こんな縄張り争い見たい…見たくない?   作:サクラン

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リメイクした小説書けました。興味のある方はご一読ください。

https://syosetu.org/?mode=write_novel_submit_view&nid=320109

愛かぁ…私には無縁の話ですね(血涙)

それではお楽しみください。


燃え滾る愛

 “龍結晶の地”

 

 溶岩とエネルギーに満ち溢れたこの地では、古龍の出現も珍しくない。

 古龍の王たらん者を打ち倒し、異常が収まったとしても、それまでに溜め込んだ莫大なエネルギーは据え置きである為、強大なモンスター達が惹かれて集まってくる。

 それを示すかのようにこの地には今とあるモンスターの番が住み着いていた。

 

「ガルルルル…!」

 

「………」

 

 赤と青の対照的な色合いで溶岩地帯に続く広場でその番は座り込んでいた。

 青い片割れは不機嫌であることを隠す気がないのか、低い声で唸り、赤い片割れは何処か疲れたような表情で座り込んでいた。

 立派な鬣を携え、気品と熱気を溢れさせているその番は、炎王龍と炎妃龍であった。

 

 この番は繁殖期である為、大量のエネルギーが必要ということでこの地にやって来た。

 炎妃龍が不機嫌なのは既に炎王龍との行為は済ませており、まだ日は浅いとはいえ腹に子を宿している状態である為、少々神経質になっているのだ。

 炎王龍はそんな炎妃龍の側で色々と気を遣っている為、少々疲れてやつれた状態である。しかし妻はもっと疲れていると思い、側を離れることなく寄り添っている、良い夫だった。

 

 この地には老練の鋼龍も住み着いていたのだが、流石に二対一は厳しいと思ったのと、繁殖という目的で訪れていると察した為、離れるまでは邪魔しない方が良いと思い、現在は姿を隠している。

 そんなこんなで唯一対抗できる鋼龍も身を隠している為、二匹の古龍に喧嘩を売るようなモンスターはおらず、炎龍の番は安全に暮らすことができていた。

 

 

 

 

 

 だが、忘れてはならない。

 この地には強大なモンスター―つまり古龍に匹敵するモンスターも集うということを。

 

 

 

 

 

ドンッ!!

 

「「!!」」

 

 

 

 

 

 突然炎龍達を狙って火球が飛んでくるが、警戒を怠っていなかった番はどちら共躱すことができたが―

 

 

 

 

 

「グオオオオ!!」

 

「! ガアアアア!!」

 

 

 

 

 

 ―躱した炎妃龍の行き先に先回りした影が尻尾を振るって炎妃龍を狙う。

 だが、炎妃龍も即座に粉塵をばら撒いて爆破し、上手くやり過ごした。

 

「ガルルルル…!」

 

「オオオオ…!」

 

 そして炎王龍が当然のように炎妃龍の隣に並び立ち、空中にいる影に向かって威嚇する。

 二匹の炎龍の力に呼応し、周囲に陽炎が発生する程に温度が上昇する。

 

「グルルルル…!」

 

「グオオオオ…!」

 

 そんな古龍二匹の力を感じようとも、相手も退くつもりはない。

 それもその筈、この飛竜の番は存在そのものが幻とされ、戦闘力もまた、通常種や亜種とは一線を画する存在―

 

“銀火竜”

“リオレウス希少種”

 

“金火竜”

“リオレイア希少種”

 

 この飛竜の番もまた、子作りの為にエネルギーが豊富な地を求めてここまでやって来たのだ。

 運の悪いことに炎龍の番(先客)がいたが、飛竜の番としてもこれ程栄養満点の地は他に無い為、おちおち諦める訳には行かない。

 

 そして炎龍の番は全身から粉塵と熱気を、火竜の番は口内から業火を滾らせながら―

 

 

 

 

 

「「グオオオオォォォォ!!!」」

 

「「ガオオオオォォォォ!!!」」

 

 

 

 

 

 ―天に向かって咆哮を轟かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グオオオオ!!」

 

「ガアアアア!!」

 

 金火竜がブレスを放つと同時に銀火竜が炎龍を挟み込むようにして後ろに回り、炎妃龍は迎え撃つように粉塵を纏って突進する。

 

「ガアアアア!!」

 

