアアン!?」
そして赤龍が受け止めただけで終わる筈もない。煌黒龍の身体をずらし、地面に叩き付けると、地脈にエネルギーを一気に流し込んで爆発を引き起こし、煌黒龍を吹き飛ばした。
「ギュオオオ!!」
だが、煌黒龍は所々から血を流しながらも即座に体勢を立て直し、四肢を地に付ける。
「!」
地脈の流れが乱れたことから赤龍は何をするのかを察し、その場から飛び立つことで離脱する。すると―
ビシィ…!!
―一瞬で地面が凍り付き、氷柱が出来上がった。飛び立つのが遅ければ串刺しにされていたかもしれない。
「グオオ…!」
滞空した赤龍は、口内にエネルギーを溜め、地面の氷柱を一掃するついでに煌黒龍を消し飛ばしてやろうと狙う。
「ギュオオオ…!」
だが煌黒龍もその様子を見て黙っているだけで終わる筈もない。煌黒龍も口内に冷気と雷の力を収束させる。そして―
「━━━━━━━━━━ッ!!」
―赤龍の光線と、煌黒龍のブレスが衝突し、凄まじい轟音と光が発生し、互いに吹き飛ばされた。
「オオ…!グルル…!」
「ッ…!ギィアア…!」
ダメージを負いながらも、互いを視認し、まだまだ戦えそうなことを確認する。煌黒龍が仕掛けようとした時―
「オオ!」
「!」
―赤龍が大地を踏みしめ、全身に力を入れる。煌黒龍がその様子見て、構わず雷の雨を降らせ、赤龍の全身を貫くが、赤龍は動かない。煌黒龍は何かマズイことを感じ取り、直接攻撃で仕止めようと駆け出すと―
「オオ…!」
「!?」
―信じられないことに、赤龍の負った傷が凄まじい速さで修復されていった。
そう、これが赤龍最大の強みだ。赤龍の古龍としての能力は、地脈エネルギーを操ることだが、それは単に生物の気配を感知したり、光線として放つだけではない。
赤龍は文字通りその能力を完成させている。外部からの供給に頼ることなく、自身の体内でエネルギーを生成し、循環させているのだ。それ程にまで極められた能力があれば―
―地脈エネルギーで回復することも可能となる。これだけは体内で生成した分では間に合わず、外部から供給する必要があるが…それでも修復の具合や速さは滅尽龍を上回る。
生物としての完成度で言うならば、赤龍は煌黒龍―禁忌の存在すら上回っている。
「グルル…!」
「!」
傷を治しきった赤龍は、自らが格上であることを見せつけるかのように煌黒龍に向かって勝ち誇る。
それを見た煌黒龍は怒りが沸き上がる。この程度でまさか自身に勝ったつもりなのか?ふざけるな。狭い箱庭で王を気取っているだけで頂点に至ったつもりなら大きな間違いだ。真の最強は二匹もいらない。そして最強は―自分だ。
「━━オオオオォォォォ!!!」
煌黒龍が力を解放すると、蒼みがかった逆鱗は紫光を発し、龍光を滾らせる。これが煌黒龍の力が全て解放された状態だ。全ての属性を操ることの出来る煌黒龍だが、五属性を同時に発揮することは流石に難しく、三属性まで絞ることで力を安定させている。例えば先程までは氷属性を軸として活性化させた状態だ。
そしてこの状態は、古龍の嫌う属性でありながら、深い関わりを持つ龍属性を軸として、五属性全てを操れるようになった状態だ。当然身体に負担が掛かるものだが…赤龍の好きにさせる訳にはいかない。
「ギィアアア!!」
「!」
煌黒龍は吼え、身体から龍雷を発生させると同時に、落雷の雨と、洪水を遥かに凌駕する程の大量の流水を生み出した。
「ッ!オオオ!!」
それを見た赤龍は、光線を放って落雷を相殺し、流水は空中へ飛び立つことで退避する。
「ギィオオオ!!」
だが、赤龍がそう動くのなら煌黒龍も対応を変える。煌黒龍は流水に向かって火球を放つ。普通なら何の意味も成さない行為だ―煌黒龍の生み出した流水がただの水であればの話だが。
そうして流水に火球が着弾した瞬間―
ドッゴオオオオン!!
「!?」
―凄まじい大爆発を引き起こした。
煌黒龍の生み出す流水は、油のように可燃性の性質を持っている。それが洪水のように溢れ出ている所に火球を直撃させれば、当然地底全体を巻き込む程の大爆発となる。
「ギュアアアア!!」
爆発も収まらない中、煌黒龍は更に追撃を仕掛ける。もう一度洪水を生み出したと思いきや、身体から凄まじい冷気を発生させ、洪水を一瞬で凍り付かせる。本来油は凍らない筈だが、煌黒龍の馬鹿げた出力はそれを可能にする。
そして爆煙が晴れると―
「…!」
―氷漬けになった赤龍がいた。だが赤龍の気配はまだ消えていない。かなりのダメージは受けているが、生きているのなら攻撃は止めない。回復されると面倒だ。まあされたとしてもそれを上回る程の火力と手数で押しきれば良いだけの話だ。そうして火球で追撃を仕掛けようとした時―
ピシィ…!バリィン!!
