ホロライブラバーズ −熱き決闘者−(休載中) 作:774043
君と夢を叶えるプレイ動画、はじまるよ~
>今日も失敗した。お母様は笑って許してくれたけど、ラミィのせいで王宮で肩身の狭い思いをしてるのを知ってるから、その笑顔を見るだけで胸が締め付けられる。
ラミィ「はぁ……」
>中庭の端にある訓練場からの帰り道、恒例になったため息をつく。雪の一族が統べるユニーリア王家の二女として生まれた身ながら、ラミィは氷魔法が使えない。
>何回やっても氷としての形にならず、水魔法になってしまう。魔力量は自信があるのに、コントロールが上手くいっていない。お父様は国王でありながら偉大な魔術師で、勿論氷魔法が十八番なのに、ラミィがこんな状態なせいで、お母様と他所の男の人との不義の子なんだ、なんて言われて学校でいじめられることもある。
>ラミィとお母様両方を同時に貶める悪口は、心の奥深くに刺さって消えない傷を増やしていく。どうしてラミィは氷魔法を使えないの?どうしてこんな目に合わなきゃいけないの……?
>終わりのないマイナス思考のループに陥りかけたとき、ラミィ専属の護衛で数少ない友達の1人の獣人……ししろんが王座の間から出てきたところに出くわした。
>お父様が即位するまでのユニーリアは、エルフ至上主義でかなり閉鎖的な国だったらしいのだけれど、お父様が積極的に他種族や他国の人たちを受け入れて、能力のある人は重用するような国になった。
>おかげで、ラミィはこの気さくで心強い友達と仲良くなれたんだ。
ぼたん「ラミちゃん、顔が死んでるよ?今日も上手くいかなかった?」
ラミィ「ほんとししろんは遠慮ってやつがないよね」
ぼたん「それがいいんでしょ?」
ラミィ「そうだけどぉ、慰めてほしい時だってあるんだよ?」
ぼたん「オーケー、でもその前に、王様が呼んでるから王座の間に寄ってもらえる?」
ラミィ「お父様が?わかった。」
>ししろんが大げさな動作で大扉を開き、ラミィを中に誘う。
>王座の間はお父様以外にも国の重鎮といえる人達が集まっていて、何か重要な話し合いをしていたみたい。
>ラミィも気を引き締めて、スカートの裾を持ち上げながら挨拶する。
ラミィ「ごきげんよう、お父様に大臣の方々。ラミィにどんな御用ですか?」
王「ああ、変わりないよ。愛しのラミィ……今日はね、お前にやってもらいたいことがあって呼んだんだ」
ラミィ「やってもらいたいこと……ですか?」
>なんだろう?ラミィに出来る事ならいいんだけど……
王「ここ最近、魔物たちの動きが活発になってきているのは知っているな?」
ラミィ「はい。なにやら魔王が復活しただとか、そんな噂を聞いたことがあります」
王「その通りだ。先ほど騎士の国の使者がやってきてな、バラバラだった魔物たちが最近、徒党を組んだり高度な戦術を展開するようになってきたらしい」
王「彼らがいうには、強力な魔物たちの指導者が現れた可能性が高いそうだ。魔王でないとしても、それに近いほどの驚異的な力を持つものかもしれない」
>だから周囲の皆さんも緊張した面持ちなのだろうか?ユニーリアは魔法技術に優れてはいるものの、国防力としては決して高い国じゃない。
>もし、魔物の軍団が攻めてきたら、かなりの被害を受けてしまうのが容易に想像できてしまう。
王「それでな、我々は国に伝わる秘術、『アラメシアの儀』によって我々を救ってくれる勇者を召喚することにしたのだ」
ラミィ「『アラメシアの儀』……?それに勇者って……」
王「かつて、ユニーリアは長い歴史の中で、何度か滅亡の危機に瀕したことがあった。その時、まったく異なる世界から高い戦闘能力や才能を持った者をこの地に召喚し、その力を存分に振るってもらうことで国難を逃れてきたのだ」