「グオオオオン!!」

 

 炎王龍は後ろに回った銀火竜に水を差されないよう、敢えて真正面から相手をする。

 見た所空中戦に優れ、炎を放つことができるようだが、炎を扱う点に於いて炎龍以上の者はそうそういない。

 持久戦なら望む所だし、タイマンの勝負なら自然とこちらが有利になる。

 

「オオオオ!!」

 

「ッオオ…!」

 

 炎王龍は粉塵を空中に散らし、牙を打ち鳴らして一斉に起爆する。

 銀火竜も巧みな空中機動で爆破を躱すものの、炎王龍が追撃して来ないことから持久戦狙いだと看破する。

 実際有効な手段だ。相性からしてタイマンなら遅かれ早かれ有利になるのだから、今は炎妃龍の邪魔をされないよう足止めに徹するというのは間違っていない。

 

「グオオオオ!!」

 

「ッ! ガアアアア!!」

 

「ッ…! オオオオ!!」

 

 銀火竜はちらりと金火竜の様子を伺うと、空中戦で攻勢には立っているものの、炎妃龍の火力と範囲攻撃に苦戦し、中々有効打を与えられていないようだ。

 このままでは劣勢に陥ることになる。そう考えた銀火竜は行動を起こす。

 

「グオオオオン!!」

 

「! グオオオオ!!」

 

「「!」」

 

 銀火竜の呼び掛けるような咆哮に金火竜が応えるように吼えた。

 何をして来るつもりだと炎龍達が身構えると―

 

 

 

 

 

「「グオオオオ!!」」

 

 

 

 

 

 

 ―銀火竜と金火竜がブレスを放ちながら相手に突っ込んで行く。

 炎王龍と炎妃龍は最低限の動きでブレスを躱す。

 炸裂したことにより甲殻を多少焼くが、この程度の熱量では炎龍の耐火性を突破することなど不可能であり、戦闘に支障もない。

 

「「ガアアアア!!」」

 

 そして真正面から相手してくれるのならそれに越したことはない。

 自身の周りに粉塵を撒きつつ、互いの相手に向かって行く。

 そして火竜と炎龍が激突する瞬間―

 

 

 

 

 

「「「「━━━━━━━━━━ッ!!」」」」

 

ドオン!!

 

 

 

 

 

 ―炎龍は急停止して粉塵を一気に収束させ、火竜は後ろに羽ばたくと同時に業火を滾らせてブレスを放つ。

 炎龍が牙を打ち鳴らすよりも早くブレスの熱気に当てられた粉塵が起爆し、大爆発を引き起こした。

 

「ガルルルル…!」

 

 爆発によって土煙が収まらない中で、炎妃龍は纏う炎の出力を上げて火竜達の追撃を警戒する。

 あちらの策に敢えて嵌まったフリで騙すつもりだったが、想定していたのか、偶然躱すことができただけなのかは分からないが、この機を逃す筈がない。

 そうして少し気を張り詰めてじっとしていると―

 

 

 

 

 

「ガアアアア!!」

 

「!」

 

 少し離れた場所から炎王龍の声が聞こえた。

 その声を聞いた炎妃龍は嫌な想像が頭を過る。

 視界が利かず、こちらが警戒して動かないことを予見し、片方を一気に袋叩きにするつもりなのかと。

 そう思い、すぐに炎王龍の救援に向かおうとした時―

 

 

 

 

 

ゴオォォッ!!

 

「! ガアアアア!」

 

 

 

 

 

 ―煙を突っ切ってブレスが飛んで来た。

 こちらを迎撃するつもりなのか、何か策があるのかは分からないが、今一番マズいのは、炎王龍が殺られてしまうことだ。

 まずは煙を吹き飛ばし、炎王龍を救う。

 炎妃龍は蒼い炎を走らせ、攻撃と同時に煙を吹き飛ばす。

 

「グオオオオ!!」

 

「!? ガアアアア!!」

 

 吹き飛ばした煙の向こうから銀火竜が突っ込んで来たが、炎妃龍は速度を緩めずそのまま銀火竜を吹き飛ばそうとする。

 

ドオオオ!!

