ある意味モンハン界のトップ(意味深)だし。
それではお楽しみください。
“凍土”
常に吹雪いている白銀の世界。そこには厳しい気候を防ぐことができる洞窟が存在する。寒さに耐性のあるモンスターでも吹雪の中で活動し続けるのは厳しい為、凌ぐ為に訪れるモンスターも少なくない。
ただ、洞窟内は暗い為視界が利きづらく、積極的に入り込むモンスターは少ない。―あくまで
「コオオ…コオオ…」
不気味な呼吸音が洞窟内に反響し、天井からペタペタと何かが引っ付くような音も聞こえる。
天井を這い回っているそのモンスターはぬめぬめした白い皮を持ち、轟竜程発達はしていないが、翼としての役割も合わせ持った前足と後ろ足で歩行し、身体の下は体表とは裏腹に真っ赤に染まった不気味な皮膚になっている。そして特徴的なのは頭部と尻尾だ。一見形や見た目が似ているのでどっちが頭部か分かりづらいが、そのどちらを見ても瞳―つまり目が存在しないのである。頭部と尻尾、身体の下側に不気味に光る腺のようなものが見える。
数多く存在するモンスターの中には、見るからに強そうなものや少し愛嬌のあるものなど、様々な見た目のものが存在するが、ここまで恐怖や得体の知れなさを煽って来るものは中々いない。
このモンスターの名は―
「コオオ…コオオ…」
毒怪竜は変わらず呼吸音を響かせて洞窟内を這い回っている。
その見た目も相まって天井を這い回る姿はまさに“モンスター”である。
「! コオオオオ!」
這い回っていた毒怪竜が立ち止まったかと思うと、突然前足を天井から離して地面に着地した。
そして少し周囲を見渡すような仕草をすると―
「コオオッ!カアアアアッ!!」
―奇妙な形の尻尾から透明の塊を生み出した。
その塊は脈打つように蠢いており、所々に白い斑点がある。
その白い斑点がより一層強く蠢いたかと思うと―
「ギィ!ギィィ!」
―小さな足と小さいながらに鋭い牙と口だけがあるナメクジのようなモンスターが生まれた。
このモンスターの名は“ギィギ”、毒怪竜の生み出す卵塊から生まれ落ちるモンスターである。毒怪竜は単為生殖を可能とするモンスターであり、卵塊を生み出す行動に大したエネルギーを使う訳では無い為に、わりとハイペースで卵塊を生み出す。
だが幼体であるギィギは非常に非力である為、成体である毒怪竜になれるのは極々一部である。親に当たる毒怪竜も親身に子育てする訳では無い為、ギィギは非常に厳しい道のりを歩むことになる。
だが、それが自然の形である。
生まれてすぐに独り立ちを強要されるモンスターもいるのだ。ギィギだけが特別という訳では無い。
「コオオオオ…」
「ギィィ!」
毒怪竜は地面を歩き、ギィギは親の気配を感じたのか、あるいは本能故なのか、毒怪竜に付いて行くように這い進む。
「!」
しばらく歩いていると、毒怪竜が不自然に立ち止まる。
周囲を見渡すような仕草をするが、何を感じているのかと言うと、熱である。
こんな極寒地帯と言えども、モンスターであるか否かにも関わらず、体温は持つものである。
何かを燃やすことで発生する熱との区別はつかないものの、こんな極寒地帯で熱を起こすとしたら何かの存在が関わっているとしか考えられない為、結局は生物がいることを察知できる、便利な感知能力である。
しかもそれなりの範囲を感知できる為、奇襲にも強い。
感知する限りだと、この気配は―
―後方の天井にいる。
バチィ!!
