こんな縄張り争い見たい…見たくない?   作:サクラン

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最近またモチベがガガガ…仕事が本当に面倒くさ過ぎる…あと数十年この生活続けられる気がしない…

休みの時ぐらいはしっかり進めなければ…!!

それではお楽しみください。


火山の重戦車

 “火山”

 

 極地の代表格とも言える場所。力強い大地の脈動を感じるこの地に棲み着くモンスターは皆強大な実力者だ。

 とは言え、この地に生きる彼らは“モンスター”である以前に“生物”である。呼吸ができなくなれば死ぬし、何日も食べなければ餓死することだってある。極々一部に例外はいるものの、おおよそ古龍にすら当て嵌まることである。

 つまり、ここ火山に棲み着くモンスターも、例外ではないということだ。

 

「ヴォオオオオオ…」

 

 そう、このモンスターのように。

 そのモンスターは20メートルを越える体躯に、全身を白い鎧のような重厚感のある甲殻に覆われ、二本の足で大地を捉え、一対の翼を持っている。尻尾は大きく、太くなっており、まるで棍棒のようだった。

 火山の中でも特に重量級として名を馳せているモンスターの名は―

 

“鎧竜”

“グラビモス”

 

「ガツガツ…ムシャムシャ…」

 

 鎧竜は巨体を屈ませ、一心に鉱石を貪っていた。火山地帯に住まうモンスターは鉱物食であることが多く、鎧竜も例外ではなかった。鎧竜と呼ばれる程の硬度を持つことができたのは、この鉱物食のお陰でもある。

 だが、鉱物食のモンスターは他にもいる為ライバルがいないわけではない。当然ほとんどのモンスターは歯牙にも掛けないが、火山地帯に住まうモンスターは強大だ。鎧竜に匹敵する程の実力を持つモンスターがいないわけではない。

 

 

 

 

 

ガラガラ…ゴロゴロ…

 

「!」

 

 

 

 

 

 その時、何かが崩れるような音が僅かに響き、気付いた鎧竜は顔を上げる。音は火山の中に続く洞窟から聞こえているようだった。そのまま警戒した様子でジッと洞窟に続く道を見詰めていると―

 

 

 

 

 

ゴロゴロゴロゴロ…!!

 

「!!」

 

 

 

 

 

 凄まじい勢いで巨大な岩塊が転がって来た。それは真っ直ぐに鎧竜に向かって来ており、そのまま突っ込んで来る勢いだ。

 

「ヴォオオオオオ!!」

 

 鎧竜は吼えると、逃げるどころかどっしりとその場に足をつけ、岩塊を受け止める構えを取った。そして岩塊は鎧竜に近付き―

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

ドッゴオオオオオ!!

 

 

 

 

 

 ―凄まじい衝撃と共に岩塊と鎧竜の身体が激突した。

 勢いをつけ切った岩塊の突進は鎧竜の頑強な甲殻と巨体を以ってしても勢いを殺し切ることができず、ジリジリと後退していく。

 

「ヴォオオオオオ…!」

 

 だが、鎧竜がただされるがままである筈もなく、鎧竜は口内から炎を滾らせる。鎧竜の特徴は異名の由来にもなっている頑強な甲殻だが、それだけではない。

 鎧竜最大の攻撃として知られているのは―

 

 

 

 

 

「━━━━━━━━━━ッ!!」

 

 

 

 

 

 ―自身の体内から放つ凄まじい熱線である。

 どんなに硬い岩盤であろうと焼き貫く熱線はハンター達の間でも恐れられている。

 そんな攻撃をゼロ距離で食らって、その()()()()()も無事でいられる筈もなかった。

 

「グ…オオオオオ…!」

 

 熱線をゼロ距離で食らった岩塊から唸り声が上がると、鎧竜から距離を取るように飛び跳ね、丸めていた身体を元に戻した。

 岩塊だと思えていたそれはモンスターであり、転がっていた背面は轍のような特徴的な突起が生え並び、体躯は20メートルと鎧竜にも引けを取らない。そして目を引くのは頭部の顎、まるで鉱石をが何重にも塗り固めたかのような重厚感に溢れている。

 そのハンマーのような顎を指したそのモンスターの名は―

 

“爆鎚竜”

“ウラガンキン”

 

「グオオオオオ…!」

 

