ホロライブラバーズ −熱き決闘者−(休載中) 作:774043
物語は加速していくので、よろしくお願いします!
TURN1 決闘のルーツ
集いし絆が力になるプレイ動画、はじまるよ〜
>オレ達はフブキングの先導で通信室に入る。修繕した天井が目に入るが、ツギハギでも割と良い出来に見えるのはトワと作業したバイアスのせいだろうか?
フブキ「少し待ってくださいね〜、すぐ繋がると思うので!」
フブキングは慣れた手つきでコンソールを操作し、数回のコール音が鳴った後、画面に学園長が映る。
谷郷「こんにちは。丁度こちらから連絡を入れようと思っていた所でした。まずはそちらの用件からどうぞ」
沙花叉「遊人君とトワ様の決闘で、決闘フィールドが壊れちゃったんだよねぇ。多分2人のフィールが現行型のキャパシティを越えたみたい」
谷郷「確かに、決闘フィールドは外部からの干渉に対して異常なほどの防御力を誇っていますが、内側からのダメージは別……ということですか」
フブキ「それで、提案なんですけど……覇王軍との決戦もありますし、初期型の決闘盤の使用を許可していただけませんか?」
谷郷「それは……クロヱさんも同じ意見でしょうか?」
>沙花叉を見ると、複雑そうな表情をしている。
沙花叉「うーん……致し方ないって感じかなぁ」
谷郷「わかりました。では僕の責任において、初期型の決闘盤の使用を許可します。ある意味丁度よかったですね」
星街「丁度良い?」
>学園長は咳払いをしてから、真剣な表情でオレ達に告げる。
谷郷「今現在、海外にある支部も含めて全てのホロライブ学園が覇王軍による攻撃を受けています」
トワ「え?それってだいぶ不味いんじゃ……」
谷郷「はい。英国支部は既に陥落直前、インドネシア支部は立地の都合でまだ持ってはいるようですが……」
遊人「オレ達の学園はどうなっている!?」
谷郷「みなさん健闘中ですが、いつまで持ち堪えられるかの保証はありません。ですので、地下の研究所にあるポータルを使って学園に帰還して下さい。初期型の決闘盤もそちらにありますので、その際に持っていってもらえれば」
フブキ「わかりました!すぐに向かいますね!」
>学園長はフブキングの返事を聞き終えた後、通信を切った。切羽詰まっているのだろうに、全然態度に出さなかったな……
沙花叉「それじゃ、研究所にごあんな〜い!」
かなた「なんのキャラだよそれ……?」
>今度は沙花叉の先導で一階に降りていく。何故か無理に明るく振る舞おうとしているようで、引っ掛かりを覚える。
フブキ「そういえば、チーム名どうします?」
トワ「それ今聞く!?トワは何も考えてないけど……」
星街「まあ、リーダーに決めてもらっていいんじゃ?」
遊人「オレが決めるのか?」
かなた「僕は別にいいけど……」
沙花叉「沙花叉も遊人君の案で!」
遊人「なら……ここで最初にオレ達を迎えてくれた嵐に因んで……ストームバスターズでどうだ?これから立ち向かう困難も嵐に例えて、全員で当たっていく。そんなイメージで」
トワ「絶妙にダサいけどかえってそれがいい味出してるかも」
フブキ「白上は悪くないと思いますよ?」
星街「すいちゃんはその案でいいでーす」
かなた「まあ、名前で僕たちの在り方が変わるわけでもないしね」
沙花叉「それじゃ、今から沙花叉達はストームバスターズってことで!」
>そんな話をしながら向かったのはトイレだった。風呂場と合わせてこの屋敷で床が木造ではない場所だ。
沙花叉「さて、あんまし見ないでよね」
>そういうと、沙花叉はトイレの入り口で5秒程タップダンスのようなものを踊る。
>すると、トイレの床の一部がスライドし、地下に向かうハシゴが現れた。
かなた「うわ!なんか秘密基地って感じがする!」
トワ「結構ハシゴ長くない?」
フブキ「大体地下二階分くらいありますね、屋敷が崩落してもすぐにはわからないように深めに作ったみたいですし」
遊人「なんでこの場所は隠してあるんだ?」
沙花叉「それは、下に降りてからおいおいね?」
かなた「あ、遊人君は一番最後ね」
遊人「ん?何か関係あるのか?」
星街「私は別に遊人君なら構わないけど」
トワ「まあ、トワの格好的にはどっちでもいいかな」
かなた「鈍いな〜、そんなんじゃモテないよ?」
遊人「もうモテなくていいんだが?」
星街「遊人君は一生すいちゃんのものなんだけど???」
かなた「ヒュッ……藪蛇だったかぁ」
>よくわからないやり取りをした後、オレ達はハシゴを降りる。
>長いハシゴの先には、まるで病院のような風景が広がっていた。
>白一色の壁に腰ほどの高さに歩行サポート用の手すりがあり、リノリウム製の床と合わせて、より病院らしさを加速させている。
星街「なにここ、研究所っていうより病院みたい」
フブキ「大正解!ここは病院でもあるんです。何を隠そう、今から6年ほど前に白上もここでお世話になったんですよ?」
トワ「フブキングが?ここって一体どんな事を研究してたんだろう……」
沙花叉「それは今から話すけど、ちょっと待ってね」
