こんな縄張り争い見たい…見たくない?   作:サクラン

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リクエスト争いです。

皆さんからの案には本当に助けられています!感謝感謝!

ですが一つワガママを言わせてもらうと世界観を重視しているので、出来ることなら超強化個体のモンスターを考慮するのは遠慮していただけるかと…(例としてはジョジョブラキとベヒーモスを戦わせる等)

それでも書いて欲しいというものに関してはある程度変えるなりして書きますが…どうしても無理だと判断した場合は断念させていただきます。誠に勝手ながらご了承いただけると幸いです。

それではお楽しみ下さい。


簒奪者達の戦い!

 “未知の樹海”

 

 

 この場所は未だに全貌が解明されていない広大な樹海であり、その分多くのモンスターが生息している。深奥部の位置こそ分かっているが、そこに至るまでのルート全ての解明はされていない。稀に非常に強力なモンスターが現れることもあり、積極的に調査が進められている。

 

 

 時には古龍すら確認される凄まじい場所だが…それでも自然界におけるサイクル、食物連鎖は当然存在するし、その中には知恵を駆使して生き延びている簒奪者達も存在する。

 

 

()()はその最たる例と言えるだろう。

 

 

「ギャウ!、ギャウ!」

 

 

 群れを率いているそのモンスターは、青と黒のストライプ模様の皮を持ち、黄色い嘴からは鋭い牙が覗いている。部下と思われるモンスターよりも発達した前足からは、赤く鋭い爪が伸びている。リーダーの証である赤い鶏冠を持つそのモンスターは─

 

 

“ドスランポス”

 

 

「ギャウ!」

 

 

「!」

 

 

 狩ったのであろう草食種の肉を咥えた彼らは、ドスランポスが一鳴きするとピタリと止まり、肉をその場に置いた。

 

 

「ギャギャウ!」

 

 

「「「ギャウ!」」」

 

 

 もう一度ドスランポスが鳴き声を上げると、群れはその場に残る者達と離れて行く者達の二つに別れ、ドスランポスは数匹の部下と共に周囲を見渡し、残った者達は獲物の肉を喰らい、食事を取り始めた。

 

 

 これを見ると分かるが、鳥竜種の群れというのは基本的に社交性が高く、皆で連携するのが基本だ。ドスランポスの群れで言うところのランポスと言った小型の鳥竜種は基本的に格下以外には敵わず、トップであるドスランポスも、大型モンスターの中だと最弱に近い。どちらも生態系での地位は高いとは言えない為、群れで連携することで生き長らえているのだ。

 

 

 中にはトップが敗北すると分かると即座に見捨てるような種も存在するが、ランポス種はトップが率先して見張りに回る辺りから分かる通り、群れの中での結束力は高く、そこから生まれる連携は、駆け出しを卒業したばかりのハンターでは苦戦を強いられる。

 

 

 事実、彼らでは逆立ちしても勝てないような猛者が現れるこの地で生き延びられているのは、彼らの連携からなる索敵能力の高さのお陰だ。何も格上に打ち勝つことが自然界における正義ではない。逃げることで生き延びるのもまた、立派な生存戦略だ。

 

 

─そしてまた、不意打ちや横取りと言った手段で生き延びるのも、自然界においては何らおかしいことではない。

 

 

「!、ギャウ!」

 

 

「!」

 

 

 周囲を見渡していたランポスの内の一匹が何かを発見し、声を上げる。リーダーであるドスランポスは勿論、食事を取っていた者達も、食べるのを止めて顔を上げる。

 

 

 そうして全員が声の方向に顔を上げた瞬間─

 

 

 

 

 

「ギャウアア!」

 

 

「ギャッ!?」

 

 

「「「!?」」」

 

 

 

 

 

─何か別の生物の声が聞こえると同時に、部下の内の一匹の叫び声が響いた。全員が驚いて反対側を振り返ると、自分達とは別の鳥竜が部下の内の一匹を喰い殺していた。

 

 

「ギャウウ…!」

 

 

 当然、長くに渡って生活を共にして来た仲間を喰い殺されたとなって怒りを感じない筈もない。群れの中のランポスが唸り、命知らずの侵入者を同じように喰い殺してやろうと睨み付ける。