 

「グ…オオオオ…!」

 

 蒼い炎を纏った炎妃龍の突進を銀火竜は足の爪で何とか受け止めた。

 しかし怒れる古龍の突進は並の威力ではなく、足の骨から全身にかけて軋むような痛みが走り、耐火性に優れた甲殻も炎妃龍の圧倒的火力の前に少しずつ焼かれていく。

 しかし銀火竜も負けじと抵抗し、猛毒を備えた爪を炎妃龍の角に食い込ませてゆく。

 

「ガアアアア!!」

 

「…ッ!」

 

 炎妃龍にもダメージは入っているものの、激情によって更に火力が上がる。

 だが、銀火竜としてはこれで構わない。動きが止められたのなら。

 

 

 

 

 

「グオオオオン!!」

 

ドゴォン!!

 

「ガッ…!?」

 

 

 

 

 

 炎妃龍の側面から金火竜が飛び出し、渾身のサマーソルトで炎妃龍を吹き飛ばした。

 炎妃龍は地面を転がりながら驚く。

 炎王龍の咆哮が聞こえたことからてっきり金火竜は炎王龍の相手をしていたのだとばかり思っていたが…

 

「ガアアアア!!」

 

「ッ!」

 

 一瞬遅れて炎王龍が金火竜に飛び掛るが、金火竜は分かっていたのか素早く羽ばたいて炎王龍の飛び掛かりを躱した。

 

「ガルルルル…!」

 

 互いに番同士で並び立って睨み合う形になり、炎王龍は毒に侵されている炎妃龍を庇うように前に立ち、喉を鳴らして威嚇する。

 その表情からは怒りと自身への不甲斐なさを感じていることがひしひしと伝わる。

 

「グルルルル…!」

 

 火竜の番は爆煙に紛れて空中機動でダメージを与える策は成功したが、銀火竜が負ったダメージが想像以上に大きい。

 やはり古龍との正面戦闘は分が悪い。

 だが、炎妃龍に大ダメージと猛毒を打ち込むことができた。

 当然炎王龍がカバーに入るだろうが、こっちはその隙を突けば良いし、銀火竜のダメージも足に集中しているので飛行能力には何の支障もない。

 空中での戦闘力と連携なら、負ける気はない。

 

 

 

 

 

「「ガアアアアァァァァ!!!」」

 

 

 

 

 

 火竜の番は同時に吼えると、口内から喉元にかけて劫炎を滾らせる。

 これは“劫炎状態”と呼ばれる形態であり、この状態で放つブレスの火力は炎龍に勝るとも劣らない火力になる。

 

「ガウウウウ…」

 

 だが、それでも勝つのは自分達であると、炎王龍は自信を持って言える―全快の状態であったのなら。

 大事な妻である炎妃龍をカバーしなければならない以上、どうしても先手を相手に許してしまう。

 そもそも今炎妃龍はまだ日は浅いとはいえ腹には子を宿している。

 色々とデリケートな時期に毒に侵され、その上で無理をすれば腹の子に影響がないとは言い切れない。

 そのことを考えるとこの場での正しい判断はこの地を捨ててでも撤退することなのではないかと炎王龍は考える。

 その時―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガウ」

 

「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―炎妃龍が炎王龍を呼ぶようにして吼え、血を流しながらも真っ直ぐに炎王龍を見詰める。

 その瞳から感じる意思は諦めを感じさせるものではない。

 炎妃龍としても自分だけなら撤退するつもりだった。

 だが、炎王龍と共に戦えばどんな相手だろうと勝てるという確信があった。

 ならば、炎王龍もその期待に答えねばなるまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ガアアアアァァァァ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 炎龍の番は粉塵を纏い、身体が発光して見える程に能力を解放し、地を駆けて飛び上がる。

 

「「グオオオオ!!」」

 

 空中戦を仕掛けて来た炎龍に臆することなく火竜は迎え撃つ。

 銀火竜は炎龍の側面に移動し、金火竜は真正面から炎龍に向かって突進する。

 

「ガウン!」

 

「!」

 

 すると並走していた炎王龍が炎妃龍の側から離れ、やや後ろから粉塵をばら撒く。

 それもかなりの量であり、粉塵を二つに分けて片方は銀火竜の付近に、もう片方は炎妃龍を護るように分布する。

 恐らく炎妃龍への接近を拒みつつ、上手く銀火竜と殺り合う為の策なのだろうが、その程度で止められると思われるのは心外だ。

 

「グオオオオ!!」

 

 咆哮と共に金火竜はブレスを乱射する。

 その炎は青白く染まっており、火力が上がっていることがよく分かる。

 

「ガアアアア!!」

 

 炎妃龍は粉塵を爆破されることを嫌ったのか、ブレスを放って金火竜のブレスを相殺した。

 凄まじい熱量に周囲の空気が歪む。

 

ドドドン!!

