ここからメインモンス同士の争いも終盤!
きっちり盛り上がる描写をしていきたい!
それではお楽しみください!
強い日差しが水と木々を美しく照らし、逞しい生命の鼓動を感じるこの場所は“密林”。ここは森丘のように暖かくのどかな気候ではなく、高温多湿が平時の気候である為、多少の選り好みはあるが、それでも多くのモンスターが訪れる場所だ。植物も豊富で草食種のモンスターもそれに惹かれて多く生息している故に、他所から訪れたモンスターの中にはこの場所を気に入り、縄張りを定めて定住するモンスターも多い。
そして今―密林の中腹の洞窟に続く道の側に植物を寄せ集め、簡易な巣を作ってその中で気持ち良さそうに眠っているモンスターがいた。
そのモンスターは植物のような明るい緑色の甲殻に覆われ、その甲殻一枚一枚からは鋭い赤い棘が生えており、その中でも頭部からは一際大きい棘―否、角が生えており、尻尾は先が肥大化し、棘の生えた棍棒のようになっていた。火竜のような二足に一対の巨大な翼を丸めて眠っているそのモンスターの名は―
棘竜は、とある地方の樹海にしか生息していないとされていたのだが、近年今いる密林や古い城跡などでも存在が確認され、調査が進められている珍しい飛竜なのだ。
「…!、グァァ…」
棘竜が目を覚まし、眠そうに欠伸をする。そして少し歩いて移動し、近くにある釣り堀で水分を補給し、岩壁に隔てられた段差を飛び越え、食事を取ろうとする。その時、少し珍しい光景が見られた。
棘竜が降り立った場所には何匹かの草食竜―アプトノスがいたのだが、彼らが一匹足りとも逃げていなかったのだ。アプトノスに限らず、草食種というのは自分達が生き残る為、生物の気配に敏感かつ臆病であり、自分達をあっさり屠れるような強い竜ならば、近くにいるだけでその気配を察知し、怯えるのだ。
その基準で言うならば間違いなく棘竜は草食種をあっさりと屠れる強者であり、アプトノス達は怯えるどころか、逃げ惑ってもおかしくないが…
―棘竜はアプトノス達に見向きもせず、降り立った場所に伏せてじっとする。何をしているのかと思うと、棘竜の眼前に毒々しい紫色のカエル―猛毒を備えたドクガスガエルが現れる。ドクガスガエルは自身の背後にいる棘竜に気付いていない。そして棘竜はゆっくりと口を開き―一瞬でドクガスガエルを捕食した。
そして棘竜はゆっくりとすぐ近くにある草食種の腐肉を喰らい、心なしか満足そうな表情を見せ、やはりアプトノス達には襲い掛かるような素振りを見せない。そう―ここまで見れば分かるだろうが、アプトノス達は棘竜が自分達を襲わないということが互いに長く共存する中で理解してあるのだ。
棘竜は基本的に温厚で縄張り意識も薄く、食事も先程のようなやり方や、腐肉を食べるだけで十分であり、わざわざ草食種を狩る必要もないのだ。何なら棘竜は多少手を出されても威嚇と追い払うような軽い攻撃で済ませることもある。流石にそれは大丈夫なのか…、そう思う者もいるかもしれないが、棘竜の敵対者に対する対応は他のモンスターと比べても特異なのだ。
棘竜は多少攻撃された程度では、甲殻の堅さもあって動じない。そして棘竜の甲殻には棘が生えている為、生半可な攻撃では棘竜にダメージは与えられない。それどころか肉弾戦を行うモンスターは逆に攻撃した側が棘によってダメージを受ける為、棘竜は威嚇と追い払う程度の攻撃で済ませ、相手がその堅さと棘によるダメージによって根負けするのを待つのだ。
もっとも、自身の甲殻の防御力を突破して、諦めず攻撃してくる相手への対応はその限りではないが…―棘竜が白昼堂々と眠ることが出来ているのも甲殻の堅さがあってこそである。
そして棘竜がのんびりと翼を下ろし、景色を眺めて休憩していたその時―
「!、グモオオ!」
「!」
―アプトノス達が声を上げ、全員が急いでその場から急いで逃げ始める。臆病なアプトノスがそんな行動を取るということは―
―近くに危険なモンスターが存在するということだ。
「ギシャァァァァ!!」
「!」