 爆鎚竜は予想外の反撃を食らいながらも鎧竜を睨み付ける。何せ爆鎚竜も鉱物食であり、鎧竜とは縄張りも近い為に激突することがままある。鉱石に溢れる火山地帯とは言え、鉱物食のモンスターも多くいる為に食料を巡っての戦いも起こることがある。

 この爆鎚竜は数少ない鎧竜に対抗しうる実力を持っていることもあり、よく食料を巡っての争いを起こすこともある。

 今回も食料目的なのか、それ以外の要因があるのかは分からないが、とにかく鎧竜の縄張りに意図的に侵入したことは間違いない。

 

「ヴォオオオオオ…!」

 

 何がどうであれ、縄張りに入り込んだとあれば叩き出すまでである。鎧竜は先手を取られたにも関わらず、戦意を滾らせて爆鎚竜を睨み付ける。

 

「グオオオオオ…!」

 

 そして仕掛けた側である爆鎚竜が奇襲が通じなかったからと言って逃げ出す筈もない。実力も拮抗している為勝つつもりでいた。

 

 

 

 

 

「ヴォオオオオオォォォォォ!!!」

 

「ガアアアアアァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 そして二匹の吼えると同時に火山が噴火し、戦いの狼煙が上がった。

 

 

 

 

 

 ―NowLoading―

 

 

 

 

 

「ヴォオオオオオ!!」

 

 咆哮が終わると同時に鎧竜が爆鎚竜に先程の意趣返しと言わんばかりに突進した。

 単純な攻撃だが鎧竜の体躯と重量を活かした突進は実際脅威であり、一撃一撃が大ダメージに繋がる。

 

「グオオオオオ!!」

 

 突進してくる鎧竜に対して爆鎚竜は回避の動きを見せず、変わりに尻尾を地面に擦り付けて薙ぎ払った。すると赤熱した岩石のようなものがいくつか鎧竜の延長線上にばらまかれた。

 鎧竜はその様子を訝しんだものの、勢いを緩めることなく真っ直ぐに向かって行く。爆鎚竜はまるで自分を守るようにまいた岩の後ろで鎧竜を迎え撃つ為に顎を振り上げる。

 そして鎧竜が爆鎚竜のばらまいた岩石を踏み付けると―

 

 

 

 

 

ボボボボボンッ!!

 

「ッ!?」

 

 

 

 

 

 ―岩石が一気に爆発した。

 これは爆鎚竜の身体から爆発性のある岩石が取れるというわけではなく、爆鎚竜は液状油が噴き出す場所を寝床とする性質があり、その影響で全身が油塗れとなっている。爆鎚竜の体下が黒く染まっているのはこの油によるものである。

 この油を利用して鉱石を付着させ、身体から放出する可燃性のガスを浴びせることで実質的に火薬岩が完成するのである。

 この火薬岩は衝撃に対して非常に敏感である為、わざわざ爆鎚竜自身の手で起爆しなくとも何か軽い衝撃を加えるだけで爆発するのである。

 

「ヴォオオオオオ…!」

 

 だが、あくまでも簡易的な火薬岩。超強力な爆弾というわけでもないが故に、鎧竜の甲殻を吹き飛ばすには至らない。

 鎧竜は爆煙の中から多少勢いを弱められたものの爆鎚竜に向かって真っ直ぐに突っ込んで来た。

 だが、爆鎚竜としてはその多少の時間で十分だった。

 

「━━━━━ッ!!」

 

「ヴォオオオオオッ!?」

 

 爆鎚竜が思い切り顎を振り下ろすと、ドンピシャで突進してきた鎧竜の頭部に叩き込まれた。

 いくら頑強な甲殻に覆われていると言えども、頭部は生物にとって重要な臓器、脳が宿る部位である。人間とは比較にならない生命力を持つモンスターでも、脳が重要なのは同じだ。

 よって、人間が脳震盪を起こすのと同じように、モンスターも頭に強い衝撃を受ければ脳震盪で目眩を起こすこともある。

 

「ヴォオ…オオオ…」

 

 爆鎚竜の攻撃によって頭部に強い衝撃を受けた鎧竜は足元がふらついていた。流石の耐久力で即死はしなかったものの、目眩を起こして平衡感覚を失っているようだった。

 

「グオオオオオ!!」

 

「ヴォオオッ!?」

 

 そしてそんな隙だらけの鎧竜を爆鎚竜が見ているだけで終わる筈もない。

 追い打ちとして更に胴体に顎を叩き付け、尻尾で火薬岩と共に鎧竜を吹き飛ばす。

 