 

 

「ギャウ!」

 

 

「「「!」」」

 

 

 だが、長であるドスランポスが声を上げ、彼らを制すると─

 

 

 

 

 

「ギャウアア!」

 

 

「「───!」」

 

 

 

 

 

─更に声を上げて、陣形を整えさせる。ドスランポスとしても、殺されてしまった部下の仇は討ちたい。だが、ここで怒りに任せて飛び掛かってしまえば、奴─否、()()の策に嵌まることになってしまう。

 

 

 これはドスランポスの直感ではあったが、ほとんど確証に近いものだった。あの鳥竜もこの世界を生き延びてる以上、無策で、それも多勢に無勢で挑むことなどあり得ない。ならばあの鳥竜が罠である可能性が高い。そして罠が用意されているのなら、そこに突っ込むことなどしない。このまま何も無いのならば、群れで襲い掛かるが…

 

 

 

 

 

「ギャウア!、ギャウア!」

 

 

「ギャウウ…!」

 

 

「ウウ…!」

 

 

 

 

 

─やはりそんな簡単な話ではないようだ。鳥竜が吼えると次々と同じような鳥竜が続々と現れる。中には一回り程身体の大きい個体もいる。

 

 

「ウオオ…!」

 

 

 そして奥の茂みから、身体の大きい個体よりも更に大きい長と思われるモンスターが現れる。部下と同じように薄紫色の皮を持ち、頭部には部下よりも更に立派な襟巻のような耳を持っている。ドスランポスの推察通り、このモンスターが彼らの長─

 

 

 

 

 

“狗竜”

“ドスジャギィ”

 

 

 

 

 

「ウオッオッオッオッ!」

 

 

「!」

 

 

 狗竜が特徴的な鳴き声を上げると、部下達は一斉に動き、ランポス達と同じように陣形を作り出す。体格とその動きを見るに、こちらと同等クラスの連携力を持っているのは間違いない。

 

 

「ギャウウウ…!」

 

 

 だが、だからといって退く気はない。何も連携だけが全てを決める訳ではないのだ。大型の飛竜に戦いを挑むよりはよっぽど勝機があるし、何より可愛い部下を殺されたまま引き下がる訳にはいかない。

 

 

「ウオオオオ…!」

 

 

 臨戦態勢のドスランポスを見て、狗竜もまた威嚇する。こちらの罠に嵌まらなかったのを見るに、中々良い観察眼を持っているようだ。簡単に仕留めることは出来なかったが、それでもまだやりようはある。必ず自分達が勝つ。

 

 

 

 

「ウオオオオ!!!」

 

 

「グオアアア!!!」

 

 

 

 

 

 こうして簒奪者達の戦いが幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャウア!」

 

 

「ギャウ!」

 

 

「ギャウ!、ギャウ!」

 

 

 最初にドスランポスが声を上げ、陣形を組んでいた内の数匹と共に狗竜に向かって行く。何も群れを全て全滅させる必要はないのだ。互いの群れのどちらかの長が死ねば、その瞬間は群れが瓦解したも同然だ。皆が従う絶対的な長がいるからこそ鋭い連携が出来るのであって、それが死ねば動きが鈍くなるのは必然だ。

 

 

「ウオッオッオッ!」

 

 

「ウオアア!」

 

 

「ギャウア!」

 

 

 当然そんなことは狗竜も分かっている。故に狗竜も部下達に指示を出した。だが、ドスランポスと違い自らは動かず、何匹かの身体の大きい個体─ジャギィノスと、通常のジャギィをドスランポスに向かわせて行く。

 

 

「ウオアア!」

 

 

「!!」

 

 

 そのまま狗竜は動かないのかと思いきや、残りの部下を引き連れて、ランポスの群れの方に向かって行った。それを見たランポスは一瞬何がしたいのか分からず戸惑ったが、直ぐ様理解した。

 

 

 狗竜は長を討ち取ろうとしたドスランポスとは逆に、部下を殲滅する選択をしたのだ。普通なら中々出来ることではない。何故なら鳥竜種の群れは基本的に長以外の実力はそう変わらず、部下で長を止めようと思うと最低でも十匹以上は必要だ。当然そんな手が使える程大きな群れを率いる長は滅多におらず、コストが大きすぎるが故に長が長を相手にして、時折部下と連携しながらチャンスを掴みとるのが基本だ。