上空から、黒いモンスターが降りてきた。そのモンスターは全身を真っ黒な甲殻に覆われ、一見すると影そのものが実体化して動いているかのようだ。鋭い尻尾に、四肢で地に足を付けている。が、異質なのは胴体と翼だ。そもそも四本足と翼が別になっている時点でどのモンスターの骨格にも当てはまらないものだが、翼は更にまた異質な形をしていた。黒い外套のような翼の先に鋭い鉤爪が生え、それをまた一対の脚として利用し、翼と脚が一体化し、二つの役割を持っており、それを身体に畳んで収納することで、今は四本の脚で大地に立ち、その顔は棘竜を睨み付けている。が、その顔もまた異質だ。何と―目が無い。潰れているとかそういう訳ではない、文字通りその顔には、瞳が存在しないのだ。だが、その竜は黒い鱗粉を撒き散らし、光が見えない筈のその顔は確かに棘竜の方を見据えていた。その異質な竜の名は―
「ギシャァァ!」
見えていない筈だが、その顔を棘竜の方に向けて威嚇している。どうやら訪れて早々、棘竜に喧嘩を売るつもりのようだ。―正直面倒だなと棘竜は思った。相手が初見であるということもそうだが、大きさとその胆力を見るに、いつものやり方で根負けしてくれるかは微妙なところだ。だがまあ良い。その時はその時だ―と、明らかに危険な相手に対しても棘竜はいつもの調子を崩さない。そして気だるそうだが確かに構え、黒蝕竜は獰猛に―
「グオオオオオォォォォォ!!!」
「ギシャァァァァァァァァ!!!」
―両者共に吼え、戦闘を開始した。
「シャァァ!」
先に黒蝕竜が黒いブレスを吐き出す。火竜などが放つブレスと違い、地を這うようにして棘竜にせまる。棘竜はそのブレスを見ても回避するような動きを見せず、まさかもろに受けるのか、と思ったその時―
「グアァァ!」
―突然吼えたかと思うと、突然凄まじい勢いでブレスに―正確に言うと黒蝕竜に向かって突進する。その速度は今まで緩慢に動いていた棘竜と同じだとはとても思えない速度だった。更にその突進はブレスをものともせず突破し、黒蝕竜に迫り、そのまま食らってしまうかと思われたが―
「ゴシャァァ!!」
―黒蝕竜は、胴体に収納していた前足を展開し、後ろに下がりながらも棘竜の突進を受け止めて見せたが―
「グオォォ!」
「ゴアァァ!?」
―棘竜が身体を強引に振り上げ、黒蝕竜をかち上げて地面に叩きつけて見せた。
「グアァァ!」
そして棘竜は、地面に叩きつけられた黒蝕竜に向かって、ブレスを放つ。そのブレスは、燃え上がっていたが、火竜のブレスとは違い、毒々しい紫色が混じっていた。そう、棘竜のブレスはただの火球ではなく、体内で分泌された麻痺毒や出血性の毒が混じっているのだ。一発でも貰えば、かなり厳しいことになる。
―だがそれをまともに食らう程黒蝕竜も甘くはない。
「シャァァ!」
棘竜のブレスから危険性を感じ取ったのか、直接触れることなく相殺出来るブレスを放ち、棘竜のブレスを打ち消す。すると、棘竜のブレスは強い火気があったからか、小規模の爆発が起こり、一時的に煙幕が発生する。それに思わず棘竜は少し目を細めた。―次の瞬間
「シャァァ!」
「グオォォ!?」
黒蝕竜の鉤爪が煙幕を引き裂き、棘竜にダメージを与えて吹き飛ばす。黒蝕竜は煙幕が発生したことなど一切関係ないと言わんばかりだ。目がないのだから、当然と言えば当然だが、ならば何故棘竜の居場所が分かったのか―
―それは、黒蝕竜が撒き散らしている鱗粉のお陰だ。黒蝕竜が身体から撒き散らしている鱗粉の流れを黒蝕竜は知覚することができ、体内であってもそれは変わらない為、鱗粉を生物が吸い込めば、黒蝕竜は棘竜の居場所を感じ取ることが出来たのだ。
「グオ、ォォ…!?」
だが、棘で守られた棘竜が一撃で殺られる筈もない。が、棘竜の様子はどこかおかしい。黒蝕竜の一撃の跡は確かに残っているのだが、本当に跡という程度で、血が流れている訳ではない。戦いに影響を及ぼすにはまだまだ足りない。―にも関わらず、棘竜の身体はふらついている。棘竜自身でさえ、自身の身体が上手く動かせないことに困惑しているようだった。
「シャァァ!!」
「グオォォ!?」
だが、その異常に気を向ける余裕を黒蝕竜は与えない。更に動けなくしてやると言わんばかりにブレスを乱射し、棘竜の体力を更に奪っていく。それを食らい、棘竜は確信する―このままでは殺されると。そう思った棘竜は全力を出すことを決めると―
「グオオオオォォォォ!!!」
―ブレスを食らいながらも、上半身を起こして叫ぶ。全身の血管が浮かび上がり、緑色の甲殻が橙色に近くなり、鬼の形相となったその姿は別のモンスターのようだった。