「! コオオオオ!」
気配を感じるのと同時に、凄まじい熱を感じて反射的にその場から飛び退く。一瞬後に、毒怪竜のいた場所に雷のブレスが炸裂し、凍土の大地を溶かした。
毒怪竜は体勢を整えると、襲撃者の姿を(目はないが)捉える。
「ホオオオオ…」
―毒怪竜と同じように天井に張り付き、白くブヨブヨの皮を持っている。ただ毒怪竜にとって前足に当たる部位は完全に翼としての機能に特化しており、歩行には使えそうにない。尻尾は他の飛竜のように長く発達しておらず短く、非常にこじんまりとしていた。頭部にも角等の部位は確認できず、真っ白でのっぺりとした頭部である。というより毒怪竜と同じように口以外の部位が一切存在せず、まるでのっぺらぼうのようだ。遠くから見れば真っ白な身体も相まって白影が独り歩きしているかのようだ。一部の地域ではそう呼ばれることもあるそのモンスターの名は―
「ホオオオオ…」
奇怪竜は鼻は確認できないが臭いを嗅ぐような仕草をする。毒怪竜と同じように目はないものの位置はちゃんと把握しているようで、しっかりと毒怪竜の方を(目はないが)見据えている。
「コオオオオ…!」
そしてそれは毒怪竜も同じ。攻撃を放ったのが奇怪竜であることは、ちゃんと見抜いていた。
当然生かして返す気はない。縄張りに入って来た者は基本的に捕食する為、攻撃して来た者などもっての外だ。
どちらも見る者が見れば発狂するようなモンスターだ。そんな二匹は上体を起こすと―
「ホアアアアァァァァ!!!」
「コアアアアァァァァ!!!」
―絶叫を思わせる咆哮が洞窟内に反響した。
「ホアアアア!!」
奇怪竜は身体を前後に揺らしてブランコのように振るうと、勢いをつけて雷のブレスを放つ。躱し辛いように不規則に乱射しており、ブレスのスピードは速くないものの、下手に動くと自分から攻撃に突っ込むことになってしまう。
「コアアアア!!」
だが毒怪竜は見た目にそぐわない素早い動きで大きく跳躍すると、飛び越えるようにしてブレスの群れを躱した。そしてお返しと言わんばかりに毒ブレスを放った。
「ホオオオオ…!」
奇怪竜は天井に張り付いたまま身体を縮め、不気味に発光させると―
「アアアア!!」
「コオオオオ!?」
―一気に放電しながら毒怪竜に向かって飛び掛かり、毒怪竜は突然の急襲に対応できず、吹き飛ばされた。
「ホオオオオ…アアアア!!」
更に奇怪竜は追撃として3方向に別れたブレスを放った。ブレスは地面を走るようにして毒怪竜に迫った。地面を走ってくるブレスはかなりのスピードであり、左右に避けた所で意味はない。
だが毒怪竜は―
「コアアアア!!」
「!」
―上に逃げることができる。先程とは立場が逆転し、今度は毒怪竜が奇怪竜を(目はないが)見下ろす形になった。
「コオオ…アアアア…!!」
毒怪竜は何と天井に卵塊を産み付けた。卵塊は粘着力が高いようで、天井からずり落ちることはなかった。
「ギィ!ギィィ!!」
「!」
その上、ギィギもちゃんと生まれるようで、天井からボドボドと産み落とされていく。ギィギは貧弱とは言え落下で死ぬ程ではないらしく、その小さな身体で奇怪竜に向かって行く。まずまともに相手をすれば追い付かれることはないが―
「コアアアア!!」
「!」
―毒怪竜がブレスを不規則に放ち、ギィギの方へ向かうように仕向ける。奇怪竜は強靭な甲殻も、毒に耐性がある訳でもない為、食らう訳にはいかない。
「ギィィ!!」
「!」
毒怪竜のブレスに気を取られていると、足にチクリとした痛みが走り、足元を見るとギィギが噛み付いていた。だが構っている暇はない。こうしている間にも毒怪竜のブレスは飛んできている。
「コアアアア!!」
「…!」
どうにか壁に飛び移りたい所だが、壁に貼り付けることがもう知られているからか、上手く行き先に放ってくることもあり、中々壁に飛び移ることができない。しかも何だか足の力が抜けているような気も…