 

 

 だが、狗竜の場合は雌雄で体格が違う。どちらが雄でどちらが雌かは分からないが、走る速度を見るに、小さい方は素早さに優れ、大きい方が力に優れているのだろう。互いの弱点が補える組み合わせ故に、ドスランポス相手に時間稼ぎが出来ると踏んだのだろう。

 

 

「グオア!」

 

 

 当然ドスランポスは狗竜を止めようと後を追う。狗竜単独ならば何とか部下達だけでも止められたかもしれないが、流石に狗竜の部下もついてくるとなると手に余る。

 

 

「ウオアア!!」

 

 

「ギャウア!!」

 

 

「!」

 

 

 だがドスランポスを止める為にジャギィノス達がいるのだ。素早さに優れたジャギィがドスランポスの前に先回りし、力に優れたジャギィノスは後ろから追うような形で挟み撃ちにした。

 

 

「ギャウン!!」

 

 

「グオアア!!」

 

 

 最初にジャギィが素早く飛び掛かったものの、ドスランポスはあっさりとそれを躱して反撃の要領で噛み付こうとするが─

 

 

「ウオオオッ!!」

 

 

「!」

 

 

─追い付いて来たジャギィノスが体当たりを仕掛け、ドスランポスの攻撃を止めさせる。

 

 

「…!」

 

 

「ギャウ!、アア!」

 

 

「ウオオオ!!」

 

 

 ドスランポスはジャギィノス達の位置を確認すると共に、部下達の戦いを視界に入れる。どうやら相手側はジャギィとジャギィノスの長所を活かし、上手く立ち回っているようだが、こちらも決して押されっぱなしではない。強みである素早さを活かし、上手くいなしている。

 

 

─あくまで部下同士でぶつかっている場所はだが。

 

 

 

 

 

「ウオオオオ!!」

 

 

「ギャウン!?」

 

 

「ギャッ…!」

 

 

 

 

 

 狗竜を相手にしている部下達は狗竜を止めきれず、徐々に削られている。今すぐにでも自分が相手をしなければマズイ。

 

 

「ギャウウウ…!」

 

 

「ウオオオオ…!」

 

 

 だが、それには目の前の鬱陶しい奴らが邪魔だ。同じように、部下達はそれぞれの相手で手一杯だ。このままでは緩やかに敗北することになってしまう。覆す手として最適なのは、やはり自分が狗竜を倒すことだろう。

 

 

 ならばそれに必要なこととして、目の前の邪魔者をどうやって排除するかだが…

 

 

「!」

 

 

 ドスランポスは周囲を見渡して、あるものに目を付ける。それは地面から生えた蔦が這った天然の二重床だった。

 

 

 

 

 

「ウオオオオ!!」

 

 

「ギャウン!?」

 

 

 狗竜はランポスを蹴散らしながら上手く行っている、と考えていた。自分達には毒などは持っていないが、部下達の長所を活かし、変則的な連携で勝ち抜いて来た。いくら矮小でも、自分が最も強いとしても、彼らは大切な仲間だ。これまで勝ち残れたのも、自分を信じて付いてきてくれていたからだ。

 

 

 部下の大切さ、重要性が分かっているからこそ、狗竜は鳥竜種の群れと戦う時は決まって部下を倒すことに重きを置いていた。単独で生き残れるのはその生物がそれ程強いからであり、自分にはそれ程ずば抜けた強さはない。同じような鳥竜種でも凄まじい脚力を持つ者など、手強い相手もいたが、部下が逃げるような薄情者達だったのもあり退けることが出来た。

 

 

 今回の相手も連携力は目を見張るものがあるが、このまま行けば勝てる。数を減らして来たからか、段々攻めるペースが落ちてきた。後はもう時間の問題だ。

 

 

「ウオオオ!!」

 

 

 そうしてまた一匹のランポスを噛み砕こうとする―

 

 

 

 

 

「グギャオオオ!!」

 

 

「ウオオン!?」

 

 

 

 

 

―前に、突然長の蹴りが狗竜を蹴り飛ばした。

 