そしてまた黒蝕竜に向かって突進を行おうとするが、棘竜と黒蝕竜の間にはかなりの距離がある。向かって来たとしても、余裕を持って躱すことが出来る―黒蝕竜はそう思っていたし、実際誰が見てもそう思うだろう。だが―
「グオォォ!!」
「!?」
―その速度は最初の突進の速度を軽く凌駕していた。そして―
「ゴアァァァァ!?」
―黒蝕竜は今度は受け止めるどころか、録な行動すら取れずに吹っ飛ばされた。その際に感じた威力もまた、最初の突進の比ではなかった。そして―
「グオォォ!!」
「ゴア…!?」
―棘竜は止まったかと思うと、後方に飛行しながらブレスをなぎ払うように乱射し、麻痺毒と出血毒、弱点である炎による攻撃を受けたことによって動きを鈍らせる。黒蝕竜がダメージによって苦しんでいると―
「グオォォ!!」
「ゴアァァ…!」
―棘竜はまた黒蝕竜を突進で吹き飛ばす。その凄まじい猛攻は、本当に黒蝕竜の鱗粉によって動きが鈍っているのか疑う程の猛攻だった。
しかしそれもその筈、棘竜は昔の文献に、樹海に住んでいた古龍と縄張り争いを行い、その古龍に勝利したというとんでもない記録があるのだ。あくまで棘竜の先祖種が勝利したというだけだった為、本当に棘竜が古龍に対抗出来るのかは議論されていたが、近年鋼龍との争いが確認され、その争いで鋼龍の強襲を食らいながらも即座に立ち上がり、そのまま鋼龍を突進でかち上げるという信じ難い報告が入ったのだ。金獅子や恐暴竜のように、複数種類の古龍との争いが確認された訳ではない為、棘竜が古龍級の戦闘力を持っているかどうかは未だに議論中だが、少なくとも鋼龍と互角に争うことが出来る時点で、限りなく金獅子や恐暴竜に近い実力を持っていることは間違いないとされている。
実際、この棘竜は少し前に迅竜と戦い、大した手傷を負わずに追い出して見せたのだ。今の怒れる棘竜を止めることは、子を守る為に暴れる巨獣を打ち倒すことと同じ位に難しいだろう。―普通のモンスターならの話であるが
「ゴオォォ…!」
黒蝕竜は棘竜の猛攻に晒され、全身から血を流し、毒によって息を切らしながらも―
「ゴアアアアァァァァ!!!」
―全身から大量の鱗粉を放出し、今までの咆哮とは違う、地の底から響く慟哭を思わせるような咆哮を轟かせ、背中の翼脚を展開し、六脚で地面を捉える。空は大量に放出した鱗粉のせいか、少し薄暗くなっていた。そして瞳の無い頭部からは悪魔の角のような触角が生えていた。その変わりようは、棘竜の変化と比べても、あまりにも異質なものだった。だが、黒蝕竜の正体を知れば、納得がいく者も多くいるだろう。なぜなら黒蝕竜の正体は、とある古龍の幼体だからだ。
古龍の幼体でありながら、古龍種と定められていないのは、古龍とするには、黒蝕竜は条件が足りていないのだ。自身の鱗粉を操り、異様な姿に形を変えるその様は古龍だとすると納得がいくものだが、古龍ならば絶対に掛からない筈の罠に掛かったり、古龍の血が採取できなかったりと、不完全な点が多く見られるのだ。
それ故に、黒蝕竜は古龍目でありながら、古龍種とは定められず、だからといって他の種に定めるにも異質な点が多過ぎる為に、古龍目、種別不明という異例の分類を受けている。実際、戦闘力や影響を及ぼす範囲は、成体の古龍と比べると数段落ちるとされている。
だが、それは純然な古龍種と比べると落ちるというだけであり、黒蝕竜の戦闘力が低いということにはならない。
「グオォォ…!」
「ゴオォォ…!」
事実、黒蝕竜のその異様な姿を見た棘竜は、怯えることこそしなかったものの、警戒するように黒蝕竜を睨み、威嚇している。そしてそれは先程猛攻によってかなりの手傷を負った黒蝕竜も同じ。そして―
「グオォォォ!!」
「ゴアァァァ!!」
―棘竜の渾身の突進と、黒蝕竜の振り上げ、叩き潰すつもりで振り下ろした翼脚が激突した。
「グ…!オォォ…!」
「ゴ…!アァァ…!」
そして黒蝕竜は後方に下がり、棘によって傷付きながらもながらも突進を受け止め、棘竜も棘と甲殻から軋むような音が聞こえながらも、何とか耐えきって見せた。
「ゴオォォ…!」
「!」
その状態で黒蝕竜は、口内に力を貯める。棘竜もそれに気付いたが、棘竜は黒蝕竜に角を向け、頭を下げて突進した為、ブレスを黒蝕竜に向けて放つことが出来ない。そして―