 

「グオオオオ!!」

 

 一方炎王龍と銀火竜も炎王龍が粉塵爆破で攻め立て、銀火竜が優れた空中機動で躱していた。

 

「グオオオオ!!」

 

「ガアアアア!!」

 

 そして真っ向からぶつかり合う瞬間―

 

 

 

 

 

「グオン!」

 

「!」

 

 

 

 

 

 ―銀火竜が寸での所で旋回し、炎王龍の攻撃を躱すとそのままの勢いで金火竜と睨み合っている炎妃龍の元へ向かって行く。

 そう、先程の炎妃龍へ有効打を叩き込んだのもこの方法だったのだ。

 火竜が“空の王”という異名が名付けられているのは何も飛行速度が速いだけでなく、空中での動きが優れているからこそなのだ。

 そして通常種とは比べ物にならない程の身体能力を持っている希少種ならば、急転回など容易い芸当である。

 爆煙という目眩ましもあれば、文字通り消えたように思わせることも可能である。

 火竜達の狙いは炎妃龍であり、どんな戦法で来ようと弱っている方を叩かない理由はない。

 飛行速度も炎王龍を上回り、全速力で追っても間に合わない。

 ―何の対策もしていなければの話だが。

 

 

 

 

 

「ガオオオオ!!」

 

「!」

 

 

 

 

 

 炎王龍はせめてもの抵抗なのか、粉塵を撒いて羽ばたくことで銀火竜に向かって飛ばす。

 だが、やはり飛行速度を上回ることができず爆破したとしても届かない。

 一手、火竜達の方が速い。

 

 

 

 

 

カチッ

 

「!?」

 

 

 

 

 

 その時、炎妃龍が粉塵を撒いていないにも関わらず、牙を打ち鳴らす。

 嫌な予感を感じ、火竜達が距離を取る間もなく―

 

 

 

 

 

ドドドドドドンッ!!

 

 

 

 

 

 ―炎妃龍を中心にして、凄まじい連鎖爆破が引き起こされた。

 それは炎王龍の撒いた粉塵にも巻き込まれ、少し離れていた銀火竜すら巻き込んだ。

 炎妃龍が行ったのは、端的に言えばカウンターである。

 炎王龍もそうだが、彼女らの身体から出る粉塵の正体は古くなった角質である。

 そしてそれらを羽ばたくことでばら撒き、牙を打ち鳴らして起爆、というのが粉塵爆破の正体である。

 つまり、羽ばたきさえしなければ角質は身体に付着したままである。

 その状態で牙を打ち鳴らせば、身体を中心に爆破が起こる、ということを利用したのである。

 多少身体にも負荷がかかってしまう方法だが、効果は絶大だ。

 

「オオオオ…」

 

 諸に巻き込まれてしまった金火竜は、身体の甲殻が吹き飛び、血を多く流していた。

 何とか生きてはいるようだが、明らかに炎妃龍よりも大きなダメージを負っていた。

 

「ガアアアア!!」

 

 同じく爆破の中心にいたが、耐性故に大きなダメージではなかった炎妃龍は金火竜に止めを刺そうと牙を剥く。

 

「グオオオオ!!」

 

 だが、そこに銀火竜が怒った様子でブレスを放ち、炎妃龍の追撃を阻止した。

 銀火竜も爆破範囲に入っていた為、多少ダメージは食らっていたが、そんなことを気にしている場合ではなかった。

 

「グオオオオ!!」

 

「オオオオ…」

 

 銀火竜はボロボロになった金火竜を庇うように前に立ち、並び立った炎王龍達を睨み付ける。

 

「「ガウウウウ…!!」」

 