 

 蹴り飛ばされた狗竜は即座に立ち上がりながらも困惑する。今の今まで長は抑えられていた筈だ。まさか全ての部下を倒して来た?否、そんなことが出来るのなら出し惜しみする理由がない。本当に突然力が上昇しなければこんな芸当は不可能の筈―

 

 

 

 

 

「ギャウン!?」

 

 

「ウオオン!?」

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

―突然部下達の悲鳴が聞こえ、後ろを振り返ると、ランポス達が部下達に飛び掛かっていた。それも普通のやり方ではなく、素早く跳躍し、地面から伸びている蔦に爪を引っ掛けて上から強襲するという形で。

 

 

 それを見た狗竜は察する。彼らは自分達を引き付けていたのだと。見た所彼らの爪は相当に発達している。それこそ蔦に引っ掛けることが可能な程に。そして彼らの優れた跳躍力なら一瞬でこちらの攻撃が届かない所まで跳ぶことが可能だ。こちらのシャギィも跳ぶことだけならば出来るかもしれないが、爪を蔦に引っ掛けるという芸当は彼らにしか出来ない芸当だろう。当然、パワー重視の自分やシャギィノスはあんな跳躍は不可能だ。

 

 

「グオオ!!」

 

 

「ウオオン!?」

 

 

 そして今まさに自分もその変則的な機動に翻弄され、傷を負わされている。見ると部下達も数の利でどうにか持ち堪えているものの、先程までの攻勢はなりを潜め、一方的に押されている。このまま行けば恐らくは…

 

 

 

 

 

「ウォッオッオッオッオッオッ!」

 

 

「「「!」」」

 

 

 

 

 

―そう考えた狗竜の決断は早かった。崩されきってない今のうちに逃走する。パワー重視で素早さに優れていない自分やシャギィノスでは、今の彼らを捉えるのすら一苦労だ。長であるドスランポスも、あくまで足止めをすることに徹していた為、手傷自体はほとんどない。数では上回っている為勝つのが不可能という訳ではないだろうが、あまりにもリスクが高過ぎる。目的と手段が逆転してしまっては本末転倒だ。幸いにも獲物という最低限の収穫はあったのだ。縄張りが手に入らなかったとしても十分お釣りが来る。

 

 

「ギャウアア!」

 

 

 逃げる狗竜達をドスランポスは追うが、狗竜を筆頭にして傷が少ない者達が殿として残り、足止めをしてきた為追い切ることが出来ず、見失ってしまった。

 

 

「ギャウウウ…!」

 

 

 ドスランポスは悔しそうに唸る。一泡吹かせることは出来たものの、結局狗竜を仕留めることは出来ず、受けた損害としてもこちらの方が大きい。相手の攻め方が奇抜だったとはいえ、群れを守るのが役目である長としては失格だ。

 

 

「ギャウ!、ギャウ!」

 

 

「!」

 

 

 部下の鳴き声が聞こえ顔を上げると、傷付いた者達も皆こっちを見ていた。責めているというよりは、指示を待っているように見えた。

 

 

「…!」

 

 

 それを見てドスランポスは奮起する。そうだ。自分は立ち止まることなど出来ないのだ。どんなことがあっても常に群れを導くのが長との役目だ。例え間違えたとしても、窮地に追い詰められたとしても、常に頭を回して打開策を考えねばならない。今回の戦いは苦い結果となってしまったが、蔦を活かした戦い方を発見出来たのは収穫だった。この辺りを縄張りにするのも良いかもしれない。

 

 

「ギャウ!」

 

 

「「「!」」」

 

 

 そうと決まれば声を上げる。まずは細かく提案し、その結果に応じて周囲の警戒、傷の治療、他の生物の調査と、やることは山程ある。下を向いてなどいられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生態系の簒奪者達は、今日も強く生きている。




はい、初の中型争いでした。

書いてみる前は不安だったけど、書いてみると割りとスムーズに書けた。まあ内面描写し過ぎで肝心の争いが薄くなっちゃったかもしれない…まあ要反省ですね。

評価、感想もよろしければお願い致します。

それでは次回をお楽しみに。

メインモンスター+αでコイツが好き

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