「!!!」
「グオオオオ!??」
ドンッ!!!という巨大な砲弾を放つような音と共に、拡散するブレスを棘竜に向けて放った。それによって棘竜は血を流しながら吹き飛ばされる。それを見て黒蝕竜は自身の勝ちを確信する。―渾身の一撃だ。耐えられる訳がないと。だが―
「グオオオオォォォォォ!!!」
「!?」
―棘竜は全身から血を流しながらも咆哮を上げながら立ち上がる。
「グオオオオ!!」
そしてまた棘竜は向かって来る。突進の速度は落ちているが、まだ戦うことは出来そうだ。黒蝕竜はそんな棘竜を睨み、疎ましく思いながらも―
「…ッ!」
「!、グオオ!」
―撤退することを選んだ。何もわざわざこの場所を絶対に縄張りにする必要はないのだ。あのまま戦ったとしても、確実に勝てる保証はないし、勝てたとしても甚大な傷を負うことになるだろう。自分は死ぬことは出来ないのだ。あの場所に帰るまでは…黒蝕竜はそう思い、まだ見ぬ故郷に想いを馳せるのだった。
「グオオオ…」
棘竜は黒蝕竜が飛翔し、遠くへ飛んでいくのを見届けると、先程までの苛烈さは鳴りを潜め、疲れたような声を上げる。何せこれ程までに傷を負ったのは本当に久し振りなのだ。おまけにあの奇妙な鱗粉のせいか、ここまで傷を負ったからか、何だか気分が悪い。無性に何だかまだ暴れたい気がしたが、棘竜はそれを久し振りに命のやり取りをしたせいだろうと片付け、今はとにかく傷を癒そうと、自身の寝床へ不安定な足取りで向かって行った。―気のせいかその棘竜の姿はやや黒ずみ、瞳は赤く充血しているように見えた。
―数日後、黒蝕竜との交戦が確認された棘竜が狂ったように暴れ、密林の生物を皆殺しにした後、どこかに姿を消したという報告がされた。密林は現在調査の為閉鎖し、棘竜の乱入の可能性が少しでもある地域には厳重警戒が呼び掛けられた。
二匹共設定もりもりのモンスターだからめっちゃ長くなった…
長過ぎてくどかったかもしれません、申し訳ない…
初の古龍級同士の争いということで、双方の強みやレベルの高さをゲーム以上に盛り込んでみました。
ゴマちゃんはウイルスが古龍に効かないから甘く見られがちだけど、古龍以外だと相当強いと思います。小説とかゲームの話聞く限り、少なくとも吸っただけで体力、スタミナの両方にデバフ掛かるっぽいしですし。
ナスさんはとにかくタフさや堅さ、身体能力の高さと、それから繰り出される凄まじい猛攻を強調しました。
個人的な考え方ですが、ゴマちゃんとナスさん、単純な身体能力だけで比べるとナスさんの方が上のつもりで書きました。最後にナスさんの突進を受け止めることが出来たのはウイルスによるデバフのお陰でナスさんの身体能力が下がっていたからという訳です。
え、ナスさんはどうなったのかって?まあ…ゴニョゴニョというか…(目そらし)
評価、感想もよろしければお願いします!
次回もお楽しみに!(投げやり)
メインモンスター+αでコイツが好き
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リオレウス
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イャンガルルガ
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クシャルダオラ
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エスピナス
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ティガレックス
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ナルガクルガ
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ラギアクルス
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ブラキディオス
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今回の司会ちゃん