「ガアアアアァァァァ!!!」
―赤龍が氷を破壊して姿を現した。身体中から血を流しているものの、赤い眼光で煌黒龍を捉え、胸部が光っている様子は明らかに降参する生物のそれではない。
この状態は赤龍の体内のエネルギーが臨界点に達した状態だ。周囲でも赤龍の臨海状態に影響されたのか、所々で地面が爆発している。
「ギルルル…!」
だが赤龍を恐れる煌黒龍ではない。どんな相手であろうと、己の力で撃滅するのみ。
「ギュアアアン!!」
煌黒龍は吼え、空中から氷塊と落雷を発生させ、地面からは溶岩を溢れさせた。その様子はまさに地獄、禁忌と呼ばれるに相応しい力だった。
「━━━━━!!」
だが、力を解放した赤龍も、“古龍の王”の異名に恥じない実力を持っている。
赤龍は口内にエネルギーを溜めると、極太の光線を放ち、更に薙ぎ払うことで氷塊と落雷を打ち消し、溶岩に対しては地脈エネルギーを爆発させて押し返す。
「オオオ!!」
赤龍は攻撃を凌ぎきると、滞空する煌黒龍に向かって突進する。接近戦ならば、巨体である分こちらの方が有利である為だ。
「ギィイイイン!!」
だがそれを易々と許す煌黒龍ではない。落雷、氷塊を生み出し、ブレスを放つことで赤龍の接近を牽制する。
「グオオオ!!」
赤龍は煌黒龍の猛攻を回避、あるいはブレスで凌ぐことで煌黒龍への接近を試みる。複数の属性と地脈エネルギーが入り交じるその様子は、世界を揺るがす災害ということを忘れてしまいそうな程に美しかった。
「グオオオ…!」
「ギュオオオ…!」
互いに空中で一通り激突し、地に着地した二匹は唸る。赤龍は一旦傷を修復しようと地脈からエネルギーを吸い取ろうとする。それを見た煌黒龍は―
「グウウウ…!」
「!?」
―力を溜めるように身体を縮込めると、龍雷と落雷が煌黒龍の周りに発生し、辺りが冷気によって一気に凍り付く。
赤龍は体内のエネルギーによって体温も上昇している為、氷漬けになることはなかったが、それでも煌黒龍から発される力の大きさは感じ取ることが出来る。そして察する―この規模は修復で耐えきることが出来るものではない。故にこちらも切り札を切ることを決める。ここを凌ぐことが出来れば、修復でこちらが有利になる筈だ。
「ゴオオオ…!」
赤龍は空中へ飛び立ち、口内にエネルギーを溜めると、漏れでるように蒼炎が煌黒龍の発する冷気と相殺する。
そして赤龍は一つの人の手に収まる程の雫を放ち―
煌黒龍が空中へ飛び上がると―
「━━━━━━━━━━!!」
―王の裁きと、終末の審判が下された。
「ギィ…!オオオ…!」
煌黒龍はボロボロだったが立ち上がった。赤龍はどうなったか…
「…オオ…!」
「!?」
赤龍も何とか生き残っていた。それを見た煌黒龍は修復される前に息の根を止めてやろうと動くが―
ズッ…!!!
「「!?」」
―双方共に大きな気配を感じて止まる。以前からいた気配ではない。どこか遠くだが…間違いなく急に現れた。
特に気配を察知することに長けた赤龍からすると気味が悪いことこの上ない。これ程の存在ならば地中にいようがどこにいようが気配を消すことなど不可能だ。
にも関わらず、自身に悟られることなく、急に現れた。しかも感じる気配もどこか異質だ。とんでもなく強いことは分かるが、生物として発する気配とは違う気がする。まるで―別の次元の生物であるかのような。
「ギィイイイ…!」
「!」
赤龍が思考に耽っていると、煌黒龍が遠くの気配の方を向いて唸る。赤龍が思わず顔を向けると―
「………ギュウウウ…!」
―煌黒龍は赤龍に対して不服そうな声を上げ、どこかへ飛び去って行った。
「………」
赤龍は呆然とした様子で煌黒龍が飛び去った空を見上げる。そして思う。何故煌黒龍は自身を抹殺することを諦めてでも別の地へ向かったのか。おそらくさっきの気配と関係があるのは間違いない。
赤龍は生物の気配を察知することが出来るだけであって、思考までは分からない。特別興味がある訳ではないが…おそらくさっきの気配の主の思考は一生分からないし、分かりたくもない。
あれは本当に異常だ。煌黒龍も存在として十分規格外ではあったが、さっきの気配はまるで力の塊のようだった。自分とも煌黒龍とも、箱庭に住まう全ての生物とも、何かが決定的に違う。あれは一体何なのか…考え始めるとキリがないが、まずは傷を癒さねばならない。
眠りに就きながら赤龍は思う―そう遠くない未来、何かが起こるのかもしれない、と。
導きの地の空は、晴れることはなかった。
はい、初の禁忌級の争いでした。本当はもっと盛りたいとこもあったんですけどね…待たせ過ぎるのは本当にアカンと思い、ちょこっと削りました。
次はアンケートの通り、新連載のお試し投稿です。そこでもアンケート取りますので、今後を決める為にも是非ご一読くださいませ。
お試し投稿も一週間以内には上げたいと思います。上げられなかったら…そういうことです。
どうなってもこの作品を終わらせるつもりはないので、これからも応援よろしくお願いいたします!
評価、感想もよろしければお願いいたします!
それでは次回をお楽しみに!
メインモンスター+αでコイツが好き
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リオレウス
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クシャルダオラ
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