>沙花叉はまるで実家を歩くかのような足取りで正面に見えていた鉄製の扉を開く。
>内部は想像より広い空間になっており、壁際に棚や機材が幾つか置かれている。
沙花叉「今から転送装置を起動させるから、部屋の真ん中にいてね。大体10分くらいでセットアップが終わると思う」
かなた「凄い広い場所だね……ここなら決闘できるんじゃない?」
沙花叉「はい、かなたちゃん大正解!ここは決闘盤の研究所で〜す!」
遊人「ここが?なんでこんな隠された場所でやってたんだ?」
沙花叉「結構長めの話になるんだけど……ま、セットアップの時間もあるし、教えてあげるね」
フブキ「ここの説明はお任せしますね」
>沙花叉の声からいつものおちゃらけ感が抜ける。雰囲気の変化を感じ取ったオレ達は、自然と畏まる。
沙花叉「オッケー、決闘盤のルーツの話から始めよっか。実は、最初は今とは全く違う用途として開発されていたんだ。なんだと思う?」
トワ「今の用途って、決闘だよね……」
遊人「戦闘能力の補強としても使えるな」
沙花叉「まあ、正解言っちゃうけど、これ実は医療機器なんだよね」
星街「え?決闘盤で病気が治るってこと!?」
沙花叉「今みんながつけてる決闘盤じゃ無理だよ、初期型なら別だけど」
かなた「初期型って、これから僕たちに配られるやつだよね?」
沙花叉「そうだよ。初期型には当初の機能も残ってる。だからこそ、危険なものでもあるんだけど……」
遊人「何かリスクでもあるのか?」
沙花叉「間違ってはないかな。みんなは決闘に使うカードが、持ち主の記憶や経験から生まれていることは知ってるよね?」
星街「勿論。だからすいちゃんのエースモンスターはあの時のドラゴンなんだし」
沙花叉「そう。色んな物事や考え方、その人を形成する色んなものがカードの形になって、決闘によって力を発揮できるようになる」
沙花叉「そもそも、決闘のシステムは後付けなんだ。本来はその手前……カード化する時点で目的は果たされていたってわけ」
トワ「目的?カード化したってそれだけじゃ絵柄とか楽しむしかできなくない?」
沙花叉「それじゃあ問題です。例えばの話だけど、すいちゃんと遊人君の大切な思い出の結晶がすいちゃんの『スターダスト・ドラゴン』なんだよね?」
星街「うん、そうだよ」
沙花叉「それを抜いたらどうなると思う?」
星街「え?別にエクストラデッキから抜いてもライブラリにはあるし……」
沙花叉「言い方が悪かったね、すいちゃんからそのカードを取り上げたら、どうなると思う?」
星街「実物がないものだからそんなことは起きないとは思うけど……関連した記憶がなくなる?」
沙花叉「正解!つまり、決闘盤の原型……記憶盤は、人の記憶の一部を抽出する事で、人為的に記憶喪失状態にする事ができる装置ってこと」
かなた「えぇ!?それって倫理的にどうなの?」
沙花叉「良くはないかもね、実際こんな場所で研究していたのは、技術漏洩から悪用されないようにするためだし」
沙花叉「正しく使えば、PTSDの元になるトラウマの記憶だけをカードとして抽出することで、擬似的にトラウマを無かったことにしたり出来るんだ」
トワ「でも、それってきっかけがあればぶり返したりしないの?」
沙花叉「ある2つの例外を除いて、なくなった記憶は戻らないよ。1つはカードを対象者に返すこと。まあこれは当たり前だよね?」
沙花叉「後1つが、その記憶の元になったカードを決闘モードで見ること。このどちらかを満たさない限り、例え忘れていた記憶を口頭や文章、映像を見せたって自分の記憶と結びつかないようになってるんだよね」
>この話を聞いていると、何か心当たりがある気がする……
沙花叉「更に研究を進めることで、そのカードを記憶盤でロードする事で、その記憶や意識と向き合えるようになったんだね。今の決闘システムの元になった機能なんだけど」
フブキ「白上はこのシステムで、自分の中にいたもう1人の白上と現実で対話することができたんです!」
沙花叉「まあ、そんな感じでシステムとしてはほぼ完成されていて、あとは臨床試験と細部調整で世に出せたはずだったんだけど……」
沙花叉「最後の臨床試験中に事故が起きて……主任研究員だった2人が亡くなって、そっち方面の研究は完成直前にして白紙になっちゃったんだ」
かなた「それじゃあ、今の決闘盤を仕上げたのは誰なの?」
沙花叉「それはね……」
>沙花叉は申し訳なさそうな、今にも泣き出しそうな震える声で、衝撃の事実を口にした。
沙花叉「主任研究員だった神引夫妻の助手にして、最後の臨床試験の被験者だった私……沙花叉クロヱだよ」
オレの失われた過去の一片と共に、沙花叉クロヱの来歴が本人の口から語られる。
その内容は驚くべきことだったが、今のオレ達に時間はない。
感傷も哀しみも今はいらない。必要なのは戦う覚悟だけだ!
次回、贖罪の道筋
決闘スタンバイ!
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