「!?」
「「「ギィィ!ギィ!!」」」
そこで奇怪竜は気付いた。ギィギが何匹も足に噛み付いている。毒怪竜のブレスのせいで嗅覚が阻害され、気付くのに遅れてしまった。貧弱であるとは思っていたが、噛み付く力は強いらしく、走り回った程度では離れてくれないらしい。ここまでの数に吸われては、流石にここから先の戦いに支障が出かねない。
「コアアアア!!」
だが、足を止めれば毒怪竜のブレスに狙撃されかねない。つまり同時に対処する必要がある。奇怪竜はあまり足が速くない為、走って躱すことはできない。ならば―
「ホオオ…アアアア!!」
―身体から放電することでギィギは引き剥がしつつ、ブレスも相殺して見せた。見事な戦略だったが―
「コアアアア!!」
「ホオオオオ!?」
―それも毒怪竜の掌の上だった。毒怪竜は覆い被さるようにして奇怪竜に飛び掛ると、そのまま身体の下側から毒を放出した。奇怪竜は放電でカウンターを放とうとするが、ちゃんと警戒はしていたのか、放つ前に離脱した。
奇怪竜は毒によって身体に痛みが走るが、それ以上に苛立ちが上回る。
「ホアアアアァァァァ!!!」
奇怪竜は蒼白の光を口から放ち、怒りを感じる絶叫を放った。
「コアアアア!!」
体温の向上を感じ取った毒怪竜は警戒心を強めつつもブレスを放った。放物線を描いて奇怪竜に向かって行く。奇怪竜はブレスが向かって来ているにも関わらず特に回避するような動きを見せない。
「ホオオオオ…!!」
奇怪竜は少し唸りつつ身体を縮めると―
「ホアアアア!!」
「コオオオオ!?」
―何と凄まじい勢いで首を伸ばすと、ブレスを放って相殺し、そのままの勢いで毒怪竜に噛み付き、そのまま引き摺り回した。毒怪竜は何かしてくるとは思っていたが、まさか自身の全長以上の長さに首を伸ばしてくるとは思わなかった。
「ホアアアア!!」
「コオオオオ!?」
そして散々引き摺り回した後、思い切り投げ飛ばし、更に放電しながら飛び掛かって追い打ちをかけた。怒りによってここまでパワーとスピードが向上するとは思わなかった。だが、ここまで痛めつけられて黙ってられる筈もない。
「コアアアアァァァァ!!!」
毒怪竜が吼えると白かった身体が真っ黒に染まり、一気に雰囲気が変わった。今まではぼんやりとした白影同士がぶつかり合っていたが、ここからは白影と黒影が激突する。
「コアアアア!!」
毒怪竜はブレスを放射状に放つ。怒りによって能力が向上したブレスは広範囲に拡がって行った。
「ホアアアア!!」
奇怪竜は天井に張り付くことでブレスを躱すと、お返しとして首を振り回してブレスを乱射する。
「コアアアア!!」
毒怪竜は素早く壁に向かって跳躍して張り付くと、ブレスを躱しつつ卵塊の変わりに毒塊を生み出した。毒塊は炸裂し、辺り一面が毒まみれになる。
「ホアアアア…!」
嗅覚を頼りにしている奇怪竜にとっては、辺りが毒まみれになるのは好ましくない。というよりリスクも高い。今回凍土に訪れたのも気まぐれであり、わざわざ命を賭ける理由もない。
「ホアアアア…!」
「!」
奇怪竜は天井から外に繋がる洞窟に向かって移動し、翼を羽ばたかせて洞窟から出る。常に羽ばたいて決して綺麗とは言えない飛び方だったが、遥か空の彼方に飛び去って行った。
「コオオオオ…!」
毒怪竜は興奮収まらぬと言った様子だったが、一先ずは栄養補給と休息が先だ。天井を伝って暗い洞窟の奥に消えて行った。
数日後、数多くの草食種が行方不明となった。
卵塊生む効果音もつけようと思ったけどマジで変な気持ちになりそうだったから止めました。
後終わらせ方適度になって申し訳ないです…何故か途中でデータ吹き飛んでしまいまして…
評価、感想もよろしければお願い致します。
それでは次回もお楽しみに。
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