「グ…オオオオオ!!」

 

「ヴォオオッ!!」

 

 しかしいくら隙を晒していたとしても、圧倒的な重量であることには変わりなく、吹き飛ばした爆鎚竜としても少し痺れる程の衝撃だった。

 だが鎧竜は溶岩の海に沈んで行く。死んだわけではないだろうが、敗北を認めて撤退したのだろう。

 だがそれは爆鎚竜にとっても幸いと言える。常に戦いの主導権を握っていた爆鎚竜だったが、その内心は芳しくない。何故かと言うと―

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

 

 

 ―その答えは爆鎚竜の背中にあった。轍のように突起が並んでいる背中だが、その一部が不自然に融解し、変形していた。

 これは最初の奇襲の際に受けた鎧竜の反撃の熱線によるものである。

 爆鎚竜の突起は回転して移動する際にはそれこそ轍の役割を果たす為、一部でも並び方が不揃いになると回転することができなくなるのである。正確にはできなくはないのだが、真っ直ぐに回れなくなったり、バランスを崩して転倒し、隙を晒す可能性が高くなってしまうのだ。

 これらの理由によって爆鎚竜は回転しての移動、攻撃を使うことができなかったのだ。故に鎧竜の方から仕掛けてきたのは爆鎚竜にとっては内心ありがたいことだった。

 

「グウウウウウ…」

 

 とにかく一段落着いたことでリラックスした爆鎚竜は、食事を取ろうと周囲を見渡す。やはり鎧竜が食べていたことで量があまり残っていない。

 だが食事を取る場所がこの一箇所だけである筈もない。少し面倒だが、他の食事場を探そうと、爆鎚竜は踵を返して歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 その時だった。

 

 

 

 

 

ゴオオオッ!!

 

「!?」

 

 

 

 

 

 凄まじい熱線の濁流が、爆鎚竜を呑み込んだ。

 地面からではなく、横から襲い掛かって来たあたり間違いなく自然現象によるものではない。

 

「グ…オオオ…」

 

 熱線によってその射線上の地面が焼け焦げている中で、爆鎚竜は辛うじて立ち上がった。

 だが、甲殻のあちこちが熱線によって焼け焦げており、突起も融解している箇所の方が多い。そして熱戦が放たれた方に顔を向けると―

 

 

 

 

 

「ヴォオオオオオ…!!」

 

 

 

 

 

 ―溶岩の中から鎧竜がゆっくりと浮上してきた。

 傷付いた身体ながらも溶岩の熱をものともせずに歩く様は鎧竜の強大さを感じさせる。

 鎧竜がやったことは至って単純、溶岩の中に潜んだまま爆鎚竜に狙いを定めて熱線を放っただけである。

 爆鎚竜に吹き飛ばされた後、そのまま撤退したフリをして沈み、顔だけを少し溶岩の中から出して爆鎚竜の気が緩む瞬間を狙って熱線を放ったのだ。

 爆鎚竜が溶岩の中にまで確認しに来ていれば本当に撤退するつもりでいたが、油断してくれて助かった。

 

「ヴォオオオオオ…!」

 

「…!」

 

 鎧竜はのしのしと爆鎚竜に近付いて行き、見下しながら唸って威嚇する。これは謂わば撤退の促しだ。そっちが退くならこちらも見逃すという取引。

 鎧竜も相応のダメージは受けているが、目眩からは回復した為、まだ戦えないというわけではない。が、これ以上戦うのはハッキリ言って蛇足でしかない。両者共に特がないのだ。

 

「グウウウウウ…!」

 

 睨み付けてくる鎧竜に対して爆鎚竜は不服そうな唸り声を上げるも、自身のダメージが軽いものでないことも分かっている。

 爆鎚竜は思考をまとめ、回転での移動はできない為、少し身体をよろめかせながら洞窟の奥へと戻って行った。

 

「ヴォオオオオオ…」

 

 その場を去った爆鎚竜を追撃するような真似を鎧竜はせずに、安堵したかのようにため息をついた。

 ここにはお気に入りの鉱石が多くあった為、渡すことにならなくて本当に良かったと、鎧竜は心の底から安堵した。

 

 このように、いかに強大な存在と言えども、明日を生きる為に必死である。今日もこの世界は、残酷で美しい。




5000字行かんかった…折角のリクエストなのに申し訳ないです…

評価、感想もよろしければお願い致します。

それでは次回をお楽しみに。

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