王「そのための儀式が『アラメシアの儀』であり、その儀式を執り行うのは、高い魔力を持つ清廉な処女でなければならない。だからこそ、ラミィ。お前に頼みたい」
>確かに、お姉様は他国に嫁いでいるし、お兄様はそもそも男だ。清廉かはともかく、ラミィは魔力量に自信はあるし、まだ処女でもある。
>それ以上に、ラミィがユニーリアの、お父様の力になれることが素直にうれしかった。
ラミィ「わかりました。それが今のラミィがユニーリアの為に出来ることなら、全力で取り組みます」
王「よく言った、それでこそ我が娘よ。儀式は3日後に行う。それまで修行や学業は中断し、英気を養うといい」
ラミィ「心配には及びません。ラミィは1日でも早く一人前の魔法使いになりたいのです」
王「その意気はよし。だが、国の今後を左右する儀式なのだ。万全の体調で挑んでもらいたい。ぼたんよ、ラミィが勝手に学院に登校したり、魔法の訓練を行わないように見張っておいてくれるか?」
ぼたん「畏まりました。しっかりと見張らせていただきます」
>お父様の言いたいことはわかるが、なんだかもやもやする。普段通りにさせてくれたっていいじゃないか。
王「そうむくれるな、その代わり、勇者の旅の同行をお前に頼もうと思っている」
ラミィ「ほ、本当ですか?」
>そう、ラミィはししろんの話や文献の情報から、ユニーリアの外の世界に興味があった。
>ずっと冒険してみたいと思っていたのだけれど、ラミィには立場がある。叶わない夢だと諦めていたのだけれど……
王「ああ。勇者がラミィを預けるに値する人物だとわかれば、喜んで送り出そう。ぼたんと共に行くがいい」
ラミィ「ありがとうございます!全力で頑張ります!」
王「もう下がってよい。ちゃんと言いつけを守るのだぞ」
>お父様と大臣の方々にお辞儀をして、王座の間を出る。すると、すぐにししろんが肩を組んでくる。
ぼたん「やったじゃん!ラミちゃん、ずっと外に出たがってたもんね」
ラミィ「うん!儀式をがんばって、絶対旅に出る許可をもらうんだから!」
ぼたん「その為に、しっかり休もうな。その方があたしも楽だし」
ラミィ「わかってるって!」
>それからあっという間に時間が経ち、とうとう儀式の日の本番になった。
>城の地下、王族とその護衛しか入れない秘密の部屋で、『アラメシアの儀』を始める。
>お父様とお母様、そしてししろんが見守る中、古文書通りに杖を振り、舞いながら魔法でゲートを構築していく。
>過去の『アラメシアの儀』では氷魔法によってゲートを作っていたらしいけど、ラミィにはそれができない。
>だから代わりに水魔法で作り上げる。氷で作れないなら、せめて豪華で綺麗なゲートを。
>集中して魔力でゲートを構築していくと、お父様が感嘆の声を漏らしてくれる。
王「まさかこれほどとは……氷にならないだけで、十分に魔力をコントロールできているではないか!」
妃「ええ、だから私は単純に氷と相性が悪いだけなのではないかと……」
>やがて、ラミィが作ったゲートが完成した!呪文を詠み終えると、綺麗な鏡面のようになっているゲートの内側が波打ち始める。
ぼたん「なにか来ます!」
>そのゲートから出てきたのは、黒髪でツンツン頭の、見慣れない服で左腕に何かの装置を付けている男の子だった。
>これが、ラミィと遊児君の、最初の出会いの瞬間だった。
少女は少年に出会い、世界を救う冒険の幕が上がる。
奇跡の出会いは、やがて大きな渦となってこの世界を変えていく。
次回、少年少女の英雄譚②
決闘スタンバイ!
これは終わりのはじまり。
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