 炎王龍達は銀火竜達を睨み付けた後、大量の粉塵をばら撒きながらぐるぐると飛び上がる。

 間違いなく決めて来るつもりだと察した銀火竜はどうにかやり過ごせないかと考えるが―

 

 

 

 

 

「グオオオオ…!」

 

「!」

 

 

 

 

 

 ―金火竜が息も絶え絶えになりながらも劫炎を滾らせて真っ直ぐに睨み付ける。

 銀火竜は止めようとしたが、金火竜の瞳からは並々ならぬ覚悟を感じ、最後まで付き添うことを決めた。

 

「「グオオオオ…!!」」

 

 銀火竜と金火竜は飛び上がり、口内の劫炎を滾らせて、力を溜める。

 炎王龍達の粉塵の量も最大まで高まり、凄まじい攻撃の規模を感じさせる。

 そして―

 

 

 

 

 

「「「「━━━━━━━━━━!!」」」」

 

 

 

 

 

 ―互いの絆の一撃がぶつかり合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グオオオ…」

 

「オオ……」

 

 火竜達の劫炎と炎龍達のブレスがぶつかり合った瞬間、大爆発を引き起こし、火竜達はその隙を突くことなく空へ飛び立った。

 大きなダメージを負っている為、金火竜はふらつきながら飛んでおり、とても辛そうだった。

 

「オオオオ…」

 

 銀火竜はふらつきながら飛ぶ金火竜の様子を見て自らの弱さを悔いる。

 金火竜は自身の大事な妻であり、これから子を宿す上で折角なら一番良い場所で暮らしたかった。

 だが、結果としては惨敗の上に金火竜は大きな傷を負った。

 本来なら自身が負わねばならない傷であり、それを妻に負わせてしまったという事実が何よりも銀火竜の心を抉るものだった。

 

 

 

 

 

「グオン」

 

「!」

 

 

 

 

 

 その時、銀火竜の鼻先を金火竜が小突いた。

 その顔は辛そうだったが、とても綺麗な顔で銀火竜を見詰めていた。

 その顔を見た銀火竜はやはり自らの妻はこの金火竜しかいないと思い、何があっても守り続けることと、良い巣になる場所を見つけることを誓うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガルルルル…!」

 

「オオ…………」

 

 一方大技を放って火竜達を逃したことを察した炎王龍は安心したように息を吐き、炎妃龍は身体から血を流しながらも取り逃がしてしまったことに憤りを感じているようだった。

 炎妃龍の様子を見た炎王龍は本当に猛毒に侵されているのか疑問に思った。我が妻ながらタフだなぁとも。

 

「ガウン」

 

 しかし本当に無理をされては困るので、炎王龍は炎妃龍を小突いて巣に戻るよう促す。

 

「ガルルルル…」

 

 炎妃龍は不服そうに唸りながらも、流石に疲労も大きかったのか、踵を返して巣に戻ろうとする。

 それを見た炎王龍は、栄養補給も必要だろうと思い、質の良い鉱石を探そうと思い付く。

 傷も炎妃龍に比べれば少ないし、これぐらいのことはしなければならないと思った。

 その時―

 

 

 

 

 

「ガウ」

 

「?」

 

 

 

 

 

 ―巣に戻った筈の炎妃龍がいつの間にか戻って来ていた。

 どういうつもりなのかと炎王龍が思って顔を傾けていると―

 

「………ペロリ」

 

「!」

 

 炎王龍の顔を炎妃龍は優しく舐めた。

 その顔はいつもの不機嫌そうな顔でなく、とても優しく、穏やかそうな顔だった。

 そして今度こそ炎妃龍は巣に戻って行く。

 

「………」

 

 それを見届けた炎王龍は、鉱石を探そうと飛び立つ。

 確かに怖いし、キツいところもある。それでもやっぱり、彼女しかいない。

 改めて炎王龍は、そう思った。




これまでの話の中で上位に来るぐらいの出来栄えだと思ったけど、何か無性に悲しくなった。

愛などいらぬわぁ!!(血涙)

評価、感想もよろしければお願い致します。

それでは次回もお楽しみに。

メインモンスター+αでコイツが好き

  • リオレウス
  • イャンガルルガ
  • クシャルダオラ
  • エスピナス
  • ティガレックス
  • ナルガクルガ
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